2022年8月31日水曜日

成田悠輔氏と修三氏

故障した車に独り秋日和
バッテリー上がり動けぬ秋の雲
ハプニングまたもトラブル鰯雲
涼風や動かぬ車通過せり
秋高し重き荷を持ち背たらいて

成田悠輔氏の言葉
「幸福は自作自演」

「不可能を可能にするより
 可能を不可能だと思いこまないことが大事」

「0→1の重要性はいいんだけど
 同じくらい大事なのが1→0。
 ない方がいいものが多すぎる」

「『目からうろこが落ちる』
 と感じたときは赤信号
 だいたいもっとヤバい
 別のウロコが目にこびりついただけだから」

「終らない仕事や締め切りが
 山積みになればなるほど
 大事なのは徹夜じゃなくて
 全てを忘れてとりあえず寝る」

成田悠輔氏とは…。⇩
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%90%E7%94%B0%E6%82%A0%E8%BC%94

成田悠輔が大宮エリーに語る100年後の社会「国会で政治家が寝てても国が動くように」〈AERA〉
https://news.yahoo.co.jp/articles/a17ef5f1dfd2f666832a7ef06b6edb78b2ae509a

成田悠輔氏 安倍元首相の国葬には「弱く賛成」 実施には「同調圧力の生まれない形で」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/08/26/kiji/20220826s00041000226000c.html

成田修三氏は弟さん!天才兄弟だ!

2022年8月30日火曜日

題「暁」

朝陽受く蓮の目覚めや煌めかん
秋の朝のど締め付けて音外し
変化するグラデーションよ秋の宵
独りぼち沈思黙考秋の夜
踊り終えコロナ感染新記録

□NHK短歌 題「暁」
選者 佐佐木定綱 ゲスト 宮本亞門 司会 星野真里
レギュラー カン・ハンナ 元髙克樹 矢花黎

冒頭の短歌
警報が鳴ってないのに明かりを消して焼けてもいない夜景を見てる
佐佐木定綱

入選九首 題「暁」
💮日焼け止めクリームを塗るこの肌の延長線上に夏がある
大津穂波
生前の対応との差に面食(めんく)らうそっと扱われる焼き魚
よだか
焼けてないのに牛タンの裏返し裏返しして無言空間
一色凛夏
絡まった感情の糸もざく切りにして混ぜちまえお好み焼きに
友常甘酢
人型の焼き菓子として冷ややかな送風口に休ませる生地
長井めも
代替案浮かばぬ朝の目玉焼き談合のごと四つ寄り合ふ
佐藤研哉
はな七輪(しちりん)でハマグリを焼くぽつぽつと話し出すのをそっと待ってる
高橋泰源
こころにも小さな焼却炉はありてときどき夢を燃やしたりする
住吉和歌子
祖父の体焼きあがるのを待つ時間若い叔父から習う草笛
毛糸

佐佐木先生の短歌というドラマ
歌に秘められたドラマをひも解き深く味わう
吾子一人焼場に残し夜と云ふにわれ等大人はかへらんとする
木下利玄「紅玉」
(利玄の娘・夏子が亡くなった時に詠んだ歌
「夏子に」という50種を超える連作の一首)
挽歌とは亡くなった人を詠んだ歌 死を悼む歌
強い喪失感があったときに短歌は重要な役割を持つ
短歌という器に入れていくと感情を吐露できる
大切な我が子との死別を短歌に詠むことで
❝強い感情❞を浄化させている
短歌は書かれていることを余さず読むことが重要
書かれていないことを読んではいけない
書かれていることを読み逃してはいけない
血肉に落とし込んだ内側から出てくるような
言葉を発しなければならない

佐佐木定綱さんからの宿題
題「暁」で歌を詠んでください

日焼け肌香り誘う青い浜恐れ知らずの完全燃焼
宮本亞門
細胞が活性化されていくような短歌と佐佐木定綱先生

短歌侍への道 
今回の課題 色彩を詠む

透明な江戸風鈴にのせていく赤、青、黄色に負けない白を
矢花黎

暗闇で揺れる風鈴その中でパステルカラーのさかなは生きる
元髙克樹

2022年8月29日月曜日

テーマ「家族」

秋果とは届くものなり目じり下ぐ
将来の可能性秋に後(おく)るる
秋あわれ今話すべき論点が
悲しみの原風景よ秋の風
孫の手と夏越の祓い(なごしのはらい)茅(ちがや)の香

□NHK俳句 テーマ「家族」
選者 堀本祐樹 ゲスト エハラマサヒロ 司会 武井壮

冒頭の俳句
子にみやげなき秋の夜の肩ぐるま   能村登四郎

あなたのエピソード、俳句にします テーマ「家族」

渋柿を干しをる空や父逝(ゆ)けり   鷺汀(ろてい)
添削(切地を置く場所を吟味する)
父逝くや柿を干しをる青空へ

ボーナスで年2回子が選ぶ本   作田令子
添削(詩情を入れる ボーナスは冬の季語 「な」を韻文)
ボーナスや家族みな買ふ好きな本

童心
(会話を生かす)
甘藷(いも)掘りし孫来て「おすそわけです」と

会話を生かした名句
原句 名月をとつてくれろと泣く子かな   一茶
説明 名月をとつてほしきと泣く子かな

入選六句 テーマ「家族」
稲架掛け(はさかけ)やほいのほいのと子が父へ   北田建男
(稲架はさ 秋の季語)
柚子坊に負けじとご飯ほほばる子   島田和子
(柚子坊 秋の季語 芋虫の傍題)
声潜め夫(つま)の指さす鹿の群れ   古賀游(ゆう)
(鹿 秋の季語)
秋蝶や百年分の母の皺   長嶺奈津子
(秋蝶 秋の季語)
唐黍を今年も取りに来いと父   佐藤研哉
(唐黍 秋の季語)
💮父母は互ひを杖に花野道   井上裕実
(花野道 秋の季語 花野の傍題)

ゲストのエピソード、俳句にします テーマ「家族」
実梅もてジュース作りし三歳(みとせ)かな   堀本祐樹
(実梅 夏の季語 青梅の傍題)

2022年8月28日日曜日

究極の短歌・俳句100選ベストセレクション 恋

花芙蓉過疎のバス停見え隠れ
秋の夕焼また使い捨てられん
秋の陽や今日は烏も山籠もり
吉野川咲いた花火の音遠く
ベッドから満天の星時流る

究極の短歌・俳句100選ベストセレクション(3)
第3回 恋

■恋短歌
恋の和歌 
思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢としりせばさめざらましを
小野小町・平安
月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身ひとつはもとの身にして
在原業平・平安
玉の緒よ絶えねば絶えぬながらへば忍ぶることの弱りもぞする
式子内親王・鎌倉

