(渡辺省亭)もふもふの筆致は薄く冬の犬
省亭や杉にみみずく何を観る
縁側の陽だまりを生く山眠る
芸術をもう愛でることなく凍(い)つく
手を見せん禿(かむろ)ちょこんと緋毛氈(ひもうせん)
NHK俳句 兼題「おでん」
出演 櫂未知子先生 塚地武雅 田中要次
宿題
うどん屋に上着忘れし小春かな 塚地武雅
お奨めの品書き揺らす隙間風 塚地武雅
水しぶきあげて降り立つ鴨の群 塚地武雅
仰向けの猫をる小春日和かな 田中要次(添削)
日没の光滑らす枯野かな 田中要次
屋上や台詞をかへす寒ざらひ 田中要次(添削)
鴨の陣いきいき順に潜りをり いとうまい子
山茶花や肩にひとひら栞とす いとうまい子
たっぷりと夕日に染まる干菜(ほしな)かな いとうまい子(添削)
今回のお気に入り入選句
なお消えぬ指輪の痕やおでん煮る 松田蕾子
夕星(ゆうずつ)の光りおでんの匂ひけり 森本典子
(夕星とは金星の事、視覚と嗅覚に訴えている。)
俳句、二歩目へ「美味は幸せ」
例句
鯛焼は鯛焼同士ぬくめ合ふ 大牧広(櫂未知子先生の師匠)
食べ物の冬の季語
鯛焼き、餅、湯豆腐、寄鍋、雑炊、焼芋、熱燗
俳句ドリル「下五に山眠るを入れる。」
薪割りの心地よき音や山眠る 櫻井紗季
添削(「や」を入れる必要はない。
「音」は「ね」は大袈裟「おと」と詠んだ方が良い。)
薪割りの心地よき音(おと)山眠る
雛々の指に色添え山眠る いとうまい子
(添削)動詞の季語を使った場合は動詞は使わない方がよい。
雛々の指のくれなゐ山眠る
ぴいぴいと薬罐(やかん)が鳴りて山眠る 塚地武雅
(添削)動詞の季語を使った場合は動詞は使わない方がよい。
ぴいぴいと笛吹きケトル山眠る
膝上に猫が丸まり山眠る 田中要次
(添削)動詞の季語を使った場合は動詞は使わない方がよい。
膝上に猫丸々と山眠る
革靴の硬きソールや山眠る マネージャー
「山眠る」は手前の具体的なものを組み合わせると良い。
春 山笑ふ、夏 山滴る、秋 山装ふ、冬 山眠る
動詞を重ねない!
2021年11月30日火曜日
2021年11月29日月曜日
ヘレーネと岩田健太郎とニーチェの言葉
涅槃(ねはん)に見る座脱(ざだつ)立亡(りゅうぼう)大地凍(い)つ
冬紅葉寺の片隅けざやかに
立ち枯れて薄雪纏い冬の月
書の素養持ちて描かん梟を
過疎の山香りまんまん木頭柚子
■ゴッホの世界最大の収集家
ヘレーネ・クレラー=ミュラーが
夫のアントンからゴッホの絵画
《悲しむ老人(「永遠の門にて」)
1890年5月 油彩、カンヴァス
クレラー=ミュラー美術館所蔵》
がプレゼントされた時の言葉。
「驚いて気を失いそうになりました。
世界一高価な真珠のネックレスを貰ったとしても
これほど幸せではなかったでしょう。」
■岩田健太郎氏 曰く
「挑戦する人だけが失敗することができる。」
■ニーチェ 曰く
「何か新しいものを見つけることではなく、
古いもの、古くから知られていたもの、
あるいは誰の目にもふれていたが見逃されていたものを、
新しいもののように観察することが、
真に独創的な頭脳の証拠である。」
冬紅葉寺の片隅けざやかに
立ち枯れて薄雪纏い冬の月
書の素養持ちて描かん梟を
過疎の山香りまんまん木頭柚子
■ゴッホの世界最大の収集家
ヘレーネ・クレラー=ミュラーが
夫のアントンからゴッホの絵画
《悲しむ老人(「永遠の門にて」)
1890年5月 油彩、カンヴァス
クレラー=ミュラー美術館所蔵》
がプレゼントされた時の言葉。
「驚いて気を失いそうになりました。
世界一高価な真珠のネックレスを貰ったとしても
これほど幸せではなかったでしょう。」
■岩田健太郎氏 曰く
「挑戦する人だけが失敗することができる。」
■ニーチェ 曰く
「何か新しいものを見つけることではなく、
古いもの、古くから知られていたもの、
あるいは誰の目にもふれていたが見逃されていたものを、
新しいもののように観察することが、
真に独創的な頭脳の証拠である。」
2021年11月28日日曜日
種田山頭火賞と杜父魚(かくぶつ)
冬ぬくしマルコリーニのチョコレート
消しゴムで消せない記憶霜夜かな
スコアに描く夢や期待やしぐれ虹
五線譜に載せきれぬ愛冬銀河
酢海鼠(すなまこ)や柚柑(ゆこう)の酸味まろやかに
夏井いつき俳句チャンネル より
【大賞受賞】夏井いつきが種田山頭火賞を受賞しました!
表彰状の中には…。
もりもり盛りあがる雲へあゆむ 種田山頭火
という句が書かれていたそうです。
種田山頭火賞
第1回 麿赤兒
第2回 伊藤比呂美
第3回 碓井俊樹
意思を持って行動している人に与えられる賞だそうです。
選定した方は嵐山光三郎氏と林望氏だそうです。
一分季語ウンチク 「杜父魚(かくぶつ)」
カジカ科の魚であり体長は30㎝ほど
暗い灰色の体に褐色の斑紋(はんもん)がはしっているそうです。
福井では「杜父魚」や「霰(あられ)がこ」などと呼ばれ
そして高知では「かまきり」と呼ばれる魚なのだそうです。
「かまきり」というのはこの魚の標準の和名だそうです。
九頭竜川(くずりゅうがわ)で11月から2月頃に
川を下ってくる魚だということです。
初冬に美味である。福井の霰がこ料理として有名。
消しゴムで消せない記憶霜夜かな
スコアに描く夢や期待やしぐれ虹
五線譜に載せきれぬ愛冬銀河
酢海鼠(すなまこ)や柚柑(ゆこう)の酸味まろやかに
夏井いつき俳句チャンネル より
【大賞受賞】夏井いつきが種田山頭火賞を受賞しました!
表彰状の中には…。
もりもり盛りあがる雲へあゆむ 種田山頭火
という句が書かれていたそうです。
種田山頭火賞
第1回 麿赤兒
第2回 伊藤比呂美
第3回 碓井俊樹
意思を持って行動している人に与えられる賞だそうです。
選定した方は嵐山光三郎氏と林望氏だそうです。
一分季語ウンチク 「杜父魚(かくぶつ)」
カジカ科の魚であり体長は30㎝ほど
暗い灰色の体に褐色の斑紋(はんもん)がはしっているそうです。
福井では「杜父魚」や「霰(あられ)がこ」などと呼ばれ
そして高知では「かまきり」と呼ばれる魚なのだそうです。
「かまきり」というのはこの魚の標準の和名だそうです。
九頭竜川(くずりゅうがわ)で11月から2月頃に
川を下ってくる魚だということです。
初冬に美味である。福井の霰がこ料理として有名。
2021年11月27日土曜日
秋の東京駅で一句
手仕事の国用の美消えて北の冬
冬苺スコアアートはどこまでも
五線譜に紡ぐ心や日向ぼこ
冬景色思いを込めて写生せん
(世界コンビニ)冬銀河過疎が世界に羽ばたかん
プレバト纏め 2021年11月26日
秋の東京駅で一句
永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
ますかけの手にある我の木の葉髪
添削(木の葉髪は秋から冬髪が抜けることを
木の葉が散るのに例えた語。
ますかけは手相の一つ。配慮が足らない。)
ますかけの手相ぞ我に木の葉髪
永世名人への道
村上健志
銀杏のひかり肴に一口目
添削(「ひかり肴に一口目」の叙述が甘い。)
ぎんなんのひかり一粒まず一献
特待生昇格試験
千賀健永
凩や人吸い人吐くターミナル
添削(「木枯し」は冬木、「凩」は風のイメージが強い。)
人吸うて吐く凩のターミナル
1位 武尊(たける)
十円のもやしで晩餐春を待つ
添削(素材が良かった。リアリティー、
オリジナリティーがあった。語順に問題があった。)
晩餐は十円もやし春を待つ
2位 野口健
木枯らしに駅名告げる声かすむ
添削(添削しても意味不明。詰め込み過ぎでは?)
木枯らしに千切れ駅名告げる声
3位 LiLiCo
夜長には都の駅ももみじ色
添削(「には」「は」は文章的。)
夜長なる都の駅舎もみじ色
4位 村上(マヂカルラブリ―)
行く秋と行かぬ駅の赤
添削
行く秋や赤々とある東京駅
次回のお題は「映画館」
冬苺スコアアートはどこまでも
五線譜に紡ぐ心や日向ぼこ
冬景色思いを込めて写生せん
(世界コンビニ)冬銀河過疎が世界に羽ばたかん
プレバト纏め 2021年11月26日
秋の東京駅で一句
永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
ますかけの手にある我の木の葉髪
添削(木の葉髪は秋から冬髪が抜けることを
木の葉が散るのに例えた語。
ますかけは手相の一つ。配慮が足らない。)
ますかけの手相ぞ我に木の葉髪
永世名人への道
村上健志
銀杏のひかり肴に一口目
添削(「ひかり肴に一口目」の叙述が甘い。)
ぎんなんのひかり一粒まず一献
特待生昇格試験
千賀健永
凩や人吸い人吐くターミナル
添削(「木枯し」は冬木、「凩」は風のイメージが強い。)
人吸うて吐く凩のターミナル
1位 武尊(たける)
十円のもやしで晩餐春を待つ
添削(素材が良かった。リアリティー、
オリジナリティーがあった。語順に問題があった。)
晩餐は十円もやし春を待つ
2位 野口健
木枯らしに駅名告げる声かすむ
添削(添削しても意味不明。詰め込み過ぎでは?)
