2022年2月28日月曜日

兼題「風車」と書道Ⅰ

山椿揺蕩う太陽の光
いとあおさ移ろいやすき光受け
移り気な憂いを秘めた春の鳥
山笑う通り過ぎたる前線よ
のどやかや陽射しと犬と一休み

NHK俳句 兼題「風車」
選者 櫂未知子 司会 塚地武雅 部員 田中要次

宿題
塚地武雅 
風車早く回りて桜色
靴下の跡残りたる余寒かな
(薄氷はうすらい、うすごおりと読む。
 動詞と動詞を繋げてはいけない。結び光るに変える。)

田中要次
ちぐらより猫が出て来ぬ余寒かな
風車持った拍子に止まりけり
(見届けぬ 下二段活用なのでけりは使えない。)

いとうまい子
風車恋も仕事も空回り
オレンジの灯下でケンカ猫の恋
(猫の恋はケンカのことなのでケンカは不要。)
煌々と外灯照らす猫の恋

今回のお気に入り
恋多き子のよく回る風車   生野浩久
産砂(うぶすな)の風に応へる風車   三島正夫
風車影も誘ひて回りけり   山本耕一
雲ひとつ厩舎(きゅうしゃ)を過ぎて風車   笹原ほろろ

俳句、二歩目へ オノマトペ(擬態語・擬声語)
例句
づかづかと来て踊子にささやけり   高野素十
鳥わたるこきこきこきと罐(かん)切れば   秋元不死男
ありふれたオノマトペは使わない

俳句ドリル 2月の課題
○○○○〇□□□□□けり石鹸玉
一心に吹きにけり石鹸玉   塚地武雅
添削
いっしんに吹きにけり石鹸玉

ゆつくりと遠く消えけり石鹸玉   田中要次
添削
ゆつくりと遠くなりけり石鹸玉

軒下を浮き沈みけり石鹸玉   マネージャー
添削
軒下をただよひにけり石鹸玉 

■書道Ⅰ(NHK高校講座)より
自分の書を創造する -創作-
古典を生かす
 古典の書体や書風を参考にする
 篆書(てんしょ)・隷書(れいしょ)・草書・行書・楷書

書の構成
 作品の大きさや形式
 文字の配置と余白
 全体の構成などを工夫

印を押す -落款-
 落款とは署名して印を押すこと
 作品の完成と作者を証明する

2022年2月27日日曜日

3回目ワクチン接種と春めけり

のどか墨重なり合ひて響き合い
引き算の美学墨象うららけし
墨にじむ水はその後長閑なり
春の夢生きた描いた貫いた
表現の自由と誹謗中傷春思

夏井いつき俳句チャンネル より
【春めけり】この句に間違った文法はありますか?

故郷につながるこころ春めけり   村越化石

春めけり⇨春めきけり 
過去の助動詞を三大切れ字を使い詠嘆の意味を持たせる
過去の助動詞だとしたら「春めけり」ではなく
「春めきけり」になるのでは?という質問。

助動詞にかかる動詞の接続は決まっている。

活用の仕方 音便 
基本の形     春めく
語幹(変化しない) 
未然ず(ない)   か
連用たり(て)   き
終止。      く
連帯こと とき  く
巳然ども(ば)   け
命令!      け

か行の4つの音を使っているので
「四段活用」と言います。
過去の助動詞「けり」は
連用形の接続なので「き」が正しい。

過去の助動詞「けり」ではないのです。
「春めけ」「り」に別れるのです。
分解の仕方が間違っていた。
「り」という助動詞は
四段活用の巳然形に接続するという約束がある。
なので村越化石は間違っていないのです。

ここからまた新たな展開があるそうです…。

夕月やしっかりするとくたびれる   池田澄子

昨日3回目のコロナワクチン接種をしてきました!
今回もファイザー。
副反応は今のところ腕が少し痛いだけ…。
またまた、抗体はできていないような…。
あな悲し…。

2022年2月26日土曜日

フードコートで一句

春の闇振り返れば一本の線
春はあけぼの資本主義の消した夢
人生は諸刃の剣春愁う
ひふみよに込めた思いや春の風
功徳積み煩悩消しておぼろ月

プレバト纏め 2022年2月24日
フードコートで一句

永世名人東国原のお手本!
東国原英夫
蝶は測るフードコートの奥行を
(「蝶は測る」「は」の強調が効いている。
 「を」という助詞で余韻が表現されている。
 永世名人の新たな作風に拍手。
 読者の血が浄化されていくような句と評価されました。)

永世名人への道
藤本敏史
イーゼルに凭(もた)るるメニュー春浅し
添削(「凭れる)の意味 ①人や物に自分の重さをあずける。
   ②胃がもたれる③誰かに依存する 
   というマイナスの語感を持っているので、
   ここで使うのは損である。)
イーゼルに立てかけ春のメニューたち

特待生昇格試験
北山宏光
牡丹の芽 木漏れ日と ジェラートの赤
添削(詰め込み過ぎを指摘したのは東国原英夫氏)
ジェラートの赤と牡丹の芽の赤と

1位 亜生
春夕焼ラーメン一つに箸二つ
(映像が浮かんでくる。季語を主役に立てている。
 想像させるだけの余白を持っている。)