青春の恋
観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日(ひとひ)我には一生(ひとよ)
栗木京子・昭和戦後
あの夏の数かぎりなくそしてまたたつた一つの表情をせよ
小野茂樹・昭和戦後
たちまちに君の姿を霧とざし或る楽章をわれを思ひき
近藤芳美・昭和戦前
君かへす朝の舗石(しきいし)さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ
北原白秋・明治
手を出せばとりこになるぞさらば手を、近江大津のはるのあはゆき
岡井隆・昭和戦後

恋の終着点
馬を洗はば馬のたましひ冱(さ)ゆるまで人恋(こ)はば人あやむるこころ
塚本邦雄・昭和戦後
寄せ返す波のしぐさの優しさにいつ言われてもいいさようなら
俵万智・昭和戦後

今日の推し短歌
桜花ちりぬる風のなごりには水なき空に浪ぞたちける
紀貫之・平安
ながめつつ思ふも寂しひさかたの月の都の明け方の空
藤原家隆・鎌倉
大空の斬首ののちの静もりか没ちし日輪がのこすむらさき
春日井建・昭和戦後

2022年8月27日土曜日

駅の売店で一句

秋の夕焼け時間守らぬ人のをり
秋の気や開店前の緊張感
上り月挑戦に次ぐ挑戦
‘40年老齢化ピーク秋旱(ひでり)
星月夜すでに手遅れ高齢化

プレバト纏め 2022年8月25日
駅の売店で一句

永世名人への道
千原ジュニア
キオスクの夕刊フジに秋茜
(上五に「二番ホーム」なら夕刊は広げて読まれている状況。
 「に」には無理がある。「に」はラックに立つ夕刊を表現。
 季語を主役にするための助詞の選択。)

特待生昇格試験
千賀健永
涼風至る駅弁の木箱の香
(「涼風至る」涼しい風が吹く頃 初秋の季語
 駅の視覚・木箱の触覚・嗅覚・駅弁の味覚や駅の聴覚
 と言った情報が入れられていた。
 五感を刺激する取り合わせになっていた。)

中田喜子
「箸鉄」を選ぶ子らの目鰯雲
添削(「の目」で季語が添え物になった。数音で鰯雲を描写すべき。)
鰯雲はるか「箸鉄」選ぶ子ら
鰯雲はろばろ「箸鉄」選ぶ子ら

1位 本上まなみ
もの言わぬ従弟にサイダー渡す駅
(心情・人物・動作・場所 必要な情報が入れてある。
 思春期の照れたりする従弟の年齢も分かる。
 淡い恋心・憧れが季語の向こう側に見える。
 駅での物語が17音に入っている。俳句はここまでできる。)

2位 小池美波
色褪せしフリーペーパー秋浅し
(基本の散り合わせ。
 映像のない時候の季語には明確な映像・音が必要。)

3位 新納慎也
「これください」訛り通じぬ秋さびし
添削(上五は不要。フレーズと季語に因果関係がある。)
訛り通じず売店の秋さびし

4位 おいでやす小田
夏の駅冷えた茶の露本濡らす
添削(助詞「の」が間違い「に」にすべき。
   「露」は不要2音で何の本かを表現。)
冷えた茶に濡らす赤本夏の駅
冷えた茶に濡らす旅本夏の駅
冷えた茶に濡らすエロ本夏の駅
冷えた茶に濡らす台本夏の駅

5位 大久保佳代子
夏の果母のキャラメル旅行鞄
添削(十七音で表現できる内容を絞る。三段切れ。)
あの夏の母よキャラメル鞄に溶け

2022金秋戦 予選のお題
Aブロック「ファッションの秋」
Bブロック「行楽の秋」
Cブロック「食欲の秋」

2022年8月26日金曜日

種田山頭火三句と名言

それぞれの違い認めん秋日和
長岡花火誇りと願い受け取らん
黒雲へ車走らせ秋の風
声明を読んでどうする秋の蜂
破るため約束ありき秋の声

■種田山頭火 三句
こんな良い月を一人で見て寝る。   種田山頭火
この旅果もない旅のつくつくぼうし。   種田山頭火
ほろほろほろびゆくわたくしの秋。   種田山頭火

■名言
鶴我裕子 曰く
「現役時代の自分に
 言ってあげたいことはたくさんあります。
 それを書きます。
 まず、自分をいじめないこと。
 イヤな人、イヤなことからは、
 とにかく逃げましょう。
 改善しようとジタバタしないで、
 距離を置いて静観する。」

井上靖 曰く
「人間というやつは、一生のうちに
 何かに夢中にならんとな。
 何でもいいから夢中になるのが、どうも、
 人間の生き方中で一番いいようだ。」

所ジョージ 曰く
「押してもダメなら、もっと押してみな。」

2022年8月25日木曜日

名言と「新涼」

秋に見切る仕事をしない掃除機
哀れにも又おかし秋狂言
朝陽うく恥ずかしそうな朝顔よ
朝顔の群青色の輝けり
小刻みに風にふかれる朝顔よ

■一分季語ウンチク 新涼
新しく涼しいと書いて「新涼」
この文字面も非常に綺麗で
気持ちのいい季語です。
「涼し」とだけ言った場合には
夏の季語になるのですが「新涼」になると秋。
初秋の頃の季語ということになってきます。
夏の季語の「涼し」が暑さの中に
ホッとするような涼しさがあることをいうのに対し
「新涼」は秋になって季節の変りと共に
新しく涼しさが感じられてくると
そういうものが「新涼」という季語になっています。
実はこの「新涼」という季語は比較的新し目の季語らしく
歳時記を参照すると古典俳句にはほとんど見られない
といった情報も記載されています。
現代的な感覚なのかもしれません。

■名言
マルセル・パニョル 曰く
「何を笑うかによって
 その人の人柄がわかる。」

アリストテレス 曰く
「人は物事を繰り返す存在である。
 従って、優秀さとは行動によって得られる物ではない。
 習慣になっていなければならないのだ。」

リチャード・バック 曰く
「また一人になった。
 人は一人でいることに慣れる。
 でも一日でも他の人と過ごすと、
 またあらためて、一人でいることに
 慣れなければならない。」

2022年8月24日水曜日

名言とお役立ち哲学

鬼やんま蓮の花にて一休み
秋茜ともに歩もうインコース
人生は線香花火今日もまた
轟音の主は椋鳥整然と
蚊の名残懸命に生き嫌われて

■ロッチと子羊 より

人間はなぜひと角の人物になるために働く?
ヘーゲルは市民社会は自立した個人が
互いに認め合うことで成立していると考えました。
一人ひとりが否定し合っていると社会はまとまらないし
周りから認められないと居場所がなくなります。
人間は単に生きているだけでは満たされないのです。
周りから認められるためにはどうすればよいのでしょうか?
「なんらかの職業に就き社会的役割を果たすことである。」
よって人間は周りの人々から認められる
ひと角の人物になろうとして働くのです。
他人に認められることがひと角の人物になるということ。

