2021年8月31日火曜日

塾長の俳句

保津川を下る人あり応挙忌よ
秋の日や心と時間を繋ぐ土
項垂(うなだ)れる稲を強打す秋の雨
咲くへちま行き交う車を見送らん
秋暁や前に進めず立ち止まり

■夏井いつきの「いつき組日誌」 より
みにくいアヒルの子色のバスタオルに裸子   いつき 
音といふおと雪となるしずかな音 
突然の風を立夏と名付けたり
春の鳥くればもてなす用意あり

■夏井いつきチャンネルより
金玉と呼ぶにはいとけなき涼しさ   いつき
長閑かな赤子の尻の穴眺め

■夏井いつき俳句チャンネル
【凡人脱出】コメント欄から凡人を脱出した発想をご紹介します
夏休み俳句の補習

夏休み□□□□亀にえさをやる
群がる
子どもの亀に 二匹の亀に
乾いた
古代の 年寄り亀に ジジイの 
カミツキガメ
社長の 彼氏の 旦那と
無断で
亀の様子・人物の存在・状況の要素
長くて も終わりだ
紹介したこれらは凡人を抜け出してる。と、塾長!
絵画の 自作の
双子の 夏休み若き双子の亀にえさ
夏休みくっさい亀にえさをやる
(リアリティとオリジナリティがこの「くっさい」にある。)

亀の様子を語った四音 夏休みいかつい亀にえさをやる
自分の様子を語った四音 夏休みこわごわ亀にえさをやる
時間帯・時間の情報が入れた四音 夏休み朝から亀にえさをやる
人物「どんな人が」という四音 夏休み校長亀にえさをやる
状況を入れた四音 夏休み別れる亀にえさをやる
場所を入れた四音 夏休み歯医者で亀にえさをやる
発想の糸口はどんな時にも使える
これで凡人脱出はできるとか…。
そうかなぁ~と疑問がふつふつ渦巻いておりまする…。

2021年8月30日月曜日

マイルス・デイビスとマザー・テレサとロベルト・ゴイズエタ

槇原へエールよ届けほしづくよ
渇望を持ちて進まん天の川
秋の蝉晴れて一斉唸り出す
秋霖(しゅうりん)や昭和のスターまた一人
秋の虫全ての新芽食べ尽くす

Miles The Auto biography より
マイルス・デイビス 曰く
「確か6歳か7歳の時だ。
 夜道を歩いていたら
 突然、森の中から音楽が聞こえてきた。
 男と女が語り歌っていた。
 特に女の歌声は凄かった。 
 その女の歌声が
 俺の血の中に入り込んだんだ。」

マザー・テレサ 曰く
「昨日は去りました。
 明日はまだ来ていません。
 わたしたちにはただ今日があるのみ。
 さあ。始めましょう。」

ロベルト・ゴイズエタ 曰く
「過去10年間のやり方が
 今後10年間も通用すると思っていたら
 大きな間違いだ。
 成功し続けるためには、
 現在を壊すことが必要になる時が必ず来る。」

2021年8月29日日曜日

周防正幸と石原加受子と処暑

横たわる落石倒木秋出水
白驟雨(はくしゅうう)ベンチで遊ぶ猿と猿
橋がない道は削られ秋出水
猪が闊歩する道秋黴雨(あきついり)
秋出水路面損壊橋までも

周防正行 曰く
「実際に行動することによって、
 人はどんどん変わっていきます。
 失敗して自信をなくしたり落ち込んだりすることで、
 人は強くなっていく。
 日常生活は裁判所ではないのですから、
 いちいち結果など出さなくてもいいのです。」

石原加受子 曰く
「感情を抑えようとするのは間違い。
 『平気なふり』では前に進めない。」

一分季語ウンチク 「処暑」
手紙の書き出しなどに使うものとして
目にしたこともあるかもしれませんね。
この「処暑」二十四節気の一つでございます。
このシリーズでも七十二候の話もしたと思うのですが
一年を24個の区分に分けた時の一つの区切り
これが二十四節気なわけでございます。
二十四節気を3つに分けたのが七十二候です。
この「処暑」は二十四節気立秋のあと15日後ぐらい
だいたい8月22日ですね。
今年は処暑にあたるということでございます。
この処暑をさらに3つに分割した
七十二候一つ目が綿柎開(わたのはなしべひらく)
二つ目が天地始粛(てんちはじめてさむし)
三つめが禾乃登(こくものすなわちみのる)
という七十二候で構成されています。

2021年8月28日土曜日

宿題で一句

秋旱失業給付の停止かな
追いつかぬテーパリングよ秋湿り
米の秋富裕層からまた搾取
秋の潮キャピタルゲインで荒れる株
秋の色米経済の独り勝ち

プレバト纏め 2021年8月26日
宿題で一句

永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
白秋や漢字ドリルに書く名前
添削(季語白秋で人生の秋を感じさせる。)
漢字ドリルに白秋の我が名記す

村上健志
エンターキー中指で押し涼新た
(「で押し」の叙述の是非。評価が別れる句。)

森口瑤子
噓ばかり綴る絵日記カンナ咲く
添削(「綴る」「咲く」という2つの動詞の効果、の是非。
   季語が脇役になっている。)
カンナは緋なり絵日記は嘘ばかり

1位 瀧川鯉斗
歩きつつ噺の稽古月涼し
「月涼し」は夏の季語。

2位 尾上右近
初秋や返し忘れしペンと恋
アドバイス(「さぬ」「せぬ」の違い。)
初秋や返さぬままのペンと恋
初秋や返せぬままのペンと恋

3位 犬山紙子
血を細く指先紙で夏醒める
添削(語順が悪く意味不明。)
紙で切る指やその血に醒める夏

4位 安藤美姫
まばゆくは学びし瞳ひまわりや
添削(意味不明。)
ひまわりの瞳まばゆし学ぶ日々

次回のお題は「実家の柱」

2021年8月27日金曜日

写楽とは

アルファからデルタ・ラムダへ変異せん(無季句)
家庭内感染激増テレワーク(無季句)
独りぼち土々呂の滝へ秋暑し
秋一人インク滲みてささくれて
秋霖や湖のごと駐車場

