2022年11月30日水曜日

同性を好きなった時&将来が見えない時に読む本

瑞祥(ずいしょう)の彩雲の出る冬の空
冬めくや無視し続ける能力と
冬の星ソーシャルメディアリテラシー
柿落葉ずっと一人で生きてきた
冴ゆる夜(さゆるよ)やKPIを無視する力

■理想の本棚 同性を好きになった時に読む本
▪「弟の夫」著者 田亀源五郎
家族を失いまた新しい家族になっていく物語。
同性を好きになった家族を日常の積み重ねの中で受け入れてゆく。
日常の積み重ねの中で理解、寛容という形になっていく。

▪「わたしはオオカミ」著者 アビー・ワンバック
女子サッカー界のレジェンドからのメッセージ。
名門女子大バーナードの卒業式祝辞から生まれた本。
古いルールを捨て、悔いなき人生にする
とびきり「クール」で「しなやか」な8つの方法。
自分が自分らしくどう生きるべきなのか
独りではない。狼の群れであれ。
ひとりではなく連帯しようと励ますスピーチ。

▪「カミングアウト・レターズ」編 RYOJI+砂川秀樹
カミングアウトしようとしている人、された人、
両方に読んでほしいノンフィクション。
19通の手紙のやり取りをまとめた本。
まるで俺、人を殺してしまったと言われたように響いた。
一生嘘つくなんて、僕にはできなかったんだ。
あなたのかたちでいい。幸せになりなさい。
いま、家族に知っててもらえてすごく幸せだから。
これからも宜しくね。

■理想の本棚 将来が見えない時に読む本
▪女の一生 著者 伊藤比呂美

森本薫「女の一生」より
誰が選んでくれたものでもない
自分で選んだ道ですもの

モーパッサン「女の一生」
人生は、皆が思うほど
良いものでも悪いものでもない

そこで、伊藤比呂美は
作者は二人とも男だしどうせなら
自分たちの「女の一生」を作りたかった 
キャッチコビーは「あたしはあたし」の潔さ
「あなたはあなた」と考えられるようになると
相手を尊重しつつ受け入れられる
恋愛とは「あなたは私」と勘違いすること。
自分らしく生きていくと良いと思います
正直な回答に説得力がある

▪十皿の料理 著者 斉須政雄
手に取った仕事を自分の理想に近づける
技術者になりたての頃、シェフから仕事をまかされて
ソースやオードブルを作っている人、
お菓子を作っている人たちが、
生まれながらの名人のように思えました。
誰もがそういう力を
兼ね備えているように見えました。
見ている自分のつたなさがつらくて
自分もそうなれるかと羨ましく、不安でした。
たとえ同じになれなくても、
階段を少しずつ上がりながら近づきたいと思いました。
その工程で僕が得た最大の宝物は、
「なにごともやってみなくては分からん」
ということを知ったことです。

▪永遠の詩02 茨木 のり子 著者 茨木のり子
自分の感受性くらい自分で守ればかものよ

モノローグ(独白)よりダイアローグ(対話)を
大切にする人でした。

倚(よ)りかからず
もはや
出来あいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくはない
長く生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本の足のみで立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ

自分の感受性くらい 茨木のり子
ばさばさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもがひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

自分を鼓舞する力が記されていた。
Yの箱(Yとは30年前に亡くなった茨木の夫・安信のイニシャル)
彼女の未発表の作品が入れられていた。
その箱に入っていたのは夫への恋慕の作品だった。
他人には強く生きろと言っていた彼女の本心が記されていた。
あなたの元に早く行きたいという…。茨木…。
茨木のり子の強い部分と弱い部分が記されることで
一人の詩人としての魅力が増しています。

2022年11月29日火曜日

題「運」

獅子の背の文殊菩薩よ冬日和
冬ぬくし象に鎮座普賢菩薩
無理のない関わり持ちて冬の月
冬茜背景となる山水よ
KPIを計る時間軸冱(い)つ

NHK短歌 題「運」
選者 佐佐木定綱 ゲスト向井地美音 司会 星野真里
レギュラー カン・ハンナ 元髙克樹 矢花黎

■冒頭の短歌
おれの名のラベルが貼られ液体のおれが奥へと運ばれてゆく
佐佐木定綱

暑いけどAKBはもっと熱い   向井地美音

■入選九首 題「運」
青白き光を運ぶ器なり過疎の夜をゆくコミュニティバス
増田いぬ
子育ての戦友なりしベビーカー運ばれ行くを黙(もく)し見送る
海瀬(かいせ)安紀子
満員の朝の電車は運賃に体力気力が上乗せされます
糸賀きな
💮二度折ったデニムの裾に運ばれて夜に零(こぼ)れる砂の粒たち
久藤さえ
太陽としての我が子を向日葵のように親らが見る運動会
友常甘酢
便箋の透かし模様は世界地図インクがパナマ運河を渡る
堂本明代
運送の途中で起きた事故らしい子豚の歩く高速道路
伊藤喜博
めいめいの水平線を保ちつつ給食トレーを席まで運ぶ
丹羽祥子(しょうこ)
お手製のおみくじはみな大吉で運は5歳に作られている
田茂(たも)博之

■佐佐木先生の「短歌というドラマ」
歌に秘められたドラマをひも解き深く味わう
次々に走りすぎ行く自動車の運転する人みな前を向く
奥村晃作「三歳幼虫」
(SNSがかなり面白い!と佐佐木頼綱先生談)
ただごと歌
日常の風景を比喩などを使わず平易な言葉で詠む
子供の視点で歌っている
常識になってしまって僕らがもう見えていない部分を見ている
今回の歌を深く味わうためのポイント
「ただごと歌」には世の中の常識を
改めて考えさせる視点が描かれている

■佐佐木定綱さんからの宿題
題「運」で歌を詠んでください
ついついとヒートテックに手を伸ばす寒さが運ぶ冬の匂いで
向井地美音

■短歌侍 特別編 NHK短歌×らじらー!SATUADAY
コラボ企画への道
あなたも短歌侍 テーマ「幸せ」下の句選考
元髙克樹 選
つけ麺を覆い尽くしたトッピング
これがしゃかいじんの力だよ 遠藤翆
「黄身が1番好きだ」と言えた 落単大学生

矢花黎 選
眠い目をこすりながらも家を出る
ポーロッポーポうお座が一位 相内あみ
前髪ハネた幸運の女神 甘夏せと香
いつものあの子がベビーカー降り ながひさ

ベスト3は次週公開
佐々木大光&菅田琳寧も出演!

2022年11月28日月曜日

題「屋内」

冬の朝エビデンスなき現実よ
(エミリー・オスター女史)二児の母子育ての経済凍る
高い自己肯定感や冬ざるる
観察し俯瞰の続く冬の対象
冬ぬくし観察眼で社会性

NHK俳句 題「屋内」
選者 堀本裕樹 ゲスト 荒井良二 司会 武井壮

どつぷりとつかりてこその炬燵かな   中嶋秀子

■あなたのエピソード俳句にします
テーマ「屋内」
原文の中に含まれていた冬の季語 
毛糸編む(毛糸) 悴(かじか)む ストーブ
悴みて父に編みたる腹巻よ   堀本祐樹

円卓を囲むおおざら衣被(きぬかつぎ)   里中和子
添削(衣被 秋の季語 映像を見せた添削)
円卓の大皿の衣被かな

■入選六句 テーマ「屋内」
雑炊が好きと足もてお腹の子   
猪田宗孝(季語 雑炊)
図書室の本に冬日の温みかな   
宮本ヒロ子(季語 冬日)
冬の蚊の埃のごとく天井に
野上卓(季語 冬の蚊)
短日(たんじつ)や野良着のままで立つ厨(くりや)
佐藤強(季語 短日)
鋤焼(すきやき)の席を外さぬ中居かな
髙橋芳承(ほうしょう)(季語 鋤焼)
💮六人が今は二人の炬燵かな
宗像(むなかた)眞知子(季語 炬燵)

