2026年8月30日日曜日

あの本、読みました?原田ひ香

幾重にも着馴れた重ね秋うらら

手仕事よ人の気配よ椋鳥よ

秋の夕手仕事並べ気忙しく

手仕事たちに力いただく夜長

手仕事よ思いのままに秋の星

 

■あの本、読みました?人生を豊かにしてくれる本を特集!お金&美味しそう?

原田ひ香 鈴木保奈美 山本倖千恵

 

「三千円の使いかた」「財布は踊る」「ランチ酒」

「はじまらないティータイム」「#台所のあるところ」原田ひ香著

今の時代を豊かに生きる考え方を紐解く

 

「三千円の使いかた」の一文 原田ひ香著/中公文庫

「美帆はいったい、いくらあるのよ貯金」

「…三十万…くらい?」

「え!?それだけ?」

真帆はまじまじと美帆の顔を見た。

「じゃあ、根本的な改革が必要ね。固定費を見直したら?

 出て行くお金をセーブするの」

「固定費?」

「家賃とかスマホ代とか絶対にかかるお金のこと」

「でも、文字通り固定費だから変えられないじゃん」

「食費や電気代を見直したってたかが知れてるのよ。

 固定費をまず削って、節約するのが一番簡単」うーん、と考えてしまう。

(中略)

「じゃあ、まず、一日百円貯めてみよう」

「百円て…」

なんかちょっとバカにされたような気がした。

あんたにはそれくらいがお似合いよ、と言われたような。

「百円なら、ちょっとしたお茶代とか

コンビニのスイーツとかで節約できるでしょ?

 一ヶ月貯めたら三千円じゃない?それを月々、

投資信託にいれてみるのは?」

「投資信託。それ、銀行でするの?」

「銀行でもできるけど、証券会社に口座作りなさい。

インデックス型のできるだけ

 手数料がかからないのがいいわね。三千円できたら持ってきなさいよ。

 教えてあげるから。あ、証券口座を開く前にも相談して。

 紹介したら、紹介料くれるところあるから」

 

お金の話を書いた❝小説❞ お金は幸せになるための道具

 

「#台所のあるところ」原田ひ香著 作品誕生のきっかけは?

冷蔵庫は人を表す BSは全国どこでも

同じ時間に放送しているのでBSを選んだ

ドラマのタイトルに「#」をつけてSNSで感想を共有するのが作品の象徴

自分も#をつけて呟きながらテレビを観る?リアルな料理描写

 

「#台所のあるところ」の一文 原田ひ香著/文藝春秋

ゴミ出しを終えると、テレビをつけて

朝のニュースを観ながら自分の朝ご飯を作る。

バターを塗ったトースト、コーヒー、フルーツ、ヨーグルトなどの

組み合わせが一番多いが、時にはその日の気分でご飯と味噌汁、

納豆の和食にしてみたり、目玉焼きとベーコンを焼いてみたり、

ピザトーストやサンドイッチを作ったり、いろいろやっている。

(中略)

溶けかかったパンを出してトーストし、

卵とハムを焼いて中濃ソースをかけて食べた。

敦子は目玉焼きに、ご飯に合わせる時は、醤油を、

パンに合わせる時はソースをかける。

冷蔵庫に入れていたコーヒー豆を出して少し丁寧に淹れた。

 

「料理なんかしないから、いいじゃないか。俺はこれ食べるし」

彼は完全栄養食と銘打った。パンのようなものをほとんど毎食食べている。

(中略)

蓮は確かに家事や料理を強要したりしない。だけど帰宅した時、

陽愛乃が料理をした痕跡が残っていて、

自分の分がないと露骨に嫌な顔をする。

(中略)

「…もう風呂入って寝るわ。身体の調子が悪いし。仕事で疲れたし。

 こっちは九時五時で終わる仕事じゃないんでね」

私だって…言い返したくなったが、もう無駄な気がして口を閉じた。

蓮は風呂に入って寝てしまった。ドラマが終わったあと、陽愛乃が

風呂に入ってキッチンを見たら、余分に作ってあったパスタは

残らず食べられていた。

蓮のために残しておいたからいいのだが、トマト色に汚れた皿と

フライパンだけが乱暴に置かれているのを見て、ため息が出た。

 

人生を豊かにする3つの考え方

   ちょっとだけ変化させる

   自炊は副業

   いい加減でいい

 

    

会社の仕事でたまたま商店街の中を歩いていると、

「保険診断(無料)」と書いてある紙が貼ってある小さな店…

というより事務所のようなものがあった。

(中略)

なぜ、そこが陽愛乃が立ち止まってしまったかというと、

「投信」と書いてあったことが理由かもしれない。

たまたま、前日に、今付き合っていて同性までしている彼、中原蓮と

投資について話しており、蓮が勧める「レバナス」「FANG+」と

いった銘柄が本当に正しいのか、誰かに相談したい気持ちがあったのだ。

(中略)

「ご相談ですか」「いえ、あの」その時、

自動ドアがゆっくりと閉まっていった。

いいえ、と首を振って去ればそこで終わりのはずだったのに、

なぜか陽愛乃はぴょんと足を踏み入れて、

閉まる寸前のドアの中へ入ってしまった。

普段なら、絶対に入るはずのない、ちょっと怪しげな店の中に。

 

・本好きさんと本屋さんぽ

今回のテーマは「美味しそうな本」

 

BUTTER」柚木麻子著/川出文庫

「キャベツ炒めに捧ぐ」井上荒野著/角川春樹事務所

 黒荒野:人間関係のグロテスクさを描く

 白荒野:穏やかな日常を描く

「なにたべた?」伊藤比呂美・枝元なほみ著/中公文庫

 

料理エッセイ

「料理上手の頭ん中のぞいてみました!」池田暁子著/扶桑社

「そこに定食屋があるかぎり」大平一枝著/難波雄史写真/扶桑社

「ふたたび歩き出すとき 東京の台所」大平一枝著/毎日新聞出版

 

料理本コーナー

「シンプルだから悩まない!ワンパターン献立」長谷川あかり著/ダイヤモンド社

「仕事終わりの20分フランスごはん 一流シェフの、おうちワンプレート」

中村和成著/KADOKAWA

 

👑2人が読みたくなった一冊

原田ひ香選

「あたらしいきほんの料理」長谷川あかり著/オレンジページ

 

鈴木保奈美選

「なにたべた?」伊藤比呂美・枝元なほみ著/中公文庫 往復書簡

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