にっぽん!歴史鑑定
「2人の天才浮世絵師 歌麿と写楽」

東洲斎写楽について

穿(うか)ちでした…。
表には見えていない裏の事情に精通している事。
役者の表の顔ではなく裏に隠れている本質を炙り出そうとしました。
綺麗に化粧をしているが、よくよく見ると男っぽい…。
滑稽で、哀愁が漂っています。

喜多川歌麿 曰く
「わるくせを似せたる似つら絵にはあらず」

東洲斎写楽とは何者か?
① 葛飾北斎(勝川春朗の名で役者絵を描いていました。)
② 丸山応挙
③ 山東京伝
④ オランダ人

寛政6年(1794)5月~寛政7年(1795)1月 
活動したのは10か月でした。

狂歌師 大田南畝 著した「浮世絵類向」には
「歌舞伎役者の似顔を写せしが、あまりに
真を画かんとて一両年にして止む。」と、記されています。

その後、「浮世絵類向」は複数の人物が加筆。
天保15年(1844) 斎藤月岑(げっしん)
写楽の俗名は斉藤十郎衛
居 江戸八丁堀に住す
阿波候(蜂須賀家)の能役者也

平成9年(1997)今日山 法光字の過去帳の中に
「八町(丁)地蔵橋阿州(阿波)殿御内阿波十良(郎)兵衛事」
と記載されていたことが解かったそうです。

「東洲斎写楽は斉藤十郎衛」が現在では有力だそうです。
日本版ロートレック「写楽」ますます好きになりました。

2021年8月26日木曜日

高倉健への相聞歌 森敏子 と 文田聖二

残る蚊の一撃かわし叩き込む
鳥渡る手を振る子らの笑い顔
秋渇き弱者を襲う獣をり
勝浦を低空飛行夏の鷺 
青き空荒廃放置秋遍路

兄、高倉健への相聞歌 俳人 森敏子
句集「飛花落花」(文学の森)2020年出版

炎天の漢(おとこ)を強く記憶せり

薔薇枕添ひ寝の枕低くして

女にも武士道ありし白菖蒲

癒ゆる日のカサブランカは胸に棲む

さくらさくらあなたへ幕は降ろせない

寒涙や白骨(ほとけ)濡(ぬ)らしてはならず

山々の桜吹雪の哭(な)いてをり

はしなくも兄を想へり蛍の火

高倉健さんは「都忘れ」がお好きだと
「徹子の部屋」で言っておられたのを
記憶していたのですが…。


文田聖二氏 曰く
「世界の中で、日本人は絵が上手い民族。
 日本文学も俳句もビジュアル的な言語。
 生け花も茶道もビジュアル的な文化。
 日本の文化は映像文化。
 日本人はビジュアル人間。
 ビジュアルを巧みに操る民族。
 だから日本アニメや漫画は世界から支持される。
 そのDNAをもっと教育や仕事に活かすべき。」

「気づきが増えてくるほどに人に対しても
 物事にも丁寧に接するようになり、
 時間も大切にしていく。
 ぼ~っとしている時は、考えないで感じている。
 何でもよく観たり感じたりするようにして
 五感を磨く習慣がついていくと感動することが増える。
 それは日常の中の奇跡に気がついているということ。」

2021年8月25日水曜日

最後の講義 漫画家 西原理恵子

パンの香目覚ましとする秋渇き
リュウキュウムラサキ海陽町へ風に乗り
3時間連なる蓮をポタリング
長き夜やワタガシペアに胸がキュン
秋霖や「止まない雨はない」と言う

最後の講義 漫画家 西原理恵子
もし今日が最後なら何を伝えたいか

どん底から這い上がる絶頂と隣り合わせの絶望
そして突き抜けた世界
◆棺桶にクギ
大学受験の日 父が自殺
人の命なんて平等じゃない
もしそこが嫌なら逃げてください
帰らないそう決めたらそれがあなたの人生の頑張りの元になる
◆ミニスカパブとエロ本
プライドがないから撤退が早い
最下位には最下位のやり方がある
好きな事が見つかれば何をするかは解かる
プライドで飯は食えないし一流でなくていい
自分のやりたいことでどうやって稼ぐか
◆駄目な男とエビフライ
別れるにはお金が要ります。
必ず仕事と貯金をそして男捨離
◇中瀬ゆかり女史 西原理恵子を語る
偏ったセンスと知識の融合。豪快且女を捨てない。
◆恋愛の罠と裏切り
過去の男に赤ペン 漁場を変える
女の一途は駄目!マイルドやりまんで行こう
二股三股かけてみる
◇ゲージュツとお金
米と味噌が買えなきゃ生きて行かれない
商売人として阿(おもね)る。優先順位一位は金
◆嘘つく人生
クリエーターはプロの噓つき
◆人は壊れる
アルコール依存症とかDVは理性が吹っ飛ぶ
弱いもの(女、子供、年寄り)に向かう。
夫は獣になった
◆底付きと気付き 家族は捨ててあげる
家族は助け合わなくて良い
鴨志田穣(ゆたか)さんが亡くなった時、子供たちが
最初にしてくれたことは私を笑わせることだった。
神様!私に子供をありがとう…。
◆そして突き抜けた世界。女のバトン
長女が高校生になり卒母宣言。
何回生まれ変わっても女がいい。

自分の幸せは自分で築く。
どんな時も人生の舵取りは必ず自分で
誰かの幸せの為に我慢しないで…。

やっていけない事はない。
嘘も思い遣りの為につく嘘もある。

ガラスの天井問題の解決は起業しよう!
NO!を言おう。正しい社会に変革しよう。

私は嘘で笑わせ続ける。
他人を笑わせる職業につけたことに感謝。
もっと大きな嘘をつこうと思っている。
下品な事を言っていこうと思う。

女はステージごとに面白い人生が待っている。
早くその面白さを見つけよう。

ウエストと引き換えに何もない自分に戻りたくない。
今はウエストのないパラダイス!
ウエストのない世界は楽しい!太ってください!