■ゲストのエピソード、俳句にします
洞窟に絵を描くここち冬ともし   堀本祐樹
(季語 冬の灯・冬灯ふゆともし)

「必要な言葉を見つける。絵画と俳句は似ている。」
荒井良二さんの言葉です。
荒井良二さんのことは「ほぼ日刊イトイ新聞」で
存じ上げていたのですが想像通りの方でした。
最高に素敵な方でした。

2022年11月27日日曜日

光クラブ&御成敗式目

ありのまま写し伝えん寒牡丹
寝息立て落葉の上の親子猫
冬陽射し浴びて落葉と眠る猫
鳥の襲撃瞬間捉う木守柿(きもりがき)
枯桜スキャンされたる老いた人

■にっぽん!歴史鑑定「東大生の闇 光クラブ事件の謎」より
闇金融界の風雲児 東大生社長 山崎晃嗣
「人生は劇場である
 僕はそこで脚本を書き
 演出し主役を演じる」

「東大生社長」という役を演じきっていたため
罪悪感を全く感じなかった。
学生である自分が投資家から莫大な金を集め
それを平身低頭となって借りに来る人たちに
貸すことに満足していた。
騙すことで自尊心を満たしていたのかもしれない。

営業部長、秘書の裏切りからほころびが見え始めた。
青酸カリを服用に自殺。

「高利貸冷たいものと聞きしかど死体さわれば氷カシ(高利貸)」
山崎晃嗣

https://ja.wikipedia.org/wiki/光クラブ事件

■御成敗式目 
鎌倉幕府の基本法典。
貞永元年(1232)、執権北条泰時が評定衆に命じて編纂(へんさん)させたもの。
51か条からなる。
源頼朝以来の慣習法・判例などを規範とし、
行政・訴訟などに関して定めた武家最初の成文法。
後世の武家法の基本となった。貞永式目。

知恵泉 より
▪悪口は争いのもととなるため重大なものは
 流罪とし軽い場合でも牢に入れる
▪人に暴力をふるうことは
相手の恨みを買うためその罪は重い
▪領内の農民が逃亡したからといって
 その妻子を捕まえ家財を奪ってはならない

清水克行氏
しかし、鎌倉武士の倫理観からすれば
他人から悪口を言われ裁判に訴えるというのは卑怯。
(悪口を)言われた瞬間に斬れるのが武士としての正しいやり方。
そういう武士を矯正するのが北条泰時の役目だった。
泰時は厳罰だけではなく緩刑化も執り行った。
不倫に関しては以前より寛大な刑となった。
以後、寺子屋の教科書にもなった。

2022年11月26日土曜日

ピザ窯で一句

伸びやかに空間目指す尾白鷲
冬の雨Chromeまでも反抗期
冬の山廃仏毀釈そこかしこ
冬浅し神輿上下に滝入りへ
初霜よ白装束の神輿入り

プレバト纏め 2022年11月24日
ピザ窯で一句


永世名人 富美男のお手本
梅沢富美男
ピザに焼く上顎の皮雪催
添削(皮が不要。
   オノマトペだと3音を4音にして字余りになっても気にならない。
   句またがりにし季語を主役に立てる。)
ピザに焼く上顎雪催しんしん

特待生昇格試験
北山宏光
雪催煤切れを待つ耳赤く 
添削(情報の詰め込み過ぎ。雪催(もよい)冬の季語 
   今にも雪が降りだしそうな天気のこと。)
石窯の煤切れを待つ雪催

馬場典子
ピザカッターの先に居るずわい蟹 
添削
ピザカッターの先ずわい蟹のかたまり
ピザカッターの先ずわい蟹のこんもり
ピザカッターの先のずわい蟹を睨む
ピザカッターの先のずわい蟹をどうする

1位 高瀬愛奈
冬銀河打ち上げピザはナポリ風
(季語の冷たさ・美しさと対比された中七下五。
 冬銀河 冬の季語 冬の夜空にかかる天の川のこと。)

2位 渡辺満里奈
400℃火の如赤き父のセーター
添削
ピザ窯の火のいろ父のセーター

3位 坂井良多
炭ドームチーズとトマトの一騎討ち
添削(炭は冬の季語。トマトは夏の季語。幼稚な擬人化。)
ピザ窯はチーズとトマトの一騎討ち

4位 大貫勇輔
炭火前早く運べとサラミの目
添削
炭火爆(は)づピザのサラミ目のごとく

次回のお題は「カラオケ」

2022年11月25日金曜日

戦禍の中の俳句

感動のなき教科書冬暖か
駐車場溢れる冬陽きらっきら
お買い得車走らせ冬の朝
冬の陽やインド映画の3時間
石集め想像の旅冬星座

■ETV特集 戦禍の中の俳句

うつくしき空より飛来ロケット我らに
子ら遊ぶ紙飛行機で防空壕
色失せた凍える女地平線が震える
七月の暮れ去年の切株で薪を割る
遠い停車場風に吹かれしタンポポが
古い写真我より若き祖母夢に出づ
特別軍事作戦サラダに油少なめに
ペイントボードの痣長く見つめたら別の惑星
「生きてます」息子の手紙光跳ね
文化キャンセル昇る日なき地夜に沈む
未耕作沃野を覆う黒い鳥
星の光街の灯空に去ったよう
掌にミサイルかけら痛い
砲撃後看板なしで通り分からず
子ら遊ぶ紙飛行機で防空壕
耳詰まる突如の静寂雪は血に
サイレン吠え中庭で犬が泣く
二月川面の穴ルーシの水すべて黒し
星月夜キエフを向きて祈りけり
須磨寺に別の寒さのありにけり
ロシア語の「武士道」頁の間に乾いたゴキブリ
流氷を貪欲に運ぶトミ川最後の雪
ずんずんと夏を流すや最上川   子規
公園に兵士幾度の触れる空の軸
川 幼き日流れに反し雲泳ぐ
木の匂い一番強い暴風後
こほろぎが髭をかつぎて鳴にけり   一茶
古池や蛙飛びこむ水の音
かたつむりそろそろ登れ富士の山   一茶
瓶の魚岸辺の絶景海を乞う
無間の原今年は特に赤い彼岸花
長き冬古い教科書捨てずにおく

翻訳する方もそれを読む方も俳句に精通していないと
成立しない番組だと思いました。
静寂を「せいじゃく」と読んでおられましたが
「しじま」ではないでしょうか❓

■光泉寺(美馬市)「友情の碑」
三宅速(はやり)へ アインシュタインより
「ふたりはともに人の世の恐ろしい
 迷いの犠牲となって、ともに亡くなった。」

2022年11月24日木曜日

お役立ち哲学とAI×俳句④

バブル崩壊急転直下冬のドル
冬の月自然の動き未完成
神在祭(かみありまつり)無自覚の思い込み
惜命忌(しゃくみょうき)音符のように軽やかに
冬の山巨木の回廊風冴ゆ

■ロッチと子羊 より
お役立ち哲学
ホッファー 曰く
「教室で教えうるすべてのことは
 遊び場で互いに教え合うことに
 比べれば無に等しい。」
「私はいつも5歳という時期が
 黄金時代だと感じている。
 我々は皆 5歳の時には天才だ。」

ルソー 曰く
「子供が小さいうちは、自分のために
 生きられるようにしてあげてください。」
(15歳から他者への配慮、共感力を身につければ良い。)

ハーバーマス 曰く
「大人の会話とは、対等でかつ
 合意を目指すものです。」
(子どもという意識がある限り対等にはならない。)

■夏井いつき俳句チャンネル
【AI×俳句④】『王国の蝶』の一句からAIが作った画像が...

