2023年1月10日火曜日

題「放課後」

冬の靄便宜供与のあるなしや
(女子プロ)ゴルファーのトップバストの冬の怪
橙飾る人生は雪仏
茶室での上から目線からっ風
冬草やゾンビ企業の跋扈せり

NHK短歌 題「放課後」
選者 栗木京子 レギュラー 元髙克樹 矢花黎 司会 小沢一敬

■冒頭の短歌
ストローで作りしくじを引かむとし手の集まるぬ遠い放課後
栗木京子

■短歌侍への道
頑張った通信簿見せる食卓で褒めるまでは箸を持たない
小沢一敬

上級テクニックを使って空想を詠んで欲しい
ファンタジーがあふれるような歌を詠んで欲しい

■Lesson1 空想を詠む
陶芸部の部室を覗くゆうぐれに埴輪の武者の矢が飛んでくる
笹公人

■Lesson2 視聴者のエピソードを短歌に
忌まわしき魔王にかざす剣先の音が響いた六時の図書館
矢花黎 添削
午後六時魔王にかざす剣先の音が響いた図書室の隅

夕暮れのチャイムに合わせ本も閉じ始まる僕のサバイバルゲーム
元髙克樹 添削
夕暮れのチャイムに合わせ本も閉じ財宝探す旅が始まる

図書室の窓から見える魔界に誘う赤い扉だ
小沢一敬

■入選歌紹介 テーマ 放課後
図書室の夕焼けのなか筆談をする文字だけのふたりとなって
山崎杜人(もりと)
もう進路決まった君が教室にトランプタワー残して帰る
佐藤研哉
4時に鳴るゆうやけこやけが僕たちの最初に受けた理不尽だった
加藤こづ
信号の上には空があることを忘れて塾へ急ぐ放課後
渡辺里紗
掃除したばかりの水槽並びたち生物室は夕日の匂い
水面(すいめん)狼
💮次の春彼女が島を出てゆけばこの分校に永遠の放課後
てぃも

■Lesson3
出演者のエピソードを短歌に
ポイント 空想の世界を広げる

校庭の隅で寝転がる少年を空から見ている「あいつは僕だ」
小沢一敬 添削
校庭の隅で寝そべる少年を空から見てる「あいつは僕だ」

校庭で寝転ぶ僕は鰯雲友が去るまで空中散歩
元髙克樹

校庭に体預けて十五分ゆっくり沈む桃源郷へ
矢花黎

■空想を詠む
校門で僕に手を振る陽炎へ駆け寄り共に夕日へ溶ける
矢花黎 添削(アバター 仮想空間上の自分の分身)
校門で僕に手を振るアバターへ駆け寄り共に夕日へ溶ける

資料集開いたままの放課後にタイムマシンで秀吉探す
元髙克樹 添削
資料集開いたままの放課後にドローン操り秀吉探す

焼却炉渡せなかった初恋の手紙が煙になる逢魔時
小沢一敬
(逢魔時(おうまがとき)日没の空に夕日の赤が混ざり合う瞬間。
 魔物に遭遇すると言われていた)

視覚的なチョイスがアート 矢花黎

今回の学び 魅力的な言葉

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