最後の色紙の言葉は「やり逃げ人生」でした。

西原理恵子女史の人生に乾杯!幸せな人生を…。

2021年8月24日火曜日

題「ファミレス」

秋の夜切磋琢磨と競争と
初茸や傷つきやすし人のごと
芋洗ふ土間の外では子の喧嘩
亡母への思いを吐き出ししけ寒
止まぬ雨泥にまみれるふくれ草

NHK短歌
選者 佐伯裕子 ゲスト 濱田龍臣 小澤愛美
題「ファミレス」

冒頭の短歌
暮れるまで子と居座りしレストラン赤い雲雀の屋根やさしかり 
佐伯裕子

お気に入りの入選歌
数々の別れ話を聞いてきたファミレスの隅のソファのひび割れ 
東京都練馬区 音羽凛
ファミレスの床に眠れる盲導犬シフォンスカートの裾に触れつつ 
東京都北区 柚月杏子
お昼時客待ち名簿その紙にいつかあなたの苗字書きたい 
名古屋市立緑高等学校 佐藤穂香

「短歌の基礎」風景や動作の描写。
例歌
入り来たるファミリーレストランに剥製の熊が立ちおりふたつ並びて 
落合けい子

入学式君をみつけた体育館ほほ笑む君に炊きあがりました
井戸田潤

今日のポイント
風景や動作の描写 歌をまとめない

順番に案内された端の席心の中拳をあげる
小澤愛美

ドリンクバー近くにみんなで陣取って教科書開いて試験勉強
濱田龍臣

かき氷いちごとメロンを母親と眉間にしわ寄せ食べ比べてく
小澤愛美

父親と芋焼酎を酌み交わすオリンピックを酒の肴に
濱田龍臣

2021年8月23日月曜日

兼題「枝豆」

秋湿り草の溜息聞こえそう
白驟雨心に黴が生えてきた
蜩や未明の報せ一段と
庭木刈ることもなくなり空地かな
競うこと好む人あり秋の雷

NHK俳句
選者 櫂未知子 ゲスト 田中要次 司会 塚地武雅
兼題「枝豆」

枝豆は秋の季語
大豆のまま充分に熟さない青い豆を塩茹でして食べる。
枝のまま出すので枝豆という名前がついた。

お気に入りの宿題
新涼や十六色の絵の具買   塚地武雅
(秋の声は山野に置きたい、自然の中で使いたい季語)
枝豆を片手に野望語りけり   塚地武雅
東京の銘菓供へし墓参   塚地武雅
今年から母と向き合墓参かな   田中要次
新涼や湯気に息づくおくどさん   いとうまい子
馬鈴薯のくぼみに残る大地かな   いとうまい子

お気に入りの入選句
枝豆や湖上に停まる船静か 岩手県盛岡市 工藤陽子
枝豆へ伸ばしたる手の触れ合はず 東京都武蔵野市 金井憲一郎
曳舟のゆっくり二艘月見豆 兵庫県神戸市 中村起一

「俳句ニ歩目へ」。勘違いされがちな季語。
朝顔、西瓜、七夕、蜻蛉、苦瓜は秋の季語。

「俳句ドリル」
放課後にオルガン響く初秋かな   いとうまい子
あざやかな幟の揺るる初秋かな   櫻井紗季
我一人櫃(ひつ)まぶし食ふ初秋かな   塚地武雅
傍らに猫まろびたる初秋かな   田中要次
窓枠に埃溜まる初秋かな   マネージャー

2021年8月22日日曜日

大人の凡人脱出

天の川連なる奇跡との出会い
文月や五感を磨きて癖とする
八月や命助けて何とする
富弘の茗荷の花を抜くヘルプ
馬鈴薯とベーコン重ねチーズ載せ

夏井いつき俳句チャンネル
【大人の凡人脱出】
データで紐解く、大人の凡人あるある脱出作戦を始めます

感情を表す動詞・形容詞、偲ぶ・思う・恋しを
書いたら立ち止まりましょう。
凡人パーツとしては、無人駅・秘密基地・観覧車・水琴窟。
上記いれる時は相当考えないといけない。
これらは注意深く使わなくてはいけない。
五音の季語(夏草や・秋風や)+故郷偲ぶ(恋し・思う)+無人駅
故郷を父母へ、旧友へに変えても同じ…。
凡人ワードだけで構成されていると凡人から這い上がれない。
俳句を「才能才能」という人もいるけれど
才能が影響してくるのは俳句の世界のてっぺん近くまで行くと
ここら辺でやっと才能が関係してくるので
そこまでの長い道のりはほぼ作戦なのです。
上五に五音の季語を置いておいて
最後「無人駅」で着地する、中七勝負を練習してみませんか。

2021年8月21日土曜日

蜩で一句

自然薯や小さきハートに守られて
葉鶏頭茎も確り育ちをり
雨の止む眉山上空揚花火
瞬間を匂いにたくす揚花火
遠花火その一瞬が切り取れず

プレバト纏め 2021年8月19日
蜩(ひぐらし)で一句

永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
蜩の声かけ流す湯殿かな
(「かな」とは相手に判断を委ねるという意味合いがある。)

特待生昇格試験
千原ジュニア
蜩に金属バット協奏曲
添削(下五「協奏曲」という比喩が陳腐。「に」は散文的。」)
蜩や金属バットの音かすか

立川志らく
今日も空蝉を拾らうだけの朝か
(「も」「だけ」「か」という助詞で人物像が描けている。

1位 勝村政信
殻破る閃閃秋の朝つれて
(閃閃とは「ひらひらする感じ」「キラキラする感じ」
語順も正しい。季語「秋の朝」を主役としている。)

2位 高木晋哉
はずれ棒タクト振る空ひぐらし楽し
添削(目の付け所が良い。動詞は不要、助詞で解る。)
はずれ棒タクト蜩の空

3位 峯岸みなみ
蝉の声父の背中に隠れんぼ
添削(蜩は秋の季語、蝉は夏の季語。背中と隠れんぼは稚拙。)
蝉の声怖くて父の背に隠る

4位 高橋真麻
カラカラと蝉の抜け殻秋の風
添削(「蝉の抜け殻」は夏の季語、「秋の風」と季重なり。
   「秋の風」を残すのならば、「蝉」を削り「抜け殻」だけを使う。)
カラカラと蝉の抜け殻朝の風
カラカラと蝉の抜け殻山の風
抜け殻のからから秋の風白し

