余裕もち質素な空きへ春の夕
通い合う心と心日永かな
鉢の梅日々おもてなし淡々と
コロナ禍の不安と怯え温む沼
床の間へ花をあしらい春の風
NHK短歌 題「庭」
選者 佐伯裕子 司会 小沢一敬 メンバー 井戸田潤
ポイント①
時間の経過を詠む
庭先の凌霄花(のうせんかずら)の下くぐりけった(自転車)で出かける書道教室
井戸田潤 添削
庭先の凌霄花の下くぐりけったで出かけた書道教室
十二月むしった草の袋持ち夜行く姿を喜ぶ子供
小沢一敬 添削
十二月むしった草の袋持ち聖夜を行けば喜ぶ子供
今回のお気に入り
雑草が庭に広がるスピードで参考書から生えてく付箋
東京都新宿区 岡部颯馬
この街は俺の庭だとうそぶいて今日もきままにひとりさまよう
神奈川県横浜市 成田幸平
園庭に散る幼子を回収す吾は老練の鷹匠となり
京都府京都市 神守彩枝
手つかずの雪景色からスコップで昨日の庭を探し出す朝
千葉県君津市 八号坂唯一
ポイント②
自宅以外の庭を詠む
日曜の校庭からんと陽に照りて滴る蛇口の下に馬穴(ばけつ)
河野裕子
玄関から納屋に繋がる真ん中で睨みをきかすドーベルマン
井戸田潤 添削
玄関から納屋に繋がる裏庭睨みをきかす君ドーベルマン
もろこしを並んで食べた縁側に涼しい風を吹くまで待つ盆
小沢一敬 添削
もろこしを並んで食べた縁側に涼しい風を待つ盆の暮れ
ランドセル背負って見上げた庭口の信楽狸はいまだ鎮座す
井戸田潤 添削
ランドセル背負って見上げた庭口の信楽狸は今も鎮座す
鉄の棒突ついて燃やす日々のゴミ楽しげな父の冬の休日
小沢一敬 添削
日々のゴミ突ついて燃やす鉄の棒楽しげな父の冬の休日
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