2023年1月16日月曜日

兼題「左義長」

冬陽射し背から抱きしめられしごと
寒晴れを新しき靴踏みしめて
行きたくて会いたくて北窓塞ぐ
マスク下寒紅挿して街闊歩
一輪が茶室を支配寒椿

NHK俳句 兼題「左義長」
選者 井上弘美 ゲスト 山崎怜奈 司会 武井壮

▪冒頭の俳句
三毬杖(さぎちょう)竹の貫く波頭   井上弘美

▪俳句ナビ 左義長(さぎちょう)
ポイントは場面情景を詠む

なまはげ
秋田県男鹿半島に伝わる現在は大晦日に行われる
なまはげを襖のかげで見る子かな   中村苑子
兄者を盾に 武井壮
もの陰ひそみ 山崎怜奈

かまくら
秋田県横手市を中心に行われる小正月の行事
かまくらの中より餅を焼く匂ひ   𠮷川信子
漏るる円(まる)き火よ 武井壮
子供の笑ひ声 山崎怜奈

左義長(とんど・どんど焼)
火祭りの行事1月14日夜や15日朝に行われる所が多い

▪入選九句 兼題「左義長」
②武井手から手へ左義長の火へ還すもの   近藤ひろこ
神主も長靴で来るどんど焼き   寺津豪佐
故郷やいま見納めの大とんど   谷本均
独眼の達磨を焼(く)べるどんどかな   小堀公美子
💮昨夜(よべ)の雪踏んで河原のどんど焼き   津布久(つふく)信雄
戦火なき国の青空とんど焼き   松本健
左義長の月あぶり出す炎かな   原田香伯(こうはく)
左義長や朝(あした)飾の釘拾ふ   日渡(ひわたし)守
山崎投げ入れし松が風呼ぶどんど焼き   道下いずみ

▪俳句ナビ 添削コーナー
夕月と波を背(せ)にしてどんど焼く
添削
夕月と波を背(そびら)にどんどかな

左義長や暗くて淋し帰り道
添削
左義長の果てたる闇を帰りけり

金の折紙宙を舞ひたるどんどかな
添削
折り紙の金高く舞ふどんどかな

どんど焼き達磨の星を見上ぐ夜   山崎怜奈
添削
どんど焼き達磨は星となりにけり

今回の金言
俳句は信頼の文学
俳句は説明、報告にならないように詠む

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