2019年10月3日木曜日

歳時記食堂~おいしい俳句いただきます~秋

秋惜しむ 友と感動 共にせん
行く秋や 見つめ合う時 すでに経て 
笑い合う ことが幸せ 秋時雨
糠漬けの そそる食欲 秋渇き
秋雨や 流れとうとう 吉野川

NHK俳句増刊号
歳時記食堂~おいしい俳句いただきます~秋 

女将 宇多喜代子 若女将 壇蜜 常連 
小坂大魔王 本日の客 辰巳琢朗(俳号 道草)

「今生の いまが倖せ 衣被」 鈴木真砂女
衣被とは小芋を皮付きのまま茹でると指だけで
つるりとむけてとろりと柔らかく美味である。(歳時記 より)

宇多喜代子が選ぶ鈴木真砂女の代表句
「羅(うすもの)や 人悲します 恋をして」
「死なうかと 囁かれしは 蛍の夜」
「白玉や 愛す人にも 嘘ついて」

鈴木真砂女のことを初めて知りました。
恋深き女性だったのですね…。

「火だるまの 秋刀魚を妻が 食はせけり」 秋元不死男

「俳句研究」昭和291月号より
「人間はじぶんの不幸について
 あまり話したくないものだ。
 その不幸が痛烈ならば、
痛烈なだけ黙ってゐたくなる。
中略
 或る日心配して髪の毛が抜けてしまった妻が
 朝早くからわたしに逢いにきて
 逢えば立会の下にたった五、六分しか
話ができなかったことなど俳句では
「獄凍でぬ 妻きて我に 礼をなす」 
と、詠へても話ではその時の気持ちは言えないのである。」

「獄凍でぬ 妻きて我に 礼をなす」 秋元不死男 

「ひとつぶの 葡萄や母に 吸ふ力」 村上佳乃

「葡萄まで 皮むく妻の 寝息かな」 道草(辰巳琢朗)

素敵な時間でした。
何度、拝見しても新鮮な気持ちで拝見できます。
宇多喜代子先生❣ありがとうございます❣

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