次回のお題は「宿題」

なぜ私がここまで俳句に嵌ったのかが解りました。
俳句は演じたり、陳腐を嫌うからだったのではないかと…。

2021年8月20日金曜日

菜根譚と小林正観と七夕

風の吹く群れる桔梗やそれぞれに
蚯蚓(みみず)鳴く無駄が人を育まん
芳香な存在感を持ちて桃
秋黴雨(ついり)山から下りて鳴く烏
秋霖や齎す被害「かつてない」

一分季語ウンチク 七夕
七夕関係のいろんな催し物でありますとか
商店街が飾りつけられたりといったことは
現在でいう7月7日に行われていることが
多いと思うんですが、実はこの「七夕」と
いう季語は秋の季語になっております。
陰暦7月7日の夜に牽牛星と織女星が
1年に一度だけで会うことが許されるということで
こういった行事が始まったわけでございます。
もともとは中国の伝説が奈良時代に伝わってきて
平安時代には宮廷行事になっていった
ということのようでございます。
現代の季節感ともともとの季語の季節感が
少し食い違っているところもあるんですね。
あくまで七夕は秋の季語として句を作ってみましょう。

菜根譚 曰く
「小人(しょうじん 君子の反対語)からは、
 むしろ憎まれたほうがよい。」

小林正観 曰く
『「溺れたくない、泳ぎたい」と思っていると
 なかなか浮かばず沈んでしまう。
 けれども全身の力を抜き
 「もう好きにしてくれ」と流れに身を任せた瞬間に
 浮かぶこともある。』

2021年8月19日木曜日

八月とは

常識に纏わりつかれ秋暑かな
天高し文句言ったり言われたり
納戸には思い残せし秋の蚊帳
玄米に鳩麦ほの香秋の朝
秋暑し窓の雨風打ち砕け

夏井いつき俳句チャンネル
【季語】「八月」という季語を分析してみましょう

八月は文月とも呼ばれることがあります。
八月は陽暦、文月は陰暦になります。
八月がなぜ難しいかと言うと
八月の初旬の辺りで立秋が来ます。
子規さんも「八月」という季語で
俳句は作っています。
八月の太白(たいはく)低し海の上   正岡子規
太白とは金星のことだと読むのが妥当です。
中国では金星のことを宵の明星・明けの明星と言います。
また、太白星とも呼びました。
初秋に入って行った夏の暑さの名残もあるのだけれど
その感じを映像として切り取っている。
「八月」という季語が複雑になってきたのは
明治から昭和に入ってからなのです。
お盆の魂の行き来みたいなイメージはあったのですが
昭和の第二次世界大戦が昭和20年、
原爆のこともあって、お盆のイメージと合わさり
更に生き死にだったり魂だったり…。
こういった印象が季語として強くなってきました。
歴史的な変化と言うか、背景を背負っている訳です。
八月と言うと広島、長崎の原爆、8月15日の終戦が
これらが繋がって八月と言う季語に乗っかってきた。
1年の中で一番人の生きること死ぬことを考える
テーマを持った季語となりました。
八月を送る水葬のやうに   川崎展宏(てんこう)
八月は日干しの兵のよくならぶ   筑紫磐井(つくしばんせい)
八月と言う季語が新しい意味を持ち始めている。
ひと月ずつ捉えながらその月はどういう月なのか
これを丁寧に分析していってみると興味深い。
ひと月ずつ検証してみてはいかがでしょうか?

と言う事でした。

2021年8月18日水曜日

題「表情」

糠床の茄子の輝き沈めたり
残り蝉あぢぃあぢぃと叫ぶ朝
秋の雨洗濯物を濡らしをり
暗き朝立秋過ぎて梅雨のごと
窓を開け雨音を聞く夜長かな

NHK短歌 題「表情」
選者 大森静佳さん ゲスト ハリー杉山さん

冒頭の短歌
見たこともないのに思い出せそうなきみの泣き顔躑躅の道に 
大森静佳

ハリー杉山さんは1985年生まれ 
イギリスで育ち4か国語に堪能。
万葉集がお好きだということで好きな和歌の紹介がありました。
君が行(ゆ)き日(け)は長くなりぬ山たづね迎へか行かむ待ちにか待たむ 
磐之媛命(いわのひめのみこと)

ハリー杉山さんのお気に入りの和歌に刺激され詠んでくださいました。
魂にバネがあるから青空の甘さがわかる届かなくても 
大森静佳

今回のお気に入り
こすずめはこすずめのような顔をして白詰草のなかにおりたり
宮城県仙台市 小室寿子

生き延びるための笑顔だ右目には月を左目には隕石を
新潟県十日町市 砂埼柊

全身が輝くように笑うから背中コシでも笑顔がわかる
京都府京都市 高塚美衣

「今読みたい短歌」で紹介された短歌
バースデー・ソングは歌い出す前の表情さえもバースデー・ソング 
谷川由里子

「大森先生のポイントで改作!」
テーマは「一度きりの表情を描こう」
元歌
顔に出る怒りの相を押し込めてチーズケーキにフォーク突き刺す
「相」を変えてみる
選者は「眉間」に変えてみました。
改作
ふつふつと怒りを眉間に溜め込んでチーズケーキにフォークを突き刺す
(感情のありかを特定し、物理的な実感を表現する。)
(感情のエネルギーを外から見てみよう。)
怒りに少し泡立つ顔をさらしつつチーズケーキをぐしゃぐしゃにした
(感情を物の様子で表す。心の「痛さ」を物に託す方法も…。)
(もう一人の自分の視点で見る。)

今日のメッセージは表情を描くには実感・体幹を掘り下げようでした。

2021年8月17日火曜日

兼題「天の川」

(2021年)秋暑し疑心暗鬼のカレンダー
中途半端な自粛強いられ秋暑かな
秋風や母が反面教師なの 
ギリシャ文字変異するごと盆の波
ヨーグルト梨を浮かべて朝の風

NHK俳句 兼題「天の川」
選者 岸本尚毅さん ゲスト 加納愛子さん

冒頭の俳句
天の川昭和の猫は死に絶えて   岸本尚毅

加納愛子さんは自由律俳句に衝撃を受けられ
尾崎放哉に嵌っておられるそうです。

テーマ「俳句と想像力」
今回は「悠久や永遠を想像する」
荒海や佐渡に横たふ天の川   芭蕉(奥の細道)
天の川禽獣の夢ちらかりて   飯島晴子

今回のお気に入り
その日まで草刈りをする天の川 静岡県浜松市 林吉介
天の川両手広げて我沈む 兵庫県川西市 大東美智子

「銀河」の例句をご紹介くださいました。
わが終り銀河の中に身を投げん  高浜虚子

虚子が銀河を詠んだ俳句
(前書「7月23日夜12時、蚊帳を出て雨戸を開け、銀河の空に対す」)
虚子一人銀河と共に西へゆく
銀河中天老の力をそれに得つ
銀河西へ人は東へ流れ星 
西方の浄土は銀河落るところ
昼は机に向ひ夜は銀河に対す
我が思ひ殊に銀河は明らかに
なつかしの戸閉める隣月更けて

