2022年9月12日月曜日

兼題「花野」

実力を超えた期待を葉月かな
妄想という究極の娯楽あり(無季語)
根拠なき自信を持ちて菊日和
感性が豊かにならん二日月
秋日照スタグフレーション打つ手なし

NHK俳句 兼題「花野」
選者 井上弘美 ゲスト 桃沢健輔 司会 武井壮

冒頭の俳句
サハリンの尖(さき)見えてゐる夕花野   井上弘美

俳句ナビ 花野
花園 花畑 花園との違い。
数種類の花が咲いてゐるか❓
人工的に作られたものか❓で区別する。

入選九句 兼題「花野」
💮カルデラの湖を一周花野道   田中耕泉
花野ゆく名もなき人になりにゆく   小林麻子
花野よりドローン飛ばす測量士   榧野(かやの)実
百坊の跡は花野となりにけり   中島正則
湖を抱き湖よりしづかなる花野   円堂実花(みか)
行くほどに花の繰り出す花野かな   村田一広
花野原振る手のあれば振り返し   古川稚佳子
大花野むかし遊覧飛行場   杉山満
トンネルの貨車の残響大花野   齊藤千哲(せんてつ)

俳句ナビ 添削コーナー
ナビゲーションポイント 
無駄な名詞を省いてスッキリ詠む

花野行き鈍行列車吾ひとり
添削(説明をなくす。)
花野へと向かふ鈍行吾ひとり

エールフランス花野の端(は)より飛び立ちぬ
添削(動詞を使って動きを出す。的確な言葉を選択。)
エールフランス花野をかすめ飛び立ちぬ

この恋を埋(う)める地としてこの花野
添削(主語を際立たせる。説明を省く。)
この恋をうづめむとしてこの花野

大花野水のたまりに吾(あ)と雲と
添削(着地を決める。)
大花野吾(われ)と雲ゐるにはたづみ(潦にわたずみ)

花野風揺れるも留まるリフトかな   桃沢健輔

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