月はいま濡れたる龍の匂ひせり   夏井いつき
Moon smells like a wet dragon just now.

太陽の恐ろし蝶の口恐ろし   夏井いつき
Scary sun butterfly’s grotesque mouth horror.

凍滝や火を噴く龍を眠らせて   夏井いつき
Frozen cataract sleeping dragon inside.

題「心移り」

霊場の門扉彩る冬紅葉(太龍寺)
冬空へ西陽を浴びて燃ゆる櫨(はぜ)
茶の花や鳥のさえずり子らの声
柿落葉穴こさえても懐石に
山茶花の心尽くしのおもてなし

NHK短歌 題「心移り」
選者 江戸雪 ゲスト 山崎静代 
司会 星野真里 レギュラー カン・ハンナ

■冒頭の短歌
結ばれる日はもうなくて冬空にかすむ飛行機見上げておりぬ
江戸雪

■恋のフレーズ短歌
心移りのイメージを七音のフレーズで表すと
カン・ハンナ 目を見てくれぬ
山崎静代 ミスチルの歌
戻らぬ季節 星野真里
もう今は目を見てくれぬ秋となりミスチルの歌 戻らぬ季節

入選九首 テーマ 心移り
特急の切符二枚で指宿へ隣にきみの姿はなくて
知己凛(ちこりん)
君と買った夏の詩集が褪せていく誰かが悪いわけでもなくて
大野恭敬(やすたか)
まぶたには新しい色本当はきみに見せたい光だったな
福山桃歌
心って離れるものだ青すぎるプールの壁をまっすぐに蹴る
小池ひろみ
ねえどこまで巻き戻したらいいのかなカメラロールの君に訊ねる
檜澤さくら
好きだったところを嫌いになっていくレタスひりひり削ぎ取りながら
薄暑なつ
ひっそりと三面鏡に映りこみ心移りを見透かすこけし
片井俊二
あいまいな相槌ばかり返されて色づく銀杏並木が痛い
広木登一(とういち)
💮ケアンズの南十字座指差した君をそのまま凍らせたかった
相内あみ

■恋バナ短歌
まだ我はどこにも行かず羽化のあと木に残る蝉の抜け殻のよう
カン・ハンナ 添削
まだ我はどこにも行かず葉の裏に残った蝉の抜け殻のよう

暮れてゆく部屋の光量吸い尽くすブルーライトの結婚報告
星野真里
暮れ方の部屋の光量吸い尽くすブルーライトの結婚報告

胸と胸はなれてゆくよさびしさの空蝉(うつせみ)だけを君に渡して
江戸雪

短歌侍特別編
NHK短歌×らじらー!SATURDAY
コラボ企画への道
栗木京子先生 元髙克樹 矢花黎 
ベスト3を選出 テーマ 幸せ
数を絞り込んでいく
独自性があって発見があって
まとめすぎていない下の句を選ぶ

元髙克樹
つけ麺を覆い尽くしたトッピング
 小麦の香りを湯気に含ませ
 明日の浮腫みはないものとする
 白飯追加であとかたもなく
 部活後の胃はブラックホール
 箸で崩せば香るあごだし
 上の句のレベル高すぎるよーーー
 見てるわたしがわたしのカロリー
 みたいでなかなか「ごめん」が出ない 星野真里

矢花黎
眠い目をこすりながらも家を出る
 背負うギターの重力2倍
 食パン咥えヒロインなりきる
 洗面所から父の遠吠え
 赤城颪でああ、目が覚めた
 チャリで帰れぬとこへ飛び発つ
 のぞみ5号がマチネへ連れてく
 (マチネとは昼公演のこと)
 歩道の隅にもふもふの犬
 肩にとまれよ君に似た鳥 江戸雪

2022年11月23日水曜日

名言

氷る頬パラグライダー水の丸
山愛の水車(うすば)回さん冬の駅
ヘルシーとジャンクの両立風花
ビッドレスマーケットへと冬の陣(2022年11月)
冬樹の葉落ちるスピード早過ぎて 

■名言
アルフレッド・スローン 曰く
「人生そのものが
 試行錯誤の過程である。」

エレノア・ローズヴェルト 曰く
「歴史は私たち自身の手でつくるのです。
 人間は希望を持つ方がより知的です。
 できないと言っていては
 何事も達成できません。」
1962年11月7日(78歳)死去

マルティン・ルター 曰く
「明日、世界が終わるとしたら
 今日、私は林檎の木を植える。」

アン・サリヴァン 曰く
「どんなささやかな成功も、
 他人の目には触れない、
 挫折や苦難の道を経ているもの。」

ベンジャミン・フランクリン 曰く
「金は良い召使いでもあるが、
 悪い主人でもある。」

ソロー 曰く
「都会の暮らし
 何百万人もの人々がいるのに、
 みな孤独。」

2022年11月21日月曜日

兼題「返り花」

遍路道冬の参拝雲辺寺
ゴンドラが冬を行き交う箸蔵寺
神山の廃校銀杏の曲線
冬色のグラデーションの街闊歩
冬の道パステルカラーひしめかん

NHK俳句 お題「返り花」
選者 星野高士 ゲスト 金子三勇士 司会は武井壮

■冒頭の俳句
近づけば歩み去る人返り花   池内友次郎

■会いたい俳人、12人 池内友次郎
池内友次郎は「音人間」
明治39年高浜虚子の次男として生まれる
昭和2年パリ音楽院に入学 平成3年没

流れゆく大根の葉の早さかな   高浜虚子
この俳句にも音楽を入れています。
「音楽の音が僕とても好きでした。
 大変美しいものですよ。音と言うのは
 特に楽器の音 心にしみわたるような瞬間は
 しばしば僕は味わいました。」
早春の耳美しき音のみ聴く   池内友次郎
(底辺に見えない音がある。と星野高士氏)

「返り花」とは小春日和のあたたかさに
季節でないのに咲く花のこと。

■入選九句 兼題「返り花」
武③ダム湖にも立つ夕波や返り花   吉次薫
雨雲の上は晴天返り花   山口誠
💮悔いは残さぬ一輪の返り花   平本雅子
船乗りの留守の庭先返り花   前田憲治
さよならを確かめてゐる返り花   青田奈央
返り花こんなところと云ふところ   伊佐治秀一
海光の一番ホーム返り花   村田浩
忘れたきことばかりなり返り花   竹内一二(かずじ)
ゲ②雨粒に色をうつして返り花   河添美羽

■ハンガリーで詠まれた俳句の紹介
冬の朝澄んだ晴れ空光る水
日本語訳 金子三勇士

2022年11月20日日曜日

歴史探偵「正岡子規」

冬めくやもののあわれと寄り添へり
なきものをあると思わん冬浅し
抜け落ちて行く記憶はいずこ惜命忌
紅葉散る今日も今日とて漢意(からごころ)
冬の日や月なき空に曜(よう)浮かぶ (曜とは星のこと)

歴史探偵「正岡子規」より
佐藤二郎(所長) 近田雄一(探偵)

明治版SNSに迫っていました。面白かった!
文学の一大革命に迫る
20代の子規
俳句の方字数少けれども意味深くして遥に面白し
「古池や蛙飛びこむ水のおと   松尾芭蕉」
静かという言葉を使わず静けさを伝えた
これこそが俳句の奥深さだ

一部をあげて全体をあらわし
あるいは さみしくと言わないで
さみしいように見せるのが
優れた詩の趣だと思い至り
思わず机をたたいて
「古池や」の句の味を知って喜んだ
「筆まかせ」より 子規22歳

