2022年12月31日土曜日

名言

責任も根拠も持たず冬の雷
凍つくや認知が作る境界線
北颪(おろし)認知革命武器とせん
冬の月未踏のサウナ行基(ぎょうぎ)の湯
サウナから風呂始まりて冬星座

■名言
ボーリンクブルック 曰く
「欲望と感情は人間性のバネである。
 理性はそれを統制し、調節するブレーキだ。」

シャンフォール 曰く
「自尊心は多くの美徳の源泉である。
 虚栄心はほとんどすべての悪徳・悪癖の源泉である。」

エスター・コルウィル 曰く
「もし私が一人の時間を一切持てず、
 ずっとチームでの仕事や
 育児ばかりをしていたとしたら、
 いい上司、いい母でいることは難しいと思います。
 周りに対して寛容でいられるのは、
 自分と向き合う時間を確保することができているからです。」

モンゴルの諺
「山が高いからといって、戻ってはならない。
 行けば超えられる。
 仕事が多いからといって、ひるんではいけない。
 行えば必ず終わるのだ。」

スティーブ・ウォズニアック 曰く
「幸福になることが
 人生の唯一の目的です。
 そして一日に何回微笑むかが、
 その人の人生を測る
 唯一の尺度です。」

ココ・シャネル 曰く
「下品な服は服が目につくだけなのに、
 上品な服は女を引き立たせる。」

2022年12月30日金曜日

名言と「羚羊(かもしか)」

冬林檎届けてくれる人のをり
ヴィーナスに似た大根の惚れ惚れと
熱々の愛がぎっしり冬のパイ
蔦枯れる費用をかけた葬儀より
雪纏う桑の実二つ縮こまる

■名言
松原泰道 曰く
「『無駄をしない』は、
 浪費をしないという消極的な意味だけでなく、
 積極的に時間も物も活かして使うこと。」

林修 曰く
「人が変われるとしたら、
 変わらなければと気づいた瞬間以外にはない。」

中村天風 曰く
「筆を洗ったまっ黒なコップの水も、
 水道の蛇口のところに置いて、
 ポタリポタリと水を落とせば、
 一晩のうちにきれいになってしまう。」

■一分季語ウンチク 羚羊(かもしか)
「羚羊(れいよう)」と書いて
「かもしか」と読みます。
「羚羊」は偶蹄目ウシ科の動物なわけですが
普通の鹿等に比べて毛も生えていて
正面から見ると辺りの毛が
モサッとしているところに愛嬌があります。
またお尻を見た時に尻尾が短く
お尻が白くなっているところも
愛嬌のある出で立ちとなっています。
個人的な体験で恐縮なのですが
岩手県一関市の藤沢町という所に
以前句会ライブで伺ったことがありまして
朝会場に向けて移動している最中に
私、「羚羊」に遭遇しました。
国の特別天然記念物として指定されているのですが
こんな人里にうっかり出てくるのかと
驚いた記憶がございます。
岩手の方良い生き物と暮らしておりますね。

2022年12月29日木曜日

名言と尻二字三角パス

冬日向心のうぶ毛ゆらりゆら
メンディング瞑想のごと冬の夜
冬の雁合図もなしに一斉に
神無月大麻使用の自衛官
(幼稚園児)正月前電子マネーの稽古せり

■夏井いつき俳句チャンネル
【第6回尻二字三角パス①】また正人に尻二字「ん◯」が当たります
臥蚕眉(がさんび)の関羽のやうな甘藷(さつまいも)   熊の谷まさる
芋呑んだやうな蝮(まむし)のぬめりかな   家藤正人
鉄床雲(かなとこぐも)ぐんぐん世界は奇型なる   夏井いつき
鳴神(なるかみ)や犬小屋に頭つつこんで   朗善

■名言
ココ・シャネル 曰く
「人生がわかるのは
 逆境にあるとき。」

リチャード・M・ニクソン 曰く
「人間は負けたら
 終わりなのではない。
 やめたら終わりなのだ。」

トーマス・モア 曰く
「天が癒すことの
 できない悲しみは、
 地上にはありえない。」

表三郎 曰く
「人間の一生は、
 『問い』のレベルで決まる。」

三木清 曰く
「目的のある娯楽は真の娯楽にならない。
 娯楽には目的がなくて、
 しかもそれは生活にとって合理的なものである。」

野村克也 曰く
「不器用は器用に勝る。」

2022年12月28日水曜日

お役立ち哲学と造語

戦争を父は語らず最期まで(無季句)
人骨に群がる二羽の冬の鳥
浮かぶ人浮かばない人冬の海
寿命とは切り花のごと暮易し
蓄膿症のアナウンサー冬の靄

■ロッチと子羊 
今日のお役立ち哲学
和辻哲郎哲学の要約
「趣味は探しても見つかりません。
 自分の内側にすでにあるのです。」
和辻哲郎の言葉
「趣味は自分の中にすでにあります。
 本当に気持ちいいと
 感じるものに目を向けましょう。」

セネカ哲学の要約
「今にこだわると時間が逃げていきます。
 むしろ過去とじっくり向き合うことで
 時間は無限に広がり不安が和らぎます。」
セネカの言葉
「不安をなくすためには
 自分が歩んできた過去(みち)を
 振り返ってみましょう。
 それが未来への
 自信につながるはずです。」

