2019年6月30日日曜日

七田眞の言葉

連綿と 受け継がれしや みやびやか(無季句)
エネルギー どう使うかは 庭花火
見るだけの 陶器の価値や 夏に問う
使わずに 陶器眺めて 想う夏
茉莉花の 芳香漂い 白花揺れ

七田眞 曰く
「常に優しい言葉、キレイな言葉、
元気な言葉、明るい言葉、温かい言葉を使うように心掛けていると、
それがプラスの感情を呼び覚まし、
プラスのエネルギーを引きつける事につながります。」 

まさにそうですよね
言霊とはよく言ったものです。
口にする言葉はいつもPositiveを心掛けています。
自分の未来は自分自身が作っているのですものね…。
明るい老後を夢見て今日も邁進していきたいと存じます。

2019年6月29日土曜日

梅雨の晴れ間の水たまりで一句

荒れ狂う 思い抑えて 半夏生
五月山 夢と眠れば すぐ朝が
梅雨空や 言葉にできず 見る遠く
夏の星 もう見えなくて 古ぼけて
青嵐 超現実が 渦巻きて

プレバト纏め 2019627

梅雨の晴れ間の水たまりで一句

特待生昇格試験
千原ジュニア
甥っ子と おいっ子と子と 夕虹と
(見事な映像化 虹は夏の季語 効果的に韻を踏んでいる)

鈴木光
(つくばい)の あめんぼ揺らす 零雨かな
(手堅く纏めている 焦点を絞る)
蹲に 雨粒あめんぼを 揺らす

1位 相席スタート 山﨑ケイ
コロッケの 香る踏み切り 梅雨夕焼け
(味覚、聴覚、視覚、臭覚、嗅覚を満たしている
 五感を刺激している)

2位 Kis-My-Ft2 宮田俊哉
あめんぼの 水上スケート 日暮れに散れ
(下手な擬人化する必要はない
 小さな生き物に対する小さな愛の言葉のようだ)
あめんぼの 水面滑(すべ)らか 日暮れに散れ

3位 近藤サト
梅雨晴間に おつかいの轍(わだち) くっきり
(「に」が散文的な助詞の使い方になっている
 五七五の形に入れることで空間が広がる
 効果的な季語選び)
おつかいの 轍くっきり 梅雨の蝶

4位 渡部徹
手花火を 携え急ぐ 雨上がり
(伝えたい言葉を外さない)
故郷へ 向かう手花火 携えて

5位 水夏希
水映ゆる 夏の空跳ね 縁結び
(この字ずらでは伝わらない)
恋は突然 夏空跳ねる 水たまり

今回の鈴木光ちゃんの言葉に吃驚!
勉強されているのですね。
自分の言葉で俳句の批評をされていました。
さすが!東大生の頭脳だと感心しました。
今後の彼女の人生が楽しみでなりません。

次回のお題は「梅雨明けの銀座」

2019年6月28日金曜日

かたつむり甲斐も信濃も雨の中 飯田隆太

半夏生 ヒマラヤケシに 導かれ
凍らせて 食べる鳳梨(あななす) 目を閉じて
夏の菩薩や 華美な装い 修行中
夏を質素に 悟り開いた 如来をり
感じても 口にはしない 夏の霧

NHK俳句 名句スタジアム より

堀本裕樹先生の言葉

飯田隆太 テーマは遠近法の効用

「かたつむり 甲斐も信濃も 雨のなか」飯田隆太

キャンバスにも描き切れない壮大な遠近法を用いた作品です。
上五に置いた夏の季語。
キャンバスで言えば一番手前に
かたつむりを描いたことになります。
そして、中七の「甲斐も信濃も」は
山梨と長野の雄大な風景を表現。
更に、下五の「雨のなか」では甲斐と信濃と言う
2つの国を包み込むような雨を描いています。
雨に包まれた甲斐と信濃と言う大きな風景の中で
小さな景色かたつむりが雨のしずくに光輝いている。
遠近法を効果的に用いるとたったの十七音で
詠んだ句が絵画のようになり奥行も生まれるのです。

2019年6月27日木曜日

山田五郎氏の価値観の変貌

生命の 循環を描く 溽暑かな
西日射す 装飾華美に 腰かけて 
旱星 啓蒙主義が 讃えられ
ジャポニズム 逆輸入され 価値を知る(無季句)
老いた目よ 星を探して 夏の来る

