2021年10月10日日曜日

文法と解釈「ぬ」

降(くだ)り月強く握らん掌(たなごころ)
後ろから強く抱かれ星月夜
身に入むや何でもありの人生か
秋の声見て見ぬ振りな大人かな
ドーパミン多き人に振り回されて(無季句)

夏井いつき俳句チャンネル より
【文法と解釈】「サタン離れぬ」の解釈について考えましょう

われにつきゐしサタン離れぬ曼殊沙華   杉田久女
サタンが離れました?離れません?
どちらに受け取るかが「ぬ」を
どう解釈するかによって分かれてくるのです。
何をヒントに解釈したらよいのでしょうか?
「ぬ」がポイントになってきます。
パターンA:完了の助動詞「ぬ」の終止形
パターンB:打消の助動詞「ず」の連体形「ぬ」
次に名詞・体言が来る
パターンB´:口語の打消の連体形「ぬ」
文語で揃えるBは文語・口語が共存するB´

中七の部分が口語としてのつぶやき
パターンC:口語の打消の終止形「ぬ」
この弱点は「つきゐし」という文語の形との整合性
文語・口語が同居してしまう
「し」は過去の助動詞「き」の連体形

一句の中に文語と口語が混在するのは許容される範囲
歴史的仮名遣いと現代仮名遣いが混在するのは駄目。

ABCの3つの解釈の中、皆さんはどれを選びますか?
「離れました」「離れません」をまず考えましょう。

一応、私は「離れない」を選択しました。
しか~し、私には難し過ぎました。

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