木枯らしに千切れ駅名告げる声
3位 LiLiCo
夜長には都の駅ももみじ色
添削(「には」「は」は文章的。)
夜長なる都の駅舎もみじ色
4位 村上(マヂカルラブリ―)
行く秋と行かぬ駅の赤
添削
行く秋や赤々とある東京駅
次回のお題は「映画館」
2021年11月26日金曜日
アンソニー・ロビンズ&ゲーテの言葉
酒蔵で勢いつけん冬の風
冴る風祖谷を見下ろす桃源郷
桃源郷の茅葺屋根の厳か
凍てつきて祖谷の山里囲炉裏端
鬼門に棲みて幸多かれと願う冬
アンソニー・ロビンズ 曰く
「自分が怖いと思っているところに
焦点をあててはいけない。
自分が行きたいところに焦点を当てるんだ。」
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 曰く
「断るのにあれこれ多くのことを弁ずるのはむだなこと、
相手の耳には拒否の一語しか聞こえていない。」
冴る風祖谷を見下ろす桃源郷
桃源郷の茅葺屋根の厳か
凍てつきて祖谷の山里囲炉裏端
鬼門に棲みて幸多かれと願う冬
アンソニー・ロビンズ 曰く
「自分が怖いと思っているところに
焦点をあててはいけない。
自分が行きたいところに焦点を当てるんだ。」
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 曰く
「断るのにあれこれ多くのことを弁ずるのはむだなこと、
相手の耳には拒否の一語しか聞こえていない。」
2021年11月25日木曜日
空海と山田貞一の言葉
痩せこけたカラスの姿声冴ゆる
青森の朝さもだし(ならたけ)の昆布のせ
さもだしと菊花合わせて交わす酒
冬空や開店前の駐車場
待ち合わせ時間違えて日向ぼこ
空海 曰く
「もし自分に適していることにその能力を使うなら、
物事は極めてうまくゆく。
しかし、自分に向いていない物事に、その能力を使うなら、
労多く、益は少ないだろう。」
山田貞一 曰く
「人の心からどんなときでも
楽しさを奪うことはできない。」
青森の朝さもだし(ならたけ)の昆布のせ
さもだしと菊花合わせて交わす酒
冬空や開店前の駐車場
待ち合わせ時間違えて日向ぼこ
空海 曰く
「もし自分に適していることにその能力を使うなら、
物事は極めてうまくゆく。
しかし、自分に向いていない物事に、その能力を使うなら、
労多く、益は少ないだろう。」
山田貞一 曰く
「人の心からどんなときでも
楽しさを奪うことはできない。」
2021年11月24日水曜日
スナフキンと孫正義の言葉と大野林火の俳句
止まらないスタフグレーション水涸る
愛することがエゴイズム?露凍る
年賀状UCフォントでご挨拶
ボジョレヌーボー未成熟なる魅力
冬銀河カラスの声が琴線に
▪スナフキン 曰く
「何でも自分のものにして
持って帰ろうとすると難しいものなんだよ。
ぼくは見るだけにしてるんだ。
そして立ち去るときにはそれを
頭の中へしまっておくのさ。
その方が鞄をうんうんいいながら運ぶより、
ずっと快適だからね。」
▪孫正義 曰く
「今日出会う人物や景色は人生で二度無いと想うと
全てを愛しみたくなる。」
▪夏井いつき俳句チャンネル
【人生相談】仕事以外に趣味も興味もありません。定年後が恐ろしい。
期すものに老後も初心水澄めり 大野林火(りんか)
老いというものを俳句にすることに興味を持っていて
老化を俳句の句材だなと思うと面白がっているところがあります。
あなたも面白がった方が実りがあります。
新しいスタートラインと思った方が良いのでは…?
老後も初心で楽しみませんか?
あなたこそ俳句をやるべきです!と夏井いつき先生。
私感
でも、俳句をやっておられる方は
マウントを取りたい方が多くて…。
批評、批判、酷評をしたりしているような…。
俳句を詠んで心に深い傷をおっている人が多いのでは…?
愛することがエゴイズム?露凍る
年賀状UCフォントでご挨拶
ボジョレヌーボー未成熟なる魅力
冬銀河カラスの声が琴線に
▪スナフキン 曰く
「何でも自分のものにして
持って帰ろうとすると難しいものなんだよ。
ぼくは見るだけにしてるんだ。
そして立ち去るときにはそれを
頭の中へしまっておくのさ。
その方が鞄をうんうんいいながら運ぶより、
ずっと快適だからね。」
▪孫正義 曰く
「今日出会う人物や景色は人生で二度無いと想うと
全てを愛しみたくなる。」
▪夏井いつき俳句チャンネル
【人生相談】仕事以外に趣味も興味もありません。定年後が恐ろしい。
期すものに老後も初心水澄めり 大野林火(りんか)
老いというものを俳句にすることに興味を持っていて
老化を俳句の句材だなと思うと面白がっているところがあります。
あなたも面白がった方が実りがあります。
新しいスタートラインと思った方が良いのでは…?
老後も初心で楽しみませんか?
あなたこそ俳句をやるべきです!と夏井いつき先生。
私感
でも、俳句をやっておられる方は
マウントを取りたい方が多くて…。
批評、批判、酷評をしたりしているような…。
俳句を詠んで心に深い傷をおっている人が多いのでは…?
2021年11月23日火曜日
題「重」
己を知らない肉体や底冷え
まじまじと櫛にごっそり木の葉髪
札束で頬を張る人鎌鼬(かまいたち)
木守柿ついえた目にはぼんやりと
鎌鼬(かまいたち)我が子を脅し従わせ
NHK短歌 題「重」
選者 大森静佳 ゲスト 宇垣美里 司会 有森也実
冒頭の短歌
紫陽花の重さを知っているひとだこころのほかは何も見せない
大森静佳
宇垣美里さんの一番好きな一首
退屈をかくも素直に愛しゐし日々は還らずさよなら京都
栗木京子
宇垣美里さんの思い出のある場所京都御所を詠んだ短歌。
御所の砂利さりさり踏めば永遠と今のあわいに満月が照る
大森静佳
お気に入りの入選短歌
紙皿と重しにしていた割り箸がいっぺんに飛ぶ幸せですか
宮城県石巻市 岩倉曰
重力にひとつ残らず従ってポップコーンが床へと向かう
埼玉県鴻巣市 一戸詩帆
月影に重機が首を垂れている居酒屋だった更地が蒼(あお)い
岐阜県可児市 前川泰信
うっすらと下描きの線の残るごと昨日の君がきみに重なる
大阪府大阪市 栗本悦子
今読みたい愛の短歌
思い出は増えるというより重なってどのドアもどの鍵でも開く
鈴木晴香(はるか)
大森先生のポイントで改作!スケッチを工夫しよう
元歌
亀に亀重なり合って日を浴びて三重塔(さんじゅうのとう)のように動かず
下七七をそれぞれが詠みました。
亀に亀重なり合って日を浴びて二世帯住宅のように動かず
有森也実
亀に亀重なり合って日を浴びてトーテムポールのように動かず
宇垣美里
改作ポイント➀空気感をスケッチしよう。
日を浴びて重なり合った亀たちの三重塔のようなしずけさ
(見えない空気や雰囲気を意識すると奥行きが生まれる。)
改作ポイント②細部を描いて臨場感を出そう。
□□□亀の三重塔は水面にうつる
ぬんと伸びゆく長い首おはよう亀の三重塔は水面にうつる
有森也実
神託を待つ巫女の目は澄み切って亀の三重塔は水面にうつる
宇垣美里
それぞれの甲羅のふちを光らせて亀の三重塔は水面にうつる
大森静佳
(スケッチを工夫するには、一回きりの出会いを大事にしよう。)
一部分をフォーカスすることでより深い部分が表現できる。
一回きりの出会いを描き、その時間を描くことで
言いたい事をより濃厚に表現することができる。
まじまじと櫛にごっそり木の葉髪
札束で頬を張る人鎌鼬(かまいたち)
木守柿ついえた目にはぼんやりと
鎌鼬(かまいたち)我が子を脅し従わせ
NHK短歌 題「重」
選者 大森静佳 ゲスト 宇垣美里 司会 有森也実
冒頭の短歌
紫陽花の重さを知っているひとだこころのほかは何も見せない
大森静佳
宇垣美里さんの一番好きな一首
退屈をかくも素直に愛しゐし日々は還らずさよなら京都
栗木京子
宇垣美里さんの思い出のある場所京都御所を詠んだ短歌。
御所の砂利さりさり踏めば永遠と今のあわいに満月が照る
大森静佳
お気に入りの入選短歌
紙皿と重しにしていた割り箸がいっぺんに飛ぶ幸せですか
宮城県石巻市 岩倉曰
重力にひとつ残らず従ってポップコーンが床へと向かう
埼玉県鴻巣市 一戸詩帆
月影に重機が首を垂れている居酒屋だった更地が蒼(あお)い
岐阜県可児市 前川泰信
うっすらと下描きの線の残るごと昨日の君がきみに重なる
大阪府大阪市 栗本悦子
今読みたい愛の短歌
思い出は増えるというより重なってどのドアもどの鍵でも開く
鈴木晴香(はるか)
大森先生のポイントで改作!スケッチを工夫しよう
元歌
亀に亀重なり合って日を浴びて三重塔(さんじゅうのとう)のように動かず
下七七をそれぞれが詠みました。
亀に亀重なり合って日を浴びて二世帯住宅のように動かず
有森也実
亀に亀重なり合って日を浴びてトーテムポールのように動かず
宇垣美里
改作ポイント➀空気感をスケッチしよう。
日を浴びて重なり合った亀たちの三重塔のようなしずけさ
(見えない空気や雰囲気を意識すると奥行きが生まれる。)
改作ポイント②細部を描いて臨場感を出そう。
□□□亀の三重塔は水面にうつる
ぬんと伸びゆく長い首おはよう亀の三重塔は水面にうつる
有森也実
神託を待つ巫女の目は澄み切って亀の三重塔は水面にうつる
宇垣美里
それぞれの甲羅のふちを光らせて亀の三重塔は水面にうつる
大森静佳
(スケッチを工夫するには、一回きりの出会いを大事にしよう。)
一部分をフォーカスすることでより深い部分が表現できる。
一回きりの出会いを描き、その時間を描くことで
言いたい事をより濃厚に表現することができる。
2021年11月22日月曜日
兼題「木枯」
吾の未来ハードル高し冬の月
初霜や錦織りなす渓谷美
冬畑ドローンの農薬散布
休め田を軽快な音(ロボット)草刈機
スマホでチェックロボットの冬作業
NHK俳句 兼題「木枯」
選者 岸本尚毅 ゲスト マツモトクラブ 司会 中田喜子
冒頭句
凩(こがらし)や水の面(おもて)をゆくは影 岸本尚毅
マツモトクラブさんからの質問
「川柳にたまたま季語が入っていたら俳句になるんですか?」
岸本尚毅先生
「川柳を詠んだのであれば季語が入っていても川柳です。」
例
百合みだら五つひらいてみなみだら 時実新子
「俳句として立派な俳句です。
川柳のつもりで詠んだものは川柳です。」
俳句と想像力 擬人法と想像力
海に出て木枯帰るところなし 山口誓子
お気に入り入選句
木枯しは嬉しく辛し芋を干す 静岡県磐田市 大澄正子
木枯や誓子行方を見守りて 静岡県富士市 小泉博
繋がらぬ手には木枯いくじなし 大阪府河内長野市 若林瑠香
投稿句
木枯の夜の訃(ふ)笑顔を思ひ出す
添削
木枯の訃に思ひ出す笑顔かな
添削
木枯の訃にありし日の笑顔かな
木枯や天使の梯子けざやかに 中田喜子
添削(けざやかは聞き馴染みのない言葉ない。
目立ち過ぎ。まざまざも強すぎる。
ありふれた言葉の方が伝わり易い。)
木枯や天使の梯子ありありと
木枯しの遠き記憶に暖をとる マツモトクラブ
添削(繋ぎ過ぎているので切れ字を入れ俳句らしくした。)
木枯しの遠き記憶や暖をとる
初霜や錦織りなす渓谷美
冬畑ドローンの農薬散布
休め田を軽快な音(ロボット)草刈機
スマホでチェックロボットの冬作業
NHK俳句 兼題「木枯」
選者 岸本尚毅 ゲスト マツモトクラブ 司会 中田喜子
冒頭句
凩(こがらし)や水の面(おもて)をゆくは影 岸本尚毅
マツモトクラブさんからの質問
「川柳にたまたま季語が入っていたら俳句になるんですか?」
岸本尚毅先生
「川柳を詠んだのであれば季語が入っていても川柳です。」
例
百合みだら五つひらいてみなみだら 時実新子
「俳句として立派な俳句です。
川柳のつもりで詠んだものは川柳です。」
俳句と想像力 擬人法と想像力
海に出て木枯帰るところなし 山口誓子
お気に入り入選句
木枯しは嬉しく辛し芋を干す 静岡県磐田市 大澄正子
木枯や誓子行方を見守りて 静岡県富士市 小泉博
繋がらぬ手には木枯いくじなし 大阪府河内長野市 若林瑠香
投稿句
木枯の夜の訃(ふ)笑顔を思ひ出す
添削
木枯の訃に思ひ出す笑顔かな
添削
木枯の訃にありし日の笑顔かな
木枯や天使の梯子けざやかに 中田喜子
添削(けざやかは聞き馴染みのない言葉ない。
目立ち過ぎ。まざまざも強すぎる。
ありふれた言葉の方が伝わり易い。)
木枯や天使の梯子ありありと
木枯しの遠き記憶に暖をとる マツモトクラブ
添削(繋ぎ過ぎているので切れ字を入れ俳句らしくした。)
木枯しの遠き記憶や暖をとる
2021年11月21日日曜日
文法と解釈「ぬ」
ドウダンツツジ今が見ごろと冬の朝
冬めくや痛みの記憶緩和せん
生き飽きた蟷螂(とうろう)枯るや死に支度
冬の色死は平等に公平に
元気という病を罹患枯芝
夏井いつき俳句チャンネル より
【文法と解釈】「サタン離れぬ」の様々な考察を紹介!
