2026年8月12日水曜日

村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 對龍山荘(たいりゅうさんそう)

没後百年鳴門市で咲く睡蓮よ

睡蓮で羽を休める蜻蛉かな

大睡蓮今を盛りと開きけり

睡蓮よモネの愛した睡蓮よ

睡蓮は陽射しと何を話しをる

 

■村雨さんと日本庭園たしなみ巡り 對龍山荘(たいりゅうさんそう)

村雨辰剛

130年前に誕生した名園 秘蔵の名園が一般公開

滝の水音は對龍山荘独特のサウンドマジック

水の流れ 流れの秘密 南禅寺 真々庵(しんしんあん)  菊水

南禅寺界隈別荘群 そのひとつが對龍山荘

 

植彌加藤造園 加藤友視

(以前には無鄰菴の説明をしていただきました)

 

對龍山荘は庭屋一如の最高傑作 庭と建物が絶妙に調和した空間

明治29(1896)実業家 伊集院兼常が別荘として造営

総面積は 約1800

 

對龍台 

對龍山荘には北と南に大きく2つ庭がありまして 

北「池の景色」 南「流れの景色」

 

たしなみポイント

對龍山荘は近景の一部だけ 隣の金地院(こんちいん)の木々を眺めている

近景 中景 遠景(高雄山の景色)

💮外の景色を取り込む「借景」で3段階の奥行

フロアのレベル(高さ)と滝の水落ちのレベルが同じ

水落ち:水が下に落ちる部分

精密な測量器具のない時代に合わせていくのは凄い

💮滝を最も迫力ある角度で見せる緻密な設計

滝の水音は對龍山荘ならではのサウンドマジック 

25m離れているとは思えない近さを感じる

実は仕掛けがりまして軒下に小滝を設けて ここで水音を奏でている

座敷の下に小滝

💮効果音用のたきがあった!

 

建物にも仕掛けが 普通軒下に柱がある ここでは大パノラマを

実現するために「桔木(はねぎ)」の構造で柱をなくした

💮視界を遮らない建物の造り 

大工の棟梁 島田藤吉 と 作庭家 七代目小川治兵衛

島藤 と 植治のコラボ

對龍山荘は 薩摩出身実業家 伊集院兼常が完成させた庭園を

島根出身呉服商 市田弥一郎が譲り受けた

建物と庭の大改修を手掛けた一流職人

庭屋一如の景色が実現した

庭園は 国の名勝に 建物は 国の重要文化財に指定された

庭を引き立てるために建築がひと肌脱いでくれた

 

流れが部屋の中に入ってくるようなイメージ

遠景が浮かび上がってくる 太陽が南東側を動いてきて

輝いて見えるように計算されている

 

たしなみポイント

💮水面の輝きがいつでも見られるように設計

💮ひさしが❝光のスクリーン❞に!

 

大きなひさしには狙いがある

南東側から当たる光の波紋をひさしで受けようという狙いが明らか

秋冬だけの光の反射

ひさしには光が映りやすい白い木材を使用

 

日本画の構図 

歌川広重「水道橋駿河台」歌川広重「上野山内月のまつ」から

 

雌松(アカマツ) 雄松(クロマツ) 

昼は二本の松と景色を楽しむ場所

夜は水面に映る月を眺める場所になる

中秋の名月の月の位置まで計算されていた

さすが130歳の庭

 

見返りの景色

茅葺(かやぶき)屋根の水車小屋:里山や田園風景をイメージ

施主の市田弥一郎の要望

 

加藤友視さんのとっておきの視点場(ビューポイント)

円窓 円窓越しにずっと山並みが続いいていく

2階から見た円窓

💮景色を邪魔しない円窓

 

流れの景色 琵琶湖疎水のお陰

明治18年着工 琵琶湖疎水開通工事

明治23年琵琶湖疎水開通

琵琶湖疎水で京都の近代産業が発展

この水を庭園に引き込んだことで 

流響院 無鄰菴など数多くの贅沢な庭が生まれた

 

對龍山荘 山からの自然の流れのイメージ

上流は大きめの石 浅く速い流れ

中流は小さめの石 深く穏やかな流れ

下流は小さい石 浅く煌めく流れ

 

維持するには週一度の水を掃除

 

庭師歴35年 武藤智彦

石の間に水が流れ光が煌めく 

石の間に泥が堆積すると石の上を水が流れる

光の煌めきが鈍くなる

自然に見える仕上がりにする

自然を手本に石が運搬されて堆積する 転がしながらとどめる

人の仕業を隠す

自然の仕業を見せるには 人の仕業を隠す

 

私感

素晴らしい職人さんとの出会いがありました。

武藤智彦氏、最高の技は心だということを教えてもらったような…。

職人さんの鏡だと思いました。

職人さんの手本として益々のご活躍を期待しています。

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