「インタビュー」より
山田五郎氏 曰く

「ローマでは、それまで自分を支えていた価値観を
 根底から揺さぶられました。ローマ立しょん事件です。
 イギリスの博物館は世界中から盗んできた泥棒倉庫だと
 イタリア人が言うと、イギリス人はあなたたちに
 任せていたら美術品が全部だめになっちゃうから
 私たちが保管して差し上げているんです。と…。
 実際、イギリス、オランダ、ドイツに行って実感しました。
 フランス、イタリア、スペインは本当にだめでした。
 強ち、あの博物館の学芸員ジョークも
 間違っていないとその時は痛感しました。
 ある日、ローマでジャン・ロレンツォ・ベルニーニの
 彫刻に酔っ払いが立ちしょんをしていたんです。
 私はそのおっさんに注意しました。
 こんな事だからイギリス人に馬鹿にされるんだ!
 と言うと、そのおっさん曰く、イギリス人は
 作れないからそういう事を言うんだ。
 俺たちはこんなのいくらでも作れるんだ。
 駄目になったら、また作ればいいんだ。
 イタリアには新しいベルニーニがいっぱいいるんだ。と…。
 私の胸にこの言葉は刺さりました。
 暮らしとしてどちらが豊かなんだろうと考えました。
 日常の中に当たり前のように美術品があり、
 壊れたらまた作ればいい。と言う考えと
 暮らしは質素でたまに博物館に美術品を
 見に行って教養が身につきました。と言うような生活…。
 どちらが豊かなんでしょうか?」

私が常々考えている事だったので
興味深く聞き入ってしまいました。
私は価格に関係なく好みのものに
囲まれた生活が送れたならと思っています。
現在はお気に入りの陶芸家の作品に
囲まれた生活をしています。
時々、陶器が欠けたりして悲しいことも
あるのですが、大事に使わせて貰うことで
豊かな人生を味わわせて貰っているような気がしています。

2019年6月26日水曜日

ミシェル・フーコーの思考

クリムトよ 日本を重ね 夏の女
クリムト画 落款に似た 夏の印
夏を見ん 華美な菩薩よ 修行中 
悟り開きて 簡素な如来 見ゆる夏
夏の日や パラス・アテナに 見放され 

世界の哲学者に人生相談 より
ミシェル・フーコー 曰く
「なぜ絵画が建物が芸術作品と言われ
 私たちの人生はそうではないのでしょうか?
 個人の人生は11つ異なっていて美しく
 いわば1個の芸術作品ではないのでしょうか?」
「ありのままの自分を認めて
 自分だけの価値を大事にする。」
「実存の美学を極めれば、生き方は変えられる。」
「自分らしく生きることに誇りを持つということ。」
そして、ミシェル・フーコーは50歳代に
自らが同性愛者であることを公表しました。

ゲストの室井滋女史の言葉です。
「自分が何をしたがっているのか?を、常に聞き続ける。
 周りの目とかではなく自分に聞き続けるのが大事。」
「自分と対話することで自分がどうあるべきかが見えてくる。
 それが解った瞬間、自分らしく生きて行ける。
と、解った時、人と比べることを止めました。」

自分は自分!ご指摘の通りだと思います。
日本人は協調性を大事にし過ぎているのでは…?
何でもかんでも反対を主張する人には
いかがなものかと思いますが…。
いつも笑顔のイエスマンでいる必要も
ないのではないでしょうか?
もっと自分を大切に生きたいと思いました。

2019年6月25日火曜日

Gala Salvador Dari 1962

朝一で 水やるゴーヤ 花の咲く
ジョーロ持ち ゴーヤの花が 開きたる
ろうそくの 観る揺らめきや 綟障子
夏座敷 無邪気装おう 女かな
活きている 時間切り取り 夏を描く

サルバドール・ダリ 曰く
「天才を演じると天才になれる。」
「ガラ以外は、全て敵である。」
「私の全ての絵画はガラの血で描かれた。」

スペインが生んだ20世紀を代表とする
多彩な画家であることは間違いないのですが…。
妻ガラを知り唖然としています。
あまりにもダリが可哀想すぎます。

「新美の巨人たち」で下記を知ることとなりました。
既婚であったガラと略奪結婚!
ガラ曰く「緻密に描くのがあなたの強み」と、
ガラの助言で才能を開花させていったダリ!
しかし、ガラは婚外関係を盛んに持っていたとか…。
崇高で手の届かない聖母に離れていく妻を重ねて
ダリは自分を納得させていたとか…。
金をつぎ込み、きらびやかな宝石を与え、
プボル城まで差し出したのに、ガラは
それらを若い男との時間に費やしていたとか…。
ガラにとってはダリは金づるでしかなかったのではないでしょうか?
ガラはダリに貰ったプボル城で最期まで
愛する人と過ごし今もその城で眠っています。
その横にはダリの墓はありますが納骨はされていません。
ダリの骨はご自分の美術館に葬られています。
人生をかけて愛し続けた人だったのに…。
ダリがガラに向けた精一杯の反抗心だったのでしょうか
ダリの葛藤が見え隠れしている作品と言えば
「テトィリアンの大会議」です。
ガラの不敵な笑みが印象的です。
なのに、「Gara Salvador Dari 1962」とのサインが…。
私には理解できない深い愛があったのですね…。


2019年6月24日月曜日

山本康介氏の言葉

石に木皮に 夏のうかがい 書き記し
亡き人へ カリアンドラが 雨ふくみ
黄雀風 空気を運ぶ 人の来る
緑さす 比喩の実存 これ如何に
線路わき 媚びることなく あざみ咲く 

「ローザンヌ国際バレエコンクール2019」が
放送になりました。
年々、レベルが上がっていくClassicBallet
素晴らしいの一言に尽きると思います。
単にクラシックバレエの基礎にあるのではないでしょうか?

