2022年11月2日水曜日

桐子の俳句と幸田文の言葉

等伯の出迎え受けん秋の展
冬となり風魅るための樹木あり
霜降や粗末な家の優美かな
秋畑治療を終えたコウノトリ
秋深し自尊心をも高め合い

■一橋桐子の犯罪日記 より
禁断の誘いに乗るか夏の崖   一橋桐子
我は刑務所きみはハワイの夏怒涛   一橋桐子
指で蜘蛛潰せり後ろめたき夜は   宮崎知子
決戦の時は迫れり時鳥(ほととぎす)   一橋桐子
イチゴ大福かじる最後の晩餐に   一橋桐子
スマイルの君はいずこに桐の花   三笠隆
ほたるほたる超えてはならぬ一線ぞ   一橋桐子

■幸田文の山茶花への言葉
「少しちぢれ気味の花びら、
 いかにも鄙(ひな)びてすっきりしない。」

「野暮は野暮なりにいじらしいほど
 正直に染まった花弁、
 これが淡い匂いを吐いてきどりがない。」

「ものがみな色を失ってしまう
 冬の入り口の不安な気持ちが
 ほっと助かるおもいがします。」

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