2023年1月25日水曜日

兼題「寒卵」

寒月や秘密を持ちたアンティミテ
寒波来る強く握った手を放す
寒の水取り返しのつかなきもの
韓国の背信行為寒芒(かんすすき)
枯茨(かれいばら)生まれ?育ちか?底意地の

■NHK俳句 兼題「寒卵」
選者 星野高士 ゲスト 城田優 司会 武井壮

▪冒頭の俳句
寒卵どの曲線もかへりくる   加藤楸邨

▪会いたい俳人12人 加藤楸邨(しゅうそん)
鰯雲人に告ぐべきことならず    加藤楸邨

加藤楸邨の言葉
この世に生きたその
「しるし」というようなもの
そういうようなもの
そういうようなものは何か
はっきりさせてみたい
自分の胸の底に
普段は隠れている
けれども何かの拍子に
それがふき出してくる
そういうものをなんとか
生かしていきたい

寒卵どの曲線もかへりくる   加藤楸邨

人間のやることの中で
どうもこういった「なげき」を
寒卵を見るたびに抱かせられる

鰯雲人に告ぐべきことならず   加藤楸邨
(鰯雲 秋の季語)

▪入選九句 兼題「寒卵」
寒卵一膳めしの途中から   高山國光
炊きたてのどんぶり飯や寒卵   岡部正彦
武井壮幸福を逃(のが)さぬやうに寒卵   岡部知之
寒玉子飯に落して野良仕事   広瀬昭和(のりかず)
寒卵ころがりもせぬ一人部屋   石原美枝子
暗がりに女飲みほす寒卵   土岐詳(よし)恵
城田優学校に遅れそう寒卵とく   田中亨
💮引越しの朝の匂いや寒卵   露(つゆ)久保伸一
寒卵割らんとしたるところかな   中山英夫

行儀良く品よくごまめ並びをり   星野高士
(正月の句 自分を演じ入る句)

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