2022年11月24日木曜日

題「心移り」

霊場の門扉彩る冬紅葉(太龍寺)
冬空へ西陽を浴びて燃ゆる櫨(はぜ)
茶の花や鳥のさえずり子らの声
柿落葉穴こさえても懐石に
山茶花の心尽くしのおもてなし

NHK短歌 題「心移り」
選者 江戸雪 ゲスト 山崎静代 
司会 星野真里 レギュラー カン・ハンナ

■冒頭の短歌
結ばれる日はもうなくて冬空にかすむ飛行機見上げておりぬ
江戸雪

■恋のフレーズ短歌
心移りのイメージを七音のフレーズで表すと
カン・ハンナ 目を見てくれぬ
山崎静代 ミスチルの歌
戻らぬ季節 星野真里
もう今は目を見てくれぬ秋となりミスチルの歌 戻らぬ季節

入選九首 テーマ 心移り
特急の切符二枚で指宿へ隣にきみの姿はなくて
知己凛(ちこりん)
君と買った夏の詩集が褪せていく誰かが悪いわけでもなくて
大野恭敬(やすたか)
まぶたには新しい色本当はきみに見せたい光だったな
福山桃歌
心って離れるものだ青すぎるプールの壁をまっすぐに蹴る
小池ひろみ
ねえどこまで巻き戻したらいいのかなカメラロールの君に訊ねる
檜澤さくら
好きだったところを嫌いになっていくレタスひりひり削ぎ取りながら
薄暑なつ
ひっそりと三面鏡に映りこみ心移りを見透かすこけし
片井俊二
あいまいな相槌ばかり返されて色づく銀杏並木が痛い
広木登一(とういち)
💮ケアンズの南十字座指差した君をそのまま凍らせたかった
相内あみ

■恋バナ短歌
まだ我はどこにも行かず羽化のあと木に残る蝉の抜け殻のよう
カン・ハンナ 添削
まだ我はどこにも行かず葉の裏に残った蝉の抜け殻のよう

暮れてゆく部屋の光量吸い尽くすブルーライトの結婚報告
星野真里
暮れ方の部屋の光量吸い尽くすブルーライトの結婚報告

胸と胸はなれてゆくよさびしさの空蝉(うつせみ)だけを君に渡して
江戸雪

短歌侍特別編
NHK短歌×らじらー!SATURDAY
コラボ企画への道
栗木京子先生 元髙克樹 矢花黎 
ベスト3を選出 テーマ 幸せ
数を絞り込んでいく
独自性があって発見があって
まとめすぎていない下の句を選ぶ

元髙克樹
つけ麺を覆い尽くしたトッピング
 小麦の香りを湯気に含ませ
 明日の浮腫みはないものとする
 白飯追加であとかたもなく
 部活後の胃はブラックホール
 箸で崩せば香るあごだし
 上の句のレベル高すぎるよーーー
 見てるわたしがわたしのカロリー
 みたいでなかなか「ごめん」が出ない 星野真里

矢花黎
眠い目をこすりながらも家を出る
 背負うギターの重力2倍
 食パン咥えヒロインなりきる
 洗面所から父の遠吠え
 赤城颪でああ、目が覚めた
 チャリで帰れぬとこへ飛び発つ
 のぞみ5号がマチネへ連れてく
 (マチネとは昼公演のこと)
 歩道の隅にもふもふの犬
 肩にとまれよ君に似た鳥 江戸雪

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