五七五のリズム
調子よきか如く
聞く人におもしろく感せしめ
「真砂集」より

四季のおじいさんが漢詩の得意な人で
お殿様の先生だったりして
子規は筋がよくて褒められた

ことばをたくさん覚えていくということは
世界をいろんなふうに表現できる
そういう道具をいっぱい見つけてくることに
非常に関心のあった人だと思います。

子規の考えた野球用語
Striker 打者
Runner 走者
Direct ball 直球
Fly ball 飛球

当時の俳句を痛烈に批判した
卑俗陳腐(品がなくて俗っぽくて古くてつまらない)
「俳諧大要」正岡子規

昔の俳句は似通った俳句が多かった 
パターン化していた
月の秋の宿とやみがく玉椿
月もいくよみがえる宿の玉椿

いい言い方をするとポピュラーな単語を多く使った俳句
悪い言い方をすると使い古された単語を
集めたような俳句が多いなという印象

如何に同様の趣向にして
如何につまらぬ趣向かが
一讀して直に感ぜざる者無かるべし。
「ホトトギス」より

俳句をものせんと思はゞ
思ふまゝをものすべし
巧を求むる莫(なか)れ
他人に恥かしがる莫れ
「俳諧大要」より

五月雨を集めて早し最上川   松尾芭蕉
五月雨や大河を前に家二軒   与謝蕪村
子規は写生の観点から見ると蕪村の方が優れている

人に伝わる俳句のコツ
① 実体験を題材にする
② 日常を言葉にする

バツイチの総菜ひとつ秋の暮   野里哲

妻が居て息子と戯れ酒極上   佐藤二郎所長
添削(季語を入れる)
妻が居て息子と戯れ新酒かな   句陀仏(所長の俳号)

六月八日
僕は蚕を飼ひ
桑を少し摘みて
田植に行く。
「ホトトギス」より

「誰でも自分の言葉で発信すべきだ。」と子規。
明治は個人が自分の力で
生きていく時代だっていうこと
あなたも作家になるって言うことです。
誰もが作り手になり誰もが情報の発信者になる。
今のSNSと近いものがある。

子規のレガシーは俳句のそうですけど
生きているというふうに見ることができる。
井上泰至

2022年11月19日土曜日

神宮外苑の銀杏で一句

子ライオン個性を持ちて冬陽射し
強がりてカメラ目線の子ライオン
門構え額縁のごと冬紅葉
床の間へ茶の花二輪いきいきと
クーデター聞く者もなく憂国忌

プレバト纏め 2022年11月17日
神宮外苑の銀杏で一句

永久名人 富美男のお手本
梅沢富美男
吾子踏みぬ銀杏落葉の無尽なり
添削(子の年齢を描写すべき。「無尽」の名詞止めで光景が広がる。)
銀杏落葉歩きはじめた子に無尽

永世名人への道
千原ジュニア
銀杏落葉やカチンコの渇いた音
添削(「乾」ではなく「渇」を選んだのが上手い。
   「渇」は満たされない思い、イライラする
   強く欲しいなどの心情を表す漢字。
   霏々とは雪や雨などがしきりに降る様子。)
カチンコの渇きや銀杏落葉霏々(ひひ)

特待生昇格試験
森口瑤子
足踏みを五回枯葉の音愉快 
(季語を音として聞かせている。
 数詞が「枯葉」を音として聞かせる伏線になっている。)

1位 二階堂高嗣
初霜やオーディション会場不安
(「初」にはその年最初に迎える華やかな気持ちもある。
 霜をサクサクと踏む不安げな音と
 会場に向かう晴れがましい気持ち。不安な心情が表現されている。)

2位 大友康平
肩ぐるまズシン嬉しや日脚(ひあし)伸ぶ
添削(「嬉し」に「や」は大袈裟。ほのぼのとさせたほうが良い。
   措辞のトーンを弱め季語に軸足を置くと良い。
   日脚伸ぶとは年も明けて、少しずつ日が長くなることをいう。晩冬)
肩ぐるまズシンと嬉し日脚伸ぶ

3位 小倉優子
秋夕焼5kmポストの兄を追う
添削(助詞「の」は読み手を色々と迷わせる。)
ゴールは5km兄を追う秋夕焼

4位 ダイアン・ユースケ
黄葉が頬にうつりし無邪気顔
添削(子が一人なら動作を書く。)
子は駆ける銀杏黄葉の只中を

次回のお題はピザ窯。

2022年11月18日金曜日

よみ旅!in岩手(前編)と柳葉魚

冬浅し沈み行く景へ逆光
審美眼越谷の雪極めけり
雪景色ジョブズ嵌った新版画
新版画愛したジョブズ雪の寺
雪晴や美の原点は巴水かな

■夏井いつきのよみ旅!in岩手(前編)
銀河の日日煙待つ小さき手   濱田かづえ

新作のグッズ発売柳叟忌(りゅうそうき)   前川さおり
(柳叟忌は民俗学者 柳田國男の命日)

急降下セピア色なり秋の朝   前川敬子

坊やの手ホップ跳ねるや笑みこぼれ   袴田大輔

ホップの香りとはさみどりに爽やかに   夏井いつき

蓮池(はせき)の地手繰(たぐ)り寄せたや時と夢   運萬治男

秋の雨映画チケットにぎりしめ   スーパーヒーロー2号(木村紘菜)

どう思われるかよりどうありたいか ROLAND

語るたび死の影遠く秋の空   堀切初

■一分季語ウンチク 柳葉魚(ししゃも)

冬の味覚としてポピュラーな
食卓にのぼる魚でもあります。
この「柳葉魚」は北海道でも
よく獲れる魚となっています。
実は日本の固有種という事になるのだそうです。
何か一杯いてよいものかと思いきや
そんな希少なとちょっと驚きます。
しかし近年漁獲量がかなり
減っているようでして2021年は記録的な
不漁ともなったようです。
冬の「柳葉魚」10月~11月に獲れるものは
脂肪分が身から減ってメスは卵を抱えている
「子持ち柳葉魚」と呼ばれることもあります。
あの一つの卵の一括りの中には
4千から1万匹程度の卵を抱えているそうです。
何とか漁獲量を保全していただきたいものです。

2022年11月17日木曜日

種田山頭火と寺田寅彦と平櫛田中と西行とAI×俳句③

冬雲雀生命力の溢れをり
大クスのみなぎる命冬の空
冬の風主幹にできた空洞へ
裸木の表皮を覆う深き苔
青き空眉山へ独り石蕗(つわ)の花

■夏井いつき俳句チャンネル
【AI×俳句③】『AIの気持ちが分かってきた』AIが作る画像を予想

鶴食うてより言の葉のおぼつかな   夏井いつき

龍を呼ぶための鬼灯(ほおずき)鳴らしけり   夏井いつき

金閣も金の葉持つや松手入   鉈煮(ナニサエル・ローゼン)
Pine trees cut and trim surrounding a golden house leaves of gold and green.
(訳:ローゼン・千津)

お神輿や胸毛に白髪混じりある   朗善千津

ふゆにはわたしも犬になるはず   アダム5歳

■西行―語り継がれる漂泊の歌詠み
「願はくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月のころ」
何度も自死を試し死を美化した西行を
どうしてここまで日本人は好きなのでしょうか❓
自死はいけないとの教えと真逆をやった人なのに…。
水のごとく生きるのを良しとしているのでは…❓
それと、テロリストを美化しています。私には理解不能です。
いい加減、忠臣蔵を美化するのは止めて欲しいです。

「六十七十ははなたれこぞうおとこざかりは百から百から」
平櫛田中(ひらぐしでんちゅう)
夢のある人、やるべきことがある人は長生きしてください。
痛みをこらえ傷つきぼろぼろになっても生きながらえるだなんて…。
私は耐えられません。
生きている間全力疾走するので、
どうか早く人生の幕が閉じられますように…。(祈)