2位 和田アキ子
春眠しフードコートの生中継
(二つの意味が読み取れる。)

3位 矢吹奈子(HKT48)
転校で友とたこ焼き春の虹
添削(「で」は諸悪の根源。季語「春の虹」は太陽の光が
   弱いころの虹であり、淡くはかない感 じがある。)
友とたこ焼き転校の日の春の虹
友とたこ焼き転校近き春の虹

4位 ハリー杉山
鳴り止まぬ真昼のベルは猫の恋
添削(表現したい内容と書かれた文字面の間に溝がある。)
恋猫めくフードコートの止まぬベル

次回のお題は「おもちゃ屋さんの雛人形」

2022年2月25日金曜日

渡辺和子とスマナサーラとサッチャーの言葉

墨の魔術師篠田桃紅春の筆
春の月墨と闘い遊びをり
墨象(ぼくしょう)に秘めた人生春の雷
風光る色と形の奥深さ
春の風孤独の影を従えて

渡辺和子 曰く
「ほほえむことを忘れた人たちに、
 ほほえみを惜しまずに与えましょう。
 『あなたは1人ぼっちでない』というメッセージを
 発信し続けましょう。
 ほほえみには、マジックのような力があります。
 与えられた人を豊かにしながら、与える人は何も失わない
 それがほほえみなのです。」

アルボムッレ・スマナサーラ 曰く
「人生には
 ひとつのことに成功したとか失敗したとか
 言っている暇はないのですよ。」

マーガレット・サッチャー 曰く
「強者を弱くすることによって、
 弱者を強くすることはできない。」

2022年2月24日木曜日

霾とマルコムXの言葉

(大杉栄の恋)美は乱調にあり龍天に昇る
(コロナ患者への)砂嵐一方的な視線あり
春疾風(はやて)ケア労働の価値軽視
(コロナ禍)亀鳴くや見えないことが透けて見え
薄氷(うすらい)よ性暴力よ戦争よ

一分季語ウンチク 「霾(つちふる)」
ジャンル 天文・三春

霾とは「黄砂」を意味する言葉です。
大体日本には春頃になると黄砂が飛来してきます。
その時には空が何となく黄色くかかって
目が痒くなったりする方もいらっしゃいます。
黄砂、霾など、いろんな言い方があるのですが
その黄砂によって黄色く曇った様のことを
「霾(よな)ぐもり」なんていう言い方もしています。
その他様々な傍題があります。
黄砂、黄塵万丈(こうじんばんじょう)、霾(ばい)、
蒙古風(もうこかぜ)、霾天(ばいてん)、霾風(ばいふう)、
つちかぜ、よなぼこり等々、様々な異名があります。
苦しめられる「霾」ですが、句材として
一句試してみてはいかがでしょうか?

マルコムX 曰く
「もし君を批判するものがいないなら  
 君は恐らく成功しないだろう。」

2022年2月23日水曜日

促音便とトーベ・ヤンソンの言葉

春の霰(あられ)生涯アナキストなり
春月夜他人の気概を纏い生き
春潮よ奴隷のままの人生よ
淡雪や違和感持ちて闘いて
春まけて生の拡充疎外せず

夏井いつき俳句チャンネル より
【音便シリーズ】「促音便」を使って句を力強くしてみましょう

翅(はね)わつてんたう虫の飛びいづる   高野素十
が連用

基本の形    わる
語幹(変化しない)わ
未然ず(ない)  ら
連用たり(て)  り
終止。     る
連帯こと とき る
巳然ども(ば)  れ
命令!     れ

促音便
タ行 チ     打ちて⇨打って
ハ行 ヒ ⇨ッ  吸って⇨吸いて
ラ行 リ

音便を発生させない場合⇨格調高い感じになる

何が正しいというのではなく作者の意図として
どちらを選ぶかは作品の内容によって
作者が判断して選ばないといけない。

花菜漬買て明るき傘ひらく
「ひ」は「う」「っ」選択肢は3つある。
「ひ」歴史的仮名遣いで格調高い印象
「う」ウ音便、柔らかく時に優雅な印象
「っ」促音便、勢いがあり、力強い印象

トーベ・ヤンソン 曰く
「初恋は、これが最後の恋だと思うし、
 最後の恋は、これこそ初恋だと思うもの。」

2022年2月22日火曜日

題「駅」

鳴りやまぬ死を悼む鐘春茜
作られたフレームワーク半仙戯
失った味覚と不信春まけて
早春や想像力を解き放ち
春光や勝利は謳歌するものへ

NHK短歌 題「駅」
選者 大森静佳 ゲスト 坂口涼太郎 司会 有森也実

冒頭の短歌
冬の駅ひとりになれば耳の奥に硝子の駒を置く場所がある
大森静佳

坂口涼太郎さんに贈る歌
透明なペダルで坂をのぼりゆくいつか涼しい虹に逢うため
大森静佳

大森静佳さんに贈る歌
佳麗なる静寂だったこの森を燃やす大木だけが知る夜
坂口涼太郎
松村正直さんの歌集の表紙を撫でながら一句
真夜中の背中をなでてゆく指ががたんごとんと駅へと向かう
坂口涼太郎

