2021年8月11日水曜日

題「パラスポーツ」

硯箱音を入る鶯今いずこ
残る蝉木洩れ日受けて通過点
秋風と戯れるキレンゲショウマ
秋の山川と田んぼと美波町
滴りや名もなき滝へと流れ変え

NHK短歌 題「パラスポーツ」
選者 佐佐木頼綱さん ゲスト 初瀬勇輔さん

冒頭の短歌
ハンドリム漕げばわが頬打ちてすぐ光は匂う立夏の朝(あした) 
佐佐木頼綱

畳の上、薄明のなか襟掴む相手の心のみを見つめて 
初瀬勇輔

今週のお気に入り
くるくるとリズムにのせて風を切る車輪の足と夏を駆けだす 
静岡県静岡市 春ひより
それぞれを受け止めて水は「掻いてみろ」「進んでみろ」と語りかけくる 
福岡県福岡市 犬山裕之
隆起する上腕が風を切り裂いて三輪レーサー海沿いを行く 
大分県大分市 梅鶏
静寂と歓喜を行ったり来たりするゴールボールの丸き鈴の音 
宮崎県新富町 門田祥子

選者のお話 
テーマは「スポーツと日常」
繰り返し伝えた思いの分がありふわっと熱い点字のピクト 
田口亜希

頼綱さんの!短歌かかってきなさい!
見えぬこと肯定をする十万の拍手の雨だパラリンピックよ 
星野真里・カン・ハンナ組

こもりくの初瀬勇輔くぐりゆくいまトリノス(北京国家体育場)の拍手の海を 
佐佐木頼綱

私的纏め
直接的な言葉は避け、間接的にそれと 
わかるようなテクニックが必要と思いました。

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