■俳句
梟(ふくろう)や口真似すれば杜の中
寺田寅彦
ふくろうはふくろうでわたしはわたしでねむれない
種田山頭火

2022年11月16日水曜日

兼題「秋鯖」と成田悠輔氏の言葉

ささやかな願いの先の冬北斗
目を閉じて毛繕いせり冬の猫
冬の朝湿った空気ずっしりと
梟(ふくろう)の柔らかき毛やぬくぬくと
痛風のティラノザウルス凍(いて)つきて

■ギュッと!四国 夏井いつきの俳句道場
兼題「秋鯖」
▪解説
「鯖」は夏の季語。産卵を終えた鯖が秋に向かえ脂がのり
美味しくなるので「秋鯖」として独立した季語になった。

▪選句ポイント
率直な描写と心情

▪ギュッと!特選
竹串に秋鯖一本の愉快   伊藤柚良

▪秀作
晴れと褻(け)の間の青や秋鯖は   みうら朱音
ターナー島見つつ秋鯖釣つてをる   岩宮鯉城
弁当の秋鯖午後は外回り   のりのり
秋鯖を焼く香床屋の雑誌まで   森静香
秋鯖やぷくりと焦げた皮の反り   北欧小町
秋鯖と小さき嫉妬ぷしゅぷしゅと   一久恵

▪佳作
「秋鯖」にのぼり取り替え定食屋   阿波オードリー
白ワイン然(さ)らば秋鯖イタリアン   るう子
じふじふと嫉妬も焼ける秋鯖や   巳智みちる
(夏井いつき先生の添削を見せて欲しかった。)

参照:
https://www.nhk.jp/p/gyuttoshikoku/ts/7MXVZZ52K3/blog/bl/pKyjJXApJB/bp/p58X8BBQq5/

■成田悠輔氏 曰く
「とっととYou-Tubeを閉じて職場に戻れ」

2022年11月15日火曜日

ドライブスルーで一句

11月12日記載漏れ
冬の月テロを美化する日本人
冬星座全ての句は遺言なり
冬ぬくし心ありきの言葉あり
寒桜異なる時間の概念
冬の海他人の話を聞けぬ人

プレバト纏め 2022年11月10日
ドライブスルーで一句

永世名人富美男のお手本
小さき手のピクルスつまみ出す小春   梅沢富美男
添削(「手」「つまむ」は情報が重複。
詠むべきは「手」ではなく「指」。)
ピクルスはパパに小春のハンバーガー

永世名人への道
時雨るるやジュニアシートで待つポテト   藤本敏史
添削(「で」は動的、「に」は静的な動詞が続く。
   「や」の詠嘆は大袈裟。時雨の特性を「また」で表現。)
時雨またジュニアシートに待つポテト

冬の星信号待ちのポテト2本   横尾渉
添削(語順が違う。)
ポテト2本信号待ちの冬の星

1位 レイザーラモンRG
星の入東風(いりごち)今夜の恋をくれた人
添削(細川たかし「北酒場」の引用では胸を張れない。)
星の入東風よ今夜の恋ひとつ

2位 矢花黎
助手席でポテト抱える息白し
添削(「で」は「へ」に変えることで
   運転席の窓が開いて助手席へ渡す動作が見える。
   開いている窓から冷たい風が入ってくる様子がわかる。)
助手席へ渡すポテトや息白し

3位 勝俣州和
冬の朝我慢しきれずはしご芋
添削(中七の説明、はしご芋の造語は不要。
   芋は俳句では里芋を指す。)
ドライブスルー冬のポテトをはしごして

4位 松嶋尚美
初雪日湯気たつ郷まで道中宴
添削
初雪の道中楽し温泉へ

次回のお題は「神宮外苑の銀杏」

題「イタリア料理」

マスクつけ個の可能性抑制さる
息白し未来は予測不能かな
敷松葉もてなす心そこかしこ
黄花亜麻(きばなあま)故人の意思はいつまでも
冬鷺や羽ばたく五羽の餌探し

NHK短歌 題「イタリア料理」
選者 笹公人 ゲスト ベリッシモ・フランチェスコ 今野大輝
レギュラー カン・ハンナ 元髙克樹 矢花黎 司会 星野真里

▪冒頭の短歌
イタ飯屋の壁に抱き合う小天使(エンゼル)がわんぱく相撲に見えるまで飲む
笹公人

▪テーマ「歌人のグルメ」
短歌の穴埋め挑戦!~グルメで一首~
伸びてゆくチーズのような未練など時のナイフが切ってくれるさ
笹公人
カン・ハンナ 冷めた空気
ベリッシモ・フランチェスコ ハンナとベリ
星野真里 ピザカッター

▪入選九句 テーマ「イタリア料理」
「前世はイタリア人やパエリアが十八番の髭面夫の真顔
吉田知子
フライパンにニンニクの香の立ちのぼるイタリアオペラの序曲のごとく
兼松正直
💮ベランダに育つバジルとオレガノと青紫蘇ここに国境はない
ともえ夕夏(ゆうか)
楽しげに水鉄砲で遊んでるボンゴレになる定めを知らず
冨見井高志
永遠に恋にならない相手とは気にせず頼むイカスミパスタ
澪那本気子(みおなまじこ)
そう言えばフォークとスプーン使っていた昭和の頃のスパゲッティは
毘舎利(びしゃり)愛子
「ボンジョルノ!」覚えた単語で挨拶と意気込む我に「イラッシャイマセ!」
内山真二
ピザが来て友達が来て酒が来てみんな帰ったあとピザ残る
中村美夏
エクストラバージンオリーブオイルって美少女戦士みたいに叫ぶ
麻倉遥

▪短歌侍 特別編 NHK短歌らじらー!SATURDAY
コラボ企画への道
あなたも短歌侍
眠い目をこすりながらも家を出る   矢花黎
つけ麺を覆い尽くしたトッピング   元髙克樹

眠い目をこすりながらも家を出る
朝日を浴びてみんなのもと   今野大輝

▪歌人のグルメ
元日の郵便受けに入りてゐし「ピザ」のチラシの沁みてかなしも
小池光

▪短歌ボナペティ ゲスト ベリッシモ・フランチェスコ
キーワード 愛
生ハムを食めば描けるドロミティは母国の愛を象(かたど)っている
カン・ハンナ
葉書にはドロミティ山脈生ハムは今も好きだよ愛していたよ
星野真里
生ハムはイタリアの花「愛してる」の代わりに今日も皿に咲かせる
笹公人

2022年11月14日月曜日

兼題「冬紅葉」

自分しか愛さない人冬ざるる
愛しても愛されなくて月冴ゆる
冬の景当てる光の角度かな
ラジオ体操精だす夫冬の朝
肌荒る秩序を招き停滞へ

NHK俳句 兼題「冬紅葉」
選者 井上弘美 ゲスト 山崎怜奈 司会 武井壮

▪冒頭の俳句
山門に果つる琴坂(ことざか)冬もみぢ   井上弘美

俳句ナビ 冬紅葉
秋の季語 紅葉 楓
春の季語 花楓(もみじ咲く)
冬の季語 散紅葉
夏の季語 青楓

▪入選九句 兼題「冬紅葉」
大(おお)門は喪にのみ開く冬紅葉   吉川佳生(よしお)
杣人(そまびと)が薪を割る音冬紅葉   井深靖久
托鉢(たくはつ)に若き息あり冬紅葉   二木(ふたつぎ)雅弘
猛稟(もうきん)のけふは来ぬ日や冬紅葉   神保(じんぼ)と志ゆき
袋田(ふくろだ)の飛沫(しぶき)の中に冬紅葉   菊池和正
山崎 廃寺裏(はいじうら)怒るがごとき冬紅葉   林璋(あきら)
💮武井 石垣に大火の跡や冬紅葉   山下清実
白神(しらかみ)の峰の収まる冬紅葉   天童光宏
青空へ挽歌のように冬紅葉   八田昌代

