2022年8月19日金曜日

究極の短歌・俳句100選ベストセレクション 人生の岐路

星月夜何もない日にありがとう
爽節や指折る時間前のめり
猫の愛犬受けとりて秋真昼
秋の猫犬の迷惑顧みず
告る猫抱きしめる犬秋暑し

究極の短歌・俳句100選ベストセレクション(2)
人生の岐路

短歌
白鳥(しらとり)は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ
若山牧水・明治
うらうらに照れる春日に雲雀上がり情(こころ)悲しも独りし思へば
大伴家持・奈良
不来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心
石川啄木・明治
のど赤き玄鳥(つばくらめ)屋梁(はり)にゐて足乳根(たらちね)の母は死にたまふなり
斎藤茂吉・大正
サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい
穂村弘・平成

俳句
荒海や佐渡によこたふ天河(あまのがは)
松尾芭蕉・江戸
糸瓜咲て(さいて)痰のつまりし仏かな
正岡子規・明治
七夕竹(たなばただけ)借命(しゃくみょう)の文字隠れなし
石田波郷・昭和戦後(療養俳句)
見えぬ眼の方の眼鏡(めがね)の玉も拭く
日野草城・昭和戦後
鉛筆の遺書ならば忘れ易からむ
林田紀音夫・昭和戦後
湯豆腐やいのちのはてのうすあかり
久保田万太郎・昭和戦後

茅野の推し俳句
チューリップ花びら外れかけてをり
波多野爽波・平成
泥鰌(どじょう)浮いて鯰(なまず)も居(お)るというて沈む
永田耕衣・昭和戦後

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