山本康介氏の言葉です。
「基礎の動きを大切にすることで力強さや安定感が出ます。
手足の使い方には注意して欲しいです。
Balletの動きは下から上に、中から外に組み立てられています。
完成に早く到着したいがために、肩ひじ手首を動かさず
固まったままで到達しようとする人がいます。
どんなに早い動きでも、基礎を踏まえで動かして欲しいです。
柔らかく動くには、肩甲骨を下ろし肩をあげないように
肩ひじ手首の順番に余裕をもって動かしてください。
上半身を絞ることで手や足をあげてください。
必ず立体的に動いてください。
プリエした足は、確りとフロアーを踏み
かかとからつま先へつま先からかかとへと
体重移動させることで移動しなくてはいけません。」

これらは社交ダンスでも同じではないでしょうか?

2019年6月23日日曜日

全国大会に選出!

夏の山 責任感の 薄き人
短夜に 最大限の 非難され
ふたりきり 踊る二人や 梅雨の晴れ
赤で突進 四つ葉マークの 走る夏
朝焼けや 超現実が 目の当たり 

昨日、コーラスのコンクールがあり応援に出かけました。
10年前までは毎回代表に選出される常連だったのに、
団員の高齢化が大きなネックとなり
近年は代表に選ばれていませんでした。
技術は持っておられるのですが、
年々、声は小さくなっていくし、
張り・キレや迫力も減少の一途だったのです。
今年は超難題の「祖谷のかずら橋」「四国ばやし」を
指揮の内藤恵子先生が選曲をされていたので、
今年も内心ダメだと思っていました。
しかし、今年3月にイタリアのスカラ座で
歌った来られたからでしょうか?
会場で聞いてびっくり!
声が出ているではないですか!
奇抜な衣装!ピアノとコーラスの調和!
阿波踊りの鐘やお遍路さんの鈴を使ったアイディア!
どれをとっても最高の仕上がりでした。
ついに念願の全国大会へのパスポートをゲットされました。
一報を貰った時は飛び上がってしまいました。
コンセントの増設に来てくれていた
電器屋のまぁ君と東君が吃驚していました。
でも事情を知るとお祝いの言葉をかけてくれました。
選出してくださった審査員の皆さま!
心より感謝申し上げます。
私にとっては最高の一日となりました。

2019年6月22日土曜日

コンビニの傘で一句

循環の なき経済や 夏の闇
経済を 学び落ち込み 汗拭い
脱デフレ 夢を語りて ソーダ水
吾を守り 周りが倒れ 五月川
増税前の 便乗値上げ 競う夏

プレバト纏め 2019620

コンビニの傘で一句

永世名人への道
東国原英夫
梅雨寒し コンビニは 麻酔の匂ひ
(比喩の季語が大正解!比喩はABと断定して詩を作る。
 ABの落差が少ないと驚かない。落差が大きいと伝わらない。
 比喩には実感がないと駄目。
 言わないと気付けないが言われたら気付く!
これが比喩を成功させるコツ。)

特待生昇格試験
皆藤愛子
赤錆の 乾く傘立て 旱梅雨
(詠んだ言葉と思いが寄り添っていない。)
ビニール傘の 骨の赤錆 旱梅雨

1
霜降り明星 粗品
夕立や 肩身の背広 濡らすかえ
(濡らすかえは濡らすまじ・濡らすのかと言い換えもできる。
 手応えのある作品。
 「か」は終助詞「え」は間投助詞、感動や強調などにそえる助詞)

2
武井壮
後毛の(おくれげの) 柔く撓ひて(やわくしなひて) 梅雨に入る
(季語が主役になっていない。時候の季語には映像がない。
 街角と言う場所を入れることで具体的な映像を入れることができる。)
後毛の 撓(しな)ひて梅雨に 入る街角

3
山本未來
催涙雨 訓練犬の 面会日
(「催涙雨とは1年に1回の七夕に降る雨の季語。
 織姫と彦星が雨が降って会えない時の涙。
 季語の距離感が近すぎる。)
一度きりの 面会 訓練犬の夏

