2019年6月28日金曜日

かたつむり甲斐も信濃も雨の中 飯田隆太

半夏生 ヒマラヤケシに 導かれ
凍らせて 食べる鳳梨(あななす) 目を閉じて
夏の菩薩や 華美な装い 修行中
夏を質素に 悟り開いた 如来をり
感じても 口にはしない 夏の霧

NHK俳句 名句スタジアム より

堀本裕樹先生の言葉

飯田隆太 テーマは遠近法の効用

「かたつむり 甲斐も信濃も 雨のなか」飯田隆太

キャンバスにも描き切れない壮大な遠近法を用いた作品です。
上五に置いた夏の季語。
キャンバスで言えば一番手前に
かたつむりを描いたことになります。
そして、中七の「甲斐も信濃も」は
山梨と長野の雄大な風景を表現。
更に、下五の「雨のなか」では甲斐と信濃と言う
2つの国を包み込むような雨を描いています。
雨に包まれた甲斐と信濃と言う大きな風景の中で
小さな景色かたつむりが雨のしずくに光輝いている。
遠近法を効果的に用いるとたったの十七音で
詠んだ句が絵画のようになり奥行も生まれるのです。

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