今回のお気に入りの短歌
二十五階の女子トイレから見下ろした東京駅は眠らない川
神奈川県川崎市 だいだい
売店の親父が奥へ引っ込んで改札口にぬっと顔出す
岐阜県岐阜市 六厩(むまい)めれう
最初から無人駅なら静けさも寂しさだとは思わないのに
兵庫県新温泉町 田中佳

今読みたい愛の歌
いつもより一分早く駅に着く一分君のこと考える
俵万智

ポイントで改作 テーマ「出会いの瞬間を描こう」
元歌
改札に向かえば笑みの友ふたりそれぞれの風まといて立てり

改作ポイント①主役を引き立たせよう
改札の向こうに笑みの友ふたりそれぞれの風まといて立てり
有森也実

それぞれの風をまとって笑ってる親友たちが待つ改札へ
坂口涼太郎

改札にふたりの友は立ちておりそれぞれの風まといて笑う
大森静佳(改作)
ポイントの解説
表情を主役にする
ふたりが「笑う」姿を最後に描き優しさやうれしさを出す

改作ポイント②風を想像してよう
南風、親分風それぞれにまといて友ら改札に笑む
有森也実

ちょけた風せからしい風それぞれにまといて友ら改札に笑む
坂口涼太郎

青い風、みずいろの風それぞれにまといて友ら改札に笑む
大森静佳(改作)
ポイントの解説
友の個性を際立たせる
それぞれの風が印象に残るよう描く

今日のメッセージ
出会いの瞬間を描くには、見せたいものをくっきりさせよう

2022年2月21日月曜日

兼題「涅槃」と原油相場

陽炎(かげろう)燃ゆる現実からの逃避
陽炎や眠り続けるための目覚め
陽炎や現実見ろとことさらに
春闘や新しきコミュニズムへと
春融や意識の流れ認(したた)めん

マーケットアナライズ より
原油相場の見方(弱気論者の意見)
強気(ブル)派が支配する今の原油市場
弱気(べア)派:シティグループのエド・モース氏
2022年12月限のショートを推奨
2008年と2014年の原油急落を的中させた御年80歳の大御所。
モース氏の読み。
年前半は需給逼迫するも後半にはゆるみ
しかも緩和した需給はその後15~18か月継続する。
増産予備軍:opec+・米シェール・カナダ・フランスなど
油価高騰の間には現金収入の欲しいロシアも増産を望む
核合意次第ではイランも増産にかじを切る
一方で金利上昇で経済がスローダウンし石油需要は落ちる
予想値:2022年平均65ドル、2025年51ドル

NHK俳句 兼題「涅槃」
選者 岸本尚毅 ゲスト にたりひょん吉 司会 中田喜子

冒頭の俳句
面白くかなしく遠く涅槃かな    岸本尚毅

ゲストのにたりひょん吉さんは
ブラック川柳ネタ「塀の中の川柳教室」が人気。

「番長と視線が合って殴られる」
添削
「番長と交えた視線腫れた頬」

テーマ「俳句と想像力」
例句
近海に鯛睦み居る涅槃像   永田耕衣

今回のお気に入り
枝の身を野に日と遊ぶ涅槃かな   鶴田幸男
共に泣く安らぎあらむ涅槃絵図   中原雅子
掌に馴染む寝釈迦の木目かな   小林博子
借景に叡山仰ぐ涅槃寺   村上修二

岸本教官の添削道場
吹抜の二階に愛(め)づる涅槃絵図(投稿句)
添削
吹抜のその二階より涅槃絵図

涅槃会の唱和ひかりを呼び込みて   中田喜子
添削
涅槃会のひかりの如く唱和かな

涅槃図や覆水盆に返らざり   にたりひょん吉
添削(「返らざり」には「けり」などが付くのが普通。
「返らざり」はあまり熟した言葉ではない。)
覆水の盆に返らぬ涅槃かな

2022年2月20日日曜日

撥音便

春月夜跋扈するマイナス思考
悪意なき嘘はびこりて春愁う
春闘や始末に始末重ねても
コロナ禍の警告音や冴返る
コロナ禍を資本主義へと寒き春

夏井いつき俳句チャンネル より
【音便シリーズ】第三回
撥音便(はつおんびん)を使えば、句の「歯切れ」が良くなる!

雪国に子を生んでこの深まなざし   森澄雄
「生んで」というところが撥音です。ん

基本の形 生む
語幹   生う
未然   生まず 生まない
連用   生みたり 
終止   生む
連体   生むこと 生むとき
巳然   生めども 生めば
命令   生め

「生んで」は連用形の変化となっている。
本来は「生みて」となる。
(体でこの違いを感じることが大切。)

撥音便にはナ行 二 バ行 ビ マ行 ミ
     ⇨ン となる。

「死ぬ」は「死て」と変化する。
撥音便を発生させると「死んで」となる。
「呼びて」⇨「呼んで」
「踏みて」⇨「踏んで」
これが撥音便の特徴です。
撥音便は歯切れよく活発。

