2022年2月5日土曜日

最終電車の表示で一句

冬の梅心閉ざして言葉をも
木蓮や別れに凛と咲き誇り
朧夜を天に召されん午後八時
春寒し粥を最後の食となす
花菫最期の言葉は愛息へ

プレバト纏め 2022年2月3日
最終電車の表示で一句

永世名人への道
千原ジュニア
春の駅白杖の傷夥(おびたた)し
(各々の言葉が持つ質量のバランスが素晴らしい。
言葉の明暗を見事に操作している。
春は別れと出会いの季節。駅は別れと出会いの場所。
絶妙のバランス。)

特待生昇格試験
皆藤愛子
悴(かじか)める手のひらを刺す乗車券
(季語を活かした工夫。展開が上手い。
悴むは冬の季語。寒さで手足が凍えて思うように動かなくなる。
皮膚感の季語。読んだ人は同じ体験が共有できる。)

馬場典子
春遅々として渋谷駅はダンジョン
添削
(ダンジョンとは地下牢のこと。RPGなどで迷路のような空間。
対句表現にするともっと良い。内容に合った調べ。)
渋谷駅ダンジョン春遅々として

1位 渡辺満里奈
しんとした駅前横切る孕猫(はらみねこ)
添削(中八がモタモタし過ぎてリズムが悪い)
しんとした駅前よぎる孕猫

2位 笑い飯 哲夫
寒月や終電灯火跳ねた粒
添削
寒月終電LEDのひかりの粒

3位 安藤美姫
線路ゆき決する心余寒かな
添削
余寒なる鉄路一本意を決す

4位 柏木由紀
冴返るとんぼ返りの胸中よ
添削
公演のとんぼ返りや冴返る
公演のとんぼ返りや駅余寒

今回の千原ジュニアさん、皆藤愛子さん、
馬場典子さんの素晴らしかったこと…。
句作への刺激となりました。
ありがとうございました。

次回のお題は「宅急便」

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