2022年6月2日木曜日

東洋美学と西洋:翻訳の問題

事もなげ博学多識涼気(りょうき)かな
巣立鳥本気の愛に育まれ
晩節を汚すことなど夏の風
四つん這い立てず転げて明易し
清滝をさまよう蛍追いかけて

日本美術史の近代とその外部(‘18) より
稲賀繁美先生 
ゲスト 渡辺俊夫先生
イースト・アングリア大学教授
ロンドン芸術大学名誉教授
「英米ジャポニスム研究の表と裏」著

ジェイムズ・マックニール・ホィスラー「ノクターン」に
刺激を受けて 西洋の波と日本の波が響き合っている
「月夜の波」を横山大観は描く。

濃淡の代表作は俵屋宗達の「蓮池水禽図(れんちすいきんず)」

デクパージュ(切り取る)⇩
アサンブラージュ(寄せ集め)⇩
モンタージュ(どう組み合わせるか)
アーサー・ウェズレー・ダウ「構図」の中で解いている。

ホィスラーが絵空事Esoragotoという言葉を流行らせた。

ジョサイヤ・コンドルは河鍋暁斎に師事し「暁英」の号を得る。
本多錦吉郎の著作「図解庭造伝」などを
参照し「真行草」などの概念で日本庭園を分析。

原田次郎は岡倉天心の影響を受けてその精神性を説いています。
竜安寺がどうして日本のシンボルになったのかということに関しては
山田奨治「禅という名の日本丸」弘文堂2005にも詳しい研究があります。

渡辺俊夫先生 曰く
日本庭園は和食とともに日本最大のジャポニスムであると思っています。
最初は美、そして宗教的精神性、現在は癒しとしての日本庭園である。
ディストピア化した都市環境の中で日本庭園は和式を提供している。

橋本関雪
https://ja.wikipedia.org/wiki/橋本関雪

豊子愷
https://ja.wikipedia.org/wiki/豊子愷

西洋の絵画に比べて東洋の絵画は
科学的な精神においては劣るかもしれないが
迫真の感を深くすることにおいて特異の地位を占めるものである。

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