2022年2月19日土曜日

宅配便で一句

春の山巨樹を守りて祠置く
巨樹の根の重なり合いて水温む
枝を張り村を見つめん春浅し
残る寒さ巨樹とともに生くる村
春まけて変化を遂げて永らえん

プレバト纏め 2022年2月17日
宅配便で一句

永世名人東国原英夫のお手本
東国原英夫
インターホンに春光の顔半分
添削(季語「春光」の本来の意味は春の風景、風光を表す。)
顔半分占め春光のインタホン

永世名人への道
千原ジュニア
不登校児に届く卒業証書
添削(詩心がない。素っ気なさ過ぎる。)
不登校児宛に卒業証書の筒

特待生昇格試験
篠田麻里子
祖母のもの日付指定の春ショール
添削(言葉の選択)
今日届く祖母の形見の春ショール

1位 二階堂高嗣
春の虹10周年の腕時計
(春の虹とは淡くて消えやすい。
 型の力と季語の力で俳句にしてくれる。)

2位 あんり(ぼる塾)
風光る劇場ファンから似顔絵
添削(語順のミス。構造の問題。)
ファンから似顔絵風光る劇場

3位 みちょぱ
インターホン残る寒さで背を屈め
添削(散文的。私的情景に乏しい。)
インターホン残る寒さ屈める背』
インターホンに応え余屈める背

4位 相田翔子
早春の朝寝間着恥ぢらひ捺すはんこ
添削(「恥ぢらひ」は不要。読み手に残すべきもの。)
早春の朝や寝間着で捺す判子
朝や春寝間着のままの受領印

次回のお題は「フードコート」

2022年2月18日金曜日

春動く

春の雨清濁持ちて笑顔かな
朧月叶わぬ孤悲(こい)と知りつつも
冬椿あまたの雨と散り行かん
眉山から望む百名月おぼろ
春満月と両国橋の寒桜

一分季語ウンチク「春動く」

「時候初春」の時候の季語となっています。
歳時記をひくと「春動く」というのは傍題であり
メインとなっている季語は
「春めく」として掲載されています。
春になりだんだん春らしくなる
それを更に具体的にというか
その春がやって来る気配みたいなものを
より「動く」と、具体的な動詞をそえて語っている
そんな季語です。
「春めく」というと雰囲気によりますが
「春動く」というと
木の葉のちょっとした動きであったり
虫が顔を出しはじめるかもしれないとか
そんな物の姿が想像できます。

2022年2月17日木曜日

一人の時間

障子からほのかな光春の居よ
春のお点前心通わせ膝合わせ
径(みち)を掃き友を迎えん春の朝  
淡々と友を待ちわぶ匂草(においぐさ)
径掃きて香菫(においすみれ)の佇まん

夏井いつき俳句チャンネル より
【人生相談】恋人に「1人の時間が欲しい」と言われた。
私は嫌われていますか?

人それぞれ書を読んでゐる良夜かな   山口青邨

同じ広い空間の中でそれぞれ別のことをしている
その時間をそれぞれが大事にする
そういう人間関係の時間はあっても良いのでは?
それを尊重した上で付き合っていく恋人
あるいは結婚っていうのが案外、持続可能な
SDGsな恋ではないか?愛ではないか?
と、組長!
私もまったく同感です!

2022年2月16日水曜日

題「ボール」

春の月市中の山居空狭し
中潜(くぐ)り梅の香聞くや迎えつけ
春の朝庭屋一如(ていおくいちにょ)身を置きて
梅見門春をくぐりて不審庵(ふしんあん)
身をかがめ春の光へにじり口 

NHK短歌 題「ボール」
選者 佐佐木頼綱 ゲスト 本並健治 
レギュラー カン・ハンナ 司会 星野真里

冒頭の短歌
ジーターを追ひ詰めてゆく変化球(オキドキ)の震へ(ふるえ)を握りしめる手のひら
佐佐木頼綱

今回のお気に入り
(会いたい)をボールのように弾ませてこの坂道は立ち漕ぎでゆく
千葉県千葉市 小金森まき
父よりも速きボールを投げて子は明日中学へ進学をする
新潟県村上市 鈴木正芳
ラグビーもあれでボールというのだしこの水滴も雪なんだろう
奈良県奈良市 竹上言ふと
手の中のボールを軽くもてなして自由な空に挑む一球
広島県広島市 羽城裕子
転がったボールを受ける少年の瞳に映るやわらかい風
佐賀県唐津市 十音

選者のお話 スポーツと日常
伸びてくるボールに走れ車いす漕ぐ手が滑る心が滑る
岩崎満男

頼綱さんの!短歌かかって来なさい!

