2019年11月7日木曜日

佐竹本三十六歌仙絵巻切断

抗いて 自然に負くる 林檎かな
金木犀の 放つ香りに 立ち止まり
誰かのために 使う時間よ 秋麗
なで肩の 和の着こなしや 秋の空
天高し 年の離れた 友の来る

新美の巨人たち より

「佐竹本三十六歌仙絵巻切断」
36人の優れた和歌の詠み人「歌仙」を描いた
鎌倉時代の名品「佐竹本三十六歌仙絵」が切断された訳とは…

「世の中に絶えて桜のなかいせば
 春の心はのどけからまし」

「恋しきは同じ心にあらすとも
 今宵の月を君見ざらめや」

「桜散る木の下風は寒からで
 空にしられぬ雪ぞ降りける」

王朝の美が表す百年と言う流天のドラマがあります。
今もリアルな歌人たちの息遣いと共に作られた
「佐竹本三十六歌仙絵」。
切断された悲運、分割された幸運、
いつの日かその全てが揃うことを願って…。

隅田川 森羅万象 墨に夢 美術手帳
新美の巨人たち

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