今日のお役立ち哲学 より
ヘーゲル 曰く
「人はなぜ働くのか?
 それは生きるためにあらず
 ひと角の人物になるためである。」

荘子 曰く
「万物斉同
 すべてのものは一つである。」

■名言
イタリアの諺
「何も知らざる者は何も恐れず。」

ウィンストン・チャーチル 曰く
「過去にこだわる者は未来を失う。」

アンネ・フランク 曰く
「薬を十錠飲むよりも、
 心から笑った方がずっと効果があるはず。」

2022年8月23日火曜日

題「記念日」

星流るオキシトシンの作用かな
秋渇き仮想敵国まで作り
爽やかや多様性の協力心
秋涼し多様性との共生へ
秋の声金にもならぬものに熱

□NHK短歌 題「記念日」
選者 江戸雪 ゲスト 尼信インター誠子 
レギュラー カン・ハンナ 司会 星野真里

■冒頭の短歌
この恋を忘れないよう夕焼けが君の横顔さびしくさせる
江戸雪

■恋のフレーズ短歌
私だけ過ぎると気づく片恋のろくなことないフルーツケーキ
□に入れる言葉
誠子 ろくなことはない
カン・ハンナ フルーツケーキ
星野真里 過ぎると気づく

■入選九首 テーマ 記念日
言葉には出さないけれどしみじみととんかつ揚げる結婚記念日
大分県大分市 時松小夏
卒業生二人のために在校生九人で作った記念のアルバム
長崎県長与町 中上鉄郎
須磨離宮を花束抱える青年はバスの皆の視線集めり
兵庫県神戸市 筒井みつこ
新宿のラッシュアワーで誰ひとり誕生日って顔をしてない
大阪府堺市 姿煮
僕たちが巣立ったあとのこの家に父母だけの記念日がある
岐阜県岐阜市 六厩(むまい)めれう
二人ともゐないのだけど記念日の大きな空を秋の雲ゆく
神奈川県横浜市 三玉一郎
眼鏡ふたつ置いた窓辺でこおろぎが鳴いてた八月二十七日
東京都東村山市 さいとうすみこ
キャッチャーになりて初めて子の捕りしふらふらフライを今も忘れず
東京都日野市 柴田慶子
タンデムのペダルの呼吸が合ってきてあなたと春の風になれた日
東京都立川市 雪柳

■恋バナ短歌
君想う日々を重ねて焼き上げたバームクーヘンの芯は埋まらず
カン・ハンナ 添削
恋恋と(れんれんと)日々を重ねて焼き上げたバームクーヘンの芯は埋まらず

年輪を模した手作りスイーツに罪をかぶせるホワイトデーは
星野真里 添削
年輪を模した手作りスイーツに罪をかぶせてホワイトデーは

百層の想いのバウムクーヘンをきみにもらってぼくはカピバラ
江戸雪

■短歌武者修行! 侍への道 テーマは旅行
「色彩を詠む」
元髙克樹 矢花黎

2022年8月22日月曜日

兼題「朝顔」

目の薄い人の掃除や秋暑し
闘いを好む人をり秋乾き
つんばいに寄り添う枯葉秋の雲
澄む秋や家畜化された十姉妹(じゅうしまつ)
星月夜自己家畜化へ進化せり

□NHK俳句 
選者 星野高士 ゲスト ロバート・キャンベル 司会 武井壮

■冒頭の俳句
朝顔や濁り初めたる市の空   杉田久女

ロバート・キャンベル氏の大好きな星野高士氏の俳句
白桃に夜の灯(ひ)交ることもなく   星野高士句集「混沌」より

■会いたい俳人12人 杉田久女
星野高士氏曰く「まっすぐな視線をもった俳人」

花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ   杉田久女
谺(こだま)して山ほととぎすほしいまゝ   杉田久女
鳥雲にわれは明日たつ筑紫かな   杉田久女(最期の句)

■入選九句 兼題「朝顔」
陽はいつも先に来てをり牽牛花(けんぎゅうか) 内野悠
(牽牛花 俳句では朝顔の傍題として使われる。朝顔の中国での別称。
日本のおもてなしとも共通とロバート・キャンベル氏は解釈。)
朝顔の押し広げたる大気かな   柏原才子(ロバート・キャンベル選)
朝顔に呑みこまれたる空家かな   上田一樹(武井壮選)
住み込みの窓は小さし牽牛花   加藤草児
朝顔や鞄(かばん)の軽(かろ)き登校日   山田蹴人
この路地は抜けられません牽牛花   岩本健一郎
朝顔のほほゑんでゐる朝帰り   太田邦子
朝顔の向き変(か)へ土曜日のひとり   大和田美信
空はまだ汚れておらず牽牛花   阿部奈津紀

2022年8月21日日曜日

名言と第8回おしゃべり俳句

まず供養初物の梨届きをり
噛み応え満点なりと梨剥かん
盆の月フルーツアイス頬張らん
秋浅しアイス頬張り肩で息
仕事なき人に仕事を盆の月

■名言
レッシング 曰く
「『いちばん性の悪い動物の名は?』
 と、王が尋ねたら、賢者曰く
 『荒っぽい奴では暴君、おとなしい奴ではおべっか使い』」

フリードリヒ・ニーチェ 曰く
「人間のみがこの世で苦しんでいるので、
 笑いを発明せざるをえなかった。」

リチャード・バック 曰く
「自分で引き寄せる出来事に
 偶然はないんだ。
 たとえ不愉快でも学ぶ必要はある。
 問題を直視するべきだ。」

■夏井いつき俳句チャンネル より
第8回おしゃべり俳句
【おしゃべり俳句】子どもの可愛い気づきに癒されてください

蝉時雨おとなはよけいなことするな   はな5歳
パパはよけいなことしかしない春   はな5歳

わんわん!犬も猫も鳥もわんわん!   そうすけ1歳7ヶ月
たのしいなバナナはすてきな月になる   希子4歳
夏の朝きょうわたしみみお休みなの   森本加代子さんの長女
さむいですそでからおなかがすきました   haruさんの娘2歳の時
いちごはねしたからゆっくりあかくなる   あおと3歳
こんにちは春はちょうちょのシールはる   ピアノ教室の生徒5歳Aくん
春の草うちのねぇねがすみません   マイペースな姉の弟

2022年8月20日土曜日

サービスエリアで一句

秋暑し抹茶が喉を通ります
ごくごくと冷たき抹茶残暑かな
椋鳥や空を闇間へ変えるほど
椋鳥や数えきれない仲間連れ
椋鳥の羽ばたきの音すさまじく

プレバト纏め 2022年8月18日
サービスエリアで一句

永世名人村上のお手本
村上健志
炎天やドットの粗き標識車
(気付きこそが俳句の種。季語炎天を信じた俳句。)

特待生昇格試験
ミッツ・マングローブ
上腕たくまし蜻蛉の休憩す
添削(カメラワークは良い。)
ドライバーの上腕とんぼ来てとまる

立川志らく
蜩の駅にひぐらし辿り着く
添削
蜩の駅ひっそりとひぐらし来
追憶のひぐらし蜩の駅に

1位 的場浩司 
アクセルを開くや鉄馬月に吠え
(月が秋の季語。鉄馬とは風鈴、軍馬、鉄で作った馬の別名。
 バイクを連想させる仕掛けがなされていた。
勇ましさ、鉄の感触、跨る様子が入れられている。
「月に吠える」は萩原朔太郎の詩集。知性が感じられる。)