われにつきゐしサタン離れぬ曼殊沙華 杉田久女
解釈
「離れた」派 A 完了「ぬ」終止形
「離れない」派 B 打消「す」連体形「ぬ」
B´口語 打消「ぬ」連体形
C 口語 打消「ぬ」終止形
コメント 曼殊沙華という季語がポイント
曼殊沙華は魔除けの花である。
植物が持っている意味から考え「離れた」である。
コメント 久女の境遇から考えると「離れた」だと思う。
これは作家論的な解釈鑑賞。
俳句と作者を切り離して俳句だけを考える作品論。
考えるということが大切。
白黒つけてしまうのは損なことではないか?
それぞれの解釈があって良い。
また、それを誰も唯一の正解だとも思っていない。
俳句は違った価値観をお互いに持っているけれど
相手を否定せずに受け入れ合う文化。
「多様性」だと思います。
俳句を通してそういうこと学び合う機会になれば良い。
「つきゐし」はわざわざ字余りの過去の助動詞にしている。
「ぬ」だから、組長は「離れた」派。
コメント「ぬ」を変えれば「離れた」と言い切れる。
「サタン離れし」だったら解かり易いのに…。
「離れず」が1番解かり易いのでは?
正人さんは「離れない」派 C口語打消「ぬ」終止形
文法的な事ではなく経験則として考えていた。
皮肉的な逆説的な考えもできるのではないか?第三軸として…。
組長の思考は京都風。
「離れました」と言いながら「離れない」と、
いう意地悪な「離れない」派ではないか?
思考という名のラビリンスに入っていく。
コメント 文法上の問題はあるものの、どちらの
解釈も可能であるならば「離れない」を採りたいです。
「離れた」と思ったけれど「離れていない」
二重の意味を持たせたのではないか。
その方が人間の業を感じられてドラマがあるように思う。
杉田久女に対して申し訳ない推測ですが
自分としては「~できぬ」というつもりだったが
結果論としてAになったのでは?と、組長。
語り合うのは楽しい!こういう時に
「正解を言え!」というのは無粋!
議論することが楽しい…。
組長は田辺聖子「花衣ぬぐやまつわる」という表現です。
自分なりの考えを持つということが大切です。
私感
私はひとり思っていたいです。
俳句を好きな方にはディベートで相手を
凹ませることに生きがいを感じておられる方が多いですが
そうでない人間もいることを知って欲しいです。
ディベート大嫌い派です。
生き飽きた蟷螂(とうろう)枯るや死に支度
冬の色死は平等に公平に
元気という病を罹患枯芝
夏井いつき俳句チャンネル より
【文法と解釈】「サタン離れぬ」の様々な考察を紹介!
われにつきゐしサタン離れぬ曼殊沙華 杉田久女
解釈
「離れた」派 A 完了「ぬ」終止形
「離れない」派 B 打消「す」連体形「ぬ」
B´口語 打消「ぬ」連体形
C 口語 打消「ぬ」終止形
コメント 曼殊沙華という季語がポイント
曼殊沙華は魔除けの花である。
植物が持っている意味から考え「離れた」である。
コメント 久女の境遇から考えると「離れた」だと思う。
これは作家論的な解釈鑑賞。
俳句と作者を切り離して俳句だけを考える作品論。
考えるということが大切。
白黒つけてしまうのは損なことではないか?
それぞれの解釈があって良い。
また、それを誰も唯一の正解だとも思っていない。
俳句は違った価値観をお互いに持っているけれど
相手を否定せずに受け入れ合う文化。
「多様性」だと思います。
俳句を通してそういうこと学び合う機会になれば良い。
「つきゐし」はわざわざ字余りの過去の助動詞にしている。
「ぬ」だから、組長は「離れた」派。
コメント「ぬ」を変えれば「離れた」と言い切れる。
「サタン離れし」だったら解かり易いのに…。
「離れず」が1番解かり易いのでは?
正人さんは「離れない」派 C口語打消「ぬ」終止形
文法的な事ではなく経験則として考えていた。
皮肉的な逆説的な考えもできるのではないか?第三軸として…。
組長の思考は京都風。
「離れました」と言いながら「離れない」と、
いう意地悪な「離れない」派ではないか?
思考という名のラビリンスに入っていく。
コメント 文法上の問題はあるものの、どちらの
解釈も可能であるならば「離れない」を採りたいです。
「離れた」と思ったけれど「離れていない」
二重の意味を持たせたのではないか。
その方が人間の業を感じられてドラマがあるように思う。
杉田久女に対して申し訳ない推測ですが
自分としては「~できぬ」というつもりだったが
結果論としてAになったのでは?と、組長。
語り合うのは楽しい!こういう時に
「正解を言え!」というのは無粋!
議論することが楽しい…。
組長は田辺聖子「花衣ぬぐやまつわる」という表現です。
自分なりの考えを持つということが大切です。
私感
私はひとり思っていたいです。
俳句を好きな方にはディベートで相手を
凹ませることに生きがいを感じておられる方が多いですが
そうでない人間もいることを知って欲しいです。
ディベート大嫌い派です。
2021年11月20日土曜日
七味トウガラシで一句
渋柿や小鳥仲良くついばまん
字が主張する個性あり帰り花
山茶花や音を違えて落花せり
ペンの音消えた寂庵落葉時
急ぎ足陽射し背に受け枯芒
プレバト 2021年11月18日
七味トウガラシで一句
永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
黒七味蕎麦に振り込む義士祭
(義士祭は春の季語。「黒七味」は京都・祇園にある
「原了郭(はらりょうかく)が本家、
赤穂義士の一人原惣右衛門の子孫だとか…。
季語の取り合わせが良いと組長。)
名人への道
千原ジュニア
手袋のまま割る箸の乾いた音
(叙述が良い。季語を主役に押し出す配慮ができている。
下五の「乾いた音」という言葉から来る冬の空気感が
上五の「手袋」という季語をさらに効果足らしめた。)
特待生昇格試験
北山宏光
七味爆破夜鷹蕎麦へと沈む蓋
添削(「爆破」は大袈裟。夜鷹蕎麦は冬の季語。)
七味振れば夜鷹蕎麦へと沈む蓋
1位 かたせ梨乃
冬麗の太秦二時のかけうどん
(冬麗とは穏やかに晴れてうららかな冬の日。
太秦という固有名詞が良かった。)
2位 みちょぱ
ステイホームなないろ散らし釜揚げうどん
添削(「なないろ」は七味唐辛子の別の言い方。
唐辛子は秋の季語。
「釜揚げうどん」(冬の季語)、略して「釜揚」)
釜揚げになないろ散らしステイホーム
3位 藤井隆
七味かけ白菜漬けが歌衣装
添削(歌衣装はつまらない擬人化。)
白菜漬けにかけて七味の華やかに
4位 歌広場淳
唇が熱いと離るる手の冷たく
添削(季語を描こうとしているのではなくムードを詠んでいる。
俳句はリアリティーを追求して欲しい。
わざと詠まないというのも俳句の大事なコツ。)
冷たき手と七味に熱き唇と
次回のお題は「秋の東京駅」もう冬なのに…?
字が主張する個性あり帰り花
山茶花や音を違えて落花せり
ペンの音消えた寂庵落葉時
急ぎ足陽射し背に受け枯芒
プレバト 2021年11月18日
七味トウガラシで一句
永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
黒七味蕎麦に振り込む義士祭
(義士祭は春の季語。「黒七味」は京都・祇園にある
「原了郭(はらりょうかく)が本家、
赤穂義士の一人原惣右衛門の子孫だとか…。
季語の取り合わせが良いと組長。)
名人への道
千原ジュニア
手袋のまま割る箸の乾いた音
(叙述が良い。季語を主役に押し出す配慮ができている。
下五の「乾いた音」という言葉から来る冬の空気感が
上五の「手袋」という季語をさらに効果足らしめた。)
特待生昇格試験
北山宏光
七味爆破夜鷹蕎麦へと沈む蓋
添削(「爆破」は大袈裟。夜鷹蕎麦は冬の季語。)
七味振れば夜鷹蕎麦へと沈む蓋
1位 かたせ梨乃
冬麗の太秦二時のかけうどん
(冬麗とは穏やかに晴れてうららかな冬の日。
太秦という固有名詞が良かった。)
2位 みちょぱ
ステイホームなないろ散らし釜揚げうどん
添削(「なないろ」は七味唐辛子の別の言い方。
唐辛子は秋の季語。
「釜揚げうどん」(冬の季語)、略して「釜揚」)
釜揚げになないろ散らしステイホーム
3位 藤井隆
七味かけ白菜漬けが歌衣装
添削(歌衣装はつまらない擬人化。)
白菜漬けにかけて七味の華やかに
4位 歌広場淳
唇が熱いと離るる手の冷たく
添削(季語を描こうとしているのではなくムードを詠んでいる。
俳句はリアリティーを追求して欲しい。
わざと詠まないというのも俳句の大事なコツ。)
冷たき手と七味に熱き唇と
次回のお題は「秋の東京駅」もう冬なのに…?
2021年11月19日金曜日
芥川龍之介と「水初めて氷る」
冬北斗目覚めるたびに見つめ合い
冬の星強い光を放ちをり
冬の月苦しい時に種を蒔け
天狼(てんろう)や人を傷つけ逝くなんて
遣り尽くした人生終えん初冬
芥川龍之介が書いたエゴイズムという答えのない命題
文学史上最も「議論」を起こしたのは彼かもしれない
芥川龍之介とは|人間のエゴを描き「答えのない難題」を書いた作家
https://note.com/jusho/n/ne99cf404feea
▪プレミアムカフェ 選 芥川龍之介 より
ワタシワアナタヲ
愛シテ居リマス
コノ上愛セナイ位
愛シテ居リマス
ダカラ幸福デス
小鳥ノヤウニ幸福デス
正直な所時々
文子女史の事を考へる
此頃(吉田弥生)から
はなれる必要がある時は
特に意識して考へる
それは文子女史への事を
考へるときに子供の時から
知ってゐるせいか
清浄な無邪気な愛を
感じる事が出来るからだ
エゴイズムのない愛があるとすれば
人の一生ほど苦しいものはない
私感
芥川龍之介の愛は責任感なしの愛ではないでしょうか?
吐露した言動に関しては責任を取らないと…。
▪一分季語ウンチク「水始めて氷る」
「初氷」という季語も現象としては同じことです。
その年になって初めて水が氷ることなのですが
この長いタイプの季語には記憶が刺激されますか?