■造語
▪マン・レイの作りだした造語
桃 peche & 風景 paysage = ペサージュ pechege
balai(バレエ ほうき)と ballet(バレエ)は 同じ発音
Pain peint(塗られたパン)
同じ発音が繰り返される言葉遊びから発想を得た。
言葉を表現の要素と思考していた。

▪最近の経済現象シュリンクフレーションとは
日本語でいうステレス値上げのこと。
(英語: shrinkflation)とは、
小売りされる商品の価格は変わらないまま
その内容量がシュリンク(収縮)していく経済現象である。
shrink(縮小)と inflation(インフレ)の合成語であり、
インフレの形態の一つである。

2022年12月27日火曜日

題「味」

冬陽射し懐紙にのせた柴の雪
冬日陰色鮮やかに藪柑子(やぶこうじ)
控えめの冬の庵を雪花咲く
陶器との一期一会しづり雪
冬の庵や吸いきる音の響きをり

NHK短歌 題「味」
選者 佐佐木定綱 ゲスト 山崎ナオコーラ 司会 星野真里
レギュラー 元髙克樹 矢花黎 カン・ハンナ

■冒頭の短歌
牛丼の果てにひとつの詩を見つけ七味をかけてかき込んでいる
佐佐木定綱

■入選九句 題「味」
星野石垣(いしがき)島で初めて食みたるゴーヤチャンプルー苦味を知りし新婚の夜
浜田ゆり子
ぼんやりと画面の指紋ぬぐう夜後味悪い電話を終えて 
栗本悦子
瞳(め)に映る一つひとうにかぶりつき吾子は世界を味見している
神守彩枝
味噌汁を啜る音だけの食卓でふたりひとしく傷ついている
よだか
会議室のコーヒーボタン押すたびに薄くなりゆく青春の味
井上武明
カン屋上で育てた社員食堂の野菜はどれも標準語の味
川越羽流(はる)
北風を味方につけて少年は冬の第一走者となりぬ
檜澤(ひざわ)さくら
あの頃の何でもなれる気がしてた私に会える梅のおにぎり
鈴木ベルキ
💮山崎ママレードジャムの点字をなぞるたび指が味覚を記憶していく
住吉和歌子

■佐佐木先生の短歌というドラマ
歌に秘められたドラマをひも解き深く味わう

相談室に飲みし熱き茶美味かりしをしみじみと言ふ退学の後に
伊藤一彦「海号の歌」

やわらかい言葉と思い言葉
小説はエピソードで「重さ」を作る。
短歌は言葉自体の「重さ」「軽さ」を使って物語を作る。
今回の歌を深く味わうためのポイント
肉体感覚が記憶と結びつくことで
歌はいきいきとして現実味を帯びてくる

山崎さんの目標
「誰にでもわかる言葉で誰にでもかけない文章を書きたい。」

■佐佐木定綱さんからの宿題
題「味」で歌を詠んでください

子の作るカレーライスで人生を終わりにしたいこの味が好き
山崎ナオコーラ

■短歌武者修行

グルグルと胃をもてあそぶたい焼きのキムチの香りはふすまに溶けて
矢花黎
たいやきが吐き出すチーズとキーマカレー鋳型の外で垂れるのを待つ
元髙克樹

2022年12月26日月曜日

テーマ「スポーツ」

冬の朝主菓子(おもがし)食みて濃茶なお
冬の朝黒文字清め送りをり
冬陽射し正客次客すでに座し
冬ざるる干菓子お盆へ鎮座せり
冬日陰ガラスのごとき有平糖

NHK俳句 題「スポーツ」
選者 堀本裕樹 ゲスト 稲村亜美 司会 武井壮

■冒頭の俳句
スケートの両手ただよひつつ止まる
森賀まり

■あなたのエピソード、俳句にします
テーマ「スポーツ」
炎天下スタート台で待つ合図
添削(緊張感を出す。プールは夏の季語。「で」は説明になる。)
プールギラギラスタート台に待つ合図

ゴール来て応援団の息白し
添削(説明を避ける。ものを情景で見せる。語順を推敲する
   冬の季語 息白しの傍題 白息を使う。あと4音に動詞4音を入れる。)
白息(しらいき)のあふるるゴールテープ前

■入選六句 テーマ「スポーツ」
回る飛ぶ信じ合ふペアスケーター   
松岡由香里 季語 スケーター
ホームランボール降り来る小春かな
山多左夢(さむ) 季語 小春
枯蟷螂(かれとうろう)やをら追ひ出しテニスかな
伊藤欣次 季語 枯蟷螂
槍投げてまた槍投げてしぐれけり
平林茂 季語 時雨
体ごと繋ぐ襷(たすき)や息真白(いきましろ)
山岸嘉春 季語 息白し
💮息白く百メートルの時空待つ
来地宇須(らいちうす) 季語 息白し

■ゲストのエピソード、俳句にします
燃え尽きた熱い気持ちをリメンバー
稲村亜美 添削
また熱くなる魂や手打ち炎(も)ゆ
堀本裕樹 (炎ゆ 夏の季語)