▪俳句ナビ 添削コーナー
祖母の家古道彩る冬紅葉   山崎怜奈
添削(静止画が動画になった)
祖母がり(許)へ古道彩る冬紅葉

黒門に紅(べに)を映して冬紅葉
添削
黒門に映すくれなゐ冬紅葉

切通し青空細し冬紅葉
添削(三段切れ、「き」でも調べが良くない、標記の効果も考慮する)
冬紅葉あをぞら切通し

2022年11月13日日曜日

夏井いつきのよみ旅!in青森(後編)

響き合う謝する心や冬芽かな
冬氷る砧の音の響きをり
冬に逝く超新星のごと輝きて(ガリレオガリレイ)
寒昴あなたを想うたまゆらの(かすかの意)
冬の夜あるやなしやのささめごと(ひそひそばなし)

夏井いつきのよみ旅!in青森(後編)
だまされだおっほの甘さにしげァはしる   柾谷伸夫
「おっほ」は「にごり酒」秋の季語
胃液が上がってくる状態が「しげァはしる」
津軽弁と南部弁は全然違う
津軽弁まいね(ダメだ) 南部弁わがね(ダメだ)

混浴の火照り(ほてり)も引けて虫時雨(むししぐれ)   竹田有理沙
「虫時雨」秋の季語
大沢温泉(岩手県花巻市)1200年の歴史がある無色透明の湯

秋の朝めかぶみそ汁かーままけー   秋元優子
「かー」というのは「さあ」とか「はいどうぞ」とかという意味

秋の朝鳴くはうみねこいや赤子   イカドンパパ

新涼や山粧(よそお)いの支度かな   山ガールこと野田友美
「新涼・山粧い」秋の季語

母の碗(わん)浮かぶせんべい秋の月   木村聡
八戸せんべい汁(南部せんべいを煮込んだ郷土料理)
南部せんべいは小麦粉を原料としたせんべい。八戸発祥といわれる)
やませ(北日本の太平洋側で春から夏にかけて吹く冷たい風)
八戸では200年以上前から朝・晩ごはんで食べる家庭料理
主食の代わりだった
昔からエコSDGsをやってた

祭りの夜出せぬ歓声身に染む音(ね)   石橋元平
通称日本一の山車祭りともよばれています
八戸三社大祭 2016年ユネスコ無形文化遺産に登録
八戸の山車は小さい状態から大きい状態にトランスフォームする
祭りでは27台の山車が集まり練り歩く
山車は毎年作り替えられる
山車を作るのは八戸の地元住民たち
八戸の山車作りは職業も違うし世代も違うし
男女関係なくみんなが集まって作る

三百年目の秋我ら南部たり   夏井いつき

2022年11月11日金曜日

名言と「冬珊瑚」

山の冬したたり落ちる雫の音 
冬の夜ぐにゃり歪んだ時計あり
日つまる時間の概念起源とす
冬の夜使い込まれた用の美と
うつむいて未来を見つむ冬の波

■名言
野口英世 曰く
「努力だ、勉強だ、それが天才だ。」

小林正観 曰く
「相手をまるごと認めると
 お互いにラクになれます。」

夏目漱石 曰く
「人間の目的は、生まれた本人が
 本人自身のためにつくったものでなければならない。」

■一分季語ウンチク 冬珊瑚
「珊瑚」と言う名前はついていますが
海の中の珊瑚ではありません。
じゃんるは「植物」にあたり
「冬珊瑚」または「玉珊瑚」という呼び名もあります。
もとはブラジルが原産の小低木なのですが
日本では草木のように扱われています。
冬になりと実をつけるのですが
その実が緑から鮮やかなオレンジ色に
熟していき花の少ない冬ですから
余計に鮮やかなオレンジ色が目立つと
そういう植物になっています。
また別名を「竜の玉」と呼ぶこともあるのですが
俳句で「竜の玉」と言った場合は
これは別の季語になります。
「蛇の髭の実」を指すことが多い。
ですのでこの季語を使う場合は
「冬珊瑚」あるいは「玉珊瑚」と言った方が
誤解も少なく良いかと思います。

2022年11月10日木曜日

名言と一橋桐子の俳句

牛腸茂雄(ごちょうしげお)氏へ 
秋雲や見知らぬ人に見つめられ 
秋景色匂いの残る写真かな
秋真昼孕んだ母と子の笑顔
背負った重荷おろした世界渡り鳥
吾の起源探しあぐねん草の花

■一橋桐子の犯罪日記より 

罪じゃない闘っただけ秋蛍   桐子
桐一葉ひらり笑って終わりたい   桐子
さようならパチンコ台も秋めいて   桐子
許されぬ罪の重さぞ霧深し   桐子
秋桜が好き自由に生きるから   桐子

■名言
大石順教 曰く
「しないことと、
 できないこととは違う。」

御木徳近 曰く
「『一体どれだけ努力すればよいか』
 という人があるが、
 『君は人生を何だと思うか』
 と反問したい。
 努力して創造していく間こそ
 人生なのである。」

勝海舟 曰く
「やるだけのことはやって、
 後のことは心の中で、
 そっと心配しておれば良いではないか。
 どうせなるようにしかならないよ。」

2022年11月9日水曜日

三十一文字にかけた夏~熱闘!短歌甲子園~

はんなり気取る山茶花や風に舞う
ガラス窓張りつくヤモリ長き夜
重荷降ろさん秋の越路と広き空
懐かしく愛おしくあり秋景色
何気ない会話重ねん秋の空

三十一文字(みそひともじ)にかけた夏~熱闘!短歌甲子園~

先生が間鴨(あいがも)ならば親にして斜め後ろを歩いてみたい

また伸びた?そう近づいて背比べ恋する想いは負けてないよと

牧水・短歌甲子園

征服したはずの歴代将軍に首を取られる第一問目

「超新星 爆発したことを知るあなたの髪の異常な短さ」
岡田優羽
午後八時までの時間を妹が無限に食べるにんじんしりしり
関谷ななみ
真夜中の今のソファーで父を待つハハの寝息はダースベイダー
岡田優羽

俵万智女史の言葉
「言葉を自分の心に投げ入れたときに
 自分ってこんなことを考えていると気づく
 言葉の技術を持っていると
 心が見えやすくなる
 言葉を磨いておくことは良いこと。」 

永井敦也君(筑波大学付属高校2年生)の言葉
「詠んだ人の心にずっと残り続ける短歌を目指していて
 単純に共感を誘うなら恋した瞬間や失恋した瞬間とか
 みんなの心に残る一部の人に強く残るもの
 自分の札はついた状態で短歌が世に残る
 遺言だと思う
 一部の人に強く残ればいいと思う」 

モータルな隙間デパートの紙袋だけ詰め込んで隠そうとする
酒井宏太郎
リリカルな寝息、グラスのアイスキューブ、南極の映像、あ、天使の間
永井敦也

俵万智女史の言葉
「スタートに心があるから表現の冒険がちゃんと下支えされる。」 

遅々として迷える祖父の散歩道飛行機雲は夕闇に消え
藥丸涼花
恋などにしたくないので少年を悪くないのに悪友と呼ぶ
藥丸涼花
希死念慮かおる白夜のような朝内服薬よりあなたの抱擁
古谷明希歩 
100年の眠りから醒(さ)めた恋人が掠(かす)れた声で呟くHello
永井敦也
「俺ら無敵」誰かが言ってたその言葉ペダル蹴りこの青空を駆(か)く
三井幸乃
太ももの間にぬっとつくられるあの娘のバミューダトライアングル
畠山来夢
「眠くない?」「うん眠くない」「そうなんだ、俺も」「君も?」「うん、寝たくない」
久保瑞葉
人道と呼ばれる弾雨(だんう)の夕闇を走る母親のまなざしは獣(けもの)
古谷明希歩
死ね死なぬ一心不乱の戦争を巨人の瞳はどう映すのか
齋藤健弥
後悔を吸って膨らみぐずぐずの一人とり残された天カス
岡田優羽
ハイライト一人になって思い出す君の作った造語からくり
酒井宏太郎
超新星爆発したる恋心何億年後に君に届くか
岡田優羽

