2022年8月30日火曜日

題「暁」

朝陽受く蓮の目覚めや煌めかん
秋の朝のど締め付けて音外し
変化するグラデーションよ秋の宵
独りぼち沈思黙考秋の夜
踊り終えコロナ感染新記録

□NHK短歌 題「暁」
選者 佐佐木定綱 ゲスト 宮本亞門 司会 星野真里
レギュラー カン・ハンナ 元髙克樹 矢花黎

冒頭の短歌
警報が鳴ってないのに明かりを消して焼けてもいない夜景を見てる
佐佐木定綱

入選九首 題「暁」
💮日焼け止めクリームを塗るこの肌の延長線上に夏がある
大津穂波
生前の対応との差に面食(めんく)らうそっと扱われる焼き魚
よだか
焼けてないのに牛タンの裏返し裏返しして無言空間
一色凛夏
絡まった感情の糸もざく切りにして混ぜちまえお好み焼きに
友常甘酢
人型の焼き菓子として冷ややかな送風口に休ませる生地
長井めも
代替案浮かばぬ朝の目玉焼き談合のごと四つ寄り合ふ
佐藤研哉
はな七輪(しちりん)でハマグリを焼くぽつぽつと話し出すのをそっと待ってる
高橋泰源
こころにも小さな焼却炉はありてときどき夢を燃やしたりする
住吉和歌子
祖父の体焼きあがるのを待つ時間若い叔父から習う草笛
毛糸

佐佐木先生の短歌というドラマ
歌に秘められたドラマをひも解き深く味わう
吾子一人焼場に残し夜と云ふにわれ等大人はかへらんとする
木下利玄「紅玉」
(利玄の娘・夏子が亡くなった時に詠んだ歌
「夏子に」という50種を超える連作の一首)
挽歌とは亡くなった人を詠んだ歌 死を悼む歌
強い喪失感があったときに短歌は重要な役割を持つ
短歌という器に入れていくと感情を吐露できる
大切な我が子との死別を短歌に詠むことで
❝強い感情❞を浄化させている
短歌は書かれていることを余さず読むことが重要
書かれていないことを読んではいけない
書かれていることを読み逃してはいけない
血肉に落とし込んだ内側から出てくるような
言葉を発しなければならない

佐佐木定綱さんからの宿題
題「暁」で歌を詠んでください

日焼け肌香り誘う青い浜恐れ知らずの完全燃焼
宮本亞門
細胞が活性化されていくような短歌と佐佐木定綱先生

短歌侍への道 
今回の課題 色彩を詠む

透明な江戸風鈴にのせていく赤、青、黄色に負けない白を
矢花黎

暗闇で揺れる風鈴その中でパステルカラーのさかなは生きる
元髙克樹

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