2022年12月25日日曜日

聖句と名言

十二月和敬清寂旨として
一陽来復を願う柚子の香
冬の暮真行草を使い分け
北窓塞ぐ一華開五葉(いっかごようをひらく)
冬の星表具は黒子縁の下

クリスマスなので聖句を記載したかったのですが…。
聖句はみんな命令形なのですね。
クリスチャンの方は寛容な人と申しましょうか、
神を信じ切っておられるのでしょうか…。
自分で思考することを忘れてはいけないのでは…❓
戦争の原点を見た気がしました。
解釈と言う名のもとに責任転嫁しているのでは…❓

バーナード・ショウ 曰く
「私にとっては人生には
 美もなければロマンスもありません。
 人生あるがままのものです。
 そうして私は人生を
 あるがままに受け入れるつもりです。」

露の団姫 曰く
「『我慢』という名の思考停止は
 問題解決につながりません。」

エドワードF.ベンソン 曰く
「自分自身に正直であることは
 なんと困難なことだろう。
 他人に正直である方がはるかにやさしい。」

ジョン ラスキン 曰く
「人々が機嫌よく働くためには
 次の三つが必要だ。
 仕事に向いていること、
 働きすぎないこと、そして
 やればうまくいくと感じていること。」

ヘンリー・キッシンジャー 曰く
「私は自分に宗教心があるとは思いません。
 しかし私は、人間が理解できない
 さまざまな力の存在を信じていますし、
 本質的に不可知の部分があることも信じています。
 したがって、人間は常に、
 畏敬の念と謙虚さをもつ必要があるのです。」

J・ニューマン 曰く
「人生がやがて終わることを
 恐れるなかれ
 人生がついに始まらぬことを
 真に恐れよ。」

2022年12月24日土曜日

イルミネーションで一句

人はみな神を内包クリスマス
あの世には何もなし大根洗ふ
父の背は荒野に似たり寒落暉
冬茜内出血の日々下降
播州織のつむぐ未来や冬星座

■プレバト纏め 2022年12月22日
イルミネーションで一句

永世名人 富美男のお手本
梅沢富美男
冬木立シャンパン色にさざめきぬ
(おっちゃんらしくないお洒落な句、
「さざめきぬ」光と風の表現が美しい。)

永世名人 村上のお手本
村上健志
垂直にシャンパンの泡クリスマス
(シャンパンとクリスマスを「近い」と感じさせないテクニック。
 小さな発見を大切に詠んでいる。)

特待生昇格試験
北山宏光
ルミナリエ咥えて外す黒手套
(「ルミナリエ」で広い光景・光の感じ・季節の気分が伝わる。
 焦点の絞り方が良い。私感 素晴らしいの一言!)

1位 秋元真夏
独りきり煌めく街が冬の棘
添削(人によっては「煌めく」は注意されないんですね。
  「冬の棘」は素晴らしいと思った。誰の知恵かな❓)
一人ゆく煌めく街は冬の棘
傷心や煌めく街は冬の棘

2位 村田秀亮
街騒(まちさい)に凍てし手の振る誘導棒
添削(助詞と助動詞の選択ミス。
   「に」は説明的「や」で切り離す。
   「の」ではなく手に持っている時は「に」
   「凍てし」の「し」は過去。
   季語の鮮度を上げるには「凍つる」。)
街騒つる振る誘導棒

3位 酒井美紀
静寂に響くダイヤモンドダスト
添削(「響く」は「響けり」とわざと余らせる。
   1音余るが、最後が長い季語のため、
   1音の字余りで勢いに吸収させるという技を使う。)
静寂に響けりダイヤモンドダスト

4位 アンミカ
iPhoneの光に胸がRing a Ding Dong
添削(季語がない。アルファベットが多くてキラキラしている。
   お洒落な気分が表現されている。)
iPhoneの光よ雪よRing a Ding Dong

次回はグランドチャンピオン大会冬麗戦!
という事なのですが、HPにはまだ掲載されていません。
放送日時は2023年1月12日(木)よる7時とだけ…。

2022年12月23日金曜日

中井久夫と市村正親の言葉と「しずり」

真剣に遊べや遊べ冬日向
霜柱力の限り生ききらん
大衆へ挑戦状や冬の潮
息白し鼓舞し闘い続けても
虫嗄(か)るる己を知りて何とする

■中井久夫の言葉
「治療とは
 それぞれのために心をこめて、
 そのひとだけの一品料理を
 つくろうとすることである。」

■市村正親氏の言葉 情熱大陸 より
「他人の激しい人生を
 虚構の中で本当のように生きてみたい。」

「俳優はね。泣かせるんであって
 本人が泣いちゃいけないの。」

■一分季語ウンチク しずり
「しずり」とは「しずり雪」のことで
元々は古語でした。
動詞「垂る(しずる)」を名詞にした言い方が
「しずり」になります。
雪が枝からドサッと落ちていったり
何か動いた拍子に落ちたり
あるいは陽に当たって段々溶け始まていったものが
ズズズッと解けていって落ちる
この瞬間の音の話になってくるわけです。
「しずり」といっただけでその雪の様子であるとか
何かにのっているあるいは落ちる音
そんな要素まで含んでいる季語になっています。
何か一句作ってみたくなりますね。

2022年12月22日木曜日

名言とお役立ち哲学

冬哀れメッシのタトゥーごとき足
我が足とメッシの腕の寒牡丹
猫かぶり軽んじる店隙間風
青き空鳥の目線は木守柿
目を閉じて向き合えぬ人浮寝鳥

■ロッチと子羊 より
お役立ち哲学

スピノザ哲学の要約
「希望を持ち続けるには
 手に入れないことです。」
(希望を持ち続けるには開けないこと。)
「希望はかなわないからこそ
 ワクワクドキドキを
 持ち続ける事ができるのです。」