2位 村田秀亮
妻を待ち静かな月のサンルーフ
(月が秋の季語。静かで美しい時間が描かれている。
 言葉の配置が良く語順も巧い。)

3位宮田俊哉
涼風に猫も招かれEXPASA
添削(涼風が秋の季語。中七の擬人化が純度を下げている。)
野良猫もいて涼風のEXPASA

4位 福原愛
夢のあと打ち水跨ぎ追う背中
添削(打水が夏の季語。全体が曖昧で具体性がない。)
打水を跨ぎ売店へと走る

次回のお題は「駅の売店」

2022年8月19日金曜日

究極の短歌・俳句100選ベストセレクション 人生の岐路

星月夜何もない日にありがとう
爽節や指折る時間前のめり
猫の愛犬受けとりて秋真昼
秋の猫犬の迷惑顧みず
告る猫抱きしめる犬秋暑し

究極の短歌・俳句100選ベストセレクション(2)
人生の岐路

短歌
白鳥(しらとり)は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ
若山牧水・明治
うらうらに照れる春日に雲雀上がり情(こころ)悲しも独りし思へば
大伴家持・奈良
不来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心
石川啄木・明治
のど赤き玄鳥(つばくらめ)屋梁(はり)にゐて足乳根(たらちね)の母は死にたまふなり
斎藤茂吉・大正
サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい
穂村弘・平成

俳句
荒海や佐渡によこたふ天河(あまのがは)
松尾芭蕉・江戸
糸瓜咲て(さいて)痰のつまりし仏かな
正岡子規・明治
七夕竹(たなばただけ)借命(しゃくみょう)の文字隠れなし
石田波郷・昭和戦後(療養俳句)
見えぬ眼の方の眼鏡(めがね)の玉も拭く
日野草城・昭和戦後
鉛筆の遺書ならば忘れ易からむ
林田紀音夫・昭和戦後
湯豆腐やいのちのはてのうすあかり
久保田万太郎・昭和戦後

茅野の推し俳句
チューリップ花びら外れかけてをり
波多野爽波・平成
泥鰌(どじょう)浮いて鯰(なまず)も居(お)るというて沈む
永田耕衣・昭和戦後

2022年8月18日木曜日

名言と「草雲雀」

秋爽(しゅうそう)や一つの球を追いかけて
(甲子園)悔いのなき青春ここに秋の空
泣きじゃくる高校球児秋高し
秋晴る右中間へかっ飛ばせ
背番号いつか背負わん星流る

■名言
ジェームズ・アレン 曰く
「人間は自分の犯した過ちから
 はしごを作ることが出来る
 ひとつひとつの恥ずべき行動を
 ひとつひとつ横木にして
 上っていくかぎり…。」

ヴィム・ヴェンダース 曰く
「持論を持てば持つほど、ものが見えなくなる。」

チャーチル 曰く
「人は得ることで
 生活を営むことはできるが、
 与えることで
 真の人生を生きられる。」

■一分季語ウンチク 草雲雀(くさひばり)

「雲雀」という名も季語になっています。
春の鳥が「雲雀」なわけです。
飛び上がっていく様を「揚げ雲雀」なんて言います。
しかし、この「草雲雀」は鳥ではありません。
コオロギ科の仲間で、綺麗な声で鳴くことから
「草雲雀」という名前がついたのだそうです。
公園とかに行き「フィリリリ」と甲高い音が
聞こえてきたら、それが「草雲雀」です。

2022年8月17日水曜日

究極の短歌・俳句100選ベストセレクション 時代と戦争

秋の朝荒れた踵に塗り薬
秋日和勝ちをめぐりて声荒げ
足るを知る向上心は秋の空
陽の明けぬ朝を彷徨う渡り鳥
下腹を覘き触りて秋渇き

究極の短歌・俳句100選ベストセレクション
時代と戦争

短歌
熟田津(にきたつ)に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな
額田王・飛鳥時代
楽浪(ささなみ)の志賀の唐崎幸(さき)くあれど大宮人(ひと)の船待ちかねつ
柿本人麻呂・飛鳥
濁流だ濁流だと叫び流れゆく末は泥土(でいど)か夜明けか知らぬ
齋藤史・昭和戦前
軍衣袴(ぐんいこ)も銃(つつ)も剣も差上げて暁捗る河の名を知らず
宮柊二・昭和戦前
人に語ることならねども混葬の火中にひらきゆきしてのひら
たけやまひろし・昭和戦後
催涙ガス避けんと秘かに持ち来たるレモンが胸で不意に匂いえり
道浦母都子(みちうらもとこ)・昭和戦後
昭和天皇雨師(うし)としはふりひえびえとわがうちの天皇制ほろびたり
山中智恵子・平成

俳句
降る雪や明治は遠くなりにけり   
中村草田男・昭和戦前
獺祭忌明治は遠くなりにけり   
志賀芥子(草田男より早くに詠んでいた。)
戦争が廊下の奥に立ってゐた   
渡邊白泉・昭和戦前
すべなし地に置けば子に群がる蠅(はえ)   
松尾あつゆき・昭和戦後
湾曲(わんきょく)し火傷(かしょう)し爆心地のマラソン   
金子兜太・昭和戦後

茅野の推し俳句
によつぽりと秋の空なる不尽(ふじ)の山
上島鬼貫・江戸
紅い椿白い椿と落ちにけり
川東碧梧桐・明治
木にのぼりあざやかあざやかアフリカなど   
阿部完市・昭和戦後

2022年8月16日火曜日

テーマ「カレー」

秋の雲流されたくはないけれど
秋暑し喉締め付けて張り上げて
つくばいの落葉かたして空高し
独りぼち老いる不安と秋の声
秋の夕老いたあなたの仕草さえ

NHK短歌 テーマ「グルメ」
選者 笹公人 ゲスト こがけん カン・ハンナ 司会 小沢一敬
レギュラー 本髙克樹 矢花黎 

冒頭の短歌
川を見つけ裸になって飛び込んだ弟のシャツはカレーの匂い
笹公人

火炎土器で喰らえばさらにうまかろうスープカレーに舌を痺(しび)らせ
笹公人
_の中の言葉 札幌(カン・ハンナ) 船待ち(こがけん) 密室(小沢一敬)

