2026年6月22日月曜日

第27回NHK全国俳句大会③&第27回全国短歌大会③

夏空へ我が子誕生祝福打

デイゲーム川に飛び込むホームラン

唾吐いてバットを折って夏野かな

夏の陽よ勝利投手の権利消ゆ

米の夏あっという間の負け試合

 

NHK俳句 第27NHK全国俳句大会③

大会選者 西村和子 星野高士 夏井いつき 

大会リポート:庄司浩平 司会:小林千恵

 

選者 夏井いつき 星野高士 西村和子 堀田季何 小川軽舟 

井上弘美 小澤實 岸本尚毅 神野紗希 阪西敦子 和田華凜 高野ムツオ

龍太賞 選考委員 髙柳克弘

 

題詠 自由題 龍太賞

 

自由題 特選

小沢實選

帰省子()の庭にぬうっと現るる   森秀子

帰省子:夏の季語 実感のある句 西村 

「むうっと」意外性リアルな感じ 星野

評価が高い句は文字面に書いていないことが瞬時に伝わる

 

西村和子選

ぎしぎしや長子泣くなと育てられ   中村かよ

ぎしぎしという季語が良い 夏井 

 

小川軽舟選

芙蓉咲く再出発の新居かな   米一和美

花の場合「咲く」が難しい 下の内容が薄いものにする

「再出発の新居」は心情的に濃い場面 「咲く」で内容が入り混じっている

「花芙蓉」と置いてもいいかな 星野

だめ 西村

「花芙蓉」は「咲く」を使いたくない時によく使うが それは安易 西村

「芙蓉」はいいと思う 星野

あえて「咲く」を使うときとは? 庄司

「咲く」という動詞が残りの言葉に影響を及ぼしたるするときには

捨て石みたいな働きをする 意味としてはいらないけれどあったほうが

意味が広がったりイメージが広がったりする 夏井

向こう側に行くための飛び石みたいな働きをする場合もある 夏井

花によって違う 

「梅咲くや」とは言う 「牡丹咲く」とは言わない「牡丹くずれ」とは言う

俳句の内容も伴いながら的確に使うことも文学 

俳句の伝え方の一つだと思う 星野

 

・テーマ詠「坂」選者 木暮陶句郎(大会アンバサダー)

油照の坂やマイケルの余裕   庄司浩平

油照:夏の季語

結果は来週

 

高野ムツオ選

ねぶた来る空も地べたも踊り出す   坂崎守寿

踊り出すは読みすぎではないかと思った 

高野さんは特選に取るだろうなと思った みちのく代表ですし 西村

祭り 行事は繰り返しの文学 星野

 

夏井いつき選

水掛けて裸祭蒸しあげる   竹縄誠之

言葉が見つかっていない時に奥さまの一言で完成した 夏井

自分の表現したいことに一番合致する言葉を

見つけた瞬間の喜びがコメントにあった 夏井

「蒸しあがる」という自動詞

「水掛けて裸祭蒸しあがる」という手もありましたよね 西村

参加している人の視線と水をかけられている人の視線

作者が言いたかったのは「を」ではないか 夏井

 

井上弘美選

天高しこの空だけを共有す   坂本梨帆

直接手を携えることのできない人への思い 

せめてこの青空を共有したいという祈り

その祈りを最低限自分のできることで発想していった時

俳句という文芸がこのような形で詠むことを教えてくれた

季語は変えた方が良い 3人とも 歳時記をめくることを薦めていた

10年ごとにこのフレーズを思い出し今の自分としての季語はこれだという

成長の記録 世界の変化を記録できる句になっていくかもしれない

 

堀田季何選

羽抜鶏(はぬけどり)山頭火かく歩みしか   大島幸男

羽抜鶏と山頭火が近いという評価と近いからいいという評価に等分される句

作者として己を貫いた方がいいと思う 夏井

 

NHK短歌 第27 NHK全国短歌大会③

俵万智 荻原裕幸 寺井龍哉 司会:石井かおる

 