筑波大学付属高校の生徒の短歌に魅了されました。
新風を吹き込むというとんでもないことをやってのけました。
期待しています。

2022年11月8日火曜日

題「ケンカ」

一心にたわわな葡萄喰らう栗鼠
大空へ秋桜ゆれて背伸びせん
秋の声高貴の中のぬくもりが
秋澄むや立ち上がろうと息止めて
暗き山雪の階段一歩ずつ

■NHK短歌 題「ケンカ」
選者 栗木京子 レギュラー 本髙克樹 矢花黎 司会 小沢一敬

▪冒頭の短歌
口喧嘩する男女ゐて車窓にはとぎれとぎれに桜木の見ゆ
栗木京子

▪短歌侍への道
ユーモアを感じさせる
客観的な視点が必要

▪Lesson1 ユーモアを詠む
言ひ合ひののちの蹴り合ひ殴り合ひそのみなもとの腋毛(わきげ)!の一声(ひとこゑ)
大松達知

▪Lesson2 視聴者のエピソードを短歌に
ポイント ユーモアを詠む

妹とオモチャをめぐる大喧嘩泣かし泣かされ溢れた「ごめんね」
元髙克樹 添削(対句)
妹とオモチャをめぐる大喧嘩溢れた涙溢れた「ごめんね」

「ごめんなさい」顔を歪めて言うキミと共に泣いてる姉に威厳無し
矢花黎

もう二度と遊ぶもんかと言うはずが妹を見たら出てきた「ごめんね」
小沢一敬 添削
もう二度と遊ぶもんかと言うはずが泣くに溢れる「ごめんね」

▪入選歌紹介 テーマ ケンカ
ぴかぴかのイスをみんなで取り合った保育園児の朝の騒動
吉川修一
助手席で「車いいね」と喜ぶ母買う時あんなに怒っていたのに
ととや
ほっとする腹が立ってる僕はまだAIにないものを持っている
畑依裕(のりひろ)
はるばると月の砂漠を行くような喧嘩のあとの喉の渇きよ
佐々木ウメ
ひきこもる自分とケンカをするたびに殴り続ける照明のヒモ
雨雨雨汰
一席 ケンカ腰ではないことを文末の「ね」の一文字にそっと託して
須山暢彦

▪Lesson3 出演者のエピソードを短歌に
今回は矢花黎君のエピソード
ポイント 客観的な視点に立つ

飼い犬に舐められてなどなるものか強気に出るも頬舐める君
小沢一敬

菜箸を離した刹那凶暴なチワワ消えてもまだ怒る僕
矢花黎 添削
菜箸からささみを奪い凶暴なチワワ消えてもまだ怒る僕

盗難と咬傷(こうしょう)にまで見舞われて追いかけ回すうちの愛犬
元髙克樹 添削
盗難と咬傷にまで見舞われてでも愛犬とたわむれている

▪短歌対決
ポイント ユーモアを詠む

助手席で「利き手側」だとキレる母真逆に進む左利きの父
元髙克樹 添削
助手席で「利き手側」だとキレる母真逆に進む父は左利き

作業中デスクトップの時止まり「応答無し」に一人で文句
矢花黎 添削
作業中デスクトップの時止まり「応答して」となだめて怒る

怒鳴り声聞こえて部屋を飛びだせば揃いのスーツで漫才稽古
小沢一敬

▪短歌侍 特別編 NHK短歌×らじらー!SATURDAY
あなたも短歌侍
ふたりが考えたテーマは 幸せ

元髙克樹君の上の句(欲望)
つけ麺を覆い尽くしたトッピング
小沢一敬さんの下の句
つけ麺を覆い尽くしたトッピング「肉」「ねぎ」「メンマ」メインは「空腹」

矢花黎君の上の句(人生観)
眠い目をこすりながらも家を出る
小沢一敬さんの下の句
眠い目をこすりながらも家を出る自転車で行く赤とんぼの田

今生きていな幸せの瞬間を書く
2人の個性が出た良い上の句

次回はらじらー!の収録現場に密着!

2022年11月7日月曜日

兼題「鯛焼」

浮寝鳥冬陽を浴びてゆらりゆら
冬めくや間近と彼方行き来せん
冬の風見知らぬ人のまなざしよ
社会とは表裏一体冬浅し
ゆとりなき時間を生きる冬の月

■NHK俳句 兼題「鯛焼」
選者 髙柳克弘 ゲスト May‘n(メイン) 司会 武井壮

▪冒頭の俳句
取り落としたる鯛焼きを一叩(はた)き   高柳克弘

▪俳句と映像
動画を観ながら俳句を楽しむ

鯛焼のあんこの足らぬ御所の前   大木あまり
たい焼きをはんぶんこした君がいや   めいん(たい焼き親善鯛使)

▪入選九句 兼題「鯛焼」
株価より今は鯛焼に集中   野口真砂輝
職場家職場鯛焼家職場   きみどり
こゝろ足冷えて鯛焼依存症   深澤洋子
鯛焼に海を見せたる観覧車   山田知明
鯛焼のあとなにを言ふ妻の口   湯口正彦
再開の握手のぬくみ鯛焼は   松本健
鯛焼に風を欲しがる口の中   覚正一徳(かくしょういっとく)
💮鯛焼も加(くわ)へ避難所夜のまどゐ   村松正敏
(まどゐとは集まりのこと。)
成長痛のズックの囲む鯛焼きや   新井知世

▪お題の動画で一句
鯛焼を売る一坪もなき処   武井壮
しくじりの鯛焼かんらかんらかな   高柳克弘
(かんらかんら とは 大らかな笑い。)

2022年11月6日日曜日

名言とAI×俳句

秋に後(おく)るるインスタは眩し過ぎ
紅葉散るたらいうどんや内子町
秋の空田に立ち止まる藁の象
山茶花のはんなりとした佇まい
風にまかせる秋草のある白磁

■夏井いつき俳句チャンネル
【AI×俳句②】AIが作る画像が俳句に失礼?
失敗例
梅一輪一輪ほどの暖かさ   服部嵐雪
梅咲いて庭中に青鮫が来ている   金子兜太
オオカミに蛍が一つ付いていた   金子兜太
(Awolf;one firefly clung to the wolf)
成功例
冬の井戸猫集まりて解散す   朗善千津
(winter water well cats gathered for a while then dismissed)

AIにとっては叙述が大事。
若干、AIの名誉回復となる。

■名言
柳生宗矩(むねのり) 曰く
「平常心を持って
 一切のことを成す人、
 これを名人と言うなり。」

フジ子・へミング 曰く
「不器用な人がやったら、
 器用な人にはできないことができるはず。」

岡倉天心 曰く
「見せびらかすのではなくてほのめかすということ、
 これが無限なるものの秘訣なのだ。」

2022年11月5日土曜日

スーパーマーケットの鮭で一句

運動会アドレナリンの溢れ出す
秋の陽や仙厓の絶筆宣言(碑)
秋澄むや熱量込めて一歩ずつ
身に入(し)むや道化師のごと吾を作り
秋空はるか人間は波である

プレバト纏め 2022年11月3日
スーパーマーケットの鮭で一句

永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
大中小弁当箱に鮭の秋
添削(助詞「に」は「の」。語順が逆。)
鮭の秋弁当箱大中小

永世名人への道
横尾渉
金秋のローンチ駅のおむすび屋
(「ローンチ」はビジネス用語。面白い取り合わせ。
 「おむすび」が豊かな実りの金秋と響き合っている。
 対句の型もよい。見えないところに小さな響き合い。)