七十二候の一つです。
二十四節気でいう立冬の初候
それが「水初めて氷る」となります。
陽暦の11月7日から11日の頃にあたるとのことです。
年々その初氷、決勝が確認されるのが
徐々に遅くなっているという話もありました。
「水始めて氷る」七十二候の時期に
初氷が観測できない世界になっていくかもしれませんね。
気を付けて環境にも取り組んでいきたいところですね。
冬の星強い光を放ちをり
冬の月苦しい時に種を蒔け
天狼(てんろう)や人を傷つけ逝くなんて
遣り尽くした人生終えん初冬
芥川龍之介が書いたエゴイズムという答えのない命題
文学史上最も「議論」を起こしたのは彼かもしれない
芥川龍之介とは|人間のエゴを描き「答えのない難題」を書いた作家
https://note.com/jusho/n/ne99cf404feea
▪プレミアムカフェ 選 芥川龍之介 より
ワタシワアナタヲ
愛シテ居リマス
コノ上愛セナイ位
愛シテ居リマス
ダカラ幸福デス
小鳥ノヤウニ幸福デス
正直な所時々
文子女史の事を考へる
此頃(吉田弥生)から
はなれる必要がある時は
特に意識して考へる
それは文子女史への事を
考へるときに子供の時から
知ってゐるせいか
清浄な無邪気な愛を
感じる事が出来るからだ
エゴイズムのない愛があるとすれば
人の一生ほど苦しいものはない
私感
芥川龍之介の愛は責任感なしの愛ではないでしょうか?
吐露した言動に関しては責任を取らないと…。
▪一分季語ウンチク「水始めて氷る」
「初氷」という季語も現象としては同じことです。
その年になって初めて水が氷ることなのですが
この長いタイプの季語には記憶が刺激されますか?
七十二候の一つです。
二十四節気でいう立冬の初候
それが「水初めて氷る」となります。
陽暦の11月7日から11日の頃にあたるとのことです。
年々その初氷、決勝が確認されるのが
徐々に遅くなっているという話もありました。
「水始めて氷る」七十二候の時期に
初氷が観測できない世界になっていくかもしれませんね。
気を付けて環境にも取り組んでいきたいところですね。
2021年11月18日木曜日
間違った知識と誤読
閉める店開ける店あり冬木立
肥えた鴨すいすい泳ぎすまし顔
湯豆腐の薬味楽しむ時期来たる
熱燗の匂ひに酔わん透かすドア
ナフタリン母の形見の冬羽織
夏井いつき俳句チャンネル より
【懺悔があります】11月の子規こぼれ話で紹介した句について...
行く秋の鐘つき料を取りに来る 正岡子規
鐘つき料の知識として間違っていたようです。
江戸時代には時計というものが普及してないですから
町で鳴らされる鐘によって人は何時かを知っていました。
鐘をついて時報を知らせる音を聞いた人に
時報お知らせ料としての鐘つき料と
いうものが存在していた。
組長の理解もあながち間違いではなく
京都とかの人気な寺社ですと鐘つきをさせていただく
除夜の鐘をつかせていただく権利として
予約とそしてお金を払ってつかせていただくことも…。
稲妻に道聞く女はだしかな 泉鏡花
この句を誤読することにより、
より一層怖さが増したとか…。
晩夏光(ばんかこう)バットの函(はこ)に詩を誌(しる)す 中村草田男
この句のバットはゴールデンバットという煙草だったのです。
時代によって受け取られやすさが変わってくる。
野球のバットか煙草のバットと受け取るかで
晩夏光の匂いが変わってくる。
書いてる詩の質が変わってくる。
確かに…。めっちゃ納得した回でした…。
肥えた鴨すいすい泳ぎすまし顔
湯豆腐の薬味楽しむ時期来たる
熱燗の匂ひに酔わん透かすドア
ナフタリン母の形見の冬羽織
夏井いつき俳句チャンネル より
【懺悔があります】11月の子規こぼれ話で紹介した句について...
行く秋の鐘つき料を取りに来る 正岡子規
鐘つき料の知識として間違っていたようです。
江戸時代には時計というものが普及してないですから
町で鳴らされる鐘によって人は何時かを知っていました。
鐘をついて時報を知らせる音を聞いた人に
時報お知らせ料としての鐘つき料と
いうものが存在していた。
組長の理解もあながち間違いではなく
京都とかの人気な寺社ですと鐘つきをさせていただく
除夜の鐘をつかせていただく権利として
予約とそしてお金を払ってつかせていただくことも…。
稲妻に道聞く女はだしかな 泉鏡花
この句を誤読することにより、
より一層怖さが増したとか…。
晩夏光(ばんかこう)バットの函(はこ)に詩を誌(しる)す 中村草田男
この句のバットはゴールデンバットという煙草だったのです。
時代によって受け取られやすさが変わってくる。
野球のバットか煙草のバットと受け取るかで
晩夏光の匂いが変わってくる。
書いてる詩の質が変わってくる。
確かに…。めっちゃ納得した回でした…。
2021年11月17日水曜日
題「痛い」
(平城京)色付きた黒米たわわ冬の畑
冬が来てボンネットバスラストラン
55年走ったバスと小春空
取り戻す笑顔を覆う冬の靄
日向ぼこカットハウスの不愛想
NHK短歌 題「痛い」
選者 佐佐木頼綱 ゲスト 村上佳菜子 司会 星野真里
▪冒頭句
腐りたる畳を運ぶ「川臭い」「重い」「痛い」を汚泥に踏み消す
佐佐木頼綱
▪今回のお気に入り
痛点を全部背中に集めおき別れ話の切り出しを待つ
千葉県千葉市 深海泰史
楕円球痛い思いを共有し仲間は今も同じ絵をみる
本橋正敏
かつてない痛みを椅子にすわらせて心あたりを漏らす問診
山口正剛
▪頼綱さんのテーマ「スポーツと日常」
足の甲しびれて巻いてるテーピング扇に向けて放てチッチャギ
太田渉子
(扇は今回のパラリンピックのメダルに入れられたモチーフ。
チッチャギはテコンドーの後ろ蹴りのこと。
アスリートの一瞬の抒情を描いている。)
▪頼綱さんの!短歌かかって来なさい!題「村上さん」
やがて歓声やがては笑顔しんしんと氷上を蹴る佳菜子の鼓動
佐々木頼綱
(心の痛みが入っていない。字余りが気になる。)
💮泣き切った次の日なれば「3回転ジャンプ」に光を差し出す氷
星野真里&カン・ハンナ
(因果関係が良い。感性の良さが出ている。
解りやす過ぎる表現。「なれば」が説明的。)
添削
泣き切った次の日挑む「3回転ジャンプ」に氷は光差し出す
心に残った村上佳菜子さんの言葉
山田満知子コーチ曰く「人に愛されるスケーターになりなさい。」
冬が来てボンネットバスラストラン
55年走ったバスと小春空
取り戻す笑顔を覆う冬の靄
日向ぼこカットハウスの不愛想
NHK短歌 題「痛い」
選者 佐佐木頼綱 ゲスト 村上佳菜子 司会 星野真里
▪冒頭句
腐りたる畳を運ぶ「川臭い」「重い」「痛い」を汚泥に踏み消す
佐佐木頼綱
▪今回のお気に入り
痛点を全部背中に集めおき別れ話の切り出しを待つ
千葉県千葉市 深海泰史
楕円球痛い思いを共有し仲間は今も同じ絵をみる
本橋正敏
かつてない痛みを椅子にすわらせて心あたりを漏らす問診
山口正剛
▪頼綱さんのテーマ「スポーツと日常」
足の甲しびれて巻いてるテーピング扇に向けて放てチッチャギ
太田渉子
(扇は今回のパラリンピックのメダルに入れられたモチーフ。
チッチャギはテコンドーの後ろ蹴りのこと。
アスリートの一瞬の抒情を描いている。)
▪頼綱さんの!短歌かかって来なさい!題「村上さん」
やがて歓声やがては笑顔しんしんと氷上を蹴る佳菜子の鼓動
佐々木頼綱
(心の痛みが入っていない。字余りが気になる。)
💮泣き切った次の日なれば「3回転ジャンプ」に光を差し出す氷
星野真里&カン・ハンナ
(因果関係が良い。感性の良さが出ている。
解りやす過ぎる表現。「なれば」が説明的。)
添削
泣き切った次の日挑む「3回転ジャンプ」に氷は光差し出す
心に残った村上佳菜子さんの言葉
山田満知子コーチ曰く「人に愛されるスケーターになりなさい。」
2021年11月16日火曜日
兼題「木の葉髪」
唐突に祖谷山系に冬が来た
冬色に染まる祖谷にてすする蕎麦
コロナ禍にドローンで観る冬の色
冬陽射し背に受け紙へ模造筆
青き空父母がいた日の木守柿(きもりがき)
NHK俳句 兼題「木の葉髪」
選者 阪西敦子 ゲスト IKKO 司会 岸本葉子
冒頭の俳句
本閉ぢて降りたる人の木の葉髪 阪西敦子
テーマ「季題あるがまま」
今回は「木の葉髪」
木の葉髪とは木の葉のような落ちる髪のこと。
木の葉髪には二つの捉え方があります。
うつくしき言葉のひとつ木の葉髪 野澤節子
抜け毛を美しい言葉に変えた表現。
木の葉髪いそぎて捨つる誰か来る 山口波津女
「木の葉髪」を物として捉えることもある。
気を付けることはまずはこの季節の抜け毛のことを
こう表現するのだということに興味を持って
眺めていると表現に広がりが出てくる。
今週のお気に入り
図書室のひかり埃や木の葉髪 冨森笙子
音もせず離れてゆくよ木の葉髪 川角由美子
母一人帰る背中や木の葉髪 加藤悦子
地に触るるまでのかがよひ木の葉髪 阪西敦子
(「かがよひ」とは輝きのこと)
阪西敦子さん 曰く 「俳句は、日常の感覚を大切にしたい。」
冬色に染まる祖谷にてすする蕎麦
コロナ禍にドローンで観る冬の色
冬陽射し背に受け紙へ模造筆
青き空父母がいた日の木守柿(きもりがき)
NHK俳句 兼題「木の葉髪」
選者 阪西敦子 ゲスト IKKO 司会 岸本葉子
冒頭の俳句
本閉ぢて降りたる人の木の葉髪 阪西敦子
テーマ「季題あるがまま」
今回は「木の葉髪」
木の葉髪とは木の葉のような落ちる髪のこと。
木の葉髪には二つの捉え方があります。
うつくしき言葉のひとつ木の葉髪 野澤節子
抜け毛を美しい言葉に変えた表現。
木の葉髪いそぎて捨つる誰か来る 山口波津女
「木の葉髪」を物として捉えることもある。
気を付けることはまずはこの季節の抜け毛のことを
こう表現するのだということに興味を持って
眺めていると表現に広がりが出てくる。
今週のお気に入り
図書室のひかり埃や木の葉髪 冨森笙子
音もせず離れてゆくよ木の葉髪 川角由美子
母一人帰る背中や木の葉髪 加藤悦子
地に触るるまでのかがよひ木の葉髪 阪西敦子
(「かがよひ」とは輝きのこと)
阪西敦子さん 曰く 「俳句は、日常の感覚を大切にしたい。」
2021年11月15日月曜日
中山庸子と小林正観の言葉と狐火
冬の夜パヴァロッティ―の歌声と
やはり好きパヴァロッティと冬銀河
育ち良き野蛮人北窓塞ぐ
衾(ふすま)開け歴史の匂い嗅ぎ分けん
熟柿のとろんと沈んだヨーグルト
中山庸子 曰く
「私たちは、いつだってやり直すことができます。
もしうまくいったら、その時が本番です。
小林正観 曰く
「誰もが怒るようなとき
イライラするようなときに
ニコニコして穏やかでいられるか
それがその人の
本当の価値を決める。」
一分季語ウンチク 狐火
これは多少、幻想的な趣のある季語です。
冬になったら何処とも知れない所に
ぽっと不自然な火が灯る、
自然発火するものという季語なわけです。
やや空想的で「猿酒」もかなり空想的な季語として
俳人心を捉えて止まないのですが
この「狐火」も怪しさで
俳人を魅了する季語となっています。
一説には燐が発火しているのではないか、と
言われているようですが、いまだ正体は不明なようです。
因みに燐という物質は常温で
発火する性質を持っている危険物です。
危険物取り扱いの免状が必要な化学物質です。
自然にある燐が燃えているのかもしれない「狐火」
挑んでみたい季語の一つです。
やはり好きパヴァロッティと冬銀河
育ち良き野蛮人北窓塞ぐ
衾(ふすま)開け歴史の匂い嗅ぎ分けん
熟柿のとろんと沈んだヨーグルト
中山庸子 曰く
「私たちは、いつだってやり直すことができます。
もしうまくいったら、その時が本番です。
小林正観 曰く
「誰もが怒るようなとき
イライラするようなときに
ニコニコして穏やかでいられるか
それがその人の
本当の価値を決める。」
一分季語ウンチク 狐火
これは多少、幻想的な趣のある季語です。
冬になったら何処とも知れない所に
ぽっと不自然な火が灯る、
自然発火するものという季語なわけです。
やや空想的で「猿酒」もかなり空想的な季語として
俳人心を捉えて止まないのですが
この「狐火」も怪しさで
俳人を魅了する季語となっています。
一説には燐が発火しているのではないか、と
言われているようですが、いまだ正体は不明なようです。
因みに燐という物質は常温で
発火する性質を持っている危険物です。
危険物取り扱いの免状が必要な化学物質です。
自然にある燐が燃えているのかもしれない「狐火」
挑んでみたい季語の一つです。
2021年11月14日日曜日
兼題「秋遍路」
冬日向猫は目を閉じ腰掛けて
我が字に篆書(てんしょ)を見たり柿落葉
篆書描き直された日々冬ざるる
冬星座惹かれるのよね古代文字
(11月)グアテマラ死者を弔いカイト揚ぐ
ギュッと!四国 兼題「秋遍路」
選句のポイント
春の遍路との違いを表現する工夫
ギュッと!特選
湿りゆく木も土も吾(あ)も秋遍路 浦野紗知
秀作
杖を重く落暉の中を秋遍路 柴田花子
広げたる地図のはためく秋遍路 松山のとまと
足摺へ九十五キロ秋遍路 井上さち
老猫を伴に四度目の秋遍路 ぽー
佳作
ゆく雲としばし語らひ秋遍路 アクアマリン
秋遍路国道沿いの海と飯 桜華
足早に入り日を追ふや秋遍路 シェル翁
延びる影追う早足の秋遍路 裾野はな
松籟(しょうらい)や読経(どきょう)しずやか秋遍路 ココちゃん
枕辺(まくらべ)に札所地図よむ秋遍路 大浦ともこ
今回のお気に入りの秀作
夕暮れの見知らぬどうし秋遍路 ひでやん
帳の墨さらりと蒼し秋遍路 みやこわすれ
何かの実が落ちた音する秋遍路 花紋
手ぬぐいに祖母の名前や秋遍路 五月ふみ
吾(あ)の影を踏みゆく浜や秋遍路 小池令香
田に群れる鳩に目細め秋遍路 桃猫
宿坊へ月ほろほろと秋遍路 平本魚水
https://www.nhk.or.jp/matsuyama-blog/gyutto/haiku/ より
NHK松山さま ありがとうございました!