岸本教官の添削道場

減便の銀河に一機遠機影
添削
減便や銀河に遠き一機影

誰ぞ呼ぶ銀河の電波受信せり   中田喜子
添削(誰を我もしくはサツに変えてみると面白い。)
銀河より来たる電波やを呼ぶ

天の川後部座席流れけり   Aマッソ加納愛子
参考(驚きからつまらなくしてみた。私だったら「へ」とします。)
天の川後部座席流れけり

2021年8月16日月曜日

怖~い俳句酒場 スナックいつき

大文字規模縮小で受け継がれ
秋の蝉なにをそんなに悶えをる
秋の芽や鉢に居座り刈り取られ
糠床に眠るオクラや明日の朝
秋の蝉鳴くだけ鳴いて仰向けに

怖~い俳句酒場 スナックいつき
稲妻に道聞く女はだしかな   泉鏡花
泉鏡花は明治・大正時代の小説家 神秘浪漫的な作風

伽羅匂ふ口百物語終えてより   中町とをと
百物語 夏の季語。百の怪談を語り合う。
全て語り終えると暗闇に化け物が現れるとされた。
伽羅とは高級な香木の一種。
亡き主人は香を食すということを知っておくべきこと。

梁(うつばり)の見えておそろし夜半の冬   原石鼎(せきてい)
原石鼎は風物を鋭い感覚で格調高く表現。
梁とは建物の屋根を支える「はり」のこと。

朽ちた朱が日よけた穴に脈を打つ   壇蜜
まんまるのコウモリ眺めるやせ仏   関取花
コウモリは夏の季語

流燈や一つにはかにさかのぼる   飯田蛇笏
流燈とはとうろう流しのこと。

ある日妻ぽとんと沈め水中花   山口青邨
説法聞く耳より冷たきもの何か   夏井いつき

小野文明さんおとなしすぎ…。
存在感なしでしたよ。
ひょっとして嫌がっていたのかしら…?(笑)

2021年8月15日日曜日

8月の正岡子規

秋来たる抹茶の香(こう)と雨の香(こう)
亡き人へかける言葉よ秋の色
現実に弄ばれて蚯蚓鳴く
現実を受け入れられず盆の月
琴線に触れた旋律秋夕焼

夏井いつき俳句チャンネル
【8月の子規】
8月の暑さを子規はどう表現したのか
8月は晩夏から初秋へと切り替わっていくタイミング
子規の「暑さ」「暑し」の表現について分析!

痰吐けば血のまじりたる暑哉   正岡子規
俳句は美しいものとか格調高いものだけではない。
病状がどんどん進んでいく頃の句は
非常に生々しくリアリティに富んだものが多い。

猶熱し骨と皮とになりてさへ   正岡子規

暑さは温度というのが基本的な捉え方なのですが
この季語は心情としても使えなくもない。
次の句は病中と言う前書きがついた上で書かれた句です。
病中 ぐるりからいとしがらるる熱さ哉   正岡子規

風生と死の話して涼しさよ   高浜虚子

上記の子規の俳句は明治36年に作られたもの。
下記は不詳の俳句だとか…。
生きてをらんならんといふもあつい事   正岡子規

腹中にのこる暑さや二万巻   正岡子規
上記のエピソードが
秋田の「俳星」と言う俳句誌に掲載されていたそうです。
島田五空宅が焼けた火事見舞いだったとか…。
本好きな人間にとって二万巻が
灰と化すことを想像するだけで
まさに腹中渦巻く残暑だったそうです。

暑さのバリエーションもたくさんありました。
気候の暑さ、実際に感じる肌身の暑さ
それから心理的な暑さなど使い方があります。
子規さんは巧みにこの季語を使っていたようです。

ただ8月も立秋過ぎたら、もう秋になります。
今年の立秋もおさえてください。とのことでした。
2021年は8月7日でした。
もう秋なんですよね…。
梅雨みたいだけど…。

2021年8月14日土曜日

打ち上げ花火で一句

二つ星宙では会えているかなぁ
お中元LINEのお礼既読せり
生まれた日から見守る月よ桐一葉
青く霞んだ秋月の帰り道
秋蝉よキューブ浮かべて抹茶の香

プレバト纏め 2021年8月12日
俳句名人・特待生昇格降格一斉査定SP
打ち上げ花火で一句

永世名人のお手本
梅沢富美男
火をまとう遠州男児筒花火
添削(迫力という点で損!)
火まみれの遠州男児筒花火

東国原英夫
音なき音や八月の遠花火
(八月と言う季語をよく理解している。)

特待生昇格降格試験
千原ジュニア
手花火の火に手花火と手花火を
(助詞「の」「に」「と」「を」の是非!
 助詞の集大成。完璧に把握している。
 特に「を」が良い。)

中田喜子
まなざしや句読点なき恋花火
添削(中七「余韻や」の詠嘆の是非!
   句読点を入れるという裏技をご披露してくださいました。)
まなざしや句読点なき恋花火

松岡充
大煙火(だいえんか)五臓六腑を鷲掴む
添削(あえて「煙火」を選んだ是非!
   俳句の常識的表現の1つを掴み取ってしまった。
   大煙火は煮炊きの煙と火、のろし、花火の意味がある。)
大花火五臓六腑を鷲掴む

森口瑤子
花火果て電車空く間のデンキブラン
(「果て」~「空く間」の時間経過の表現の是非!
 時間感覚が絶妙!)