アリストテレス哲学の要約
「‟テロス„にまでさかのぼれば
 勝利のプレッシャーは軽くなります。」
(テロスとは目的。)
「勝利へのプレッシャーを感じた時は
 目的をしっかり確認すれば
 心が軽くなるでしょう。」

■名言
楠木正成 曰く
「珍膳も毎日向かえば味旨からず。」

慈雲 曰く
「一切の法はみな
 わが心より造りなすものなり
 地獄も畜生も
 わが心の内の苦なり。」

浅田次郎氏 曰く
「日本語の基本、
 いい文章を書く心構えは、
 いかに最少の文章で
 最大の世界を言い表すかっていうこと。」

2022年12月21日水曜日

名言と芭蕉の句と尻二字三角パス

殻かぶり座り続けん寒苦鳥(かんくちょう)
舟宿の浮かぶ風景冬の月
冬夕焼今は昔の光線画
冬景色ランプの灯りくっきりと
冬の雷今さら(岡本)太郎迫りくる

■夏井いつき俳句チャンネル
【尻二字三角パス】皆さんから届いた『がさ』で始まる俳句

ガサ入れは隣や秋の夜のマテ茶   羽流
ガサエビや甘味で溢れ頬落ちる   広島じょーかーず
画才ある姉の礼状梨二つ   迫田妙子
画才あらば春月に羽描き加ふ   北藤詩旦
ガサゴゾと0点詰める夜寒かな   野菜α
ガサガサと大道具撤去して秋   キスマイファン マッサン
ガサガサは砂利しか獲れず夏や朝   初めての正助
がさつなる女の冷蔵庫にブラ   ヨシコ ウサミ
臥蚕眉(がさんび)の関羽のやうな甘藷(さつまいも)   熊の谷のまさる
ガサ超ゆる荷役のヤクや凍てゆるむ   池之端モルト
ガサゾンの砂利道抜けて冬隣   Y.イノウエ
がさついた地丘白粉花(おしろいばな)搾(しぼ)む   オコヤマ2000
蛾さわさわ過るキャンプの夜の便所   田野こみち
蛾三匹養うために読む図鑑   平良かれい
が、去るとき何を思うや曼殊沙華   小野とらのは
ガサージャは名コメディアン春の暮   まゆバア

■名言
ジェームズ・アレン 曰く
「人々が幸せを求めて
 旅に出ようとしていても
 ついて行ってはいけません
 幸せとはあなたの内側に
 あるものなのですから。」

ゲーテ 曰く
「われわれの持っている天性で、
 徳となりえない欠点はなく、
 欠点となりえない徳もない。」

L・アンアエウス・セネカ 曰く
「怒りから己れ自信を抑制するには、
 人が怒っているのを
 冷静に観察することである。」

■松尾芭蕉の句
歳暮ぬ笠きて草履はきながら   
水とりや氷の僧の沓(くつ)の音

2022年12月20日火曜日

題「プレゼント」

キリアン・エンバペ選手へ
世界が是認二十三歳冬木の芽
鷹揚に泰然自若に冬を蹴る
一分で二発のゴール決めた冬
キーパーの動き見透かすPK戦(無季句)
授賞式笑顔の消えた得点王(無季句)

NHK短歌 題 プレゼント 
選者 江戸雪 ゲスト 景井ひな 司会 星野真里
レギュラー 元髙克樹 矢花黎 カン・ハンナ

■冒頭の短歌
まっさおなリボンのように血管をまといて君は冬の小箱よ
江戸雪

■恋のフレーズ短歌
プレゼントのイメージを七音のフレーズで表すと❓

カン・ハンナ 日曜の午後
デカいサイコロ 景井ひな
ここで開けてよ 星野真里
赤文字が定型 江戸雪作
受け取ればここで開けてよ初雪の日曜の午後デカいサイコロ

入選九首 テーマ プレゼント
サンタ来る聖夜の小児病棟に髭の似合わぬ研修医たち
田中昭三八(あきさや)
待つ日々も待たれる日々もそわそわと夕日に映える赤いリボンは
るりこ
プレゼントいつ渡そうか粉雪がかけられたようなスイーツは来て
田中佳(よし)
③カンきみからのプレゼントだと言い聞かせひとりで帰る光の並木
早川和博
デパートに婚約指輪買いに来て君の左手つくづく見たり
大和嘉晃
星野この冬はキーホルダーを贈り合う自分をひらく鍵と一緒に
佐藤氷魚(ひぎょ)
💮景井下を向く時も笑顔になれそうであなたと靴を贈り合いたい
澪那本気子(みおなまじこ)
ちょっといいタオルをあげてめっちゃいいティッシュをもらうクリスマス会
吉村おもち
「忘れる」をプレゼントされ母さんはしあわせだった記憶だけ持つ
雨雨雨汰(あまさめうた)

■恋バナ短歌
若き日の恋の形は誰だって割れてしまったチョコに似ている
カン・ハンナ 添削
若き日の恋の形は不揃いに割れてしまったチョコに似ている

友の手作りチョコがあの子を経由して私の舌でとけて放課後
星野真里 添削
友達の恋があの子を経由して私の舌でとけて放課後

月輪(げつりん)は赤く錆ゆきうらぎったショコラのにおいよみがえりくる
江戸雪(月輪は時のこと 江戸雪先生渾身の作とお見受けしました)

