2020年12月3日木曜日

中七字余り

日向ぼこ吾の操縦が難しく
山眠る真の道理に導かれ
青き空曽爾(そに)高原に舞う芒
死生観は葉隠れにあり冬の暮
欣喜雀躍(きんきじゃくやく)もみの木飾る吾子と妻

夏井いつき俳句チャンネル より
中七字余りはタブー?名句で解説します

春ひとり槍投げて槍に歩み寄る   能村登四郎
助詞「て」が間合いを作る最高の働きとなっている。
時間の長さ、ゆったり感、孤独感が醸し出されている。

舞姫はリラの花よりも濃くにほふ   山口青邨
敢えて字余りにすることで存在感を増している。
「も」の重みのお陰で余剰、華やかさ、
嗅覚に集約させようとしている。

父がつけしわが名立子や月を仰ぐ   星野立子
対象を強調している。感情をフォーカスしている。
目線の置き方が良い。バランス配分が素晴らしい。
言葉の質量がとられている。

有季定型五七五が基本と言うことを
改めて心に刻みつつ、定形外も勉強していけたならと…。

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