2022年9月13日火曜日

題「魚料理」

秋半ば祭り騒ぎを生き行かん
穴惑ひ知らぬふりして生き行かん
人として生み出したくて草の花
何一つ残すものなし星月夜
波の音波の香りよ秋の浜

NHK短歌 題「魚料理」
選者 笹公人 ゲスト 井森美幸 司会 星野真里
レギュラー 本髙克樹 矢花黎

冒頭の短歌
竜宮城の夢から醒めれば舌の上に鯛の刺身のかけら残らぬ
笹公人

グルメの画像で一首
海岸に寝そべるマッチョの肌のごと油の滲むブリの照り焼き
笹公人
□の中に入る言葉は❓
我の心臓 カン・ハンナ
おじさんの腹 井森美幸
陸(おか)サーファー 星野真里

□入選九首 テーマ「魚料理」
唐揚げしか見たことがなくメヒカリの光る瞳が分からずにいる
川下知世(ちせ)
思いがけぬところに飛んで光ってる鯛一匹をさばいた夜に
栗本悦子
朝食の小鉢のじゃこに眠ってる一ミリの蛸あれば吉日
今西富幸
売れ残りだったエビ天チンしたらカラッとならず衣がとれた
原田来美
横文字の料理に飽きた旅先で二十五ドルの秋刀魚を食べる
檜澤さくら
カラフルな魚の並ぶ沖縄の市場は食べれる水族館
岡田淳一
魚籠(びく)を持つ父の姿が見えたのを合図に始める夕餉(ゆうげ)の支度
遠藤立子
💮舟盛りを両手に抱えひと時の海となりたる若き店員
夏野あゆね
煮たぎった鍋にやっぱりロブスター入れられなくて水槽のなか
椎名ろざな

□選者のお話「歌人のグルメ」
死にかけの鯵と目があう鯵はいまおぼえただろうわたしの顔を
東直子

□短歌ボナペティ ゲスト井森美幸
キーワード 海

鮭と海苔出汁の波打つ茶碗からつながる海はいまも青くて
カン・ハンナ
焼き鮭と昆布にこいめのお茶をつぐ海風を乞う出身群馬
星野真里
お茶漬けに鮭を浮かべて海を嗅ぐ美幸のひとりの夜をおもえり
笹公人

□短歌武者修行 本髙克樹 矢花黎
三味線を体験して短歌を詠む
栗木京子先生からの武者修行ミッションは「音を詠む」
音色を擬音・オノマトペで表したり
何かに例えてもよい
音の表現が一番印象に残るように

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