■短歌武者修行! 元髙克樹 矢花黎 カン・ハンナ
「食を詠む」

たいやきにキーマカレーを詰め込んで吐き出したとこ口に運んで
元髙克樹

2022年12月19日月曜日

兼題「咳」

霜柱電力会社よお主まで
冬の月変体仮名の息遣い
冬の夜連綿の高野切(こうやぎれ)
冬の夜息吹きかけん小鍋立て
仇となる親切心をからっ風

NHK俳句 兼題 咳
選者 星野高士 ゲスト 三倉茉奈 司会 武井壮

冒頭の俳句
咳の子のなぞなぞあそびきりもなや   中村汀女

■会いたい俳人、12人 中村汀女
我に返り見直す隅に寒菊赤し   中村汀女

中村汀女女史の言葉
玄関の式台を拭いていてふっと気がつくと
いつもそこには寒菊がある
ああ今年もあるなそれこそ「我に返り」ですわ
あああそこにもあるなと思ったときに
思ったことをそのまま
言ったのがわたしの最初の俳句だないわば
心にあったものをね十七文字に預ける
本当は心のうちにそういうもの
いつも私たちは持っているかもしれませんよ
それを引っ張り出すか
引っ張り出さないかのさかい

咳の子のなぞなぞあそびきりもなや   中村汀女

中村汀女女史の言葉
私の次男のそうですねまだ4つぐらいの時の
句でございますね
ちょっと相手になってなぞなぞをやりはじめますと
いつまででも「もっともっと」と言ってね
きりもなく遊んであるわけにもいかない
何かそわそわとしていることがね子どもにも
すまなかったような気が致しますけど

ゆで玉子むけばかがやく花曇   中村汀女

入選九句 兼題 咳
💮咳ひとつ消えゆくまでの広さかな   岩橋潤
白湯飲んで咳の治まる雨の窓   竹内木形子(こけし)
寄席太鼓前座の席のまじりたる   中村起一
星ひとつ飲み込むやうに咳ひとつ   じゃすみん
武井咳込むやビロードの椅子やはらかし   内藤由美
終電の発車のベルに咳一つ   鈴木由花子
咳一つ残し消えたる旅の僧   古矢敏光
この咳は仲間と思ふ交差点   碩(せき)真由美
三倉咳の子のそれでも向ふ机かな   望月勝男

■吾子俳句
小学校に上がるくらいまでの子供を詠む

左手に破魔矢右手は吾子の手を   星野高士
冬の朝吾子好きなもの好きになる   星野高士

2022年12月18日日曜日

観光バスで一句

冬日向睡魔が支配待ち時間
自分の価値は自分で決める冬銀河
冬の月歪みと弱み好機とす
誘う蜜ありの群がるヤッコソウ
人参や個性豊かに伸び伸びと

プレバト纏め 2022年12月15日
観光バスで一句

永世名人村上のお手本
村上健志
補助席に場札と蜜柑バスの旅
(場札が効果的。「バスの旅」は伏線・補填。
「蜜柑」を中七に置き主役に立てた。地味だが確かな技。)

永世名人への道
千原ジュニア
バス見えてバス停の毛布を畳む
(見えてから畳むの叙述の是非。散文的、説明になりやすい。
詩的な関係が欲しい。滋味・心情の豊かさがある。)

特待生昇格試験
篠田麻里子
ズワイガニ無音の宴50分
添削(「50分」の具体的な時間が良い。リアリティがある。
   臨場感が足りない。)
ずわい蟹食む音のみの50分

1位 森迫永依
冬晴の小樽ことりっぷの折り目
(ことりっぷは旅のガイドブック。着地の「折り目」で映像を作っている。)

2位 勝村政信
雪道にLINEスタンプバスの跡
添削(LINEスタンプと比喩する発想が楽しい。
  下五は「タイヤの跡」が正しい表現。)
雪道LINEスタンプバスの跡

3位 鈴木絢音
音もない銀世界の停留所
添削(季語がない。辞書好きなら型や俳句の知識を入れれば出来る。)
音もないぽつんと雪の停留所
ふるさとやぽつんと雪の停留所
失恋やぽつんと雪の停留所

4位 畠中悠
寒窓に浮く子どもの絵帰路のバス
添削(寒窓は冬の寂しい窓で漢詩の一節。季語としては弱い。)
窓に子の落書き冬の帰路のバス

次回のお題は「イルミネーション」

2022年12月17日土曜日

はぴかちゃん歯いく大賞と名言

それぞれが持つ待ち時間冬日向
通院を付き添う二人冬の朝
冬ぬくし意識遠のく待合室
コート脱ぎ腕捲りせり冬日差
忙しそうな振りする人の冬落暉

■第19回はぴかちゃん歯いく大賞(R4.11.27放送)
小学生の部 優秀賞
くちびるにますい一分夏の夕   酒井仁
歯みがき中クモが一匹部屋のすみ   木田光
フッ素ぬり地図を覚える夏の午後   三木規生
歴代のぬけた歯を見る油照り   松村柚葉