本並健治氏の言葉
「ミスは誰でもすること。ミスしても引きずらない。
 ミスを恐れずどんどんチャレンジしなさい。
 ボールは師匠。」

腎臓がザリザリ声を上げるともかき抱くボール風がまつわる
佐佐木頼綱
(本並健司氏は「かき抱く」がお気に召されていたようでした。)

ペナルティエリア飛び出しGK(キーパー)はミスを恐れずボールに向かう
カン・ハンナ&星野真里
添削 GK(キーパー)は本並と入れたほうが良かったのでは…?と佐佐木頼綱氏

2022年2月15日火曜日

兼題「絵踏」

春の風飲み干し浮かぶ十文字
求めあい共に歩まん風光る
春望や隙間がゆとり生み出さん
春日向出来損ないの集まりて
春浅しスクラム組みていざ行かん

NHK俳句 兼題「絵踏」
選者 阪西敦子 ゲスト イッセー尾形 司会 中川緑

冒頭の俳句
絵踏する女こつちを見てをりぬ   阪西敦子

季題あるがまま 絵踏

「絵踏」の俳句
荒海や佐渡によこたふ天の河   松尾芭蕉
旅に病で夢は枯野をかけ廻る   松尾芭蕉

泥濘(ぬかるみ)や絵踏のマリア空を見る   イッセー尾形
冒頭では「ぬかるみ」とルビが打たれていたのですが
最後の説明の時は「でいねい」と記されていました。

映画「沈黙」では絵踏を行う側の井上筑後守を演じた
イッセー尾形氏ならではの視点で詠まれていました。

「絵踏」の例句
踏絵あり埃の如く古(ふ)りにけり   阿波野青畝
太柱の蔭よりいでて踏絵かな   野村喜舟

今週のお気に入り
絵踏してひとりぽつちとなりにけり   菅野公子
絵踏せぬ人かたまれる目をつむる   青木 爽
絵踏せし蹠(あうら)を草の上に置く   木原 登
おりてゆく踏絵の街の光かな   山河重弥
俯きし影が踏絵を覆ひけり   日比野 勝

イッセー尾形氏のお話をうかがっての一句!
夕風やみなに絵踏をさせ終えて   阪西敦子
「馬に乗っている情景が浮かぶ」と、
イッセー尾形氏は大喜びされていました。

2022年2月14日月曜日

ターシャ・テューダーの言葉

アップルの自社株買い春の雹
ビバレッジきかすアップル宵の春
世界的金利上昇春の霜
生き残りかけM&A砂あらし
老後への長期投資や花曇り

ターシャ・テューダー 曰く
「動物にも鳥にも、
 心や感情があることを忘れている人がいるのは、
 悲しいことです。」

「大切なのは、それを成し遂げるという意志です。」

「私が心掛けてきたことは、騒音、ごたごた、
 攻撃的で付き合いにくい人を避けること。
 自分の経済力に見合った生活をすること。
 できるだけ自給自足すること。」

「心は一人ひとり違います。
 その意味では、人はいつも”ひとり”なのよ。」

「人は物事の悪い面ばかりを見ようとするけど、
 それは間違っているわ。
 この美しい世界を楽しまないなんて馬鹿げているわ。」

十八代目中村勘三郎 曰く
「人生の成功とは、
 死ぬときに悔いが残らないこと。」

2022年2月13日日曜日

ゲルニカが来た!

(月岡芳年へ)月百姿主役描かず春の波
満たせども欲望のしみ返る春
春めくや手間を楽しみ数寄凝らし
種蒔くや違ひのありて面白き
下萌や数寄を極めて数寄となす

ゲルニカが来た!ピカソ、戦争、今 より

ゲルニカへの激しい批判
建築家 ル・コルビュジェ

「『ゲルニカ』が見たのは来場者の背中ばかり
 来場者に不快感しか与えなかったからである。」

駐パリ万博バスク代表 エンリク・ウセライ
「それはゲルニカに全てに糞する
 7×3メートルのポルノに過ぎない。」

ピカソは批判に対して何も語りませんでした。
しかし後にパリがナチスに占領された時、
ドイツの大使がアトリエにやって来て
「ゲルニカを描いたのは君か?」
と、ピカソに問い質したと言います。
その時、ピカソはこう答えます。
「それを描いたのはあなただ。」

ピカソは言っています。
「絵は見る人によってはじめて生命を与えられる。
 牛は牛、馬は馬だ。
 鑑賞者は結局見たいように見れば良いのだ。」

「ゲルニカ」は見る人のその時の心の持ち方で
全く違った解釈がなされるように思います。
私は毎回、違った感想を持っています。
その時その時で受け取るものが違うんです。
次回はどんな表現に見えるのは今から楽しみでなりません。

2022年2月12日土曜日

プロフェッショナル 特選五句

水平線に沈む夕日や風光る
インフレへシフト日本の春の景
TOBしてもされても春嵐
半仙戯人出不足へ舵を切る
堂々の価格転嫁や春愁う

夏井いつき俳句チャンネル より
【プロフェッショナルを見て一句】特選五句を紹介します!

夕焼の軸先HOPEは父のにおい   ふるてい
金文字の郵便局のドア小春   仁和田永
踏青や広場に大きなる旗を   池之端モルト
風花きれい結球しきれない言葉   石井一草
冬すみれあらゆる空を愛したい   磐田小(いわたしょう)

