秋の風呂あっという間に夜となり
90円で議員を辞職秋あわれ
待ちくたびれた遅き迎えや秋の蝉
生き過ぎた飽きてきました蚯蚓(みみず)鳴く
秋日和恥を忘れし老後かな
■闘うガンディー 非暴力思想を支えた聖典⑥ 真理(サティア)と愛
小野正嗣 赤松明彦
1948年1月30日 午後5:17
五百人ほどの人が祈りの集会に集まっていた。
その時、一人の男が人々をかきわけて小径へ進み出てきた。
男はガンディーの六○センチ前に立ち、小型拳銃から弾丸を三発発射した。
一発目が命中すると、ガンディーの歩みは止まった。
二発目が当たると、白い服を鮮血が染め始めた。
ガンディーは小さく「ヘーラーム(おお、神よ)」とつぶやいた。
その時、三発目が鳴り響いた。
身体がへなへなと崩れ落ち、皮のサンダルは脱げた。
「Mahatma Gandhi-His Life&Times」Louis Fischer著
暗殺される前日の集会にて
ガンディーの肉声
兄弟姉妹の皆さん
私を称賛する人もいれば非難する人もいます
私はどうすればよいのでしょうか
私は神の命ずるままにするしかありません
神は私を連れ去るかもしれません
私は騒乱のただ中に平安を見いだしたいのです
その騒乱の中で死にたいのです
私は「〈真理〉とは〈神〉である」という結論に達しました。
そして、人が〈神〉という〈真理〉を見出したいと思うとき、
唯一、必要なのは〈愛〉であり、非暴力です。
私は躊躇なく言えます。「〈神〉は〈愛〉である」と。
「The Collected Works of Mahatma Gandhi」
信頼できる仲間、友人、敵、見知らぬ人、仲介者、外国人、同胞、
また、聖人と罪人についても、平等に尊重する者は、優れています。
敵にも味方にも平等であり、尊敬と不敬、寒さと暑さ、快楽と苦痛を
平等に見て、執着から自由である人、そのような人たちは、
私にとって、たいそう愛しい人たちです。
私たちは、イギリスの帝国主義に抵抗しています。
それは、イギリス国民を傷つけるためではありません。
戦場で打ち負かすのではなく、心を変えてもらうためです。
人類の名において訴えます。
戦争を止めてください。
私には、物言わぬ民衆の平和を求める叫びが聞こえます。
「The Collected Works of Mahatma Gandhi」
日本人の皆さんへ
私は日本の僧侶たちと親しく交わりました。
アーシュラムの一員として暮らした者もいました。
私たちに日々の祈りと、太鼓の音を思い出として残してくれました。
「The Collected Works of Mahatma Gandhi」
僧侶 藤井日達(1885-1985)
こうした楽しい思い出をもとに、私はあなたがたの中国への攻撃、
容赦ない破壊行為を深い悲しみをもって見ています。
世界の列強と肩を並べたいというのは価値ある志でした。
あなたがたは、崇高な高みから、
帝国主義の野望にまで堕ちてしまいまった。
このままでは、アジア解体の張本人となり果てるでしょう。
「The Collected Works of Mahatma Gandhi」
私たちの闘いは、権力を求めるものではなく、
純粋に非暴力によるインド独立のための闘いです。
私は獄中で「フランス革命」を読み、
またロシア革命についても聞いました。
しかし、これらの闘いは暴力という武器で行われたがゆえに、
民主主義の理想を実現できなかったのです。
私が思い描く民主主義は、非暴力によって築かれるものです。
そこでは、すべての人が平等に自由であり、
誰もが自分自身の主人となるのです。
このことを理解すれば、ヒンドゥーもムスリムも区別はなくなり、
共に独立を求める闘いに身を投じるでしょう。
だからこそ、私たちは、憎しみを心から取り除かなければなりません。
「The Collected Works of Mahatma Gandhi」
私が心に描いている民主主義 言い換えますと非暴力によって
築き上げられた民主主義においては万人に等しい自由が
与えられることでしょう だれもが己の主人であることでしょう
「わたしの非暴力」マハトマ・ガンディー著/森本達雄訳
マヌ・ガンディー ガンディーが引き取りわが子のように育てた
バープー(お父さん)と呼び 常に行動を共にした
バープーは、まるで母親が、十四、十五歳の実の娘を育てるように、
私を育ててくれました。
いつも私の身近にいて、食事や衣服、病気、交友関係や勉強、
人生の細かなことにまで関心を寄せ、最後までそうしてくれました。
「Bapu-My Mother」Manubehn Gandhi著
愛する者を失い、罪なき女性や子どもたちが却殺された場所、
裸を覆う布切れすら持たぬ女性たち、そして犠牲者の尊い骨が
散らばるその大地。それを踏みことは、私にとって巡礼でした。
その巡礼でどうしてサンダルを履けるでしょうか。
「THE LONELY PILGRIM」Manubehn Gandhi著
バープーの足にオイルを塗っているとき、私は、その足の裏が
いくつも切れていて、血がにじんでいるのを見つけました。
思わず涙が止まりませんでした。
親指のつけ根には特に深い裂け目がありました。
嫌がらせだと分かっても、パープーはこう言いました。