中・高校生の部 優秀賞
歯科医院金属音と向日葵と   宇都宮妃南
歯がきれいわかめうどんがいとおかし   石川善生
青嵐失語の祖父の自慢の歯   渡邊真悠子💮
叔母の抱く甥の歯固め雨休み   渡部明香

一般の部 優秀賞
山滴り健脚自慢の歯しみる   吉川匡希
開院はまだかとせがむ溽暑(じょくしょ)の歯   磯川紀美子
爽やかに九十歳の良く噛みて   はくたいさん
冬ざれやしんと時待つ親知らず   高松増美

ユニーク賞
歯のゆくえわからないままプール出た   中川宗志郎
親知らず抜くかと会議夏の夜   河野葵
歯みがきは青竹ふみて十二分   中本栄子

優秀賞特選
ぬいた歯の根っこが長い夏の雲   岡﨑天寧(あまね)
親知らず四か所はえる雲の峰   畔地(あぜち)みなみ

はぴか大賞
祖父も父も吾も子も桃を食う犬歯   浅野勇一郎

■名言
A.ファーブル=リュス 曰く
「人生は我々に期待どおりのものをくれるが、
 それは意外なところで、意外な方法で、意外な時に行われる。」

ラ=ロシュフーコー 曰く
「真の勇気は、
 目撃者のいない場合に示される。」

ヘンリー・ヴァン・ダイク 曰く
「同じ習慣を繰り返す限り
 次のステップには進めません。」

2022年12月16日金曜日

短日と穴場の投句先

ピラカンサ紅き実をつけ冬の庭
凍てつくや耳を侵攻高き声
敏感に音に反応凍る耳
冬日向ずっと泣いてる赤ん坊
赤ちゃんの声がだんだん冬の月

■一分季語ウンチク 短日
まさに文字通り短い日
冬になると日照時間が短くなり
その短さ、気忙しさなども
含んだ季語になっています。
同じ季語を別の言い方して
「日短」という言い方もあります。
その場合は、「日」の後に半拍くらい切れ
と言いますか一拍おいて「日 短か」
なんていう5音で読みといった
用法もあります。
ちなみに今年2022年の冬至は
12月22日となっていて
その日が一年で最も日が短いと
いう事になるわけです。
残り2022年「日短」を
共に過ごしてまいりましょう。

■夏井いつき俳句チャンネル
【穴場の投句先】競争率の低いところに投句したい

「発掘忌日季語辞典」
子規忌(9月19日)糸瓜忌 獺祭忌 

俳句aあるふぁデジタル
https://haikualpha.jp/kijitsukukigo/

おそ松くん忌 さくらももこ忌 百円札忌 
オオカミ忌 中村哲忌 
今後一緒に作っていきたいのだそうです。

2022年12月15日木曜日

お役立ち哲学

継承し想像続けん冬北斗
取り返しのつかない嘘鎌鼬(かまいたち)
冬の波孤独な心理表出す
(付藻茄子)次世代へ芸を凝らさん冬の星
冬ぬくし過疎への移住また増加

ロッチと子羊より
お役立ち哲学
弁証法 全ての矛盾解消のヒントになる
ヘーゲル 曰く
「全ての物事には必ず
 正と反という矛盾する存在がある
 でも互いを対立させず
 アウフヘーベンすれば
 高みを目指せるであろう」(ヘーゲル哲学の要約)
アウフヘーベンとは「止揚」
矛盾を高みにあげて解決する。

蹴落とす⇨ライバルとの切磋琢磨(承認)

ヘーゲル 曰く

「物事の矛盾に悩んだときは
 互いを対立させず
 アウフヘーベンして高みに持ち上げれば
 解決するだろう」

エリアーデ 曰く
「人はみんな
 ホモ・レリギオーススなので
 聖なるものを求めます。
 でも、それは
 俗から逃れられない存在だからです」(エリアーデ哲学の要約)

ホモ・レリギオースス⇨人間・宗教
人間は宗教的な生き物
世界は二つの理(こだわ)りで成り立っている
それが聖と俗
聖と俗はセットで片方だけでは成り立たない
聖なるものを求めすぎて俗を疎かにしている

俗である日常にしっかり向き合うことで
聖なるものはより輝きを増す

エリアーデ 曰く
「人は聖なるものを求めます
 でも聖を輝かせるには
 俗にしっかり向き合いましょう」

2022年12月14日水曜日

岡本太郎の言葉

イマジンを受け取った日日短し
理想記すレノン・ウォールの冬の意思
冬の壁愛を受け継ぐレノン・ウォール
レノン・ウォール監視カメラに見守られ(無季句)
短景やレノン・ウォールへ思い込め

■新美の巨人 より
岡本太郎の言葉
「壁は自分自身だ」

「他人が笑おうが
 笑うまいが
 自分の歌を歌えばよい」

「孤独が君を強くする」

「何か全く新しいもの世界に
 今まで存在しなかったものを作りたい」

「これだ全身が叫んだ
 撃って来る物
 それは画面の色や
 線の魅力ばかりではない
 その奥から
 たくましい芸術家の精神が
 ビリビリとこちらの
 全身に伝わって来る
岡本太郎著「青春ピカソ」