「風の強い日の旗は美しい」
組長の人生の指針としておられる言葉。

「自分の頭の中から生まれるものは自分以下でしかない。
俳句って外にあるものに目を向けて外から何かいただくもの。」

「自分の中にあるものは灰色の脳細胞だけ。
外に咲いている小さな冬すみれの紫の方が美しいと思う。」
組長がよく口にしておられる言葉。

2022年2月11日金曜日

春は三つに分かれている

鳥つがうはびこる生体濃縮
アフリカや沈黙の春今もなお
人の道一つに非ず春の色
寄り道が深みとならん春の雨
(平野海祝君へ)風光る口を開けば「おにいちゃん」

一分季語ウンチク より
春は三つに分かれている

日本には四季という四つの季語があります。
その内の一つ春の中でもさらに三つに区切られています。
これをひっくるめて「三春(さんしゅん)」と言います。
春という季節全体を「三春」。
その内の一つ目の区分が「初春」となります。
2月の頭から3月の頭にかけて、そして今度は
3月の頭から始まって4月の頭頃までを「仲春」。
4月の頭から5月の頭くらいまでを「晩春」
というふうに分かれています。
それぞれ季語には区分がついていて
春ならいつでも見られるものだったら「三春」。
桜など春の終わりになって見られるものは「晩春」と
いうような区分となっている訳です。
そういうことも意識しながら
歳時記を見てみると楽しいです。

2022年2月10日木曜日

篠田桃紅の言葉

老いて益々変化好まず春の潮
春の光呟く(下北)ペダル目映(まば)ゆし
アベノマスクの備蓄解消春日和
痛すぎる心にシップ春夜かな
春の闇オミクロンにもステルスが

新美の巨人たち より
シリーズ女の生き様 篠田桃紅「静」

「母というものにもならないし、妻というものにもならないし
 そういう生き方を避けているところが私なんですよ。
 だから私のつくるものは非現実なんですよ。
 非常に儚いものかも…。
 ふわーんと浮いているようなこの世に浮遊物みたいなものかも…。」

「人は結局孤独。一人。人にわかってもらおうなんて
 甘えん坊はダメ。誰にもわかりっこない。」

「女の人が一人で生きていたら、かわいそうだなんてとんでもないわよ。
 日本の男の人って本当に自惚れていると思った。」

「書は創造ではなくアレンジです。」

「例えば三本の縦の線で描く『川』という字を
 四本や五本にしてはいけないんです。
 だけど私は好きな数だけ好きなように書きたいという
 欲求があるから決まりごとの中にはいられなかった。

「引き算の美学」

「孤独というものが私の生きているかたち。すべてです。
 つくったものは私の孤独の影です。」

「日本は老いることが成熟だと思っていない。
 成し遂げて熟していくことが老いることだと私はしたいの。
 価値観をひっくり返したいの。」

「私が描いたものより何も書いていない状態が市場にいい。
 長く生きてあらゆることをした上で悟った。
 何もしない状態が悟るために、人間はあらゆることをする。」

2022年2月9日水曜日

#プロフェッショナルで一句

春の夜や痛みこらえて永らえて
春の月涙も出ない悲しみと
春天や女は凛と前を向き 
おぼろ月男気弱に斜に構え 
春を舞うワリエワの夢崩れ去る

夏井いつき俳句チャンネル より
【プロフェッショナルを見て一句】
寄せられた俳句と番組映像と共に振り返る!

#プロフェッショナルで一句 を紹介

親戚の増える夜あり玉子酒   充子
親戚の手紙七キロ良夜かな   音羽凜
狐火や増える親戚なほ楽し   音羽ナイル

青き踏めマスクを鳩として放て   夏井いつき

青き踏め言の葉すべて詩となるまで   古賀
青き踏む脚九十度あがります   堕天使
離婚超へ俳句を遊べ青き踏め   井納❝バツイチ❞蒼求
懐かしきことごと墓所の揚羽蝶   今野淳風

俳句は結球しないとダメなんだよ   黒田杏子

甘藍や身のうちに詩は結球し   樫の木
詩が生まれる玉巻く甘藍みづみづし   直
俳号で夫呼ぶ暮らし缶ビール   盆太
お疲れ様です綺麗な家(うち)と兼光さん   富山のひろやままん

■武者小路実篤 曰く
「この道より我を生かす道なしこの道を歩く。」

2022年2月8日火曜日

題「温泉」

下萌や抑圧からのリバウンド
遅すぎることはなし春の啄木鳥(きつつき)
春月夜愛はすべてを凌駕せん
火傷負わせた椅子を眺めん余寒
春寒し腰が背中がづきづきと

NHK短歌 題「温泉」
選者 田村元 ゲスト 酒井一圭 
司会 星野真里 レギュラー カン・ハンナ

冒頭の短歌
四たび受けやつと受かりし試験あり湯気にかくれてひとり涙す
田村 元

今回のお気に入り
四回もお湯に浸かって見送りの仲居さんらの顔がぼやける
北海道札幌市   武者圭司
にごり湯は魔女の大鍋わたしたちより良いものになれますように
埼玉県鴻巣市   一戸詩帆
お面つけ歩く父から五歩離れ文句いう母草津温泉
埼玉県越谷市   高木寛子
月あかり岩に投げ出す足の指母子で似てると湯船で笑う
鳥取県琴浦町   中本久美子
見ず知らずの人から借りた髪留めを返しそびれる湯けむりの中
鹿児島県奄美市   溝口のぞみ

