直心(じきしん)の交わりあらん冬の露地
絞竹(しぼちく)の花入を活く冬芽かな
虎斑竹(とらふだけ)茶杓(ちゃしゃく)となりて二畳かな
冬の小間和紙と漆の棗(なつめ)かな
冬の草利休の目指す心とは
■あの本、読みました?
池上彰が語る「ダ・ビンチ・コード」ダン・ブラウンの魅力
池上彰 越前敏弥 鈴木保奈美 山本倖千恵 林祐輔P
8年ぶりの新作「シークレット・オブ・シークレッツ」
ダン・ブラウンと対談した印象
デビューから全作を翻訳
ラングドンシリーズ
一作目「天使と悪魔」イタリアローマ
二作目「ダ・ビンチ・コード」フランスパリ
三作目「ロスト・シンボル」アメリカワシントンD.C.
四作目「インフェルノ」イタリアフィレンツェ
五作目「オリジン」スペインビリバオ
六作目「シークレット・オブ・シークレッツ」プラハ
ラングドンシリーズの魅力
今回もやられました…
初めてのラブストーリーの要素
主人公ラングドンの魅力
①
物語の舞台
②
作品のテーマ
③
翻訳者から見た今作
「天使と悪魔」に思い入れが?
「天使と悪魔」を持ってローマへ
「天使と悪魔上」の一文 ダン・ブラウン著 越前敏弥訳/角川文庫
空から見るローマは迷宮だ。建造物や噴水や廃墟のあいだを
縫って走る古代の道路が、解きほぐせないほど複雑にからみ合っている。
ヘリコプターは低空飛行をつづけながら、下界の雑踏が吐き出す
よどんだスモッグの層を裂いて北西へ進んだ。
ラングドンはあちらこちらのロータリーにうごめく原付自転車や
観光バス、フィアットの小型セダンの群れに目をやった。
コヤシスカッティ。ラングドンは“均衡を去った世界”を意味する
ホピ族のことばを思い出した。
観光名所が舞台
「シークレット・オブ・シークレッツ上」の一文
ダン・ブラウン著 越前敏弥訳/KADOKAWA
プラハの街には昔から魅了される。ここでは時が止まっている。
ほかのヨーロッパの都市に比べて、第二次世界大戦による被害が
ずっと小さかったので、このボヘミアの歴史的首都はいまでも
古くからの建物がきらめくみごとな輪郭を誇っているー
ロマネスク、ゴシック、バロック、アールヌーボー、
新古典主義の様式によるそれぞれの例が、他に類を見ない
多様性を保ちつつ、手つかずの状態で残っている。
この街をよく形容することばースロヴィエジャターーの
文字どおりの意味は”百の塔がある“だが、プラハにある塔や
尖塔の実際の数は七百近くに達する。
夏になると、ときどき多数の緑の投光照明で塔が照らされる。
その畏敬の念を呼び覚ます効果は、ハリウッドが映画
〈オズの魔法使い〉でエメラルドの都を描く際に
インスピレーションを与えたらしいー
エメラルドの都は謎めいた目的地であり、プラハと同じく、
魔法が宿る場所として信じられていた。
新作の舞台は古都プラハ
新作に登場するカレル橋×モルダウ川
ダン・ブラウン インタビュー
②作品のテーマ
まず1つは“人間の意識・本質”とは何か?
その人間の意識は頭の中で作られるものなのか❓
どこからか受け取るものなのか?ということ
そして人間が死んだ時 意識はどうなるのか?
という2つのテーマです
人間の意識についての関心は「オリジン」発売の随分前からありました
実は「ロストシンボル」と言う本を書いた時に キャサリンを
純粋知性科学者として登場させた時から考えてはいました
もっと言えば、人間の意識がどのように物理的世界に対して
影響を及ぼしているのか?を考え始めました この非常に大きな
テーマで書きたいとずっと考えてはいたんだけれども まず書くために
色々と研究をしないといけないのもありますし 他にも別の本を
書いていたということもありまして だから実際にコンセプトについて
理解を進めながら そしてそれをどうやったら読者が楽しんでくれるか?
スリリングな展開はどうなるか?考えていたら時間がかかってしまいました
Q.その為に何度も書き直すのですか?
