2022年9月22日木曜日

究極の短歌・俳句100選ベストセレクション「家族と故郷」

秋の声丸と四角の眼鏡かけ
電線にしがみつきます四十雀
秋空へ槙と桧の重ならん
(2022年)仲秋や地球の鼓動聞こえくる
薄紅葉静寂(しじま)ほころぶ羽音かな

究極の短歌・俳句100選ベストセレクション(6)「家族と故郷」

短歌
霞立つながき春日を子どもらと手まりつきつつこの日暮らしつ
良寛・江戸
たのしみはまれに魚烹(うおに)て児等皆がうましうましといひて食ふ時
橘曙覧(たちばなのあけみ)
春がすみいよよ濃くなる真昼間のなにも見えねば大和と思へ
前川佐美雄・昭和戦前
マッチ擦るつかのま海に身捨つるほどの祖国はありや
寺山修司・昭和戦後
夕闇にまぎれて村に近づけば盗賊のごときわれは華やぐ
前登志夫・昭和戦後
上り坂のペダル踏みつつ子は叫ぶ「まっすぐ?」、そうだ、どんどんのぼれ
佐佐木幸綱・昭和戦後

俳句
竹の子や児(ちご)の歯ぐきの美しき
服部嵐雪(らんせつ)・江戸
雪とけて村一ぱいの子ども哉
小林一茶・江戸
算術の少年忍び泣けり夏
西東三鬼・昭和戦前
苺ジャム男子はこれを食ふ可(べか)らず
竹下しずの女(じょ)・昭和戦前
石段のはじめは地べた秋祭
三橋敏雄・平成

今日の推し俳句
我が寝たを首あげて見る寒さかな
小西来山・江戸
金剛の露ひとつぶや石の上
川端茅舎(ぼうしゃ)・昭和戦前

推し短歌
白き霧ながるる夜の草の園に自転車はほそきつばさ濡れたり
高野公彦・昭和戦後
ひまはりのアンダルシアはとほけれどとほけれどアンダルシアのひまはり
永井陽子・平成

0 件のコメント:

コメントを投稿