熱血!短歌ノック!
「おんせん」は浴槽の色をかえる粉今日は娘と草津へとゆく
星野真里
添削
「おんせん」は湯船に色を添える粉今日は娘と草津へとゆく

新潟の露天風呂へと突き進む無音の雪を見続ける夜
カン・ハンナ
添削
新潟の露天風呂へと降り注ぐ無音の雪を見続ける夜

酒井一圭さんが出された題「決心」
雪間からのぞく桃色シクラメン私の終わりは私が決める
星野真里
添削
桃色が雪間にのぞくシクラメン私の終わりは私が決める

この道を選んだことに後悔はないはず千切れの雲が漂う
カン・ハンナ
添削
この道を選んだことに後悔はないはず千切れた雲が漂う

選者の話 歌人、この一軒
同宿の人の乾したる薬草にこころ引かれぬ気の病して
与謝野晶子

短歌 あなたならどうする?
四万川はしぶきを立てて流れゆく◯◯◯◯◯◯◯△△△△△△△

四万川はしぶきを立てて流れゆく春も徐々に近づいている
カン・ハンナ

四万川はしぶきを立てて流れゆくキミと見たいな青き甌穴(おうけつ)
酒井一圭
(「甌穴」=水流と小石などとの浸食で数万年もの歳月をかけて川底にできる円形上の穴。)

四万川はしぶきを立てて流れゆく見下ろす我らの揃いの浴衣
星野真里

四万川はしぶきを立てて流れゆく谷底でさらに 碧(あを)を濃くして
田村 元

2022年2月7日月曜日

兼題「立春」

(西条)打ち抜きの中の軟水山笑う
止呂峡や青さが違う風光る
冴返る生きた証も残さずに
春めくや繰り返される静と動
(雪舟へ)骨格で勝負勝ち取る春の山

NHK俳句 兼題「立春」
選者 片山由美子 ゲスト いとうせいこう 司会 武井壮

冒頭の俳句
川底に立春の日を返すもの   片山由美子

見直し「俳句の常識」句またがり
句またがりは破調ではなく、五・七・五の中で行われるもの。

句またがりの名句
海暮れて鴨の声ほのかに白し   芭蕉
むさしのの空真青なる落葉かな   水原秋櫻子
山又山山桜又山桜   阿波野青畝
さくら咲きあふれて海へ雄物川   森 澄雄

今回のお気に入り
帆船の飛び出す絵本春来る   猪俣ま悠
立春の雨は光の粒となり   邑松美智子
金色になびくたてがみ春立ちぬ   山田由美子

この句またがり成功していますか?!
淡雪や寄り添ふ巌島の鹿   武井壮

いとうせいこうさんが紹介してくださった俳句
谷に鯉もみ合う夜の歓喜かな   金子兜太

読んで貰う人に想像してもらえる余地がある句でないといけない。
と、いとうせいこうさん。
素晴らしいゲストをお招きくださり最高でした!
また、いとうせいこうさんをお招きくださいますように…。(祈)

2022年2月6日日曜日

第6回お喋り俳句

春霖や闇より光見いださん
(TV番組)編成時またパターン化のんどりと
五十二で妻子を遺し星朧(おぼろ)
花曇マスに寄り添う?媚びを売る?
ブランディング方向音痴へ光風(こうふう)

夏井いつき俳句チャンネル より
【第6回おしゃべり俳句】
『なるほど!』組長をハッとさせた子どもの気付きとは?

麗らかや沢山食べておばあちゃんになるんだね   
ホットミルクパパはじいじにおっきくなる 
けっかんてもちもちしとう冬籠(ふゆごもり)
よしあっち行こう散紅葉

日向ぼこむた~しむた~しあるトトロに 甥っ子3才(FUSIONmit)
「たかはゼントルマンです」山笑う 孫5歳(すみっこ)
「ばぁばはマダムだよ」胡蝶蘭 孫5歳(すみっこ)
星月夜ほしはひろがるのがだいじ 熊の谷のまさるの娘6歳

2022年2月5日土曜日

最終電車の表示で一句

冬の梅心閉ざして言葉をも
木蓮や別れに凛と咲き誇り
朧夜を天に召されん午後八時
春寒し粥を最後の食となす
花菫最期の言葉は愛息へ

プレバト纏め 2022年2月3日
最終電車の表示で一句

永世名人への道
千原ジュニア
春の駅白杖の傷夥(おびたた)し
(各々の言葉が持つ質量のバランスが素晴らしい。
言葉の明暗を見事に操作している。
春は別れと出会いの季節。駅は別れと出会いの場所。
絶妙のバランス。)

特待生昇格試験
皆藤愛子
悴(かじか)める手のひらを刺す乗車券
(季語を活かした工夫。展開が上手い。
悴むは冬の季語。寒さで手足が凍えて思うように動かなくなる。
皮膚感の季語。読んだ人は同じ体験が共有できる。)

馬場典子
春遅々として渋谷駅はダンジョン
添削
(ダンジョンとは地下牢のこと。RPGなどで迷路のような空間。
対句表現にするともっと良い。内容に合った調べ。)
渋谷駅ダンジョン春遅々として