勉強になります…。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
我が字に篆書(てんしょ)を見たり柿落葉
篆書描き直された日々冬ざるる
冬星座惹かれるのよね古代文字
(11月)グアテマラ死者を弔いカイト揚ぐ
ギュッと!四国 兼題「秋遍路」
選句のポイント
春の遍路との違いを表現する工夫
ギュッと!特選
湿りゆく木も土も吾(あ)も秋遍路 浦野紗知
秀作
杖を重く落暉の中を秋遍路 柴田花子
広げたる地図のはためく秋遍路 松山のとまと
足摺へ九十五キロ秋遍路 井上さち
老猫を伴に四度目の秋遍路 ぽー
佳作
ゆく雲としばし語らひ秋遍路 アクアマリン
秋遍路国道沿いの海と飯 桜華
足早に入り日を追ふや秋遍路 シェル翁
延びる影追う早足の秋遍路 裾野はな
松籟(しょうらい)や読経(どきょう)しずやか秋遍路 ココちゃん
枕辺(まくらべ)に札所地図よむ秋遍路 大浦ともこ
今回のお気に入りの秀作
夕暮れの見知らぬどうし秋遍路 ひでやん
帳の墨さらりと蒼し秋遍路 みやこわすれ
何かの実が落ちた音する秋遍路 花紋
手ぬぐいに祖母の名前や秋遍路 五月ふみ
吾(あ)の影を踏みゆく浜や秋遍路 小池令香
田に群れる鳩に目細め秋遍路 桃猫
宿坊へ月ほろほろと秋遍路 平本魚水
https://www.nhk.or.jp/matsuyama-blog/gyutto/haiku/ より
NHK松山さま ありがとうございました!
勉強になります…。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
2021年11月13日土曜日
組長の好きな子規の句
雪もよう清濁併せ吞もうとも
冬ざるる心のゆとり数寄にあり
冬ぬくし自然に敵うものはなし
湯冷めせん月を写したあなたの目
強き風大地に凛と枯芒
夏井いつき俳句チャンネル より
【11月の子規こぼれ話】組長が嫉妬する子規の句がこちらです
組長のお気に入りの句を紹介します!
正岡子規の句
行く秋の鐘つき料を取りに来る
鐘つきはさびしがらせたあとさびし(無季句)
初冬の黒き皮剥くバナナかな
(川を見るバナナの皮は手より落ち
高浜虚子はこの句を詠んだ時に
バナナを1回歳時記で季語としている。
その後消え、最近出ている。)
ストーヴに濡れたる靴の裏をあぶる
(明治30年当時、上記の句ができたのが明治30年。
国産石炭ストーブ第一号は明治初期に売り出された。
粉塵があがる欠点もあり火鉢や炬燵が主役だった。)
片側は海はつとして寒さ哉
職業の分らぬ家や枇杷の花
(枇杷の花という季語は目立たないけど親和性が高い
冬は枇杷の花、秋は草の花、どんなフレーズにも合う。)
冬ざるる心のゆとり数寄にあり
冬ぬくし自然に敵うものはなし
湯冷めせん月を写したあなたの目
強き風大地に凛と枯芒
夏井いつき俳句チャンネル より
【11月の子規こぼれ話】組長が嫉妬する子規の句がこちらです
組長のお気に入りの句を紹介します!
正岡子規の句
行く秋の鐘つき料を取りに来る
鐘つきはさびしがらせたあとさびし(無季句)
初冬の黒き皮剥くバナナかな
(川を見るバナナの皮は手より落ち
高浜虚子はこの句を詠んだ時に
バナナを1回歳時記で季語としている。
その後消え、最近出ている。)
ストーヴに濡れたる靴の裏をあぶる
(明治30年当時、上記の句ができたのが明治30年。
国産石炭ストーブ第一号は明治初期に売り出された。
粉塵があがる欠点もあり火鉢や炬燵が主役だった。)
片側は海はつとして寒さ哉
職業の分らぬ家や枇杷の花
(枇杷の花という季語は目立たないけど親和性が高い
冬は枇杷の花、秋は草の花、どんなフレーズにも合う。)
2021年11月12日金曜日
菜根譚と文田聖二の言葉
数寄と言うゆとりを持ちて小春空
鎌鼬(かまいたち)心の隙間数寄で埋め
月氷る信念持ちて数寄をなす
数寄の道貫く日々よ暮易し
露凝るや数寄を極めて敵作り
菜根譚 曰く
「人が世の中を生きてゆく時には、
自分から一歩を ゆずることが
よりすぐれた道である。
この一歩をゆずることが、それがそのまま
一歩を進める根本となるのである。」
文田聖二 曰く
「好きなことや一緒にいたい人と
できるだけ長い時間を過ごすことで
自分を活かせる思考力や感覚が磨かれていく。
やってみたいことや楽しめることを
見付けて過ごした時間や物、
場所や人たちは生涯の財産になる。」
鎌鼬(かまいたち)心の隙間数寄で埋め
月氷る信念持ちて数寄をなす
数寄の道貫く日々よ暮易し
露凝るや数寄を極めて敵作り
菜根譚 曰く
「人が世の中を生きてゆく時には、
自分から一歩を ゆずることが
よりすぐれた道である。
この一歩をゆずることが、それがそのまま
一歩を進める根本となるのである。」
文田聖二 曰く
「好きなことや一緒にいたい人と
できるだけ長い時間を過ごすことで
自分を活かせる思考力や感覚が磨かれていく。
やってみたいことや楽しめることを
見付けて過ごした時間や物、
場所や人たちは生涯の財産になる。」
2021年11月11日木曜日
年賀状に載せたい一句
冬ぬくしトロッコ列車が笑みを乗せ
日向ぼこトロッコ列車でつるぎ町
原生林の霧氷陽を受け大地へ
冬茜三嶺(みうね)へ続く縦走路
底冷えや老いて乗れない遊具あり
夏井いつき俳句チャンネル
【投句案内】組長が自画自賛するエッセイを読んで、
『年賀状に載せたい一句』を投句してみよう!
【筆ぐるめ俳句大賞 2022】
テーマ 年賀状に載せたい一句
9月より筆ぐるめのホームぺージにて
年賀状とかはがきとかに書く俳句の作り方が
作ったことのない人でも作れるっていう
エッセイを夏井いつき先生が書いてくれています。
あ~遂に紹介されていました。
挑戦中だったのに…。
これで激戦となり当選はまず無理となってしまいました。
でも作ったので送らねば…。
没覚悟で…。
日向ぼこトロッコ列車でつるぎ町
原生林の霧氷陽を受け大地へ
冬茜三嶺(みうね)へ続く縦走路
底冷えや老いて乗れない遊具あり
夏井いつき俳句チャンネル
【投句案内】組長が自画自賛するエッセイを読んで、
『年賀状に載せたい一句』を投句してみよう!
【筆ぐるめ俳句大賞 2022】
テーマ 年賀状に載せたい一句
9月より筆ぐるめのホームぺージにて
年賀状とかはがきとかに書く俳句の作り方が
作ったことのない人でも作れるっていう
エッセイを夏井いつき先生が書いてくれています。
あ~遂に紹介されていました。
挑戦中だったのに…。
これで激戦となり当選はまず無理となってしまいました。
でも作ったので送らねば…。
没覚悟で…。
2021年11月10日水曜日
題「時間」
冬夕焼不安定なる空間よ
冬の森虹を織る人ぎぢぎぢと
冬草やDNAは受け継がれ
粗探し楽しいですか?声冴ゆる
批判してマウントとりて北颪
NHK短歌 題「時間」
選者 田村元 ゲスト 松陰寺太勇 司会 星野真里
冒頭句
パソコンとわれと一日(ひとひ)を向き合ひてわれのみが礼をして帰りゆく
田村 元
入選九句 お気に入り
髪の毛は時間の可視化ちりとりに僕と誰かの日々がからまる
東京都江戸川区 石川真琴
若き日は流しっぱなしにせし時間今は小皿に受けて味わう
大阪府池田市 宮脇典子
魚焼きグリルは9の点滅中ちゃちゃっと一品作るとするか
香川県高松市 二宮史佳
黄ばみたる「全国赤ちゃんコンクール」の賞状にわが名黒々とあり
宮崎県国富町 佐藤公子
熱血!短歌ノック!