■入選九首紹介 テーマ「カレー」
路地裏の雨に打たれて錆びついたレトルトカレーの古い看板
歳三
ルーの海ライスの山とかきまぜてかき込む我は破壊神なり

給食がカレーの日にはクラスみなスプーン曲げをはじめてしまう
淀川万里
手で食いしカレーの匂い指にありインドの旅の証のように
上脇立哉
デパートの大食堂で食ひし彼の最初の異国  
濱岡学
肉じゃがにと切る具材見てカレーだと喜ぶ孫にルー買いに行く
田村由利子
今日の昼何にするかと妻の手はすでに持ってるレトルトカレー
矢部重夫
我が家にて作りし翌日よそからもカレーの香りが漂いきたり
山口月子
カツカレー僕にとっては長嶋と王が一緒にプレーするよう
桑野豊

■選者のお話「歌人のグルメ」
激辛のカレーの鍋におっこったノストラダムスという名の鸚鵡(おうむ)
穂村弘

■短歌ボナペティ ゲスト こがけん
キーワード ルー

カレールー絡む野菜に人生の辛さと甘さ、苦味が混ざる
カン・ハンナ
夏野菜カレーの季節だ!開店だ!ルーが自慢だ!おいでやす‼オーダー
小沢一敬
究極のルー求めたらキッチンがラボの変わったグッバイホリデー
笹公人

■短歌侍の武者修行
今回の課題 色彩を詠む
本髙克樹君はパステルカラーに、矢花黎君は白に注目!

2022年8月15日月曜日

兼題「秋澄む」

秋高し池田ダム湖のラフティング
息あげて水とたわむる秋の空
秋麗息を合わせて漕ぐパドル
七十二歳アオウミガメの浜太郎(無季句)
阿波踊り空席目立つ演舞場

NHK俳句
選者 井上弘美 ゲスト 桃沢健輔 司会 武井壮
冒頭の俳句 
秋澄むと石垣に手を当てにけり   井上弘美

元旦や祖父の二十歳は兵として   桃沢健輔

■俳句ナビ
秋澄む 五感を研ぎ澄ます
季語ではない 山澄む 風澄む 音澄む
季語である 水澄む 空澄む

袖口を遠く感じて秋澄めり   桃沢健輔
添削
秋澄むと袖口遠く感じけり
秋澄むと袖口遠く思ひけり

■入選九句 兼題「秋澄む」
金継ぎの碗に汲む白湯秋澄めり   関久美子
見返りの鹿の埴輪や秋澄めり   佐々木靖彦
玉砂利の白に濃淡秋澄めり   紗千子
天平(てんぴょう)の校倉(あぜくら)二棟秋澄めり   日下光代
山彦(やまびこ)は子の声が好き秋澄めり   大和田博道
秋澄むや石に座りて石となる   丹下京子
秋澄むや朝の光のロールパン   浦野紗知
秋澄んで壁のギターに風の音   武田恭男
擦れ違う線香の香や秋澄めり   鈴木正也

■俳句ナビ 添削コーナー
ナビゲーションポイント
助詞の「ば」を使って見る

澄む空の琵琶湖をわたる気球かな
添削
秋澄め琵琶湖をわたる気球かな

秋澄めり流木話す海のこと
添削
秋澄め流木海のこと語る

秋澄むや歩いて行ける美術館
添削
美術館までを歩いていけ秋澄めり

さかあがり目に焼きつけた澄んだ空
添削
空澄むを目に焼きつけたさかあがり

2022年8月14日日曜日

名言と自由律

身に入(し)むやパンデミックの足音が
生きるとは創作にあり秋の夜
小さき窓広き空間白露降る
エレッセのパンツを穿きて秋初め
厳しさと優しさ持ちて秋の草

■夏井いつき俳句チャンネル
【自由律しか作らない高校生】自由律で俳句甲子園の最優秀句

山頂に流星触れたのだろうか   清家由香里
ぬれてこそ噴水   高橋潤
熱帯雨林の午後   高橋潤
割れてこそ皿   夏井いつき
風船は空の弔い   佐々木美日

生きてこそ八月
生きてこそ芋粥

夕立の一粒源氏物語   佐藤文香(第五回大会最優秀句)

■名言
井上靖 曰く
「人間というやつは、一生のうちに
 何かに夢中にならんとな。
 何でもいいから夢中になるのが、どうも、
 人間の生き方中で一番いいようだ。」

高杉晋作 曰く
「どんな事でも
 周到に考えぬいたすえに行動し、
 困らぬようにしておく。
 それでもなおかつ窮地におちた場所でも
 『こまった』とはいわない。
 困ったといったとたん、
 人間は知恵も分別も
 出ないようになってしまう。」

春山満 曰く
「人生の成功って、何なの?
 お金だけなの?
 『あの人がいないと寂しいね』
 『あの人がいるから安心だね』。
 それぞれのポジションで、
 かけがえのない人になること。」

2022年8月13日土曜日

金魚すくいで一句

待ち侘びたやっと踊れた阿波踊り
阿波の夏動かぬ体飛べませぬ
3年のブランクずしり阿波踊り
阿波の夏もっと踊れたはずなのに
コラボする阿波と仙台過疎の夏

プレバト纏め 2022年8月11日
金魚すくいで一句

永世名人への道
藤本敏史
金魚鉢金魚のいなくなる屈折
(色んな意図に基づいて吟味して作った句)

特待生昇格試験
横尾渉
浄水場の金魚懐メロのサビ
(無季の句に近い金魚の生き死を提示した句)

犬山紙子
私のいない部屋長生きの金魚
(波長の韻律、対比が良い
 文語表現 我のいぬ部屋や長生きなる金魚
 呟きの生々しさが愕然と失せてしまう)

1位 植田紫帆
次こそはと捲る浴衣にはぜる水
(「は」は音数調整できる)

2位 鈴木絢音
琉金の絵はがき二枚かき氷
(季重なりだが強弱がつけてある。
 説明と句の内容が一致していない。)
添削
かき氷さくさく絵はがきは琉金
絵はがきを買う琉金とかき氷

3位 石塚英彦
夏祭り金魚に心すくわれて
(季重なり。読者に残すべきものを詠んでしまっている。
 金魚の様子を表現すべき。添削では「いき」がリフレインされた。)
添削
生き難き時代金魚はいきいきと

4位 望月理恵
秋ちかし予期せぬ家族赤い君
(「赤い君」からは金魚を想像できない。)
添削
あっさりと家族となりぬ出目金魚

次回のお題は「サービスエリア」

2022年8月12日金曜日

夏井いつきのよみ旅!in奄美大島(後編)と七夕

過疎の山郵便ポストに秋の風
進化する未来はな先秋気澄む
忙しなくうろちょろ移動秋の雲
秋の花雨が届かずうなだれん
秋の朝レンジ壊れて冷やご飯

■夏井いつきのよみ旅!in奄美大島(後編)

