2021年11月30日火曜日

兼題「おでん」

(渡辺省亭)もふもふの筆致は薄く冬の犬  
省亭や杉にみみずく何を観る 
縁側の陽だまりを生く山眠る
芸術をもう愛でることなく凍(い)つく
手を見せん禿(かむろ)ちょこんと緋毛氈(ひもうせん) 

NHK俳句 兼題「おでん」
出演 櫂未知子先生 塚地武雅 田中要次

宿題
うどん屋に上着忘れし小春かな   塚地武雅
お奨めの品書き揺らす隙間風   塚地武雅
水しぶきあげて降り立つ鴨の群   塚地武雅
仰向けの猫をる小春日和かな   田中要次(添削)
日没の光滑らす枯野かな   田中要次
屋上台詞をかへす寒ざらひ   田中要次(添削)
鴨の陣いきいき順に潜りをり   いとうまい子
山茶花や肩にひとひら栞とす   いとうまい子
たっぷりと夕日に染まる干菜(ほしな)かな   いとうまい子(添削)

今回のお気に入り入選句
なお消えぬ指輪の痕やおでん煮る   松田蕾子
夕星(ゆうずつ)の光りおでんの匂ひけり   森本典子
(夕星とは金星の事、視覚と嗅覚に訴えている。)

俳句、二歩目へ「美味は幸せ」
例句
鯛焼は鯛焼同士ぬくめ合ふ   大牧広(櫂未知子先生の師匠)

食べ物の冬の季語
鯛焼き、餅、湯豆腐、寄鍋、雑炊、焼芋、熱燗

俳句ドリル「下五に山眠るを入れる。」
薪割りの心地よき音や山眠る   櫻井紗季
添削(「や」を入れる必要はない。
「音」は「ね」は大袈裟「おと」と詠んだ方が良い。)
薪割りの心地よき音(おと)山眠る 

雛々の指に色添え山眠る いとうまい子
(添削)動詞の季語を使った場合は動詞は使わない方がよい。
雛々の指のくれなゐ山眠る

ぴいぴいと薬罐(やかん)が鳴りて山眠る   塚地武雅
(添削)動詞の季語を使った場合は動詞は使わない方がよい。
ぴいぴいと笛吹きケトル山眠る

膝上に猫が丸まり山眠る 田中要次
(添削)動詞の季語を使った場合は動詞は使わない方がよい。
膝上に猫丸々と山眠る

革靴の硬きソールや山眠る   マネージャー

「山眠る」は手前の具体的なものを組み合わせると良い。
春 山笑ふ、夏 山滴る、秋 山装ふ、冬 山眠る
動詞を重ねない!

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