十三時間分の私を語る間に夫は飲むように牛丼を食む
星野真里 添削
十三時間分の私を聞きながら夫は飲むように牛丼を食む
大きさを恐れるほどの月が出て母に会えない時間が満ちる
カン・ハンナ(添削)
夕空に恐いくらいの月が出て母に会えない時間が満ちる
松陰寺太勇さんからの題「息」
悪くない きれいに俺を捨ててゆく息がイぺーを揺らすのならば
星野真里(添削)
悪くない 俺を見切って捨ててゆく息がイぺーを揺らすのならば
息を吸う息を吐くのを繰り返しそれでもたまに虹を見つける
カン・ハンナ(添削)
息を吸い吐くことをただ繰り返しそれでもたまに虹を見つける
選者の話 「歌人、この一軒」
寺山修司が40代の頃、足しげく通ったという
渋谷の台湾料理店「麗郷」を紹介くださいました。
暗室に閉じ込められしままついに現像されることのなき蝶
寺山修司
短歌 あなたならどうする
腸詰のうすくれなゐを愛でながら□□
腸詰のうすくれなゐを愛でながら他国で他国の味を楽しむ
カン・ハンナ
腸詰のうすくれなゐを愛でながら一口でいくいや二口でいく
松陰寺太勇
腸詰のうすくれなゐを愛でながら色づく気配のない君の頬
星野真里
(元歌)
腸詰のうすくれなゐを愛でながら友と語れり時を戻して
冬の森虹を織る人ぎぢぎぢと
冬草やDNAは受け継がれ
粗探し楽しいですか?声冴ゆる
批判してマウントとりて北颪
NHK短歌 題「時間」
選者 田村元 ゲスト 松陰寺太勇 司会 星野真里
冒頭句
パソコンとわれと一日(ひとひ)を向き合ひてわれのみが礼をして帰りゆく
田村 元
入選九句 お気に入り
髪の毛は時間の可視化ちりとりに僕と誰かの日々がからまる
東京都江戸川区 石川真琴
若き日は流しっぱなしにせし時間今は小皿に受けて味わう
大阪府池田市 宮脇典子
魚焼きグリルは9の点滅中ちゃちゃっと一品作るとするか
香川県高松市 二宮史佳
黄ばみたる「全国赤ちゃんコンクール」の賞状にわが名黒々とあり
宮崎県国富町 佐藤公子
熱血!短歌ノック!
十三時間分の私を語る間に夫は飲むように牛丼を食む
星野真里 添削
十三時間分の私を聞きながら夫は飲むように牛丼を食む
大きさを恐れるほどの月が出て母に会えない時間が満ちる
カン・ハンナ(添削)
夕空に恐いくらいの月が出て母に会えない時間が満ちる
松陰寺太勇さんからの題「息」
悪くない きれいに俺を捨ててゆく息がイぺーを揺らすのならば
星野真里(添削)
悪くない 俺を見切って捨ててゆく息がイぺーを揺らすのならば
息を吸う息を吐くのを繰り返しそれでもたまに虹を見つける
カン・ハンナ(添削)
息を吸い吐くことをただ繰り返しそれでもたまに虹を見つける
選者の話 「歌人、この一軒」
寺山修司が40代の頃、足しげく通ったという
渋谷の台湾料理店「麗郷」を紹介くださいました。
暗室に閉じ込められしままついに現像されることのなき蝶
寺山修司
短歌 あなたならどうする
腸詰のうすくれなゐを愛でながら□□
腸詰のうすくれなゐを愛でながら他国で他国の味を楽しむ
カン・ハンナ
腸詰のうすくれなゐを愛でながら一口でいくいや二口でいく
松陰寺太勇
腸詰のうすくれなゐを愛でながら色づく気配のない君の頬
星野真里
(元歌)
腸詰のうすくれなゐを愛でながら友と語れり時を戻して
2021年11月9日火曜日
兼題「落葉」
木枯らしは電線伝いやってくる
管楽器貝殻めいた冬の音
冬の月浜辺で波とシンフォニー
冬の波ファンタジックへ誘ひます
夕闇へ消されてしまう冬茜
NHK俳句 兼題「落葉」
選者 片山由美子 ゲスト 川崎鷹也 司会 武井壮
冒頭句
この街に老いゆくつもり落葉踏む 片山由美子
見直し「俳句の常識」感情語
おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな 芭蕉
(鵜飼いではなく鵜舟というもので
止めたことで説得力が出た句。)
この感情語 ○or×?!
帰省して畳の匂ひなつかしき
添削
帰省して大の字となる畳かな
ひとつよりふたつはさびし返り花
楽しげに音立て落つる木の実かな
添削
石段を音立て落つる木の実かな
感情語を使う時のコツは絵を描くように言葉を選ぶ!でした。
入選9句のお気に入り
タクシーを追ひかけてゆく落葉かな 星揚子
落葉踏み犬に足音生れけり 渡辺貴子
先を行く犬の振り向く落葉道 髙木統
化野(あだしの)や落葉に埋もれゆくものも 尾崎八重子
裏表ひかり返して夕落葉 吉川せい子
この常識破り、成功してますか?!
添ひ寝にも悲しき類冬に入る 武井壮
添削(何を言っているのか解りにくい。類が原因。)
冬に入る悲しき添寝となることも
(一つにフォーカスする!確かに…。さすが!)
管楽器貝殻めいた冬の音
冬の月浜辺で波とシンフォニー
冬の波ファンタジックへ誘ひます
夕闇へ消されてしまう冬茜
NHK俳句 兼題「落葉」
選者 片山由美子 ゲスト 川崎鷹也 司会 武井壮
冒頭句
この街に老いゆくつもり落葉踏む 片山由美子
見直し「俳句の常識」感情語
おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな 芭蕉
(鵜飼いではなく鵜舟というもので
止めたことで説得力が出た句。)
この感情語 ○or×?!
帰省して畳の匂ひなつかしき
添削
帰省して大の字となる畳かな
ひとつよりふたつはさびし返り花
楽しげに音立て落つる木の実かな
添削
石段を音立て落つる木の実かな
感情語を使う時のコツは絵を描くように言葉を選ぶ!でした。
入選9句のお気に入り
タクシーを追ひかけてゆく落葉かな 星揚子
落葉踏み犬に足音生れけり 渡辺貴子
先を行く犬の振り向く落葉道 髙木統
化野(あだしの)や落葉に埋もれゆくものも 尾崎八重子
裏表ひかり返して夕落葉 吉川せい子
この常識破り、成功してますか?!
添ひ寝にも悲しき類冬に入る 武井壮
添削(何を言っているのか解りにくい。類が原因。)
冬に入る悲しき添寝となることも
(一つにフォーカスする!確かに…。さすが!)
2021年11月8日月曜日
11月の子規
朝ドラの呟く台詞冬ざるる
冬桜温き方言「かんまんよ」
挨拶は俳句の心日向ぼこ
フィレーネとフィンセント冬ぬくし
冬の虹立ちてなきものあるが如し
夏井いつき俳句チャンネル より
【11月の子規】色彩をうまく使った子規の句を紹介します!
11月までやってきたらいろんな切り口
使い果たした感がありました。
子規さんは季重なりが多い。
子規さんの季重なりの中から色彩を
特徴的に使っている句を見つけたので紹介。
鶏頭の黒きにそそぐ時雨かな 正岡子規
鶏頭は赤のイメージが強いのですが
ここでは黒という色彩が使われている。
鶏頭の花がドッシリ一本立っていて
そこに時雨がそっと降り注いでいる。
この「黒」の読み方としては雨に濡れた感じの
色彩の変化と読んでもよいし
枯れかかってきていると読んでもよいし
太陽光線の関係での黒きと読んでもよい。
プラスのイメージかマイナスのイメージか
と言ったらマイナスのイメージ。
そういう季重なりとなります。
しぐるるやいつまで赤き烏瓜 正岡子規
烏瓜の赤って言っても秋(朱)色です。
いつこの烏瓜は滅ぶんだろう
予感としての「いつまで」としての赤なのかと…。
烏瓜に対して赤いって書いたらだいたい凡人の句になる。
「いつまで赤き」って書いたら描写の言葉になっている。
負のイメージが付きまとってくる。
「かな」に対しての「しぐるるや」は上五の詠嘆になっている。
そして植物同士であり、黒であり赤である。
鶏頭は黒じゃないのにあえて「黒き」と書いてある。
烏瓜が赤いのは当たり前なのだけれど
あえて「赤き」と書いてある。
黒キマデニ紫深キ葡萄カナ 正岡子規
冬ざれの厨(くりや)に赤き蕪かな 正岡子規
冬ざれと蕪の季重なり。
昭和の感じのする厨。
冬ざれの寒い荒れた冬の手触りみたいなものがあるから
逆にこの赤き蕪の新鮮味っていうのが際立ってくる。
色でどのような方向でも表現できる。
色は工夫のし甲斐がある。
これから色彩を意識して物を見ると
いろんな色が見えてくるかもしれない。
冬桜温き方言「かんまんよ」
挨拶は俳句の心日向ぼこ
フィレーネとフィンセント冬ぬくし
冬の虹立ちてなきものあるが如し
夏井いつき俳句チャンネル より
【11月の子規】色彩をうまく使った子規の句を紹介します!
11月までやってきたらいろんな切り口
使い果たした感がありました。
子規さんは季重なりが多い。
子規さんの季重なりの中から色彩を
特徴的に使っている句を見つけたので紹介。
鶏頭の黒きにそそぐ時雨かな 正岡子規
鶏頭は赤のイメージが強いのですが
ここでは黒という色彩が使われている。
鶏頭の花がドッシリ一本立っていて
そこに時雨がそっと降り注いでいる。
この「黒」の読み方としては雨に濡れた感じの
色彩の変化と読んでもよいし
枯れかかってきていると読んでもよいし
太陽光線の関係での黒きと読んでもよい。
プラスのイメージかマイナスのイメージか
と言ったらマイナスのイメージ。
そういう季重なりとなります。
しぐるるやいつまで赤き烏瓜 正岡子規
烏瓜の赤って言っても秋(朱)色です。
いつこの烏瓜は滅ぶんだろう
予感としての「いつまで」としての赤なのかと…。
烏瓜に対して赤いって書いたらだいたい凡人の句になる。
「いつまで赤き」って書いたら描写の言葉になっている。
負のイメージが付きまとってくる。
「かな」に対しての「しぐるるや」は上五の詠嘆になっている。
そして植物同士であり、黒であり赤である。
鶏頭は黒じゃないのにあえて「黒き」と書いてある。
烏瓜が赤いのは当たり前なのだけれど
あえて「赤き」と書いてある。
黒キマデニ紫深キ葡萄カナ 正岡子規
冬ざれの厨(くりや)に赤き蕪かな 正岡子規
冬ざれと蕪の季重なり。
昭和の感じのする厨。
冬ざれの寒い荒れた冬の手触りみたいなものがあるから
逆にこの赤き蕪の新鮮味っていうのが際立ってくる。
色でどのような方向でも表現できる。
色は工夫のし甲斐がある。
これから色彩を意識して物を見ると
いろんな色が見えてくるかもしれない。
2021年11月7日日曜日
重力波 575でカガク
松茸や六つに割いて利く薫り
松茸や先ずは二つを網に載せ
目が鼻が口が喜ぶ松茸よ
暖冬が齎す利益限りなく
短日や派手な色で身を包み
575でカガク!
