蚯蚓(みみず)鳴く人が基本となりにけり
レバナスへ夢を託さん秋深し
秋の京女の曳く人力車
しないことできないことの秋暮れる
イッタラにこころ解けし秋の朝
NHK短歌 題「鳥」
選者 佐佐木定綱 ゲスト 米本学仁(たかと) 司会 星野真里
レギュラー カン・ハンナ 本髙克樹 矢花黎
■冒頭の短歌
棄てられた弁当を喰う自由など深く味わい飛べよ斑鳩(いかるが)
佐佐木定綱
訪れた旅館のマスク入れに短歌が書かれていた。
此の里に悲しきものの二つあり範頼の墓と頼家の墓と
正岡子規
■入選九句
守るべき暮らしを思う鳥の巣をマニュアル通り撤去するたび
溝口のぞみ
「鶴」だけがいつも出しゃばるわが名前羽交い絞めして欄におさめる
大武千鶴子
飛び立てば 群れとなるほかなき雁の列(つら)の一羽が少しはづれる
高原晴子
💮読みかけの本をひらけばゆっくりとふくらみ戻る一枚の羽根
栗本悦子
夏庭の真昼の航海終えた夜はただ湯に浮かぶ黄色のあひる
冨岡照恵
やまどりの黒き胸筋切りひらき取り出されたる銃弾光る
原田浩生
雨に濡れ襟の逆立つ鳩ふたり二号車両のホームに並ぶ
茂木健志
③折り紙で子供と作るプテラノドンとぶのが下手な翼竜だった
五十嵐眞佐子
②わずかばかり鳥の軌道にのってからゆっくり紙飛行機は墜ちる
西鎮(しゃうちん)
■佐佐木先生の短歌というドラマ
歌に秘められたドラマをひも解き深く味わう
雲雀(ひばり)の血すこしにじみしわがシャツに時経てもなおさみしき凱歌(がいか)
寺山修司
この短歌は読み手によっていろいろな解釈が許される広がりのある歌
今回の歌を深く味わうためのポイント
詠まれる「鳥」を変えて
全く別のドラマを想像するのもだいご味のひとつ
■佐佐木先生からの宿題
真っ暗な天井の黒を解(ほど)いていく雀の声とまな板の上のダンス
米本学仁
■短歌侍武者修行
課題 動きを入れて臨場感を出す(動作を詠む)
ホールドに第一関節引っ掛けて進む勇気か落ちる覚悟か
本髙克樹
ギリギリと削れる爪でつかんでるそり立つ壁の赤いホールド
矢花黎
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