年金や八十二歳が分岐点(無季句)
行く春や何があろうと伸び伸びと
亀の看経(かんきん)インフレは貯蓄税
いくつまで生きるものやら夏近し
■夏井いつきのよみ旅!選in鹿児島(前編)
飼い犬の注ぐ視線やサングラス 鳥越淳子
まぶしすぎるんですよね未来が ROLAND
砂むしはかたこしひざがきもかよか 大岩本恵
夏帽子なぎさの貝もすなも白 新屋敷建
陽のあたる青紫蘇の葉に虫の跡 水間心音
ノーが言えない人のイエスに価値はない ROLAND
父の味あせの染み入るシッテ米 水間絹子
薩摩狂句の達人 小森寿星
兼題「スマホ」
替えたどんスマホにゃ合わん爺の目と手
鹿児島 坂本明
新(に)けスマホ鳴っ度(た)び騒動(そと)で女房(か)け頼(たの)ん
南九州市 前原稔
唱(しょう) 猫い小判がそんままじゃんが
選者がおちをいれる
笑顔(えご)じゃいが毒当てられあせんか心配(せわ)
小森寿星
唱 案外かわいい女ですのよ
夏井いつき
青葉雨美(は)しや笑ひは力なり 夏井いつき
夏風のドカ灰恋し桜島
火山女子・マリコカザン こと 吉田茉莉子
魂は細部に宿る ROLAND
百年は故郷の溶岩(らば)濃緑へ
西野康子
キビナゴの輝く帯にえびす顔
市場のアザラシ こと 柴ひかり
大叙事詩完結し薔薇再生す
ともこ こと 亀﨑朝子
子猫跳ぶ獲物を追いて散り椿
田中璃杏
先の見える人生のほうがもっと怖い ROLAND
椿の実ふとりて子らの声ゆたか 夏井いつき
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