2021年「重力波」特選句
選者 夏井いつき先生
日盛りや鏡の国の迷子の子 ちびつぶぶどう
星崩るさざなみ夜の桃熟るる 石浜西夏
榠櫨の実神は一人に飽きたんだ シュリ
一空の歪みの溶くるアイスティー ひでやん
さびしがる星ほど重しダリア咲く 古田秀
超新星爆発秋の蚊に揺らぎ 真井とうか
あめんぼや宇宙はいまだ揺れている やのじ
狐火が飛べば重力の臭み 白プロキオン
あめんぼへ星を弔ふ波ひとつ 田中木江
柿実りゆっくり叩かれる地面 知野昴太
https://www.nhk.jp/p/575kagaku/ts/Q8KPRK7VWX/faqpage/ より
毎回、同じ人のお名前が…。
松茸や先ずは二つを網に載せ
目が鼻が口が喜ぶ松茸よ
暖冬が齎す利益限りなく
短日や派手な色で身を包み
575でカガク!
2021年「重力波」特選句
選者 夏井いつき先生
日盛りや鏡の国の迷子の子 ちびつぶぶどう
星崩るさざなみ夜の桃熟るる 石浜西夏
榠櫨の実神は一人に飽きたんだ シュリ
一空の歪みの溶くるアイスティー ひでやん
さびしがる星ほど重しダリア咲く 古田秀
超新星爆発秋の蚊に揺らぎ 真井とうか
あめんぼや宇宙はいまだ揺れている やのじ
狐火が飛べば重力の臭み 白プロキオン
あめんぼへ星を弔ふ波ひとつ 田中木江
柿実りゆっくり叩かれる地面 知野昴太
https://www.nhk.jp/p/575kagaku/ts/Q8KPRK7VWX/faqpage/ より
毎回、同じ人のお名前が…。
2021年11月6日土曜日
富士と紅葉で一句
ぷりぷりのマコモタケ食ぶ秋麗
秋高し村を元気にマコモタケ
秋季大会打てぬ守れぬコロナかな
ミキサーで子芋洗いて笑みと笑み
銀行に急かされ始めん冬支度
プレバト纏め 2021年11月4日
富士と紅葉で一句
持続可能な17音の趣味俳句
俳句は季語を通して環境を
観察したり考えたりSDGsな文芸
永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
冷ややかや湖畔に肺の晒されて
(余韻が残されていて良い。皮膚の皮膚感が表現されている。)
永世名人への道
ミッツ・マングローブ
マニキュアの深き雨冷(あまびえ)の霊園
添削(雨冷とは秋雨が降り冷気を覚えること。)
マニキュアの深し雨冷の霊園
マニキュアや雨冷深き霊園に
特待生昇格試験
岩永徹也
秋暁の富士へ遊覧飛行船
(「へ」は方向を示す助詞。
大きな空間・光景ができている。主語を主役に立てている。)
1位 瀧川鯉斗
アクセルを回し飛び込む秋の色
添削(複合動詞の使い方が巧い。)
アクセルを回し秋色へと飛び込む
2位 菊池桃子
照葉麗し画角には富士遺産
添削
照葉麗し画角に世界遺産富士
3位 津田篤宏
鏡富士悪戯するよ紅葉舟
添削(三段切れ。)
鏡富士ゆるがせ紅葉舟よぎる
4位 二階堂高嗣
テントから白い息出し長月や
添削(テントは夏、白い息は冬、長月は秋の季語。)
富士は夜(よ)やテントに秋の息白し
次回のお題は「七味唐辛子」楽しみにしています。
最近名人特待生が増えたので勉強になります。
秋高し村を元気にマコモタケ
秋季大会打てぬ守れぬコロナかな
ミキサーで子芋洗いて笑みと笑み
銀行に急かされ始めん冬支度
プレバト纏め 2021年11月4日
富士と紅葉で一句
持続可能な17音の趣味俳句
俳句は季語を通して環境を
観察したり考えたりSDGsな文芸
永世名人富美男のお手本
梅沢富美男
冷ややかや湖畔に肺の晒されて
(余韻が残されていて良い。皮膚の皮膚感が表現されている。)
永世名人への道
ミッツ・マングローブ
マニキュアの深き雨冷(あまびえ)の霊園
添削(雨冷とは秋雨が降り冷気を覚えること。)
マニキュアの深し雨冷の霊園
マニキュアや雨冷深き霊園に
特待生昇格試験
岩永徹也
秋暁の富士へ遊覧飛行船
(「へ」は方向を示す助詞。
大きな空間・光景ができている。主語を主役に立てている。)
1位 瀧川鯉斗
アクセルを回し飛び込む秋の色
添削(複合動詞の使い方が巧い。)
アクセルを回し秋色へと飛び込む
2位 菊池桃子
照葉麗し画角には富士遺産
添削
照葉麗し画角に世界遺産富士
3位 津田篤宏
鏡富士悪戯するよ紅葉舟
添削(三段切れ。)
鏡富士ゆるがせ紅葉舟よぎる
4位 二階堂高嗣
テントから白い息出し長月や
添削(テントは夏、白い息は冬、長月は秋の季語。)
富士は夜(よ)やテントに秋の息白し
次回のお題は「七味唐辛子」楽しみにしています。
最近名人特待生が増えたので勉強になります。
2021年11月5日金曜日
良寛と小津安二郎と枯野の色
秋の暮錦に染まる原生林
好物のからすみ残し旅立たん
上板の渋柿や色鮮やかに
月光る秋薔薇の影くっきりと
三回目また指折りて秋の空
■良寛 曰く
「迷いだの悟りだのということは知らん。
ましてや名声だの利欲などは問題ではない。
すでに夜となり雨が降っているが、
私はこうして二本の脚をゆったり伸ばして
満ち足りている。」
■小津安二郎 曰く
「どうでもよいことは流行に従い、
重大なことは道徳に従い、
芸術のことは自分に従う。」
■【一分季語ウンチク】枯野の色
単に「枯野」というと冬の季語になります。
しかし枯野の「色」というのが入ると
秋の季語になってくるんですねぇ。
じゃあこの色とは何かと申しますと
もう完全に何も無くなった冬の枯野とは違って
まだ花だったり何かの草花たちの穂であったり
そういう完全な枯れた草とは違う
ほんの少しの色が残っている完全なる枯野に
向かっていく際中にまだ残っている色というのが
秋の季語「枯野の色」なのです。
移り変わっていく寂しさも内包した季語ですね。
好物のからすみ残し旅立たん
上板の渋柿や色鮮やかに
月光る秋薔薇の影くっきりと
三回目また指折りて秋の空
■良寛 曰く
「迷いだの悟りだのということは知らん。
ましてや名声だの利欲などは問題ではない。
すでに夜となり雨が降っているが、
私はこうして二本の脚をゆったり伸ばして
満ち足りている。」
■小津安二郎 曰く
「どうでもよいことは流行に従い、
重大なことは道徳に従い、
芸術のことは自分に従う。」
■【一分季語ウンチク】枯野の色
単に「枯野」というと冬の季語になります。
しかし枯野の「色」というのが入ると
秋の季語になってくるんですねぇ。
じゃあこの色とは何かと申しますと
もう完全に何も無くなった冬の枯野とは違って
まだ花だったり何かの草花たちの穂であったり
そういう完全な枯れた草とは違う
ほんの少しの色が残っている完全なる枯野に
向かっていく際中にまだ残っている色というのが
秋の季語「枯野の色」なのです。
移り変わっていく寂しさも内包した季語ですね。
2021年11月4日木曜日
藤平寂信の句と豊島圭三郎の言葉
共振が原動力へ添水(そうず)かな
初七日にからすみ分けて想起せん
死に支度まずは通帳整理から(無季句)
干藷(ほしいも)や風に揺られて甘くなり
落花生茹でて熱々頬張りて
■【人生相談】
あいつより長生きしたし鵙の贄(にえ) 藤平寂信(ふじひらじゃくしん)
鵙の贄とは、鵙というのはスズメに似た
スズメくらいの大きさの鳥です。
賢そうな目の鋭いスズメがいるなあと
思っていたらそれが鵙だったんですけれど…。
鵙の贄っていうのは鵙が自分が狩りをして
捕ってきたちっちゃいカエルとかを
尖った枝にプシって刺して刺したまま
鵙が生贄として刺しているということで
「鵙の贄」っていう季語があります。
鵙は後で食べる為にそこに刺していりのですが
すぐ忘れてしまうらしいです。
人生生きているうちに
勉強するってこういうことなのかとか
勉強するって結構面白いとか
はたと行きあたることがあります。
長生きすればするほど学ぶことの楽しみとか
意義に気付く可能性が長くなってくる
なんでもいいから長生きしなさい。
今日から長生きするためには
どうしたらよいかを調べなさい。
そこからあなたの人生が動き出すかもしれません。
■豊島圭三郎(絵本作家)の言葉
どこをとっても自然は美しい
どんな時代が変わっても
生きていく人間にとって
何か大事なものを訴え続けていく
喜びに悲しみにみんなみんな生きているんだ
人生は限りなく美しくそして幸せ
それを生活の中で感ずる人間になって
幸せな人生を送って欲しい
それが私の願いです。
初七日にからすみ分けて想起せん
死に支度まずは通帳整理から(無季句)
干藷(ほしいも)や風に揺られて甘くなり
落花生茹でて熱々頬張りて
■【人生相談】
勉強する意味も理由も見つからない...そんなあなたに一句
人生を長く広く見つめてみたらどうですか?
ということで一句…。
人生を長く広く見つめてみたらどうですか?
ということで一句…。
あいつより長生きしたし鵙の贄(にえ) 藤平寂信(ふじひらじゃくしん)
鵙の贄とは、鵙というのはスズメに似た
スズメくらいの大きさの鳥です。
賢そうな目の鋭いスズメがいるなあと
思っていたらそれが鵙だったんですけれど…。
鵙の贄っていうのは鵙が自分が狩りをして
捕ってきたちっちゃいカエルとかを
尖った枝にプシって刺して刺したまま
鵙が生贄として刺しているということで
「鵙の贄」っていう季語があります。
鵙は後で食べる為にそこに刺していりのですが
すぐ忘れてしまうらしいです。
人生生きているうちに
勉強するってこういうことなのかとか
勉強するって結構面白いとか
はたと行きあたることがあります。
長生きすればするほど学ぶことの楽しみとか
意義に気付く可能性が長くなってくる
なんでもいいから長生きしなさい。
今日から長生きするためには
どうしたらよいかを調べなさい。
そこからあなたの人生が動き出すかもしれません。
■豊島圭三郎(絵本作家)の言葉
どこをとっても自然は美しい
どんな時代が変わっても
生きていく人間にとって
何か大事なものを訴え続けていく
喜びに悲しみにみんなみんな生きているんだ
人生は限りなく美しくそして幸せ
それを生活の中で感ずる人間になって
幸せな人生を送って欲しい
それが私の願いです。
2021年11月3日水曜日
タンカツ 日本航空高校(後編)
秋風に背中押されてさようなら
秋の空罵り合戦終了す
自転車にクラブ縛りて秋の芝
秋の蚊やいつまで居つく逃げられた
秋の蚊に付きまとわれた十日間
NHK短歌 タンカツ 日本航空高校編(後編)
佐伯裕子 小沢一敬 カン・ハンナ ホリ
テーマ「叶える」
💮客室の狭い廊下を進みゆけカートが揺れても君は揺れない カン・ハンナ
搭乗券受け取る手元ふるえても君のひとみはまっすぐだった ホリ
添削
搭乗券受け取る手元ふるえても新人の君はまっすぐだった
飛行機のドアから送るハンドサイン那覇空港は今日も晴天 真志喜かな紗
席につきシートベルトをおしめください私福井がご案内します 福井奈々
シニヨンとスカーフ姿でいざ飛ばん私の職場は三万フィート 山口愛加
添削
シニヨンにスカーフ結んでいざ飛ばん私の職場は三万フィート
幼な子と乗務員との約束は世界の空で今日も飛び立つ 小沢一敬
テーマ「寮生活」
両親の喜ぶ顔がみたいから三一一八帯締める夜 ホリ
添削(三一一八は大槻瑛士君の寮の部屋番号)
両親の喜ぶ顔がみたいから三一一八黒帯締める
女子寮の二段ベッドの趙洋が飛び立つ春を待っている妈妈(マーマ) カン・ハンナ
💮日本の寮の窗(まど)から月見れば済南の湖(うみ)思い出す春 趙洋(しょうよう)
コロナ禍で出られなかったインターハイ部屋で仲間とシェアした悔しさ 大槻瑛士
添削
コロナ禍で出られなかったインターハイ部屋でシェアする悔しい思い
バレー部の練習終えて我走る風風呂満員待つ大行列 山本聖矢
三年間かけてピーマン克服し空手着を干す部屋は二十時 小沢一敬
テーマ「応援」
「かっ飛ばせ航空 !」君の掛け声で富士の山頂雲が消えゆく カン・ハンナ
来年の応援太鼓は俺の音甲子園球場のアルプススタンド 星野絋太
何度でも太鼓の鼓動と地響きでコロナに決して負けないように 斎藤みなみ
添削
何度でも太鼓の鼓動と地響きでコロナに私たち決して負けない
ゆびのまめつぶれて泣いた練習をはげますはなえのフルートの音 山岡千夏
添削
ゆびのまめつぶれて泣いた練習をはげますフルートはなえの音だ
守り切れ!!アルプススタンドジャンプするポニーテールの大応援団 牧野莉々
💮届くかなマスクの下の応援歌雲越えていけ夏の白球 小沢一敬
日本航空高校の生徒さん素晴らしかった!
