冬の虹メトホルミンへ賭ける人
息白しその場限りの垂らし込み
冬の空行雲流水あるがまま
冬座敷蟹じゃなかったタラバ蟹(ヤドカリ科)
冬の月楽しいことを極めたし
■
あの本、読みました?
村上春樹・龍も受賞した新人賞~今年文学賞をとったスゴイ作品
髙橋源一郎 ピンク地底人3号 鳥山まこと 遠田潤子 鈴木保奈美 山本倖千恵 林祐輔P
野間文芸新人賞
2025年文学賞総ざらいスペシャル
日本の文学賞は特殊 文学賞の種類
エンターテインメント 純文学
ベテラン作家の賞 ベテラン作家の賞
中堅作家の賞 中堅作家の賞
若手作家の賞 若手作家の賞
公募新人賞 公募新人賞
・吉川英治文学賞 講談社
過去受賞作家 松本清張 司馬遼太郎 東野圭吾 村山由佳 桐野夏生
今年の受賞作 「方舟を燃やす」角田光代著/新潮社
・山本周五郎省 新潮社
過去受賞作家 吉本ばなな 吉田修一 伊坂幸太郎 早見和真 青崎有吾
今年の受賞作 「女の国会」新川帆立著/幻冬舎
・山田風太郎賞 KADOKAWA
過去受賞作家 貴志祐介 窪美澄 塩田武士 今村翔吾 米澤穂信
今年の受賞作 「神都の証人」大門剛明/講談社
「ミナミの春」遠田潤子著/文藝春秋
出版社が違う作品が受賞
第十六回山田風太郎賞受賞作
「ミナミの春」の一文 遠田潤子著/文藝春秋
「ねえ、吾郎さん。今度、外泊許可がおりたら買物に連れてってくれる?」
「買物?要る物があったら俺が買ってくるが」
「自分で選びたいねん。梅田へ連れてって」
どうせ外泊で家に帰るなら、残り少ない時間を春美と触れ合った方が
いいのではないか、と思ったが、美恵の意思は固いようだった。
外泊許可を取って、阪急百貨店に行った。
車椅子に乗った美恵が向かったのは子供服売り場、ファミリアだった。
「春美にはきちんとピアノを続けさせて。毎年、発表会やコンクールがあるから、
そのときには、このファミリアのワンピースを着せたげて。
ここのワンピースはね、流行に左右されへん。
上品なデザインやからずっと着られるねん」
美恵はワンピースを十一枚買った。一枚一枚サイズが違う。
一枚目はサイズ110。二枚目は120。三枚目は130だった。
「一年に一枚ずつ。必ず着せてあげてね。
あの子が十五歳になるまで揃えておく。
高校生になったら自分で選ばせてあげて。お願い」
美恵は最後のワンピースを手に微笑んでいた。
白い襟がついた紺色のワンピースだった。
小花模様の刺繡が入っている。吾郎は懸命に涙を堪え、何とか笑おうとした。
阪急百貨店のファミリア 大阪と「お笑い」
「ミナミの春」の一文 遠田潤子著/文藝春秋
「…ねえ、ヒデヨシ君。大昔、うちらが結婚式のネタやったん覚えてる?」
「もちろん。あれ、メチャクチャ面白くて、完成度も高くて、『はんだごて』
の目標でした。特に劇場でやったとき、あれ完璧でした。ほんま凄かった。
鳥肌立ちました」あのときの熱狂が一瞬で蘇る。
あれはみなを呑み込む圧倒的な渦で、
その中心に「カサブランカ」が君臨していた。あれはもはや芸を超えていた。
世界中の祝福を司る女神の降臨だった。
(中略)
「最高の十分間やった。でもね、終わった瞬間、呆然とした。
恐る恐るお姉ちゃんの顔を見たら、やっぱり呆然としてた。
あのときね、うちらはてっぺんと奈落を同時に味わってん」
「どういうことですか」「あのとき悟ってんよ。
…もうこれ以上のものはできへん。この先どれだけやっても、
たとえ一生漫才をやったとしても、今やった以上のものを
作りだすことはできへんのや、って」
極めた芸人の境地
阪神淡路大震災を描いた理由
・2025年文学賞総ざらいスペシャル 新人部門
小説すばる新人賞 集英社
過去の受賞作家 花村萬月 村山由香 朝井リョウ
今年の受賞作 「ギアをあげた日」平石なぎさ著/集英社
江戸川乱歩省 日本推理作家協会主催 賞金がめちゃ高い 5百万円
過去の受賞作家 西村京太郎 東野圭吾 桐野夏生
今年の受賞作 「殺し屋の営業術」野宮有著/講談社
・野間文芸新人賞 講談社の創業者 野間清治が創設 野間文化財団が主催
過去の受賞作家 村上龍 村上春樹 柳美里 中村正則 角田光代 村田沙耶香 九段理江
今年の受賞作 「世界99上下」村田沙耶香著 受賞
今年の受賞作 「カンザキさん」ピンク地底人3号/集英社
「時の家」鳥山まこと/講談社
髙橋源一郎が選考委員を務める「野間文芸新人賞」
「時の家」鳥山まこと/講談社
唐突な回想シーンを描いた理由
髙橋源一郎が絶賛する理由 家に記憶を託していく 記憶は物に宿る
「時の家」の一文 鳥山まこと著/講談社
いつの間にか空は分厚い雲で覆われ、外の光がぐっと絞られていた。
ガラスの向こうでは日向と日陰の差をなくした庭が立体感を失っている。
青年の視界の先の漆喰壁のついさっきまで白く煌めいていたはずの
表面は灰色を混ぜたように薄暗い。飾り付けも何もされていない
明度を欠いた白い壁。その余白ばかりの平面に心が吸い取られえて
ゆくようだった。真っ白の壁のように残された自分の人生の時間が
青年には時々余分に思えた。
この先に続く現実味の乏しい時間の中を自分は呆然と生きてゆくのだろうか。
給料は世間の平均よりは高く贅沢をしなければ過ごすのに困らない。
その継ぎ足しがむしろ胸の余白の質感をなくしてゆくようだった。
昔から大抵のことは器用にこなすことができ、
酷い苦労をした覚えがなかった。
でもその代わり何かで一番を取ったこともなかった。
生きてきた時間に、自分自身に、とっかかりがなかった。
建築士だからこそ書ける表現
「笑って欲しい」と思って書いた
「カンザキさん」の一文 ピンク地底人3号/集英社
モリちゃんは 自分が浮いていることに自覚的だったし、
自分の行動が周りを不愉快にさせることもよくよくわかっていた。
だから 出来るだけ自分から何かをすることを避け、とにかく
人に言われたことだけをやっていく、それが彼が長年考え
生み出した処世術だった。ただ残念なことにモリちゃんは
人に言われたことができなかったし、一度間違えたことは
何度やっても間違えた。そして間違えた時、失敗した時よく笑った。
それが周りをさらに怒らせ不快にさせていた。
「俺、何度も何笑ってんねんって怒られたり 殴られたり
しているんだけどどうしても 堪えきれないの。とにかく
笑っちゃうの。だって笑えない?俺のダメっぷり。
俺は面白いと思うなあ」
登場人物の作り方 初めての小説は「私小説」
髙橋源一郎が推薦した理由
私感
髙橋源一郎氏❣最高❣魅力全開でした。
ありがとうございました❣
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