特待生昇格試験
皆藤愛子
エコバッグに新米5kg(キロ)雨の帰路
(上五「に」は必要な字余りの助詞。
 「キロ」の同音異義語の韻がさりげなく効いている。)

1位 山西惇(あつし)
稽古場で台詞繰(く)る間の鮭にぎり
添削(鮨を連想する下五は「おにぎりは鮭」とし
   「で」を「に」に変える。
   最後は「繰る台詞」で抑える。)
にぎりは鮭稽古場繰る台詞

2位 新妻聖子
冬ちかし焼くか煮込むか鮭一尾
添削(季語が二つ入っている。上五の季語は不要。
   語順も逆の方が良い。
   「か」を最後に入れることでリズムが出る。)
鮭一尾焼くか煮込むか酒あるか
鮭一尾焼くか煮込むか友呼ぶか

3位 みちょぱ
駄々こねる子を背に伸ばす切り身鮭
添削(誤読を誘うので、語順を変え母の動作「買う」を書く。)
背には駄々こねる子鮭の切り身買う

4位 ニシダ(ラランド) 西田亘輝
針供養抜きつ切身を妹に
添削
妹に鮭の小骨を抜いてやる

次回のお題は「ドライブスルー」

2022年11月4日金曜日

夏井いつきのよみ旅!in青森(前編)

用の美は名もなき人の秋の声
秋の空キウイ鈴なり揺れる棚
何にでも表裏あり地虫鳴く
秋の暮質素倹約旨として
平等に降り注ぎたる秋陽かな

夏井いつきのよみ旅!in青森(前編)

つがる 青森生まれ 甘みが強いのが特徴

ROLAND 俺に惚れて赤くなってる

未希ライフ 弘前市の工藤さんが育成 
大河ドラマ「いのち」の主人公にちなんだ名前

ROLAND りんごがいちばん好きな果物

がっぱ雨薬掛けでぎねでたんだでね   米沢昇司
(物凄い雨が降ってきて薬掛けする機械がぬかるみにはまり大変だ)
このリンゴの違いがわがるのなだけ

里祭子等にあつちやのほたこかな   藤田豊子   
里祭(秋の季語) あっちゃはお母さん ほたこはへそくり
わいは(津軽弁) 「あら」「まあ」など驚いた時に使う

今一度思いをよせてバチ握る   多田智貴

太棹三本津軽の秋の澄みわたる   夏井いつき

みちのくのそばと紅葉とアップルパイ   髙谷文
紅葉(秋の季語) アップルパイタクシーの運転手さん
弘前のご当地タクシーでアップルパイコンシェルジュがお店を案内
アップルパイは明治7年アメリカ人宣教師が紹介した

ROLAND 人生が5回あったら1回はタクシードライバーやりたい

新米ほくほく新天地の独居   井上裕太
井上裕太さんは専門は博物館学
大学では博物館の歴史や展示方法を教える

半ズボンかぶりつくきみ歯さ挟まる   実土里
とうもろこし とうきび きび きみ 
嶽きみ 岩木山のふもと嶽地区で栽培 甘さが特徴

ROLAND 情熱がないところに感動は生まれない

私から一言 
ありのままの自分を出さないと心は通じない。
ぶりっこは止めることから始めないと…。

私感
俳句の番組なのに季語をいれていない俳句を選定すると言う暴挙。
無季句として選定されたのでしょうか❓
これが青森県民なのですね。物凄く解りました。

2022年11月3日木曜日

AI×俳句と松陰辞世の句と「露時雨」

未熟から成熟へ秋の夕焼
二つある蛇の交尾器冬となり
朝寒し(蛇の交尾器)尖ったガラス細工めく
(辻井伸行くん)音楽の神に守られ天高し
院展の膨らみ過ぎた乳房かな

■夏井いつき俳句チャンネル
【AI×俳句①】俳句を元にAIが生成した画像

古池や蛙飛び込む水の音
ラフカディオ・ハーンの英訳
Old pond-frogs jumped in-sound of water.
ドナルド・キーンの英訳
The ancient pond a flog leaps in the sound of the water.

金子兜太
犬の睾丸ぶらぶらつやつやと金木犀
この英訳はAIは映像化できない。
SensitiveなWordは生成できないから…。

■吉田松陰辞世の句
身はたとひ
武蔵の野辺に
朽ちぬとも
留め置かまし
大和魂

■一分季語ウンチク 露時雨
梅雨ではなく夜露とか梅雨が降りるの露です。
この「露時雨」には2つの意味があると
歳時記を参照すると書いてあります。
一つには秋になって地面が冷えて露が降りてくる
その露が地面まで落ちて時雨が通りかかったかのように
地面が濡れているさまを「露時雨」というという説と
もう一つは草などに降りた露が時雨のようにさぁっと
今まさに落ちていくっていうその状態のことを
「露時雨」と言う二つの解説があります。
実際に「露時雨」をどちらの場面で使おうと思ったのか
そういったことを意識しながら作句してみたいものですね。

2022年11月2日水曜日

桐子の俳句と幸田文の言葉

等伯の出迎え受けん秋の展
冬となり風魅るための樹木あり
霜降や粗末な家の優美かな
秋畑治療を終えたコウノトリ
秋深し自尊心をも高め合い

■一橋桐子の犯罪日記 より
禁断の誘いに乗るか夏の崖   一橋桐子
我は刑務所きみはハワイの夏怒涛   一橋桐子
指で蜘蛛潰せり後ろめたき夜は   宮崎知子
決戦の時は迫れり時鳥(ほととぎす)   一橋桐子
イチゴ大福かじる最後の晩餐に   一橋桐子
スマイルの君はいずこに桐の花   三笠隆
ほたるほたる超えてはならぬ一線ぞ   一橋桐子

■幸田文の山茶花への言葉
「少しちぢれ気味の花びら、
 いかにも鄙(ひな)びてすっきりしない。」

「野暮は野暮なりにいじらしいほど
 正直に染まった花弁、
 これが淡い匂いを吐いてきどりがない。」

「ものがみな色を失ってしまう
 冬の入り口の不安な気持ちが
 ほっと助かるおもいがします。」

2022年11月1日火曜日

タンカツ「水戸農業高校」

晩秋を振り返りつつ進みをり
菊残る樋(ひ)を持つ刀煌めかん
秋の山幕開け開始人もまた
時代超え化学反応秋惜しむ
晩秋や水の流れを持つ硯

NHK短歌
タンカツ 「〜水戸農業高校〜」
本髙克樹 矢花黎 小島よしお

① テーマ 農業
休みなく稲を育てる実習が美味しく食べるためのスパイス
本髙克樹 添削
休みなく稲を育てる実習が美味しく食べるための源流

ピンと張り手で刈り取った一束を少しはにかみ見せた生徒よ
矢花黎

💮台風の過ぎさりし後(のち)茨城に稲穂の束は悠然と立つ
小島よしお

② テーマ 寮生活
💮我が名前付けた牛舎を持つ夢を友と語らう相部屋の隅
矢花黎

畜産の本を開いた十五歳スクールバッグ我が身一つと
本髙克樹 添削
畜産の本を開いた十五歳この世にバッグと我が身が一つ

母親に会えぬさびしさ抱えても明日もみんなと六時半起き
小島よしお 添削
ペットにも母にも会えずつらいけど明日もみんなと六時半起き

③ テーマ 命
オシャレより牛糞運ぶ女子高生僕に伝えた命の重み
矢花黎
オシャレより牛糞運ぶ女子高生静かに告げる命の重み

💮二年半育てた牛を食すから ブラッシングに力がこもる
本髙克樹

出荷まで今日も元気に走らせる豚部の汚れた緑のつなぎ
小島よしお