それに対する答えはYESだね 何度も何度も書き直しました
残念だけど最初に書いたものは不十分だと言う事で どんな
トピック・シーンが良いのか?とにかく色々と探求をしました
常に物語のペースを早く展開できるようにしなければなりませんし
とあるシーンでは そのスピード感がないということで書き直す
こともありました 結果的にこの作品は英語で言うと20万ワード
なんですけど 私がおそらく書いたのは 100万ワードぐらいだと
思いますね
新作のテーマ「人間の意識」
「シークレット・オブ・シークレッツ上」の一文
ダン・ブラウン著 越前敏弥訳/KADOKAWA
「この仮説は」キャサリンは言っていた。
「非局在型意識と呼ばれるものよ。
意識は個人の脳に局在するものではなく…
あらゆるところに存在するという前提に立っている。
つまり、意識は宇宙全体にひろがって存在するの。
それどころか、意識とはこの世界が成り立つ土台となるもののひとつなのよ」
(中略)
「つまり意識とは、脳がサブスクしてるストリーミングサービス
みたいなものだと?」
「そんなところだけど…ものすごく大きなラジオのダイヤルと言ったほうが
近いかもしれない。
意識をこの部屋にひろがる無限の電波の雲(クラウド)と考えてみて。
人間の脳は受信機で… それぞれ独自の局に周波数を合わせてる。
キャサリン 純粋知性科学者で、ロバート・ラングドンの恋仲
テーマを握るヒロイン 純粋知性科学者キャサリン
オリジン ChatGPTが登場する5年前に発売されたにも関わらず
「AIと人間」をテーマに高性能AIが活躍する様子が描かれている
インフェルノ コロナウイルスによる脅威訪れる遥か前の
2013年に発売 「パンデミック」をテーマに物語が展開
「オリジン上」の一文 ダン・ブラウン著 越前敏弥訳/角川文庫
「世界じゅうのあらゆる情報にアクセスできる高性能のコンピューターが
あると想像してください。あなたはこのコンピューターに、
訊きたいことをなんでも訊ける。やがてあなたは、人間が自我に
目覚めてからずっととらわれてきた ふたつの根源的な問いを
発することになるでしょう」青年が末端のキーを叩くと、
二つの文が表示された。
われわれはどこから来たのか。われわれはどこへ行くのか。
「言い換えれば、あなたはわれわれの起源と運命と問うのです。
ふたつの問いを受けて、コンピューターはこう答えるでしょう」
端末がまたたく。
データ不足により、正確にお答えできません。
「役に立ったとは言えませんが」カーシュは言った。
「正直な答えではあるでしょうね」
ダン・ブラウン インタビュー
Q,どうしてそんなに時代を先取りできるのですか?
直感かな “人間の意識“というふうに言ってもいいんじゃないでしょうか
いわばそれはアクセスできるようになっています
「人間の意識」の今後は?
実際に行われてきた「人間の意識」の研究
東西冷戦時代ソ連がこういう研究をやっていた 池上
今もロシアにしても中国にしてもアメリカにしてもやっている
彼の先見性がすごいからバレたと思った人はかなりいるのでは 林
現在、恐怖を感じない兵士を作っている 池上
③
翻訳者から見た今作
シリーズ1番の超大作
新作に隠された仕掛け 92章 YouTubeのリンク
ハイディ・ネーゲル 在チェコアメリカ大使がかっこいいと思った 鈴木
グレゴリー・ジャッド CIA長官
「シークレット・オブ・シークレッツ下」の一文
ダン・ブラウン著 越前敏弥訳/KADOKAWA
「われわれは軍拡競争のただなかにいるんだよ、ハイディ」
ジャッドは言った。
「敵は日に日に力を増し、攻撃的になっている。
合衆国に対して立てられている数々の計画はきわめて
現実的で大惨事を招きかねないから、
実行される前に計画を把握しておかなくてはならない。
界域はきたるべき嵐をわが国が生き抜くうえで、諜報機関が必要とする
強力な武器になってくれる。人間の意識に関するテクノロジーにおいて、
われわれが有利な立場から転落すれば、ほかの何者かがかならず
とって代わる…注視する立場より注視される立場の方がよほどいい」
昔から、主張されていることだ、とネーゲルは思ったー
“いずれだれかがやるなら、自分たちが先にやれ”。
歴史上、最も危険で倫理的に疑わしい科学事業―核爆弾の製造―は、
似たような正当化を経て開始された。倫理的、政治的議論はともかく、
アメリカ合衆国が世界初の核保有国となったことで、悲惨な戦争が終わり、
その後の半世紀にわたってアメリカが超大国として君臨したことは事実だ…。
目的が手段を正当化した、説得力のある事例だ。
しかし、今回の状況は話がちがう。
池上彰から見た新作のリアリティは?
ダン・ブラウン インタビュー
「Spark Curiosity」
私の目的は好奇心を引き出していきたいということ
本で興味を持って科学をもっと学びたいと思って欲しい
同時に今後様々な変化が起きることにオープンに接して欲しいと言う事
そして自分たちが分かったと思っていても
全てを理解していないんだと分かって欲しいんです
Q.鈴木保奈美さんを作品に登場させるとしたらどのような役割でしょうか?
読んだら解かると思うけどロバート・ラングドンは
美人で頭のいい人物を好んでいるので そのキャラクターは
ラングドンが必要な時に大事な情報を教えてくれるので
そこでもし鈴木さんが登場するなら神経学の専門学者だったり
もしくは宗教象微学の専門家で日本の鳥居を語れる人として
登場するのではないでしょうか?
そしてラングドンと日本において一緒に活動する感じになると思います
それから忘れないようにしなきゃなのがロン・ハワード監督が
映画を撮る時に声をかけるように言っておきます
ダン・ブラウンの読者への想い
自作は鈴木保奈美が登場?
日本を舞台にしたら?
伊与原新:直木賞受賞作「藍を繋ぐ海」や「宙わたる教室」
「月まで三キロ」など科学を題材に人間ドラマを描く
池上氏は読書会をしている
第2回あの本、読みました?大賞 ノミネート作品発表
エントリーNo.1 「ひまわり」新川帆立
エントリーNo.2 「この夏の星を見る」辻村深月
エントリーNo.3 「音のない理髪店」一色さゆり
エントリーNo.4 「青い壷」有吉佐和子
エントリーNo.5 「世界99」村田沙耶香
エントリーNo.6 「C線上のアリア」湊かなえ
エントリーNo.7 「#真相をお話しします」結城真一郎
エントリーNo.8 「問題。」早見和真
エントリーNo.9 「踊りつかれて」塩田武士
エントリーNo.10 「イン・ザ・メガチャーチ」朝井リョウ
エントリーNo.11 「皇后の碧」阿部智里
エントリーNo.12 「ブレイクショットの軌跡」逢坂冬馬
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