「未知の風物でありながら
 自分の根源に
 めぐりあうような
 いいようのない
 生命のノスタルジアを
 おぼえるのだ」
岡本太郎著「沖縄文化論」

「僕がこれを作った
 日本の伝統に存在しない何か
 最も身近な縄文にすらない何か
 西洋の美学からも日本の美学からも
 外れていたかった」

雷神 1995年(未完) 岡本太郎記念館
太郎が最後まで取り組んでいた作品。
鮮やかな色使い、躍動する線と形、
まだ完成していません。

「岡本太郎は生涯作品を売りませんでした。
 それは、芸術は誰もが見られる場所にあるべきだ」
と、考えていたから…。

■日曜美術館 アートシーン より
岡本太郎の言葉
「芸術は爆発だ!」

「真剣に命がけで遊べ」

「なま身の自分に賭ける」

「孤独こそ人間が強烈に生きるバネだ」

「人々に寄り添う芸術」

「同じことをくりかえすくらいなら死んでしまえ」

2022年12月13日火曜日

題「スイーツ」

背には毛衣(けごろも)マイナス無限大
冬至梅絵日記のごと描き続け
冬の月個性封印頂点へ
好きだけの表現押しくら饅頭
冬暖(あたたか)竹で組まれた蓮華座

NHK短歌 題 スイーツ
選者 笹公人 ゲスト 林田洋平 司会 星野真里
レギュラー 元髙克樹 矢花黎 カン・ハンナ

冒頭の短歌
高校生カップルの削るロングパフェに隠れ給える誕生釈迦像
笹公人

短歌の穴埋め挑戦!~グルメで一首~
いつまでも子供でいなよ夕ぐれの窓辺に冷えるチェリーボンボン
笹公人
女 カン・ハンナ
シラフ 林田洋平
こつぶ 星野真里

■入選九句 テーマ スイーツ 
バスク風チーズケーキを出すシェフを「焦げても平気」と祖母は励ます
犬山裕之
マカロンを端から端まで買う金曜生きてるだけでみんな満点
つきこ
「消毒液買ってきたよ」と妻が言う「ショートケーキ」に俺は聞こえた
岩崎純史(じゅんし)
スイーツの店を検索する冬の町にあふれる仏語の調べ
山口正剛(せいごう)
落ち葉踏む音だと思いつつ食めば晩秋の季語となるミルフィーユ
風花雫(かざはなしずく)
もう顔も思い出せない友達と砂場に埋めたジェリービーンズ
有村鹿乃子
安曇野で食べた林檎の天ぷらはアリスもきっと好きになるはず
臼井慶子
クレープをブーケのように持ったまま行きたいところ彼日(かのひ)の砂丘
北入(きたいり)はるか
💮クリスマスまではもたない気がしてる分厚く切ってしまうシュトレン
長井めも

■短歌侍 武者修行! 元髙克樹 矢花黎 カン・ハンナ
「食を詠む」
キーワード 鋳型(いがた)

■歌人のグルメ
一枚のショコラで十日は生きむぞとそんな十日の得(え)がたきものを
今野寿美

■短歌ボナペティ!
キーワード かじる

手のひらに夢があるようドーナッツをかじれば虹の形へ変わる
カン・ハンナ

カラースプレーチョコまぶされてかじられて完成形のドーナッツと俺
星野真里

幼な子のミイラはドーナツかじりつつ遠き土星の地震を語る
笹公人

2022年12月12日月曜日

兼題「クリスマス」

未来へと大川組子寒昴(かんすばる)
都鳥よりよく生きるための選択
冬の朝水平線を持ちて生く
落葉時妙見山のヤッコソウ
弥之助を小弥太受け継ぎ冬日和

NHK俳句 兼題 クリスマス
選者 井上弘美 ゲスト 山崎怜奈 司会 武井壮

■冒頭の俳句
少年に藁のにほへる聖夜劇   井上弘美

■俳句ナビ クリスマス
表記を工夫する
穴埋めクイズに挑戦
胡桃割りて妻と足るなり降誕祭   星野麥丘人(ばきゅうじん)
派手なもの着てそわそわとクリスマス   花谷和子

これを買ひこれを買ひ買ふクリスマスケーキ   三村純也

この出逢ひこそクリスマスプレゼント   稲畑汀子

■入選九句 兼題 クリスマス
大樹みな聖樹となりぬ時計台   中田かおり
聖夜の灯アクリル板にうつる僕   押見げばげば
バラードへ移る聖夜の駅ピアノ   酒谷百合子
大潮の海原蒼きクリスマス   大内菅子
噴水を照らす光やクリスマス   有村次夫
クリムトの金の雪降る聖夜かな   古関聰(あきら)
シャンパン抜けば星の音する聖夜かな   真尾公子
💮山崎読み聞かす聖樹の下(もと)や「ぐりとぐら」   木村弘美
武井クリスマス生後七日の仔犬来る   近藤由香子

■俳句ナビ 添削コーナー
病室の隅に小さな聖樹置き
添削
病室の片隅クリスマスツリー

ロウソクの火の温かき聖夜かな
添削
一本の燭(しょく)あたたかき聖夜かな

欠航の星降る島のクリスマス
添削
欠航の島に聖夜の星降れり

クリスマス実は恋しい出汁の味   山崎怜奈
添削
だし風味ふつと恋しきクリスマス

2022年12月11日日曜日

方丈記と徒然草&兼題「手袋」

角度なきスペースへシュート決む(2022.11.23)
悲劇から歓喜のドーハへ冬の陣(2022.11.23)
でかい主語用いる人や露凍る
単数を複数に変え冬をデモ
北颪(きたおろし)環境保護という思想

