寝ていたいずっとず~っと冬の朝
煙草手にスピード違反新参者
落ち着きを取り戻さぬか冬の暮
値を下げた甘くとろける白菜よ
冬星座何にもない日おめでとう
■あの本、読みました?大ヒット映画の原作・歴史小説特集「のぼうの城」和田竜の新作
和田竜 永井沙耶子 鈴木保奈美 山本倖千恵 林祐輔P
和田竜デビュー作 本屋大賞2位(2009年)「のぼうの城」
12年ぶりの最新作「最後の一色」
その人物をずっと追っていきたくなる
人物を好きなるように書く ということに気をつけている
「超高速!参勤交代」土橋章宏
城戸賞(日本映画の未来を担うシナリオライターを発掘・育成する脚本賞)
を受賞した人
「木挽町のあだ討ち」永井紗耶子
2026年2月27日 劇場公開 柄本佑 渡辺謙出演
吉澤ほたる:芝居小屋の衣装係りで、女形としても舞台に立つ。
幼い頃、浅間山噴火で孤児となり、火葬場の労働者の米吉に救われ育てられる。
「木挽町のあだ討ち」の一文 永井紗耶子著/新潮文庫
私はこれまでの人生で、人のことを羨んだり哀れんだりしたことがついぞない。
それは端から手前が何にも持っちゃいなかったから。
欲しがるだけ空しいし、裏切られるのも辛いばかりだ。
でも、もしもっと豊かな家に生まれ落ちていたらって、
思い描いたことがないわけじゃない。
だから手前とまるで違う世界にいる武者や姫君が出てくる芝居を、
面白いって思うわけだからね。
しかしこうして綺麗な若衆の菊之助さんを見ているうちに、ああ、
何処に生まれ落ちたって苦しいことはあるんだなあって当たり前のことに
気づかされた。そういう意味で、人ってのは等しいもんさ。
「私を育てた隠亡の爺さんが言っていたよ。どんな奴でも、
いずれ焼かれて骨になるって。武士だからとか男だからって、
要らない気負いは捨てていい。どうせいずれは骨になるって思うと、
気が楽になることもある」
人物像と仇討ちで描く江戸時代の背景
戦国と江戸 武士の違い
儒教:家族や社会の秩序を大切にし礼儀と道徳を説いた古代中国の理念
儒教を学んでない時代と学んだ時代との違いがくっきりと表れている
和田竜が鈴木保奈美に伝えたかったこと…。
「畳の上で往生するのは虫がいいというものですよ」
この鈴木保奈美の台詞の表現がこの映画を浮揚させた
シナリオと小説の創作論
映画監督を目指していた過去
「最後の一色」(上)」の一文 和田竜著/小学館刊
「一色五郎が来るぞ」康之が叫んだとき、
一色家の騎馬武者が左右に分かれ、例の魔物が再び姿を現した。
迫りくる一色五郎は、疾駆する馬上で手綱を口にくわえるや、
長い腕を腰の前で交差させた。異風にも太刀を左右に差している。
交差した両の手で左右の柄をつかむなり、頭上で大きく半円を
描きながら、ゆっくりと日本の太刀を抜いた。「二刀か」
(中略)
「えいやあっ」大喝とともに五郎が二刀を切り上げた。
まずは左手の太刀が騎馬武者の伸び切った両腕を断ち、
間髪入れず右手の太刀が鎧ごと胴を断った。この間、一瞬である。
五郎は斬り上げると同時に上体を立て直している。
下半身だけとなった敵の影武者とすれ違ったときには、
巨馬の背に五郎の瘦せた上体が直立していた。「見たか」
五郎は馬も止めずに豪語した。次の瞬間はもう、槍衾(やりぶすま)を敷いた
長岡家の騎馬武者たちの間合いに入らんとしている。
執筆のきっかけ 海音寺潮五郎「一色崩れ」
登場人物の魅力
長岡(細川)忠興:父である藤孝とともに丹後の支配を目指し、一色五郎と戦う猛将
稲富伊賀:一色家の家臣で鉄砲の名手
史実から創作する物語
「では何ゆえ」忠興は問いを重ねる。すると藤孝は、
「あの男の持つ、計り知れぬ器量がゆえじゃ」そうぽつりと答えた。
瞬間、忠興は総身にどっと汗をかいた。
それと同時に、何か得体の知れぬ恐怖に襲われている。
「器量―」と、父の答えを繰り返した。「左様、器量じゃ」
藤孝は暗くうなずき、断言する。
「その尋常ならぬ器量の大きさゆえ、長岡家は一色五郎に滅ぼされる」
人がもつ「器量」とは…
伊也…忠興の妹
映画化は?全くないとか…。
最新作「秘仏の扉」永井沙耶子著/文藝春秋
200年閉ざされていた法隆寺夢殿・救世観音像の扉が激動の明治開国期に、
フェノロサや岡倉天心によって開かれる。仏罰が下ると言われた秘仏開帳に
関わった者たちの歴史群像劇。
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