4位 
伊沢拓司
「捨てて」との メール来て 青梅雨終わる
(青梅雨と言う季語が良い。状況を入れないと解らない。)
「傘も恋も 捨てて」とメール 青梅雨果つ 
 
5
泉谷しげる
雲行きに コンビニの傘 あてにする
(簡単に季語は入る。)
梅雨雲や コンビニの傘 あてにして

今回は山本未來さんの才能に魅了されました。
確りと俳句に取り組まれた姿が見える俳句でした。
また、出演して欲しいと思いました。

来週のお題は「水たまり」


2019年6月21日金曜日

白洲正子が愛した名人たち

生産性 落ちてデフレの 夏の陣
脱デフレ 無駄な努力と 夏疲れ
夏の危機 内部留保の 増え続け
雇用増え 消費減少 汗拭い
夏の経済 価格上昇 減る支出 

にっぽんの芸能 
蔵出し!名舞台 白洲正子が愛した名人たち より

独自の審美眼で日本の美を発信し続け、
古典芸能に眼を向けた随筆家の白洲正子。

「白洲正子が愛した名人たち、
梅若実、友枝喜久夫、十五世市村羽左衛門、
井上八千代には、通じるものがあったようです。
それは、人に媚びたり、
観客に何かを伝えようと努力をしたり、
何かを表現しようとかと考える人はいなかったようです。
それらは美しさを作ることではないからです。
白洲正子の美学にぴったりと来た人達を愛したようです。」
と話してくれたのは、渡辺保氏でした。

渡部保氏の言葉に心打たれました。
まやかしの美しさに惹かれる人が多すぎるような…。

2019年6月20日木曜日

山口瞳の言葉

夏の闇 応答なしと 固まられ
黒南風や 振り返らずに 前進す
梅雨曇 踏みしめ歩む ポコアポコ
鶏糞の 臭い漂う 夏の鉢
鉄道や 牛の姿と 夏野かな

山口瞳 曰く

「粋(いき)について私はこう考えている。
どんな事態になってもそれを面白がってしまうこと。
そういう心の持ち方。」

あ~!それができません。
お恥ずかしい限りです。
いつも、おろおろおたおた如何しようもありません。
面白がらないとですよね。
強いパンチを撃ち込まれた気分です。
名言と言われている言葉の多くが
表現を変え、これを言っているのですよね…。


2019年6月19日水曜日

大原千鶴さんの言葉

軒先の 待機しいられ 燕(つばくらめ)
立葵 先端の花 いつ咲かす
短夜や ベッドを照らす 朝日かな
さえずりに 窓を開けたる 夏の朝
来客の 出迎え役は 百合の花

大原千鶴さんがNHK俳句にゲスト出演された時
「孟宗もう出た 淡竹早(はちくはよ)出た 真竹まだ出ん」と、
いう呪文のような言葉を教えてくださいました。
京都ならではの言葉らしいのですが、
物凄く魅了されました。
また、検索を重ねていると、下記の言葉が出てきました。
「孟宗もう出た もう食うた
破竹はや出た はや食うた
真竹まだ出ん まだ食わん。」
京都って季語の宝庫は勿論ですが、
この類の言葉も多く残っているそうです。
また、教えて欲しいと思いました。

2019年6月18日火曜日

辻仁成氏の言葉

光へと 小さき歩みの 夏未明 
短夜や 豁然悟る 日の来たり 
幸不幸 隣り合わせの 夏の山
抱かれて 足絡ませて 夏を舞う
アマリリス 朽ちた花びら 走り梅雨 

世界の哲学者の人生相談 より

ジャン=ジャック・ルソーは
政治・哲学・教育論を説いた哲学者です。
自己愛(自分を愛する感情)>自尊心(人と比べることで起こる感情)
を、説いた哲学者です。

ジャン=ジャック・ルソーは言っています。
「同情は快い、悩んでいる人の地位に自分を置いて
 しかも、その人のように自分は苦しんでいないという
 喜びを感じさせるからだ。」

「人は喜びを感じることで心に余裕ができ
はじめて人を助けることができる。」

「私たちは2回この世に生まれる。
 1回目は「存在」するため。(自己愛)
 2回目は「生きる」ため。(利己愛)

ゲストの辻仁成さんは言いました。
「自分をきちんと愛することが
 できなければ人を愛することはできない」

「自己愛のない人が集まった社会は怖い社会。」

「鋳型にはめてはいけない。子供に寄り添う事。
 自分が親に愛されているということが解ることが大事。」

いつもになく辻仁成さんが声を荒げて主張されていました。
確かに素晴らしいご意見だと思いました。

でも、私は自分しか愛せない人がいることを
取り上げて欲しかったです。
現在、そのような人が跋扈しているように感じるのですが…。
そんな社会も怖いと感じています。