きっと人生の目標を持って生きていらっしゃるからでしょうね。
夢を叶えてくださいね。応援しています。
秋の空罵り合戦終了す
自転車にクラブ縛りて秋の芝
秋の蚊やいつまで居つく逃げられた
秋の蚊に付きまとわれた十日間
NHK短歌 タンカツ 日本航空高校編(後編)
佐伯裕子 小沢一敬 カン・ハンナ ホリ
テーマ「叶える」
💮客室の狭い廊下を進みゆけカートが揺れても君は揺れない カン・ハンナ
搭乗券受け取る手元ふるえても君のひとみはまっすぐだった ホリ
添削
搭乗券受け取る手元ふるえても新人の君はまっすぐだった
飛行機のドアから送るハンドサイン那覇空港は今日も晴天 真志喜かな紗
席につきシートベルトをおしめください私福井がご案内します 福井奈々
シニヨンとスカーフ姿でいざ飛ばん私の職場は三万フィート 山口愛加
添削
シニヨンにスカーフ結んでいざ飛ばん私の職場は三万フィート
幼な子と乗務員との約束は世界の空で今日も飛び立つ 小沢一敬
テーマ「寮生活」
両親の喜ぶ顔がみたいから三一一八帯締める夜 ホリ
添削(三一一八は大槻瑛士君の寮の部屋番号)
両親の喜ぶ顔がみたいから三一一八黒帯締める
女子寮の二段ベッドの趙洋が飛び立つ春を待っている妈妈(マーマ) カン・ハンナ
💮日本の寮の窗(まど)から月見れば済南の湖(うみ)思い出す春 趙洋(しょうよう)
コロナ禍で出られなかったインターハイ部屋で仲間とシェアした悔しさ 大槻瑛士
添削
コロナ禍で出られなかったインターハイ部屋でシェアする悔しい思い
バレー部の練習終えて我走る風風呂満員待つ大行列 山本聖矢
三年間かけてピーマン克服し空手着を干す部屋は二十時 小沢一敬
テーマ「応援」
「かっ飛ばせ航空 !」君の掛け声で富士の山頂雲が消えゆく カン・ハンナ
来年の応援太鼓は俺の音甲子園球場のアルプススタンド 星野絋太
何度でも太鼓の鼓動と地響きでコロナに決して負けないように 斎藤みなみ
添削
何度でも太鼓の鼓動と地響きでコロナに私たち決して負けない
ゆびのまめつぶれて泣いた練習をはげますはなえのフルートの音 山岡千夏
添削
ゆびのまめつぶれて泣いた練習をはげますフルートはなえの音だ
守り切れ!!アルプススタンドジャンプするポニーテールの大応援団 牧野莉々
💮届くかなマスクの下の応援歌雲越えていけ夏の白球 小沢一敬
日本航空高校の生徒さん素晴らしかった!
きっと人生の目標を持って生きていらっしゃるからでしょうね。
夢を叶えてくださいね。応援しています。
2021年11月2日火曜日
歳時記食堂 星野高士
ぴゅぅぴゅぅと竹の網代の秋の風
気延山ニホンカモシカいらっしゃい
生名(いくな)では見頃濃淡のコスモス
ウール100%洗濯機にて
大観の生々(せいせい)流転水に人(無季句)
NHK俳句 歳時記食堂「おいしい俳句いただきます」
主人 星野高士 若女将 戸田菜穂
お客様 小坂大魔王 前田美波里
今回は秋の味覚のマツタケ、秋なす、桃をいただく。
■松茸の香りも人によりてこそ 高浜虚子
この句は昭和16年作。
比叡山のお座主さまから松茸が送られてきた
返礼に虚子が送った句だそうです。
星野高士先生は「俳句は挨拶」と言っておられました。
■秋茄子の今朝は四つと見せに来し 森田愛子
化粧して病みこもりをり春の雪 森田愛子
啄木鳥(きつつき)や山門までの杉襖(すぎぶすま) 森田愛子
虹立ちて忽(たちま)ち君の在る如し 高浜虚子
虹消えて忽ち君の無き如し 高浜虚子
虹消えてすでに無けれどある如し 森田愛子
(この句を詠んで三日後肺結核22歳で永眠。)
■桃食うて煙草を喫うて一人旅 星野立子
お土産
秋の虹逢いたい人に逢えること 戸田菜穂
歳時記食堂!やっぱりいいなぁ~。
今度は何時かしら?楽しみにしています…。
気延山ニホンカモシカいらっしゃい
生名(いくな)では見頃濃淡のコスモス
ウール100%洗濯機にて
大観の生々(せいせい)流転水に人(無季句)
NHK俳句 歳時記食堂「おいしい俳句いただきます」
主人 星野高士 若女将 戸田菜穂
お客様 小坂大魔王 前田美波里
今回は秋の味覚のマツタケ、秋なす、桃をいただく。
■松茸の香りも人によりてこそ 高浜虚子
この句は昭和16年作。
比叡山のお座主さまから松茸が送られてきた
返礼に虚子が送った句だそうです。
星野高士先生は「俳句は挨拶」と言っておられました。
■秋茄子の今朝は四つと見せに来し 森田愛子
化粧して病みこもりをり春の雪 森田愛子
啄木鳥(きつつき)や山門までの杉襖(すぎぶすま) 森田愛子
虹立ちて忽(たちま)ち君の在る如し 高浜虚子
虹消えて忽ち君の無き如し 高浜虚子
虹消えてすでに無けれどある如し 森田愛子
(この句を詠んで三日後肺結核22歳で永眠。)
■桃食うて煙草を喫うて一人旅 星野立子
お土産
秋の虹逢いたい人に逢えること 戸田菜穂
歳時記食堂!やっぱりいいなぁ~。
今度は何時かしら?楽しみにしています…。
2021年11月1日月曜日
音便シリーズ ウ音便
航路図に秘めた未来や秋日和
秋の夜内発性を無視できず
超然を旨とし生きん蚯蚓鳴く
秋気澄む共振与え与えられ
秋興や変容重ね辿り着き
夏井いつき俳句チャンネル より
【音便シリーズ】ウ音便を使って
簡単に俳句の雰囲気を変えてみませんか?
音便とは動詞・形容詞・形容動詞の音が
他の言葉と合わさると変化する。
藤の花這うていみじき樹齢かな 阿波野青畝(せいほ)
「う」にう音便が発生している。
元々の動詞の形が何だったのか
そこから調べるとわかりよい
文語の歴史的仮名遣いで書くと「這ふ」です。
「這ふ」がこの動詞、終止形でもありますが…。
どういうふうに変化していくのか確認することで
う音便とは何かを覚えようとしている訳です。
「這ふ」というのが未然形(ず・ない)に
くっつく時に音がどう変化するか?
未然形 は
連用形 ひ
終止形 ふ
連用形 ふ
巳然形 へ
命令形 へ
音が変化していない部分が語幹 は
は行の活用形になる。
う音便はは行「ひ」から「う」に変わっている。
音便は連用形の部分に発生する。
本来は「這ひて」となるところを「這うて」となり
う音便が発生している。
阿波野青畝のこの句を見て、これ本当は
「ひ」じゃないかしら間違ってんじゃないか青畝!
いう人が時々いるのですが、
これは間違いではありません。
う音便を青畝は選んでこのように書いているのです。
では何で発生させる?
音便を発生させることによりニュアンスが
変わるというか相手に伝える雰囲気が
少し変わってきます。
「這うて」という言い方をした方が
柔らかい感じはするのではないかと…。
優美にもなる。
柔らかく時に優雅という効果を持つ。
う音便発生させないといけないのですか?
自分がう音便を使うか使わないか
自分で判断するわけです。
その時のポイントとしては
この句の内容にこういう効果、柔かい感じとか
優雅な感じとか効果があったらいいなと思って
う音便を選ぶ!と言うことです。
俳句は韻文ですから内容と音 ひびき・調べを
全部ひっくるめての作品ということになるのです。
秋の夜内発性を無視できず
超然を旨とし生きん蚯蚓鳴く
秋気澄む共振与え与えられ
秋興や変容重ね辿り着き
夏井いつき俳句チャンネル より
【音便シリーズ】ウ音便を使って
簡単に俳句の雰囲気を変えてみませんか?
音便とは動詞・形容詞・形容動詞の音が
他の言葉と合わさると変化する。
藤の花這うていみじき樹齢かな 阿波野青畝(せいほ)
「う」にう音便が発生している。
元々の動詞の形が何だったのか
そこから調べるとわかりよい
文語の歴史的仮名遣いで書くと「這ふ」です。
「這ふ」がこの動詞、終止形でもありますが…。
どういうふうに変化していくのか確認することで
う音便とは何かを覚えようとしている訳です。
「這ふ」というのが未然形(ず・ない)に
くっつく時に音がどう変化するか?
未然形 は
連用形 ひ
終止形 ふ
連用形 ふ
巳然形 へ
命令形 へ
音が変化していない部分が語幹 は
は行の活用形になる。
う音便はは行「ひ」から「う」に変わっている。
音便は連用形の部分に発生する。
本来は「這ひて」となるところを「這うて」となり
う音便が発生している。
阿波野青畝のこの句を見て、これ本当は
「ひ」じゃないかしら間違ってんじゃないか青畝!
いう人が時々いるのですが、
これは間違いではありません。
う音便を青畝は選んでこのように書いているのです。
では何で発生させる?
音便を発生させることによりニュアンスが
変わるというか相手に伝える雰囲気が
少し変わってきます。
「這うて」という言い方をした方が
柔らかい感じはするのではないかと…。
優美にもなる。
柔らかく時に優雅という効果を持つ。
う音便発生させないといけないのですか?
自分がう音便を使うか使わないか
自分で判断するわけです。
その時のポイントとしては
この句の内容にこういう効果、柔かい感じとか
優雅な感じとか効果があったらいいなと思って
う音便を選ぶ!と言うことです。
俳句は韻文ですから内容と音 ひびき・調べを
全部ひっくるめての作品ということになるのです。
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