2019年3月9日土曜日

春の号外で一句

(奥村土牛展に寄せて)
一力亭の 初々しさや 京の春
セザンヌを 模写した土牛 山笑う
土牛の手 描かず描く 春の瀧
浄心で 描き続けた 春の雨 
将来性を 買われ描いた 匂草

プレバト纏め 201937
俳句の才能昇格査定スペシャルのお題「春の号外」で一句

柴田理恵
「犯人逮捕」干鱈(ひだら)を毟(むし)る 母の黙
(干鱈は春の季語 季語から伝わる動作と心情)

Kis-My-Ft2 北山宏光
新社員 号外閉じて 指黒く
(散文的にしてはいけない 意外性を持った新社員)
指黒く 号外を閉ず 新社員

大和田獏
流されし 魂(たま)鎮めしか 春の海
(流されしは過去形 祈りのような調べを生んでいない)
たましひを 鎮めて春の 海しづか

鈴木光
センター街 滲む号外 春の雨
(三段切れ 語順を変えリズミカルに)
センター街 号外滲む 春の雨

岩永徹也
冴え返る A.I.騎士.の 白き腕
(果敢な挑戦 冴返るが春の季語)
冴返る A.I.騎士.の 白き腕

松岡充
号外を 放つ手取る手 春疾風
(見事な臨場感 映像が浮かんでくる 
韻を踏んでいる リズムがある)

千原ジュニア
春疾風 足絡みつく 号外や
(足は不要 季語を活かす映像の取り込み方)
絡みつく号外 街の春疾風

ミッツ・マングローブ
新た御代の 見出し立たん 桜真風(さくらまじ)
(御代とは天皇の活世 その在位期間 
 桜真風は桜の頃に吹く南風 
御代の使い方が文法的に間違ている
六六五⇒格調の高い調べではない)
新たなる 御代の見出しや 桜真風

NON STYLE 石田明
春疾風 号外の紐 ほどきたる
(たるは連体形)

「今回、昇格した人は映像を描いた人でした。」
と夏井いつき先生の総評!

見応え満点でした。勉強になりました。
柴田理恵さんの句に感銘を受けました。
毎回このレベルだと嬉しいのですが…。
頭で詠む人と感性で詠む人がいます。
私は感性の鋭い人に魅力を感じます。
優等生の俳句はどうも私には理解できません。
心に響かないんですよね。

0 件のコメント:

コメントを投稿