等伯の出迎え受けん秋の展
冬となり風魅るための樹木あり
霜降や粗末な家の優美かな
秋畑治療を終えたコウノトリ
秋深し自尊心をも高め合い
■一橋桐子の犯罪日記 より
禁断の誘いに乗るか夏の崖 一橋桐子
我は刑務所きみはハワイの夏怒涛 一橋桐子
指で蜘蛛潰せり後ろめたき夜は 宮崎知子
決戦の時は迫れり時鳥(ほととぎす) 一橋桐子
イチゴ大福かじる最後の晩餐に 一橋桐子
スマイルの君はいずこに桐の花 三笠隆
ほたるほたる超えてはならぬ一線ぞ 一橋桐子
■幸田文の山茶花への言葉
「少しちぢれ気味の花びら、
いかにも鄙(ひな)びてすっきりしない。」
「野暮は野暮なりにいじらしいほど
正直に染まった花弁、
これが淡い匂いを吐いてきどりがない。」
「ものがみな色を失ってしまう
冬の入り口の不安な気持ちが
ほっと助かるおもいがします。」
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