河合郁人
制服のキスの余韻や揚花火
添削(中七「余韻や」の詠嘆の是非!
   発想がべた!季語を主役に立てないといけない。)
制服のキス揚花火いまひらく

次回の兼題は蜩(ひぐらし)です。

2021年8月13日金曜日

兼題「ばった」

寒蝉(かんせん)鳴く隣県からの来客
極楽寺マスク姿の秋遍路
ぬか床にオクラ寝かせて待つ時間
手花火や父母の喧嘩と黙然と
若き男に群がる老女花とり日

NHK俳句 兼題「ばった」
選者 鴇田智哉 ゲスト 茂木健一郎 司会 岸本葉子
冒頭句
おぼろ夜のかたまりとしてものおもふ   加藤楸邨

「句のひとみ」になって読む
鳥が目をひらき桜を食べてゐる   鴇田智哉

今回のお気に入り
一瓦(ぐらむ)の螇蚸(ばった)を今日の単位とす   西川由野
吊り橋をばったの息と渡りけり   竹内一二
すぐ前を遥か前へとばった跳ぶ   山下勝義

会をしに出てゆく秋の体たち   鴇田智哉

茂木健一郎氏の言葉
「前頭葉を休めつつ前頭葉で拾う。
 高度な働き。
 無意識を耕さないとひらめきは出てこない。
 いくらぼんやりしていても…。」

俳句の為の「脳トレーニング」
パターンと学習 良い俳句をたくさん読む
強制すること。タイムプレッシャーをかける。
即効性のプレッシャー。
俳句はアスリート。

茂木健一郎さま!最高に勉強になりました。
またのご出演を楽しみにお待ち申し上げております!

2021年8月12日木曜日

立秋とは

苔生(む)すや別珍のごと艶やかに
墓前には思いを込めて鳳仙花
赤と朱(あけ)ケイトウ並ぶ盆の月
いつの日か歯車狂い盆用意
(2021年)秋暑し切磋琢磨よ永遠に

一分季語ウンチク 立秋
俳句には季節の切れ目と言うものがございまして
立秋を迎えたら暦の上では「秋」と言うことになるのですねぇ。
今年の立秋は2021年8月7日となっております。
この日を過ぎたら皆さん早速秋の歳時記を出して
秋の句を作りはじめると言う事でございます。
季節としましては秋とはいえ暑さのピークを迎えるという
そういう時期でもございますね。
暦で秋っていったってまだまだ暑いじゃないかと言いながらも
生活の中には少しづつ秋が忍び寄ってまいります。
傍題として「今朝の秋」「今日の秋」「秋経(た)つ」「秋来る」
もちろん、「秋に入る」なんていう言い方もあります。

文字起こししてくださっていた中の日本語を調べました。
「ずつ」と「づつ」はどちらを使っても誤りではありませんが、
「ずつ」を使うほうが好ましいとされています。

2021年8月11日水曜日

題「パラスポーツ」

硯箱音を入る鶯今いずこ
残る蝉木洩れ日受けて通過点
秋風と戯れるキレンゲショウマ
秋の山川と田んぼと美波町
滴りや名もなき滝へと流れ変え

NHK短歌 題「パラスポーツ」
選者 佐佐木頼綱さん ゲスト 初瀬勇輔さん

冒頭の短歌
ハンドリム漕げばわが頬打ちてすぐ光は匂う立夏の朝(あした) 
佐佐木頼綱

畳の上、薄明のなか襟掴む相手の心のみを見つめて 
初瀬勇輔

今週のお気に入り
くるくるとリズムにのせて風を切る車輪の足と夏を駆けだす 
静岡県静岡市 春ひより
それぞれを受け止めて水は「掻いてみろ」「進んでみろ」と語りかけくる 
福岡県福岡市 犬山裕之
隆起する上腕が風を切り裂いて三輪レーサー海沿いを行く 
大分県大分市 梅鶏
静寂と歓喜を行ったり来たりするゴールボールの丸き鈴の音 
宮崎県新富町 門田祥子

選者のお話 
テーマは「スポーツと日常」
繰り返し伝えた思いの分がありふわっと熱い点字のピクト 
田口亜希

頼綱さんの!短歌かかってきなさい!
見えぬこと肯定をする十万の拍手の雨だパラリンピックよ 
星野真里・カン・ハンナ組

こもりくの初瀬勇輔くぐりゆくいまトリノス(北京国家体育場)の拍手の海を 
佐佐木頼綱

私的纏め
直接的な言葉は避け、間接的にそれと 
わかるようなテクニックが必要と思いました。

2021年8月10日火曜日

池田澄子の俳句

亡き母に放たれた言葉寂然(せきぜん)
糠混ぜん樽で熟成茗荷の子
クーラーを点けて布団にくるまらん
抹茶点てしばし香りと蓮の花
(2021年)テレビから離れられない夜長かな

夏井いつき俳句チャンネル
【人生相談】
頑張れ、頑張れと言われても疲れてしまいました

夕月やしつかりするとくたびれる   池田澄子

あなたもこの句を心に唱えてみてください。

代表作は…。
じゃんけんで負けて蛍に生まれたの   池田澄子
ピーマン切って中を明るくしてあげた   池田澄子

2021年8月9日月曜日

2020東京オリンピック 俳句

夏旺ん泥くさくても勝てばよい(ウルフ・アロン)

飛び切りの明るさ持ちて胸に金(ウルフ・アロン)

吾の柔道を貫きて金奪取(濱田尚里)

胸に金亀の歩みの気弱な子(濱田尚里)

海水着国を超え抱き合う4(女子200M平泳ぎ)

特別な時間萩野と瀬戸の夏(男子200M個人メドレー)

振り返っても悔いはない夏の夜(フェンシング男子エペ団体)

極暑にもグランプリエで金メダル(フェンシング男子エペ団体)

太田から受くる武井や金も受く(フェンシング男子エペ団体)

冷静に神る加納の決勝点(フェンシング男子エペ団体)

大の仲良し詩(うた)と輝(あきら)の金メダル(柔道)

炎暑をかける精悍な鉄人よ(トライアスロン)

修造の頓珍漢の夏芝居(ゴルフ)

風死した豪華の極み銀メダル(柔道混合団体)

ジョコビッチ暑さに勝てずメダルなし(テニス)

エール届かずカタカナの同胞へ(ウルフ・アロン)

天下無敵の強さを魅せた輝(あきら)(素根輝)

眩し過ぎ四十住と開金と銀(スケボー女子パーク)

冷静にこなす演技や金メダル(髙橋大樹)

夏五輪中途半端に逃げ涙(西村拳)

しなやかに歴史を変えたイスラエル(新体操)