イジュの花愛しい君への髪かざり   森田啓子
(イジュとは夏の季語)
夏来るあこがれの地へ夢続く   前里佐喜次郎
梅雨の月奄美の響き世に放ち   前山信吾

ひとつの業界を変えるのは
制度の改革とか取り組みではなく
一人のスターだと思う   ROLAND

納豆の粘り恋しき酒造り   西平せれな

音楽も酒も詩なりアダンの実   夏井いつき

夏の日々良き波探し島に酔う   ジョン・マノリト・カントウ
梅雨入りとききし浮かぶは一村画   長尾美和 てぽベネ
涼風や八十路のドラムリズムよし   坂井文磨

■一分季語ウンチク 七夕

五節句の一つ数えられていて
織姫と彦星が一年に一度
出会えるという伝説の「七夕」です。
この「七夕」の元々の行事は陰暦の7月7日に
行うということで秋、初秋の頃の季語となっています。
現代の生活感としては陽暦普通の暦の上での
7月7日頃に行うことが多いことから
七夕が秋の季語だというと「えっ」と
驚かえる方も多いかと思います。
だんだん時間時代の流れによって
ひょっとしたら夏と扱われてしまうようなことも
あるのかもしれないですね。
この七夕にはまつわる様々な傍題が数多くあります。
それぞれの由来や伝説について
調べてみるのも面白い季語です。

2022年8月11日木曜日

お役立ち哲学

秋の空亡父の植えた庭木見ん
秋の山根っこの生えた陶器かな
老夫婦秋の甘味のほろにがき
盆休み抹茶の旨味のど通過
秋麗や心静かに盆点前

ロッチと子羊 より
「公開番組・千葉県勝浦市(2)」

お役立ち哲学 より

頼まれることで
今の責任を果たすことができます
でも未来への責任を果たすには
人に頼むことが大切です
未来倫理学 ヨナス哲学の要約

責任には2種類ある
契約内容に沿ってやり遂げる義務=契約責任
自然に沸き起こる責任感=自然責任=こちらの方が大切

人を助けたい⇨次世代が育つ⇨未来が良くなる(未来に対する責任)
感謝・信頼をお裾分けしていると考える

哲学プラクティス
頼み方にはNegativeとPositiveがある
Positiveな頼み方
① 相手に「何を得られるか」を伝える
② 相手に「期待」を込める

物欲の原因を一緒に探せば笑顔が見つかる
ラカン哲学の要約
「何かが欲しい」の奥には本当の欲望があるはずだ

自分の中に引きこもっていればいいのです
モンテーニュ哲学の要約
① 好きなものを頭に思い浮かべる
② それとは関係のない話をする

2022年8月10日水曜日

名言と「蚤」

青き空肥沃(ひよく)な心持ちて秋
濃厚接触者にご僧侶が新精霊(にいじょうろ)
秋の空添い寝をしない時代とは
つくばいでふと足止めん秋の風
秋の声裏が表に透けて見え

■名言
ヘレン・ケラー 曰く
「幸福の扉が
 ひとつ閉じるときには
 別のとびらが開きます。」

ボブ・マーリー 曰く
「指をさして人を非難する前に、
 君のその手がよごれていないか確かめてくれ。」

ホイットマン 曰く
「世界中の誰もが自分を称賛しても、
 私は一人静かに満足して座っている。
 世界中の誰もが私を見捨てても、
 私は一人静かに座っている。」

■一分季語ウンチク「 蚤」
この「蚤」現在でこそあまり日常には
登場しなくなった季語ですが
かつては本当に苦しめられたという
季語でもあります。
蚊、蚤、二大血を吸う昆虫みたいな
位置づけだと思うのですが
この「蚤」は体長が2mm~4mm程度
人間に限らず色んな家畜の血を吸う
なんていう側面もあったりします。
どんな宿主についているかによっても
人につく「蚤」犬や猫あるいは鼠につく「蚤」
などもあります。
鼠についていた「蚤」なんかは
ペスト菌なんかも介在するという
大変恐ろしい存在でもあったということです。
この「蚤」自分の体長の200倍も跳ぶという
驚異の脚力の持ち主でもあります。

2022年8月9日火曜日

テーマ「旅行」

二千個の風鈴目当て光明寺
秋の空寺の風鈴風を受く
秋の朝床に激突蒙古斑
台風や鉢の水遣り休みなし
ぱぱんぱん耳をすません遠花火

NHK短歌
選者 栗木京子 レギュラー 元髙克樹 矢花黎

冒頭の短歌
いしぶみに一束二百円の花捧げ祈りぬ旅行者のわれら
栗木京子

テーマ「旅行」
Lesson1固有名詞を入れる
固有名詞は意味が強いので
短歌のどこに置くかが重要
歌の構成を考えながら
固有名詞の置き場所を決める
列車の名前などわかりにくい場合は
地名で補う

固有名詞を入れる場所
2つ以上使う場合
「あさかぜ」にひと夜過ごせる寝不足と瀬戸内海の光と忘れず
島田修三

Lesson2視聴者のエピソードを短歌に
ポイント 乗り物の名前を入れる

満員の山手線でキュランダの高原列車脳裏に走る
本髙克樹 添削
満員の山手線でキュランダの高原列車脳に走らす

万緑を高原列車で駆け抜けた記憶で耐える地下鉄の朝
矢花黎 添削
万緑を高原列車で駆け抜けた記憶で耐える銀座線の朝

通勤のラッシュを知らない朝があるキュランダ村行き
小沢一敬 

入選歌紹介 テーマ「旅行」

散歩みち歩数が合わずけんかするそのくせ巡らす旅の計画
鈴木雅子
背の丸い昭和のバスに乗り込んで令和のわれはトンガをめぐる
佐藤氷魚
「踊り子」の発車の合図待ち兼ねてそっと缶合わす平日の朝
武藤育夫
高崎線ボックス席の通学は片道二時間の中旅行
矢澤ともみ
時刻表・地図・口コミを検索し出発前に五割堪能
桑山和代
一席 乗換えの駅にて夫とはぐれたり駅員は言う「動かず待て」と
松田操子

Lesson3出演者のエピソードを短歌に
ポイント 地名を入れる

夏のせいはしゃいで転んで足折ってギプスが眩しい宮古島の海
小沢一敬 添削
夏のせいはしゃいで転んで足折ってギプスが映える宮古島の海

沖縄の岩場で滑り宙を舞う僕の悲鳴は碧波(へきは)に消えた
矢花黎
沖縄の岩場で滑り宙を舞う僕の悲鳴は波間に消えた

沖縄の海が笑った岩場から足を滑らす小沢一敬を
元髙克樹 添削
沖縄の海が笑った岩場から足を滑らすヒーロー小沢を

短歌対決!
ポイント 固有名詞を入れる

轟音の「波乗りジョニー」に身を任せ新潟目指す父は助手席
元髙克樹 添削
轟音の「波乗りジョニー」に身を任せ父は助手席いざ新潟へ

飽きるほど榛名湖畔に響かせた音痴な僕らのメロディーライン
矢花黎 添削
飽きるほど榛名湖畔を走らせた音痴な僕らのメロディーライン

朝五時に友を起こさず部屋を出てサンタモニカにひとり日本人
小沢一敬 

2022年8月8日月曜日

兼題「秋の雲」

秋の雲ケンタウロスへ置き換わる
秋麗や短歌の文庫届きけり
秋風や遅き日の出を待つ時間
秋空や吾の行き先は風に聞く
菊芋や雨に打たれてうなだれて

NHK俳句
選者 髙柳克弘 ゲスト 釈由美子 司会 武井壮

冒頭の俳句
珈琲は留守番の味秋の雲   髙柳克弘

俳句と映像 8月の題「秋の雲」
動画を観ながら俳句を楽しむ
2022年の立秋 8月7日

俳句は言葉のアルバム   髙柳克弘
ねばりなき空に走るや秋の雲   丈草(松尾芭蕉の弟子のひとり)

