2022年2月8日火曜日

題「温泉」

下萌や抑圧からのリバウンド
遅すぎることはなし春の啄木鳥(きつつき)
春月夜愛はすべてを凌駕せん
火傷負わせた椅子を眺めん余寒
春寒し腰が背中がづきづきと

NHK短歌 題「温泉」
選者 田村元 ゲスト 酒井一圭 
司会 星野真里 レギュラー カン・ハンナ

冒頭の短歌
四たび受けやつと受かりし試験あり湯気にかくれてひとり涙す
田村 元

今回のお気に入り
四回もお湯に浸かって見送りの仲居さんらの顔がぼやける
北海道札幌市   武者圭司
にごり湯は魔女の大鍋わたしたちより良いものになれますように
埼玉県鴻巣市   一戸詩帆
お面つけ歩く父から五歩離れ文句いう母草津温泉
埼玉県越谷市   高木寛子
月あかり岩に投げ出す足の指母子で似てると湯船で笑う
鳥取県琴浦町   中本久美子
見ず知らずの人から借りた髪留めを返しそびれる湯けむりの中
鹿児島県奄美市   溝口のぞみ

熱血!短歌ノック!
「おんせん」は浴槽の色をかえる粉今日は娘と草津へとゆく
星野真里
添削
「おんせん」は湯船に色を添える粉今日は娘と草津へとゆく

新潟の露天風呂へと突き進む無音の雪を見続ける夜
カン・ハンナ
添削
新潟の露天風呂へと降り注ぐ無音の雪を見続ける夜

酒井一圭さんが出された題「決心」
雪間からのぞく桃色シクラメン私の終わりは私が決める
星野真里
添削
桃色が雪間にのぞくシクラメン私の終わりは私が決める

この道を選んだことに後悔はないはず千切れの雲が漂う
カン・ハンナ
添削
この道を選んだことに後悔はないはず千切れた雲が漂う

選者の話 歌人、この一軒
同宿の人の乾したる薬草にこころ引かれぬ気の病して
与謝野晶子

短歌 あなたならどうする?
四万川はしぶきを立てて流れゆく◯◯◯◯◯◯◯△△△△△△△

四万川はしぶきを立てて流れゆく春も徐々に近づいている
カン・ハンナ

四万川はしぶきを立てて流れゆくキミと見たいな青き甌穴(おうけつ)
酒井一圭
(「甌穴」=水流と小石などとの浸食で数万年もの歳月をかけて川底にできる円形上の穴。)

四万川はしぶきを立てて流れゆく見下ろす我らの揃いの浴衣
星野真里

四万川はしぶきを立てて流れゆく谷底でさらに 碧(あを)を濃くして
田村 元

0 件のコメント:

コメントを投稿