「私は気にしないよ。みんながそのようにして
私でうっぷんを晴らすのならそれでかまわないんだよ」
「THE LONELY PILGRIM」Manubehn Gandhi著
ガンディーの肉声
独立を祝った8月15日その数日間だけ
私たちは兄弟として団結しました。
しかしその後怒りが爆発し「彼らを殺すべきだ」「追放すべきだ」
という声が沸き上がったのです。この自由(インド独立)の後に
このような結末を見ることになるのであれば 私は何の為に
生き残ったのか❓私の心にはそうした苦しみの炎が燃えています
アヒンサー 殺したくない
融和と非暴力を民衆に問うのが日課となっていた
1948年1月 ニューデリー ガンディー断食
1948年1月20日 爆弾テロ暗殺未遂
静かに みなさん 落ち着いてください 心配せずにお聞きください
もし私が殺されても、暗殺者のために神に祈り、心の中で
神を見るならば、私は自分自身を勇敢だと思うでしょう。
私は神を探しに寺院やモスクには行きません。
「The Collected Works of Mahatma Gandhi」
暗殺者は銃弾二発を腹に、一発を胸に打ち込みました。
パープーは地面に崩れおちました。そしてその瞬間、
バープーは「ラーム、ラーム」と口にし、
命は彼から離れていったのです。
もし私が病で死ぬのなら、私は偽善者だったと世界に伝えなさい。
でも、もし誰かが私を銃で撃ち、その弾を胸で受け、痛さで呻くのではなく
「ラーム」の名を呼んで息絶えるなら、その時にはこう伝えてほしい。
彼は本当のマハートマ(偉大な魂)だったと。
「The Dairy of Manu Gandhi」
1948年1月31日ガンディー国葬
ガンディーの遺品「バガヴァッド・ギーター」
18章すべてが国葬では読まれた
すべての内に〈私〉を見、〈私〉の内にすべてのものを見る者は、
決して〈私〉から離れることはありません。
そして〈私〉も、その者から離れることはないのです。
すべての生きとし生けるものを、
自分自身の中に見ることは簡単ではありません。
けれど、それらのすべてを〈神)の中に見て、自分自身もそこに見るとき、
初めて、自分の中に他者を感じることができるのです。
「The Collected Works of Mahatma Gandhi」
すべての義務を放棄して、ただ〈私〉にのみ全てを委ねなさい。
〈私〉はあなたを、すべての罪悪から解放しましょう。
嘆かなくてもよいのです。
クリシュナよ、あなたのおかげで、私の迷いは消えました。
私はしっかりと立ち上がり、すべての疑念はなくなりました。
あなたが命じるがままにいたしましょう。
「バガヴァッド・ギーター」
シモーヌ・ヴェイユ(1909-1943)
ヴェイユ自筆のノート 本質を問いつづけた
非暴力は、有効でなければ無用である。
その有効性は、相手によって決まる。
人間であるアルジュナはクリシュナに、その気に及んでではなく、
もっと以前に、“自分が何をなすべきか”を
命じて欲しいと願うべきだったのだ。
もしアルジュナがそうしていたら神の答えが
どのようなものになったか、誰にも分からない。
徐々に、この世界において、暴力を一つ、また一つと、
有効な非暴力へと置きかえてゆかなければならない。
「カイエ」シモーヌ・ヴェイユ著
原子爆弾という究極の悲劇から正しく導きだされる教訓は、
暴力が、対抗する暴力によってなくなることがないように、
原子爆弾もまた、それに対抗する原子爆弾によって
なくすことはできないということです。
憎しみはただ愛によってのみ、克服されます。
「The Collected Works of Mahatma Gandhi」
〈神〉は、目に見えぬ力として、私たちのうちに宿っています。
それは科学の言葉で言えば引力や結合力。
みなによく知られた言葉で言えば〈愛〉です。
この〈愛〉こそが私たちを互いに、そして〈神〉にも結びつけるのです。
もしあなたが〈神〉としての〈真理〉を見出したいと思うならば、
そのための唯一、確かな手段は、〈愛〉と非暴力です。
〈愛〉すなわち非暴力こそが、この地球を支えているのです。
「The Collected Works of Mahatma Gandhi」
シャンティ・アシュラヌ 平和の共同体
愛は神である 創造は神である 慈悲は神である
人を守るものこそ我らの神である
私の大好きなガンディーの言葉のひとつは
「愛あるところに命がある」
私は「愛こそが人が人に手渡すことのできる
最大の贈り物」だと信じています
全ての問題を解決することはできないかもしれない
たったひとつの生涯では足りないかもしれない
それでも私たちの行動は何世代にも渡って
未来に受け継がれてゆくことを忘れてはなりません
私は願っています すべての子どもたちが
「自分には変わる力がある」と信じられますように
希望は「変化する力」と「感じる力」があって
初めて生まれるのです
愛あるところに命がある。憎しみは破壊へと導く。
生きとし生けるものを結びつけるその力の名は愛である。
「The Collected Works of Mahatma Gandhi」
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