航路図に秘めた未来や秋日和
秋の夜内発性を無視できず
超然を旨とし生きん蚯蚓鳴く
秋気澄む共振与え与えられ
秋興や変容重ね辿り着き
夏井いつき俳句チャンネル より
【音便シリーズ】ウ音便を使って
簡単に俳句の雰囲気を変えてみませんか?
音便とは動詞・形容詞・形容動詞の音が
他の言葉と合わさると変化する。
藤の花這うていみじき樹齢かな 阿波野青畝(せいほ)
「う」にう音便が発生している。
元々の動詞の形が何だったのか
そこから調べるとわかりよい
文語の歴史的仮名遣いで書くと「這ふ」です。
「這ふ」がこの動詞、終止形でもありますが…。
どういうふうに変化していくのか確認することで
う音便とは何かを覚えようとしている訳です。
「這ふ」というのが未然形(ず・ない)に
くっつく時に音がどう変化するか?
未然形 は
連用形 ひ
終止形 ふ
連用形 ふ
巳然形 へ
命令形 へ
音が変化していない部分が語幹 は
は行の活用形になる。
う音便はは行「ひ」から「う」に変わっている。
音便は連用形の部分に発生する。
本来は「這ひて」となるところを「這うて」となり
う音便が発生している。
阿波野青畝のこの句を見て、これ本当は
「ひ」じゃないかしら間違ってんじゃないか青畝!
いう人が時々いるのですが、
これは間違いではありません。
う音便を青畝は選んでこのように書いているのです。
では何で発生させる?
音便を発生させることによりニュアンスが
変わるというか相手に伝える雰囲気が
少し変わってきます。
「這うて」という言い方をした方が
柔らかい感じはするのではないかと…。
優美にもなる。
柔らかく時に優雅という効果を持つ。
う音便発生させないといけないのですか?
自分がう音便を使うか使わないか
自分で判断するわけです。
その時のポイントとしては
この句の内容にこういう効果、柔かい感じとか
優雅な感じとか効果があったらいいなと思って
う音便を選ぶ!と言うことです。
俳句は韻文ですから内容と音 ひびき・調べを
全部ひっくるめての作品ということになるのです。
0 件のコメント:
コメントを投稿