秋の夜悲喜交々の無縁坂
海陽のミズトラノオの群れて咲く
星月夜凹凸ありて成り立ちて
振りかざす正義はあるや秋の声
螻蛄(けら)鳴くや我慢する人しない人
■理想的本箱
□「ひどい失恋をした時に読む本」で紹介した3冊
「お目出たき人」武者小路実篤
明治末期の一途すぎる男の片思い。
「くまちゃん」角田光代
風変わりな男にふりまわされる現代女性の仕事と恋愛を描いた表題作のほか、登場人物たちが順番に失恋していく、連作短編集。
「掌の小説」川端康成
スケッチのような掌編として見つめる男の未練の心を描いた「写真」を含む、122遍が収録された掌編小説集。
□「もっとお金が欲しいと思った時に読む本」で紹介した3冊
「贅沢貧乏」森茉莉
“お金に換えられないぜいたく”をつづった女性作家のエッセイ。
「買物絵本」五味太郎
“買物”に付随する諸相をのぞき見られる絵本。
「父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」ヤニス・バルファキス
父親が娘に語るという形式で格差の根源をドラマチックに語る経済書。
https://www.nhk.jp/p/ts/578Q5K3X59/ より
■ギュッと!四国 夏井いつきの俳句道場
兼題「椎茸」(秋の季語)
ギュッと!特選
椎茸や典座(てんぞ)の笊(ざる)は陽(ひ)のにほひ 深山むらさき
秀作
椎茸はかんぴょうの横収まりぬ マーゴとレニー
椎茸を干して知足(ちそく)の暮らしぶり ひだまり
貧乏や手には夕陽(ゆうひ)と椎茸と 句保田凡
つきだしの椎茸つつき愚痴を聞き 深山ほぼ犬
佳作
椎茸や籠(かご)にあふれる道の駅 吉河好
しわくちゃな干し椎茸と祖母の手と 環
椎茸で泣いた息子がもう二十歳 山とも
ポイント
気持ちは書かないで気持ちを伝える工夫が大切。
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