2021年11月8日月曜日

11月の子規

朝ドラの呟く台詞冬ざるる
冬桜温き方言「かんまんよ」
挨拶は俳句の心日向ぼこ
フィレーネとフィンセント冬ぬくし
冬の虹立ちてなきものあるが如し

夏井いつき俳句チャンネル より
【11月の子規】色彩をうまく使った子規の句を紹介します!

11月までやってきたらいろんな切り口
使い果たした感がありました。
子規さんは季重なりが多い。
子規さんの季重なりの中から色彩を
特徴的に使っている句を見つけたので紹介。

鶏頭の黒きにそそぐ時雨かな   正岡子規

鶏頭は赤のイメージが強いのですが
ここでは黒という色彩が使われている。
鶏頭の花がドッシリ一本立っていて
そこに時雨がそっと降り注いでいる。
この「黒」の読み方としては雨に濡れた感じの
色彩の変化と読んでもよいし
枯れかかってきていると読んでもよいし
太陽光線の関係での黒きと読んでもよい。
プラスのイメージかマイナスのイメージか
と言ったらマイナスのイメージ。
そういう季重なりとなります。

しぐるるやいつまで赤き烏瓜   正岡子規

烏瓜の赤って言っても秋(朱)色です。
いつこの烏瓜は滅ぶんだろう
予感としての「いつまで」としての赤なのかと…。
烏瓜に対して赤いって書いたらだいたい凡人の句になる。
「いつまで赤き」って書いたら描写の言葉になっている。
負のイメージが付きまとってくる。

「かな」に対しての「しぐるるや」は上五の詠嘆になっている。
そして植物同士であり、黒であり赤である。
鶏頭は黒じゃないのにあえて「黒き」と書いてある。
烏瓜が赤いのは当たり前なのだけれど
あえて「赤き」と書いてある。

黒キマデニ紫深キ葡萄カナ   正岡子規

冬ざれの厨(くりや)に赤き蕪かな   正岡子規

冬ざれと蕪の季重なり。 
昭和の感じのする厨。
冬ざれの寒い荒れた冬の手触りみたいなものがあるから
逆にこの赤き蕪の新鮮味っていうのが際立ってくる。

色でどのような方向でも表現できる。
色は工夫のし甲斐がある。
これから色彩を意識して物を見ると
いろんな色が見えてくるかもしれない。

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