2026年6月4日木曜日

100分de名著 ディケンズ❝大いなる遺産❞④

思い切り嘴(くちばし)開けた大瑠璃よ

船窪の赤を満喫オンツツジ

人知れず斜面に自生神領百合

三十八輪息を潜めて神領百合

完成を目指すことなく夏の空

 

100de名著 ディケンズ❝大いなる遺産❞④社会を想像し直す

河野真太郎 伊集院光 阿部みちこ

 

今や彼に対する嫌悪感はすっかりなくなっていた。

私の手を握っているこの男は、私に恩を施そうとした人間であり、

長年の間ずっと私に対して豊かな愛情と、深い感謝と、

寛大な気持ちを抱いてきた人間だった。

ジョーにあんな仕打ちをした私よりも、彼の方がはるかにいい人間だった。

「あなたには昔子供がいましたね。()

彼女は死ななかったんです。()今でも生きているんですよ。

とても上品な女性で、美しい方です。僕は彼女を愛しています!」

彼は最後に弱々しい力をふりしぼって()私の手を自分の唇へと運んだ。

白い天井を見上げる。穏やかな表情が一瞬蘇って、消え去った。

彼の頭は静かに胸の上に落ちた。

 

ピップ自身の社会が拡張された

二人の関係が示すもの

脅されながらも利他的な行動をとったピップ

投機 贈与 

贈与という行為の大切さ

 

「今回一緒に過ごした時間はずっと僕の心に残ると思うよ、ジョー。

昔の思い出で、しばらくの間忘れていたこともあるけど、

今度のことは絶対忘れない」

ジョーは困惑し、少々慌てたように見えた。

「俺たち、一緒にうんとこさ楽しい思いをした。

あれはあれでちゃんと消えずに残ってますよ」

 

ピップとジョーの間には修復できない溝が生れてしまっている

Commn 共有の、共通の 社会を共有するという価値観

uncommn

 

11年後 

「わたし、自分が苦しんだせいで、どんな教えを受けるよりも

はっきりと、あなたの気持ちがわかるようになったの。

わたしは捻じ曲げられ、押しつぶされてしまった。

でも、おかげで、前よりはいい人間になったと思うの。

どうか、昔のように、やさしく、親切にしてちょうだい。

わたしたちは友達だと言って」

「離れていても、ずっと友達よ」

目の前に開けた静かな月明かりの中に、彼女からもう一度

離れることになると私に告げるものは何もなかった。

 

ディケンズが考えていた もう1つのエンディング

エドワード・ブルワー=リットン(1803-73)小説「ポンペイ最後の日」等

に、読ませたところ、結末が悲し過ぎると指摘を受け書き直しました。

 

「わたし、すっかり変わってしまったでしょ。()

その可愛らしい子を持ち上げて、キスさせてちょうだいな!」

(彼女はピップを私の子供と思ったようだった。)

会えてよかった、と私は後になって思った。

苦しみはミス・ハヴィシャムの教えよりも強く、

それを通じて彼女は昔の私の心が理解できる心を獲得した

―そのことが彼女の表情と、声と、手にはっきり現れていたからだ。

 

河野さんは二人がそれぞれの道を歩む方を支持したいと…。

 

現行版では初めてエステラが自分で自分の内面について語る

エステラが主体性を持って自ら語る存在となっている

 

ピップは社会を拡張し想像し直すことができた

愛と優しさとユーモアをもって相手を見つめる

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