2022年10月5日水曜日

プレミアムカフェ 正岡子規と与謝野晶子

螻蛄(けら)鳴くや保守とリベラル時として
葉鶏頭遭う強風や泥被り
電線にしがみつく鳥台風禍
台風禍居場所求めて羽広ぐ
一時間早く目覚めん台風裡(り)

プレミアムカフェ 子規(2009年)
卯(う)の花の散るまで鳴くか子規(ほととぎす)   正岡子規
卯の花とは常規(つねのり) 子規とは結核 

帰ろふと泣かずに笑へ時鳥(ほととぎす)   
漱石が初めて作った俳句

鐘つけば銀杏ちるなり建長寺   夏目漱石
柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺   正岡子規

長き夜や初夜(そや)の鐘撞く東大寺   正岡子規

風呂敷をほどけば柿のころげけり   正岡子規
柿くふも今年ばかりと思ひけり   正岡子規

子規の短歌
足たたば不尽(ふじ)の高嶺のいただきをいかづちなして踏み鳴らさましを
足立たば黄河の水をから渉(わた)り崋山の蓮の花剪(き)らましを
足たたば北インヂヤのヒマラヤのエヴェレストなる雪くはましを

牡丹画いて絵の具は皿に残りけり
山吹も菜の花も咲く小庭哉   
紫の布団に座る春日(はるび)かな

吾輩は猫である 夏目漱石 より
僕の俳句における造詣と言ったら
故子規子(こしきし)も舌を巻いて驚いた位のものさ
かつて子規に俳句を学んだことを誇りにしていた。

プレミアムカフェ 与謝野晶子(2002年)
血汐みななさけに燃ゆるわかき子に狂ひ死ねよとたまふ御(み)歌か

道を云はず
後をおもはず名を問はず
ここに恋ひ恋ふきみと我れと見る

やは肌の
あつき血汐にふれも見で
さびしからずや道を説く君

乳ぶさおさへ
神秘のとばりそとけりぬ
ここなる花の紅ぞ濃き

ゆるしたまへ二人を恋ふと
君泣くや
聖母にあらぬおのれのまへに

平塚らいてう
出産育児は女性にとって
大切な仕事であり
権利として国家の保護を
要求する

晶子
まず女性自身が経済的に
自立することが先決で、
出産育児を国家に頼るべきではない

君が恋やがておのれの血となりて
再生の日を早くせしかな

番組の最後には
文化学院の設立について 与謝野晶子

将来私たちの文化学院から
如何なる女子を出すであろうかといえば、
中学部を卒業してそれで止めるにせよ、
進んで大学部を卒業するにせよ、個人として、何かきっと、
一つの創造的な長所を持っていて、功利的な打算を超えた、
高い、清い、正しい境地において、
自分みずからそれを楽むことが出来ます。
その愛は芸術家的の愛です。人をも自然をも、
自分の内に取入れて、我と一体として愛することが出来ます。
これが真の人間性に目覚めざめた人間というものです。
それらの人間から、天分に由って、
専門の文学者、画家、音楽家となる女子も出るでしょう。
また専門の科学者となる女子も出るでしょう。
また職業婦人として経済的に独立する女子、
家庭に入って愛と聡明とに富んだ新時代の
妻となり母となる女子も出るでしょう。
また学界に、政界に、社会改造運動に、
男子と並んで活動する女子も出るでしょう。
また社会の視聴を一身に集めることなく、勤労に堪え、
隣人のために計り、自然を楽んで
穏健な一生を送るような女子も出るでしょう。
一つの個性に一つの新しい文化的な生活が
順当に開展されて行くこと、これが私たちの希望です。
これ以上に狭く考えて、
人間性の自由なる発動を予定したく思いません。

上記の朗読がありました。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000885/files/3645_6548.html より

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