2020年1月19日日曜日

永井荷風の言葉

寒雀 夜の静寂に 息づいて
晩冬や 出会いのありて 別れあり
歳月の 魔法の中で 春を待つ
鬼走 受け継ぎ伝ふ 厳かに
美味しいは あくまで主観 冬麗

偉人たちの健康診断
「永井荷風 楽しき寂しきシングルライフ」より

番組の中で永井荷風の言葉が紹介されていました。
「余 死するの時、
後人 もし余が墓など建てむと思はば、
 この浄閑寺の瑩域(えいいき)
娼妓の墓乱れ倒れたる間を選びて
一片の石を建てよ。」
「断腸亭日乗」より

看取られることなく亡くなった遊女たち。
その傍らに自らの墓を建てることを荷風は望んだのです。
荷風の死後、その意志を受けた友人たちが昭和38年分骨。
この地に荷風の碑を建てました。
生涯にわたって社会の片隅で生きる女性たちを愛した永井荷風!
社会から零れ落ちた人たちへのまなざしを忘れてはいけない。
それが荷風が生涯持ち続けた思いだったのかもしれません。

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