引き寄せられる事実は一つ秋の風
固きものぶつかり合って秋の暮
あるがまま流れのままに椋鳥死す
エモーショナルな空間を作り出す秋
秋気澄むいかに生きるか問うてみる
ギュッと!四国 2021年10月9日
https://www.nhk.or.jp/matsuyama-blog/gyutto/haiku/ より
兼題「鹿」
「鹿」の交尾期は8月から10月頃まで。
牡鹿(おじか)が、牝鹿(めじか)を「ピュー」と呼ぶ
高い声が哀切(あいせつ)で、「妻恋う鹿」という傍題もある。
花札でも紅葉と配されているが
牝鹿(めじか)を恋う声を愛でて「秋の季語」とされている。
季語「鹿」の傍題は、「牡鹿」「牝鹿」「鹿の声」
「鹿鳴く」「妻恋う鹿」「鹿の妻」
「夜の鹿」「しし」「かのしし」「神鹿」など。
選句ポイント
「鹿」らしい特徴を観察&描写
ギュッと!特選
群れ鹿の眼(まなこ)あまさず吾を見たり 深山むらさき
(鹿の群れを観察しての「一物仕立て」
鹿たちの様子を「眼あまさず」と描写した点が秀逸。)
放送でご紹介した「秀作」
ぽぷぷぷと糞する鹿と目が合(お)うて いさな歌鈴
曉の霊気ふるはす神の鹿 佐川碧
せんべいをせがみし鹿の息荒し たむらせつこ
ぐずぐずと鹿引き返す谷の淵(ふち) 吉野川
放送でご紹介した「佳作」
光る眼(め)を上下させつつ鹿寄り来(く) じゅん
山道は渋滞鹿の仁王立ち まるこ
曲がり角光る鹿の目クラクション 大薮ハナミズキ
宝殿に鹿の出迎え人まばら ハナショウブ
私のお気に入り
倒木や薄き光を浴ぶる鹿 いたまきし
寺の影もあり鹿の影もあり まるかじり
微熱めく鼻突き出して鹿の声 花紋
夕さりや神社の杜に鹿の鳴く じょいふるとしちゃん
縄文より人は何代鹿の声 久留里61
後ろより近づいてくる鹿の息 紗千子
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