入選九句 兼題「秋の雲」
藍深む速吸瀬戸(はやすいのせと)秋の雲   比見眞理子
スケボーの廻す地球や秋の雲   宍野宏冶
アイロンの手かげん秋の雲かげん   近藤ひろこ
バレー部のカレー百円秋の雲   岡京子
すでになき秋雲描く画布の空   上西左大信(さだいじん)
秋雲や草に隠して草の罠   酒谷百合子
秋雲(しゅううん)やまだとり返しつく寝坊   未補(みほ)
秋の雲動画のごとき見放題   中岡淳一
やすらはずうつりゆきけり秋の雲  二見謙治
(一物仕立て 「やすらはず」は古語)

お題動画で一句
「雲海」夏の季語
叢雲(むらくも)に天守の冷ゆる古城かな   武井壮
(叢雲とはむらがり集まった雲、冷ゆは秋の季語)

秋雲(しゅううん)や守るものなき城の壁   髙柳克弘

2022年8月7日日曜日

言葉にできない、そんな夜。

暑き日や働き者の基底膜
深き海霧(じり)政教分離なかりけり
コロナ禍にサル痘来る夕涼み
煩悩が暴きだされん涼意(りょうい)かな
数式は共通言語風薫る

言葉にできない、そんな夜。より
木村カエラ、板垣李光人、佐久間由衣、金原ひとみ
司会 小沢一敬

■今夜のテーマは
好意を寄せる相手が誰かと仲よく話していたとき

裏が表に出ちゃってる   木村カエラ

心の中が痛むよ あの子と話さないで
優しくしてくれるなら 私だけにして
(中略)
あなたを好きでいると
醜い自分になってゆくの
私一人だけのものにしたいなんて
HY「ロックスター」仲宗根泉

いいたい 具体化したい
まだ ココロで 期待したい
止めらんないの
どうしようもないでしょ 
木村カエラ「うたうらら」

どんな性質の人かは知らない。
それを強いて知りたくもない。
ただあの二人を並べて見たとき、
なんだか夫婦のようだ
と思ったのが、
慥(たし)かに己の感情を害した。
森鴎外「青年」

気がつけば わたくしは
一面の空に
星のような砲弾を降らせていた。
夜の中を去りながら
ほんの半日前 あなたの瞳が
ほんとうはわたくしに対しても
分け隔てなく美しかったことを
帰れない家のように
思いだしていた。
島本理生

■テーマ 手をつなぐと決めた瞬間

あなたはNで 私もN
あなたがSで 私もN
はやく くっつきたいのにさ。
木村カエラ

酸素が全て心臓に運ばれていく。
気づいたら息を止めていた。
限界になったら手を捕まえよう。
いけ!!!
佐久間由衣

奥歯を抜くときのこと
板垣李光人

刃物をつきつけられているようでもあり
つきつけているようでもある。
生と死がここで渦巻いている。
金原ひとみ

さわらぬ彼にいくじなし!
小沢一敬

■超緊張した経験
もういいわけも、
同情も、嫉妬も、
不安も関係ない。
隠れる場所など、
どこにもなかった。
石田衣良「シューカツ!」

足がすくんで、動けなくなる。
またここまできて、
無残な敗北を喫するのだろうか。
歩くと言うのは、
どう動けばいいのだろうか。
右足と右手が
同時に出そうになって、
千春はパニックに陥りそうだった。
石田衣良「シューカツ!」

初めて乗った原付で、
スロットルを思いのほか
強く回してしまった。
Gが軽くかかった心地よさのなかで、
体だけが置いてけぼりにされそうで、
私はハンドルをぎゅっと握りしめた。
木村カエラ

2022年8月6日土曜日

俳句甲子園での俳句

理屈なき修練あらん夏の天
東踊(あずまおどり)欠点こそが愛おしく
後世へ陶の山より風の香
理想を生ききる(辻村)史朗と三枝子夏の空
原点を見る(辻村)史朗と三枝子夏の山

■夏井いつき俳句チャンネル より
【俳句甲子園】全審査員を納得させた高校生の俳句

小揚羽の展翅アンドロメダ銀河   二宮理歌
秋桜小吉くらいの方がいい   橋野杏平

眸なき小便小僧花カンナ   佐藤文香
夕立晴れ小さい手の君横におり   藤田亜未

昆虫採集の小天狗に会ひにけり   田村梨絵
💮小刻みに震えてしまう心太   池田祐子

上記は家藤正人さんが高校生の時に出場した時の
俳句甲子園でした。
それを、今回は実況してくださいました。
家藤正人さんの俳句も紹介して欲しかったです。
俳句とは小さな傷より大きな魅了!と、組長。
私も同感です。
なのにどうしてあんなに詠んだ人を傷つけるんですか❓
言っていることとやっていることが違い過ぎでは…❓

山頂に流星触れたのだろうか   清家由香里
第10回で上記は審査員全員一致で最優秀賞に選ばれた句だそうです。

伸びやかで活き活きとした心を摘まないで欲しい。
傷つける批評は止めて欲しい。
愛のある添削をしてあげて欲しい。

2022年8月5日金曜日

よみ旅!in奄美大島(前編)&俳句道場

万緑や巨樹に八畳の空間 
巨樹の生きた千五百年茂かな
陶器の中の一本の線青嵐
答えなき世界を浮遊風青し
熱き日の3年越しの志野茶碗

■ギュッと!四国
夏井いつきの俳句道場
兼題「団扇(うちわ)」

選句ポイントは夏らしい涼やかさ

💮ギュッと!特選
浮世絵の団扇の中に団扇あり   どこにでもいる田中

秀作
丸亀の城すぐそこに団扇風   ツユマメ
しなるほど風柔らかき竹団扇かな   中村のりぴ
ツーアウト静まりかへる団扇かな   マーゴとレニー
よう知らん企業のうちわバスが来ぬ   高尾里甫
あり物の夕餉(ゆうげ)うちわの風すこし   佐川碧
アイドルの団扇よ母は使います   長谷川水素

佳作
幼子や深き寝息の団扇風   山田ソライロ
湯上りへ三分間の団扇かな   浅川句利男

■夏井いつきのよみ旅!in奄美大島(前編)

感謝状虹色心描く蝸牛   四位碧杜(しいあおと)
顎のせて新南風(あらばえ)の頃待ち侘びる   重(しげ)祐治
異国の夏(げ)跳ね馬の背夢心地   元允謙(はじめただあき)
煙る香に懐かしさ舞う夜の花   南晋吾

青梅雨につむぐやいともことのはも   夏井いつき

夕焼けにハゲー飛び交う浜サロン   亀井純子
軒先に匂い立ちたる島バナナ   堀内紀子(俳号 常葉ときわ)
声色(こわいろ)や届けと願う五月晴れ   田中功介

2022年8月4日木曜日

哲学の言葉と名句の所以

美郷町陽射し集めて梅を干す
スシローの信用は泡秋を待つ
名古屋場所五番連続不戦勝
油照責任逃れ不承認
阿波の夏よしこの節とぞめきかな

■夏井いつき俳句チャンネル より
【この句のどこが名句?】
『古池や蛙飛びこむ水のおと』あなたは何色を思い浮かべますか?

