通り雨めく恋に憧れ秋を舞う
信頼も覚悟もなしの夜長かな
やまじ風生暖かく頬に髪
園児よりでっかくなったコスモスよ
コスモスや園児隠してゆらゆらと
NHK俳句 兼題「夜長」
選者 片山由美子 ゲスト 平田俊子 司会 武井壮
冒頭句
長き夜をひとりのために使ひけり 片山由美子
平田俊子女史の朗読
「音信不通」
何か怒ってるの ?
それとも病気
または旅行中
ひょっとして監獄
もしや手足を縛られている
電話が故障ということもある
のんびりお風呂に入っているか
眠りっぱなしということも
でなけりゃ
わたしのことなんて
とっくに忘れたのだろう
でも
そもそも誰かいたのだろうか
内緒でこの世に棲んでるわたしに
電話をかけてくる人が
いるとすればおかあさん
あるいは大家さん
もしくは探偵
ひょっとしていたずら
または何かのセールスの人
それとも
遠い日の自分
機織や古き旅館の乱れ箱 平田俊子
(機織=はたおり。キリギリスの別名。)
見直し「俳句の常識」今回のテーマは「助詞」
「も」の効果的な使い方
文月や六日も常の夜には似ず 芭蕉
片岡由美子先生の説明
この句は七夕一夜前の日を詠んでいます。
本来は七夕の7月7日が特別な日です。
前日から普段とは違う気分になっているという句。
「六日は常の夜には似ず」であったら、
原句のような味わいは失われてしまっていた。
「も」が曲者。微妙な表現を醸し出している。
露草も露のちからの花ひらく 飯田龍太
片岡由美子先生の説明
この句は、「露草は露のちからの花ひらく」と詠める。
「は」では表せないものを表現している。
「も」を使い曖昧にすることで
小さな露草の花でさえもと言ったものまで表現。
「は」では表し切れないものを「も」で表現した。
×店先の和菓子の色の春めきぬ
店先の和菓子の色も春めきぬ
×長梅雨や櫛の通りもままならず
長梅雨や櫛の通りのままならず
×秋天へ声の揃ひて木遣歌(きやりうた)
秋天へ声を揃へて木遣歌
今週のお気に入り
長き夜や目覚むる度に雨の音 福島県白河市 佐藤和子
百年の記憶をたどる夜長かな 静岡県富士宮市 後藤勝子(99歳)
亡き母を語れば長き夜となりぬ 兵庫県たつの市 田口早百合
武井壮さんの常識破りの句
黒葡萄黒きを選(よ)りて掌に 武井壮
(「を」が効果的。画数の漢字が多くて
その重さが葡萄の重さをも表現している。)
選ばれた句は後藤勝子さん以外の句は
連想類句のように感じました。
あまり連想類句に目くじらは立てなくて良いのでは…。
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