2020年4月11日土曜日

不動屋さんで一句

春泥や 信用不安の 抑え込み
押し付けられたる正論 花曇
物差しは 決めるあなたの 春の色
花のころ 善の暴力 耐えかねて
花冷えや 綺麗ごとなど 聞き飽きた

プレバト纏め 2020年4月9日

春の俳句タイトル戦 2020年春光戦

不動産屋さんで一句


1位 東国原英夫

まるでシンバル 移り来し街 余寒
(シンバルの音が不安感・騒々しさを想像させている。)

2位 藤本敏史

1DK 八重桜まで 徒歩2分
(オリジナリティ・リアリティで勝負に出たところが良い。
 時期が明確にわかる。数字が互いに邪魔していない。)

3位 中田喜子

若芝に 大の字 身ひとつの移住
(「若」の一字で若者が希望を抱いて移住した
気持ちが出ている。破調が成功している。)

4位 岩永徹也

枳殻(からたち)の棘や 引き篭もりの 寝癖
(樹木が季語になる時は花・実をつける頃とされている。 
 よってこの句は無季句。
 枳殻の棘と引き篭もりをくっつけて
 詠むことで奥行きが広くなる。)

5位 千賀健永

二合炊 鳴って新居の 日永かな
(「日永」のイメージとは違っている。)

6位 村上健志

ネーブル 君の爪痕から 潤む
⇩(「の」ではない「は」とすべきであった。
  「は」にすることでネーブルが主役になり君も活きてくる。)
ネーブル 君の爪痕から 潤む

7位 千原ジュニア

ボクサーの 決意の引っ越し 夏隣
⇩(中八がもったいない。
 切字を入れて句またがりにすることで解消できる。
 映像がない印象が「夏隣の引っ越し」と
 することで慌ただしさが残る。)
ボクサーの決意 夏隣の引っ越し

8位 横尾渉

夕桜 新居の床に 宅配ピザ
⇩(引っ越しの慌ただしさが読めていない。
 慌ただしさを詠むことで宅配ピザだと解る。)
夕桜 荷解く床に ピザ広げ

9位 鈴木光

ゴッホのごとく 引越し 春雲追ふ
⇩(春雲とゴッホのイメージがそぐわない。
 春の雲とすることで柔らかくなる
 と同時に季語が主役に出てくる。)
ゴッホのごとく 引越す 春雲(はるくも)を 追うて
ゴッホのごとく 引越す 春の雲 追うて

10位 梅沢富美男

風呂なしの 四畳一間の 三葉芹
⇩(コップに挿した三葉芹と
 清く貧しく美しい心が詠まれていない。)
三葉芹挿して 風呂なし 四畳半

次回の予選免除のボーダーラインは4位までとなりました。


岩永徹也さんの句に魅了されました。

IQの高さがいよいよ俳句にも出てこられたような…。
俳句に育ちの良さが出ておられるような気がしてなりません。
それが今まで甘さとなっておられたのでは…?
場面を俯瞰することで大きく羽ばたいて欲しく思っています。

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