古池や蛙飛びこむ水のおと   松尾芭蕉
長谷川櫂さんが一冊本を書いている
「古池に蛙は飛び込んだか」
中央公論新社(出版)長谷川櫂(著)

上五に季語ではない名詞+やで詠嘆して切る
残りの中七下五をワンフレーズ作って
その中に季語が入る
この型はバランスをとるのが難しい
季語を知らない人が鑑賞した場合
詫び寂びだけのモノトーンの世界を想像する
春の喜びまで膨らませられない。
一匹を想像する人は無彩色の枯れた単数の蛙。
蛙を春の季語として捉えた人は
繁殖をする時期を想像する
古池から新しいものが燃えいずる春ですよと解釈
季語を知る人と知ら人出は真逆の解釈がなされる

蛙複数説を教えてくれたのは高浜虚子だった
金子兜太先生も複数説を説いておられます

英訳されるときは蛙を季語として認識している人と
そうでなかったら単数になったり複数になったりするのでは?

頂上や殊(こと)に野菊の吹かれ居り   原石鼎(はらせきてい)

名句に対する向き合い方が変わってきそうです。

■ロッチと子羊 勝浦公開番組SP

モノが増えてしまう手放すには?
人間は弱いから
モノに囲まれていると安心します
でも本当に必要なのは
自分に役立つモノだけなのです
プラトン哲学からの応用

リバウンドは自然なことです
自分の周期に合わせれば
苦しみから解放されます
スピノザ哲学からの応用

コナトゥス とは
人に備わった心身を本来あるべき状態に
保とうとした改善する力

あなたがいないと時間が止まっている
ライプニッツ哲学の要約

2022年8月3日水曜日

名言と心があったかくなる本

無駄のない繊細な美よ夏闊歩
シンプルなブラックドレス夏の人
風起こし自由に生きん夏の空
萌え断や夏の果物鮮やかに
ぽたっぽた氷菓溶け出す速過ぎる

■夏井いつき俳句チャンネル より
読書対決「心があったかくなる本」

【申し訳ない母親だった】この本を読んで募った子どもへの想い
家藤正人さん推薦
アゴタ クリストフ著「悪童日記」早川書房 

夏井いつき組長推薦
町田そのこ著「宙ごはん」小学館

■名言

宇野千代 曰く
「失恋って、当の本人は
 苦しい苦しいと言っているけれど、
 本当は終わった恋をいつまでも思い出して
 楽しんでいるようなところがあると思う。
 本当に苦しいなら、一秒でも早く
 忘れる努力をするはずだから。」

マーク トウェイン 曰く
「誰もが同じ考え方をするのは
 理想的なことではない
 みんなの意見がちがうからこそ
 競馬も成り立つのだ。」

レイ・クロック 曰く
「思考のスケールが小さいと、
 その人自身も小さいままで
 終わってしまう。」

2022年8月2日火曜日

タンカツ「新潟県立海洋高等学校」

向日葵や何をそんなにうなだれて
冷しうどんおかか踊りて葱の香
夏の過疎地リゾート地と違えられ
雲の峰心ふくよか旨とせん
楽焼きや夏を楽しむ鉢開

タンカツ「新潟県立海洋高等学校」
栗木京子 小沢一敬 元髙克樹 矢花黎

□テーマ「育てる」
バイ貝の重さを知って声上げる「さわはこの船の司厨員だ」
本髙克樹 添削
バイ貝の重さを知って声上げるさわちゃん「この船の司厨員だ

水槽で二年育てたヒラメから僕が受け継ぐ命のタスキ
矢花黎 添削
水槽で二年育てたヒラメから僕が受け継ぐ命の重み

酒カスでコーティングした餌の音ヒラメは跳ねる大海目指し
💮小沢一敬

□テーマ「調理」
「新潟の甘い魚を知ってるか?」笹の小船で艶めくヒラメを
💮矢花黎

包丁に描いたヒラメの脂絵は八海山の雪化粧かな
本髙克樹 添削
包丁にさばいたヒラメの脂浮き八海山の雪化粧かな

調理室男子生徒のバンダナに汗と香りと喜びにじむ
小沢一敬 添削
調理室相撲男子のバンダナに汗と香りと喜びにじむ

□テーマ「夢」
両肩に掛かるタンクの重さから責任を知る実習プール
矢花黎 添削 
両肩に掛かるタンクの重さとは夢の重さだ実習プール

18歳バディと共に飛び込んだプールに伸ばす歩はストライド
💮本髙克樹

海底で働く未来を映し出すプールの波紋夏の新潟
小沢一敬

2022年8月1日月曜日

歳時記食堂

帰りぎわ氷菓持たされ雲の峰
独りぼち熱風回す扇風機
夏風邪か?寝冷えか?コロナ?眩暈せり
片思い犬の好みは夏の鴨
夏の鴨犬の告白受け入れず

歳時記食堂
店主 星野高士 お客様 齋藤孝 常連客 ビビる大木 女将 岸本葉子 

一品目
淋しさが目鼻つきぬけ夏蜜柑   橋本多佳子
夏蜜柑(甘夏) 夏の季語
俳句で淋しいとか楽しいとか言わない

罌粟(けし)ひらく髪の先まで寂しきとき   橋本多佳子

二品目
更(ふ)くる夜を上(うわ)ぬるみけり泥鰌汁(どじょうじる)   芥川龍之介
泥鰌汁 夏の季語
落葉焚いて葉守りの神を見し夜かな   芥川龍之介9歳の時

木枯や目刺しにのこる海の色   芥川龍之介
木の枝の瓦にさはる暑さ可な   芥川龍之介

水洟(みずばな)や鼻の先だけ暮れ残る   芥川龍之介

俳句には可笑しみがある   齋藤孝
青蛙おのれもペンキぬりたてか   芥川龍之介
てれ性の人が自画像として俳句を詠むことはあるんでしょうか?

三品目 
「あなたのは」とばかり訊く妻さくらんぼ   小山正見
さくらんぼ 夏の季語 可愛い奥様へのプレゼントの句
身代はりの風船数多数多(あまたあまた)割る   小山正見

お土産
さっと蓋はづす頃合どぜう鍋   岸本葉子