選者 

永田和宏 俵万智 山崎聡子 荻原裕幸 小島ゆかり 小池光 

木下龍也 佐佐木頼綱 永田紅 松村正直 米川千嘉子 寺井龍哉

 

自由題 特選

小池光選

笠智衆が洗濯物を干してゐるラストシーンのやうな秋の日

荻原信子

笠智衆:「東京物語」「秋刀魚の味」など小津安二郎の映画にかかせぬ存在

比喩にかけた一首 残像を楽しむ歌

 

佐佐木頼綱選

万緑の高速路行くトラックの囲いの隙にのぞく牛の眼

石橋康徳

 

米川千嘉子選

「ママ、ぜったいしなないようにきをつけて」メロンゼリーの匂いのあなた

菊池くもえ

子どもの言葉を生け捕りにして効果をあげている 俵

幼年時代の匂いや色様々なものを呼び起こしてくれる 佐佐木

人間の感覚に着地させてくれる非常にいい名詞「メロンゼリー」 佐佐木

 

どうすれば名詞を溶け込ませられる?

名詞の辞書的な意味を超えて言葉が持っているイメージや色あいは

読者に与えるものはある 敏感になるのは重要なこと 寺井

 

永田和宏選

命取りとなりたる酒と思ひつつ夫へ供(つま)へる結婚記念日

景山武子

結婚記念日という言葉は動かない この歌の❝らしさ❞魅力 俵

結婚記念日だからこそ夫の矛盾を引受ける強さにつながっている 佐佐木

 

Q.歌を作るうえで大切にしていることは?

歌人 馬場あき子女史の言葉

松尾芭蕉は「松のことは松に習え 竹のことは竹に習え」と言った

私は竹を1日見ていたって歌なんかでない 竹のお話をする

竹の話しているうちに竹の今の生活が見えてくる

いろんなことを思い出すと竹の周辺が広がっていく

その次に縦の時間 題材は縦横に広がるもの

歌を作るうえでも いつも縦横を考えて題材一つを一生懸命に

見ていてもだめ 

 

松村正直選

手を合わす老婆もとんと来なくなり石の頭に蜻蛉のとまる

松本進

「とんと」が効いている 歌にされなかったら

消えて行くような確かな時間が歌いとどめられている 俵

作者ひとりの人間ではないような浮遊感 寺井

 

小島ゆかり選

はじめての鋏を握りみどりごは夕焼け空をちょんと切りたり

那須桃子

「ちょんと」が効いている 俵

幼い子どもが大きな世界と対峙するような感じで

初めていろんなものに触れていく 寺井

 

寺井龍哉選

野菜室の奥のおくから一本のぼんやりとした茄子が出て来ぬ

松浦冨美子

「ぼんやりとした茄子が出て来ぬ」という擬人法が絶妙

「茄子」以外での野菜だとだめだと思う 

そこかしこに味わいのポイントがある 寺井

茄子はある意味自画像 親しみと共感を持って向かい入れている感じ 俵

 

歌を作る時の修飾する時の言葉の探し方 選び方

定型詩で文字数音数が決まっているので その中で入れ替えるというのは

みんな考える たくさんの候補を出しいいものを選ぶことが大事

意味も大事だが短歌は「歌」でもあるので音のことも考える必要がある 寺井

定型に無理してでも合わせて考えてみると

面白い言葉が出てくるきっかけになると思う 荻原

自分の気持ちを言語化することに心を砕く 俵

 

・いちご摘み

にんげんの吹き過ぐるまでしろたへの降る街に麒麟たちをり

渡邊新月

地に落ちて蜂の棲まない蜂の巣に染みこんでいく早春の

武田歩(好きな歌人 中津昌子)

京都大学短歌会に在籍 今年で6年目

倒れてもしばらく水を通す木を動かすたびに軍手が濡れる

(誰も気づいていない自然の美しさを短歌にして伝えたい気持ちはあります

生命の力強さみたいなものを短歌を通して見せられればいいな)

摘んだのは「雪」自然はゆっくりと繰り返し

生命の循環と季節の循環を表現できたらいいなという意図でつくりました 

0 件のコメント:

コメントを投稿