血液型による新型コロナ重症化リスク

懸命に生きた時間や桐一葉
一日を生き萎みゆく仏桑花(ぶっそうげ)
兄妹(けいまい)の喧嘩激情盆休み
いきり立ち泣かせ泣かされ盆の月
街闊歩洒落たすててこ今昔

新美の巨人たち
桂ゆきの言葉
「目は一つでは足りないのです。
 物事はたくさんの目で見なければならないのです。」
生きた。描いた。抗った。
桂ゆきの抵抗。しなやかなレジスタンス。

「ヒューマニエンス」より
血液型
オランウータン A B O AB
ゴリラ B
チンパンジー A O
ニホンザル B
だとか…。

AB型はほかの血液型よりも新型コロナの重症化リスクが高い、慶大などが確認
https://news.mynavi.jp/article/20210517-1889739/

2021年8月8日日曜日

ソフトクリームで一句

ポンポンの豊かなフォルム夏の雲
柔らかきシルエットポンポンの夏
お別れはお手を拝借虹の橋
亡き父母へひとり手花火風もなく
タイムラインの夕焼画像流れゆく

プレバト纏め 2021年8月5日
ソフトクリームで一句

永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
ババヘラの器用に咲かせ砂日傘
添削
パラソルが派手でババヘラアイス婆

特待生昇格試験
横尾渉
八号目のドラム缶風呂シャーベット

千賀健永
バニラの香あさの牧場の涼しさよ
添削(牧場でアイスを仕込んでいることが表現できていない。)
朝の牧場仕込むアイスのバニラの香

1位 朝日奈央
リハ帰りのプラットホーム氷菓子
(リハ帰りと言う言葉は経済効率が良い。
二つの読みができた。奥行きが深まった句になった。)

2位 玉森裕太
いつ終わる氷菓にぎり長電話
添削(映像を描く。)
手に氷菓なかなか終わらない電話

3位 藤ケ谷太輔
あどけなし夜中のアイスキミ愛す
添削(「あどけなし」は説明・感想。感想は俳句に入れない。 
読み手に残すのが俳句のコツ。)
真夜中のアイス愛するキミ愛す

4位 嶋佐和也
夏の雲ソフトクリームと溶けてゆく
添削(「夏の雲」季語の本意はむくむく太っていく雲。
   雲そしての前に・を入れることで
夏の季節かもしれないと思わせることができる。)
溶けてゆくソフトクリームそして雲
溶けてゆくソフトクリーム・雲そして

次回のお題は「打ち上げ花火」

2021年8月7日土曜日

7月の正岡子規

蝉しぐれ今日もひとりで盆出前
「撮りなさい」モデル気質のチョウトンボ
感染もメダルも増えて夏五輪
レンゲショウマの丸き蕾よすまし顔
夏の仏より力士が波に乗って来し

夏井いつき俳句チャンネル
【7月の正岡子規】
一句の中に同じ単語や漢字を二回使っている子規の句を紹介します

田から田へうれしさうなる水の音   正岡子規
「田水引く」と言う季語があります。
正岡子規自身は「田水引く」で分類していませんでした。
子規の分類では「青田の句」として分類しています。
田に水を引いて田が青く育ってきた様子だと言う事なのです。
この仕掛けは同じ「田」なのですが
1つの田から別の田へ「~から~へ」を使って映像化されています。
「うれしさうなる」という感情語なのですが
水の描写になっています。
子規らしい上手さとなっています。
子規が陸奥(みちのく)東北に吟行旅行に行った時の句です。
宇都宮を汽車で出発して目にした即景だそうです。
明確な季語らしい季語は入っていませんが
この句の奥には田水だったり青田だったり
そう言う季語の力が息衝いています。
この後子規は白河駅に降りて行くのですが
たちまち雨たちまち晴れ
半ば照り半ば降ると言う天気だったそうです。
「定まらぬ天気は旅人をもてなすに似たり」
と子規は喜んで書いています。

茗荷よりかしこさうなり茗荷の子   正岡子規
季重なりの句です。主役は茗荷の子。
「かしこさうなり」と言うのが
主観でありつつ観察でもあります。

瓜くれて瓜盗まれし話かな   正岡子規
夏の季語としての瓜は真桑瓜とか白瓜のことです。
いただいた瓜と別の時間と空間で盗まれた瓜を詠っています。

花守と同じ男よ氷室守   正岡子規
花守も氷室守も季語。
氷室とは天然の氷を保存しておくための室。
かつては地中の穴に氷を並べて
茅などをかぶせて保存しました。

家のなき人二万人夏の月   正岡子規
厚生労働省が平成19年に実施した
ホームレス実態調査によると
平成19年時点で18000人あまり。
因みにこの句は1900年明治33年。
平成30年(2018年)の調査では
行政の支援もあり5000人弱と減少しています。
令和2年のデータでは3992人となっています。
統計的なデータも俳句の種になります。

私は以前から経済を俳句にしていました。
俳句には決まりごとは似合わないように感じています。

2021年8月6日金曜日

振舞水とは

寝息立て大の字の猫扇風機 
這い這いの赤児尻振り海の家
扇風機手を振り赤児近づかん
魚をひょいと捕まえる猫夏旺ん
油照弱さ暗さの移りくる

一分季語ウンチク「振舞水」

とても暑い夏の盛りに
道をゆく人や旅人に対して
水をどうぞと飲めるように
飲み水、打ち水、そして柄杓など
汲むものを一緒に置いておく
そういったものを「振舞水」
とよんだとのことです。
最早これはかなり現代からは
取り残された絶滅寸前季語な
匂いもしてきます。
「日盛りをゆく通行人に
自由に振る舞って飲ませる」
という記述が歳時記にあるのですが
今となっては自動販売機でしたり
コンビニなど水をいくらでも
入手できるようになった現代の中で
追いやられつつある季語なのかもしれません。

2021年8月5日木曜日

題「ユーモアのある歌」

夜濯(よすすぎ)や月に願いをしてみたり
夏茜ゴルファー目掛けご挨拶
ささくれた動作に言葉溽暑かな
夏の闘夢追いかけて敗れ去り
蚊の襲う柔き耳たぶ真っ赤っか

NHK短歌 題「ユーモアのある歌」
選者 田村元さん ゲスト 磯野貴理子さん

冒頭句
湯の中にわれの知らざる三分をのたうち回るカップラーメン
田村元

今回のお気に入り短歌
嫁いびりしに行ってくると母の言うその片手には高級ケーキ
青森県八戸市 佐々木俊輔
ひとっ風呂浴びた昆布が鍋蓋に「あとよろしゅう」と涼んでおりぬ
福島県福島市 麻倉 遥
「形態を変えました」とふメール来て母の更なる進化を思ふ
岐阜県大垣市 ともえ夕夏