1位 渡辺満里奈
しんとした駅前横切る孕猫(はらみねこ)
添削(中八がモタモタし過ぎてリズムが悪い)
しんとした駅前よぎる孕猫

2位 笑い飯 哲夫
寒月や終電灯火跳ねた粒
添削
寒月終電LEDのひかりの粒

3位 安藤美姫
線路ゆき決する心余寒かな
添削
余寒なる鉄路一本意を決す

4位 柏木由紀
冴返るとんぼ返りの胸中よ
添削
公演のとんぼ返りや冴返る
公演のとんぼ返りや駅余寒

今回の千原ジュニアさん、皆藤愛子さん、
馬場典子さんの素晴らしかったこと…。
句作への刺激となりました。
ありがとうございました。

次回のお題は「宅急便」

2022年2月4日金曜日

田辺昇一と小林正観の言葉

窓ガラス寒紅さして作る笑み
(2022年)窓開けて凍えながらの寒復習(かんざらえ)
国宝による寒弾(かんびき)の糧十七時(日本語であそぼ)
寒の雨窓を叩かん責め立てん
寒蜆(しじみ)薬効ありや湯を注ぐ

田辺昇一 曰く
「人間には『徳の人』と『才の人』とがある。
 徳の人は大将の器。
 才の人は補佐役になるべきです。
 リーダーとして地位が高ければ高いほど
 技量的能力よりも
 徳の方を要求されます。」

小林正観 曰く
『「優しさ」「厳しさ」
 「明るさ」が人格の三要素。
 「人に優しく」
 「自分に厳しく」
 「希望や展望を失わず」
 「寛容」に「謙虚」に「前向き」に。』

2022年2月3日木曜日

トルーマン・カポーティの言葉ときくちつねこの句

インフレ時貯蓄に走る日本冴ゆ
乾風(あなじ)吹くリスク放置や株下落
北颪(おろし)投資価値なきバリュー株
(白井晟一氏に捧ぐ)冬薔薇愛はすべてに勝利する
侘助よこみ上げてくる悲しみよ

トルーマン・カポーティ 曰く
「失敗は、成功を引き立たせるための調味料だ。」

夏井いつき俳句チャンネル
【人生相談】親がボケてきました。
傷つけずに伝える方法はないでしょうか?

そこで一句…。
水澄むやあめんぼうにもある晩年   きくちつねこ
(「水澄む」「あめんぼう」季重なりの一句。)

親にそのようなことは伝えなくてよい。と組長。
どんなに言葉を選んでも傷つきます。
伝えない形で親が心地よく幸せに穏やかに
暮らしていけるよう日常を維持してあげること
それが子供としてのささやかな愛情ではないでしょうか?
誰でも通って行く道なのだから…。
改善方法
1.一緒にプレバト!を見る
2.俳句を一緒に作ってみる

2022年2月2日水曜日

題「キッチン」

冬の鳥屋根にとどまりおどおどと
冬陽浴ぶ人は言葉に生かされん
寒の雨儚き命もてあそぶ
羽休む挙動不審の目の花鶏(あとり)
冬三日月へHope HE will be

NHK短歌 題「キッチン」
選者 佐伯裕子 司会 小沢一敬 ゲスト 井戸田潤

冒頭句
泡立てる鱗の雲にひつじ雲メレンゲはボウルをはみだしてゆく
佐伯裕子

空き缶の日々たまりゆくキッチンにきのう諍いきょう抱かるる
河野小百合

ポイント① 風景に思いを託す
仄暗いキッチンの奥でガラガラゴン夜中3時に生まれた氷
井戸田潤
添削
仄暗いキッチンの奥でガラガラゴン未明3時に生まれた氷

正月の料理は僕に任せろと父母姉らを居間に待たせて
小沢一敬
添削
正月の料理は僕に任せろと大鍋を出す母を待たせて

今回のお気に入り俳句
デスメタルひとり聴きつつキッチンで鯵のはらわた掻き出だすなり
東京都足立区 鏡綾子
1DKあなたが居ないキッチンは乾き切るまであとわずかです
石川県金沢市 竹内一二

ポイント② 羅列
いつの間に頂いたのかかける辣油食べる辣油辛くない辣油
井戸田潤
いつの間に集まったのかかける辣油食べる辣油に辛くない辣油

煮込まれる野菜の前に陣を取りドグラマグラや阿Q正伝
小沢一敬
添削
煮込まれる野菜の前に陣取ってドグラマグラや阿Q正伝

引越しで取っ手の取れる鍋達の取っ手をなくして取っ手だけ買う
井戸田潤
引越しで取っ手の外せる鍋達の取っ手をなくし(て)取っ手だけ買う

冬キャンプ火種のそばに集まって牛豚野菜と酒で暖とる
小沢一敬
添削
冬キャンプのそばに集まって牛豚タマネギ酒で温もる

2022年2月1日火曜日

椿五句

潔く命落とさん冬椿
床の間に一枝置きて寒椿
椿落つ音が聞こえてまた一つ
仄暗き苔へ椿の花ふたつ
椿落つ空に背を向けうつむいて

初めて句会のお誘いを受けたので
時間もないのに参加しようとしたら…。
大失態をやってしまいました。
兼題を間違えて投稿!
四句目投稿し終わった時に気付きました。(遅っ!)
主催者様!申し訳ございませんでした。
やはり、時間に余裕のない者は
参加すべきでないと痛感致しました。
でも「椿」の句が五句詠めました。
残しておきます…。