すっぴんにマスク施し冬の朝
息白し口を尖らせ肩すぼめ
冬の夢百まで生きて何とする
石積みて神山校の冬を勝つ
伝統を繋ぎ繋ぎて冬勝利
■スイッチインタビュー
佐野史郎 桜木紫乃(直木賞作家)
「父の人生劇場」
「長男なんて言う言葉に一生を振り回されて生きてるやつは気の毒なことだなあ」
その一行を書くために800枚を費やすんです もと取れないですね 桜木
正直に自分と向き合ってお父さんに向けて語りかけた言葉ですよね 佐野
桜木さんの表現はフィクションの中で“うそですよ”とと言ってるわけですが
そこは自然なわけじゃないですか 佐野
そう見えるように文章の芸ですよね 桜木
僕の仕事は芸でやることではなく 芸を見せてはだめ
“演じていない”ができない 明後日の現場もカメラの前で
演じなきゃいけないわけですよ どうしたらよいですかね? 佐野
でも佐野さんなんだから その悩みもないと佐野史郎は
出来上がらないのであれば ずっと悩んでくださいという感じ 桜木
自分の中に蓄積したものを使って物語の中の人が私を使って
表現してくれている事なので 桜木
この家族背景ももちろん 家族環境とか家じまいとか前にしていることを
まるごと受け入れたうえで 佐野
自分に起こることは常に面白いような気がしています 自分にもし
強みがあるとしたら 5年6年デビューできなくてもやり続けること 桜木
時間がかかるのは当たり前のこと前だと思ってるから 今日書いたものが
あした評価されるなんてないですから 桜木
父がたぶん私のことを認めてくれるというか小説を書く人間なんだ
コイツは職人なんだと認めてくれた日を覚えていて
直木賞の授賞式だった 桜木
2013年大49回直木賞受賞 「ホテルローヤル」
もう自分の娘じゃないと思ったみたい それは母も同じだったと思います
あの日から一回も向こうから電話がかかってくることはない
親の電話で心が揺れ動いてはいけない 仕事に差し支えるからと 桜木
ものすごく心が通っているということじゃないですか 佐野
彼(父)のことをもしかしたら理解したいしできるかもしれない 桜木
猛男(父)は現在87歳 現在ラブホテルのあった場所で桜木の母と
二人で暮らしている ナレーション
母が認知症で私のこともよく覚えていないし5分前のことも全然わからない
昔苦労させたからって父がずっと面倒を見ているんです
「お前たちは嫁に行った人間なんだから俺たちのやることに口出さないでくれ」
好きに生きてきた男のセリフだなと 口を出さないで黙って見てるのが
最後の親孝行かなと 責任を取っているつもりなんだと思います
自分の落とし前をつけてる だから嫌いにはならないでね 私も 桜木
いいなあ 娘にそんなことを言われてみたい 佐野
嫌いじゃないですよ そんな人生もあることを教えてくれた1番近い人 桜木
「家族じまい」桜木紫乃著
「家族じまい」は“お終まい”ではない 最近たどりついたのが
”お片づけ“という言葉で 人それぞれ気持ちのいい形に
持っていくことだと思う 桜木
同感です 佐野
”お片づけ“という言葉に行きついてよかった
生きやすくする 暮らしやすくするという点で
”片づける“って身軽になってまた歩いていく
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