熱血!短歌ノック
とりあえず「とりあえず」ってやめてみる何がなんでも飲みたいビール
星野真里

「来月セパレートする予定なの」友が爽やかに離婚を告げる
カン・ハンナ 添削
「来月セパレートする予定なの」友が会うなり離婚を告げる

白は恋、紺は愛かな叶わない初恋ならばボーダーを着る
星野真里 添削
初恋の叶わぬ思いつのらせて白地に紺のボーダーを着る

スーパーでバターを見るとBTSを浮かべるチョヌンアーミーイムニダ
カン・ハンナ 添削
スーパーでバター見るたびとろけだす思いよチョヌンアーミーイムニダ

歌人、この一軒
春日井健さんの通われた喫茶店の紹介でした。

赤錆びし煉瓦の街に生まれたるみどり児われにも吹きたる熱風(フェーン)
春日井健

田村元さんの短歌の空白部分を埋める
パンケーキ〈へ〉の字に重なり合ってゐる□□
カン・ハンナ
パンケーキ〈へ〉の字に重なり合ってゐるへいじつ休み最高ですわ
磯野貴理子
パンケーキ〈へ〉の字に重なり合ってゐるほんわかするもペロリでへへへ
星野真里
パンケーキ〈へ〉の字に重なり合ってゐる逆さに見れば微笑みており
田村元さんは…。
パンケーキ〈へ〉の字に重なり合ってゐるわれの〈もへじ〉が味はつてゆく

2021年8月4日水曜日

兼題「新涼」

夏休み心を病んだ友のTEL
跳ぶ力士バスケに興ず仏の夏
日盛りや点けっぱなしのテレビかな
海開き迎えは風とハマグルマ
山開き陽射しと独活に迎えられ

NHK俳句 兼題「新涼」
選者 片山由美子さん ゲストは壇蜜さん

冒頭俳句
新涼やむなしく光る貝釦(ぼたん)   片山由美子

今回の見直し「俳句の常識」は「口語」
俳句は文語が基本だが、中には口語の良さをいかした句もある。
口語が効果をあげるケースについて考えてみる。

例句
街の雨鶯餅がもう出たか   富安風生
みんな夢雪割草が咲いたのね   三橋鷹女

〇夏期講座制服じゃない君を見た

×碁会所に父を見つけた夏夕べ
添削
碁会所に父見つけたる夏夕べ

〇夕立や傘がなければ走るだけ

まず文語定型のリズムを身体にしみこませる!

今回のお気に入り
シャガールの蒼き嘶(いなな)き涼新た   福島県白河市 高橋淳子
死ぬ大事忘れてしまふ涼新た   神奈川県横須賀市 友松茂
窓に置く雲の白さや涼新た   高知県高知市 西田美佐緒

俳句を詠んでみる
羽根自慢私は観客誘蛾灯   壇蜜
添削
私は観客誘蛾灯といふ舞台

あの恋とおんなじ音のラムネ玉   武井壮

2021年8月3日火曜日

凡人からの脱出

夏に読む百年前の文学の恋
過疎の夏県外ナンバー超過密
夏旺んテレビに向かいて乾杯
夏茜ゴルフ帰省の客を待つ
青柿や上手に隠れふくよかに

夏井いつき俳句チャンネル 
凡人からの脱出【夏休み凡人あるある第4回】より
「発想は才能じゃない!○○だ!」
「俳句の授業ができる本」創作指導ハンドブック
この中の内容を4回で取り上げてくださいました。

類想類句の鉄板は「夏休む」続いて「宿題」
小さな具体性を入れる。
日常にある範囲のことでも抜き出せる。

夏休み何をしていたボールペン(擬人化も楽しい)
なつやすみぼくにはしゅくだいがない

ポイント
① ほんのちょっと具体的に書く
② 要らない言葉を外す
(余った音数でオリジナリティorリアリティ)

子どもたちに限らず大人たちも
凡人あるあるシリーズを追っていくことによって
俳句の筋力がついていくのではないかと…。
発想は才能ではない。データ何だ!
慣れるか慣れないか、それだけのことなんです。
俳句は言葉のパズル!パズルに言葉を入れると言う
トレーニング練習をすると上手になります。

2021年8月2日月曜日

朝焼と夕焼

油照り恐怖は死より後遺症
2年ぶり面会の義母痩せこけて(無季句)
(2021年)「忘れへん!」涙流さん笑みの義母
(2021年)他人との闘いに興味なしの夏
ダウのみのブルトラップか夏の謎

一分季語ウンチク 朝焼

「夕焼」も夏の季語なんですが
「朝焼」も同じように夏の季語なんですねぇ。
いつの季節でもということではあるんですが
夏の爽快な、というか
そういった気分はあるということで
夏の季語になっていったようでございます。
ちなみに常に「朝焼」という季語は
「夕焼」と比較されて
考えられがちなものでもあるのですが、
「夕焼」が翌日の晴天を表すことが
多いのに対して「朝焼」の方は
天気が悪くなりがちな前兆
ということになるようでございます。
そうやって考えると
「夕焼」の方がよりメジャーで
しかも何か良いイメージに
つながりがち、なにかちょっと
「朝焼」は不遇な気持ちもいたしますね。

2021年8月1日日曜日

文田聖二氏の言葉

海亀よ美波の浜に帰り来て
浜菅(はますげ)よ終わりなき虐めと時効
汀でもがくイルカ助けん夏の朝
夏畑熱中症と闘わん
夏飛来京都生まれのこうのとり

文田聖二氏 曰く
「好きなことが才能。
 続けられることが実力。
 癖は魅力。
 磨かれた感覚が、幸せを見つける力になる。
 誰もがやっていること、
 できることでも 自分らしい新鮮な組み合わせで
 相対性を実感し充実した時間を過ごせる。
 自分という人間は自分だけ。」

「身体の動きを訓練しているアスリートが速く
 走れたり、高く飛べたり、自在に体を操れることと
 同様に創造する脳も筋肉なので、
 鍛えることで視覚的な思考が磨かれている。」