■方丈記と徒然草 より
つれづれの骨は禅尼の障子なり   江戸川柳

ここに至りては、貧富、分(わ)く所無し。
究竟(くきやう)は、理即(りそく)に等し。
大欲は、無欲に似たり。
「徒然草」第二百十七段
究竟(悟りの境地) 理即(迷いの境地)
徒然草とは(散文の俳諧)

■ギュッと!四国
夏井いつきの俳句道場 兼題 手袋
兼題「手袋」は冬の季語 傍題は「手套(しゅとう)」

ギュッと!特選
手袋欲し海峡のただ黒ければ   みずな
(目の前にない手袋の存在を認識させている。)

秀作
手袋に楽譜歓喜の歌いよよ   森桜佳
手袋落つ消毒液の斜め下   坂本梨帆
引き出しの手袋三つみな左   秋白ネリネ

佳作
てぶくろのクマさんなでる小さき手   海香
てんてんとのこる手袋日は落ちて   おんま
脱ぎ捨てし子の手袋はグーの形   外町よしのり
進路面談暮れる教室に手袋   ふみえ
手袋のいつも右手の見当たらず   佐渡爺
かたわれの残る手袋捨てきれず   矢野いろは

2022年12月10日土曜日

たい焼きで一句&名言

柿すだれ冬の風受けゆっさゆさ
強くして脆(もろ)き権力隙間風
陽が昇るあるべきようは暮易し
冬の空今を生きろと呼吸根
冬の風ラッキョウ畑紫へ

■プレバト纏め 2022年12月8日
たい焼きで一句

俳句名人昇格試験
森口瑤子
長ゼリフ終へ差し入れの鯛焼
添削(7・5・4の韻律の是非。短調な調べではご褒美にならない。)
長ゼリフ終へたり差し入れ鯛焼

立川志らく
余命を知りたい焼きを腹から食う
添削(「知り」→「食う」と展開する叙述の是非。
   「余命知る」と終止形で言い切り、「食らう」で締めくくる。
   「食らう」で何と余命は理不尽なのかという思いを匂わせる。)
余命知るたい焼きを腹から食らう

永世名人への道
藤本敏史
買い食いの鯛焼野球強豪校
(「強豪校」と限定したことで読む人の想像力が掻き立てられる。)

次回のお題は「観光バス」

■名言
中村天風 曰く
「健康や運命というものは、
 それを消極的に考えない人々にのみ恵与されるよう、
 宇宙心理ができている。」

星新一 曰く
「ニュートンは
 『どうやって法則の発見を』と聞かれ、
 『考え続けて』と答えた。
 執念、ここが大事なのだろう。」

柴田智昭 曰く
「一つの方法に
 固執する必要はありません。
 臨機応変に
 別のルートを行けばいい。
 夢を叶える道筋は
 一つじゃない。」

2022年12月9日金曜日

名言

虹色の雫抱くや龍の玉(無季句)
お大師をほのかに染めた冬紅葉
愛犬と般若心経冬の寺
吊るされた渋柿揉まん青き空
違えをり皇帝ダリア冬を咲く

■名言
中国の諺 曰く
「身体の老いは怖れないが、
 心の老いが怖ろしい。」

タキトウス 曰く
「何かを気にもとめなければ、
 それでその事は力を失う。
 何かに腹を立てるのは、
 それが事実と認めたことになる。」

ジェームズアレン 曰く
「人が手にするものは、
 その入手を願い祈るものではなく
 公正な報酬として受け取るものである
 人の願いや祈りは、
 彼の思考や行いがそれと調和した場合のみ
 かなえられる。」

デモクリトス 曰く
「快と不快こそ、
 有益なものと無益なものを分ける
 境界線である。」

ハワードシュルツ 曰く
「私は成功していても
 イラついている人を数多く知っています。
 不満や妬みでいっぱんな人達を。」

ココ・シャネル 曰く
「実際にどう生きたかということは
 大した問題ではないのです。
 大切なのは、
 どんな人生を夢見たかということだけ。
 なぜって、夢はその人が死んだ後も
 いき続けるのですから。」

2022年12月8日木曜日

名言と流黐

鐘氷る顔を失くしたるハルキウ
ジグザグの天気予報よ紅葉散る
(伊藤若冲)冬の山賽の河原の地蔵さま
冬日和眠る若冲石峰寺(せきほうじ)
ソーラーでにっこり山羊の日向ぼこ

■名言
パブロ・ピカソ 曰く
「私はいつも自分の
 できないことをしている。
 そうすればできるようになるからだ。」

J・D・サリンジャー 曰く
「何でもそうだけど、
 あんまりうまくなると、
 よっぽど気をつけないと、
 すぐこれ見よがしになってしまうものだ。
 そうなったら、
 うまくも何ともなくなる。」

リヒテンベルグ 曰く
『「こうすればよかった…。」
 と思い悩むのは、
 人のなしうる最悪のこと。』

■一分季語ウンチク 流黐(ながしもち)
この「黐」は鳥黐を指すのもです。
昔、童話の「かちかち山」なんかで
タヌキを捕まえるのに鳥黐を使った
何て言う表記しているバージョンもありますが
あの鳥黐です。
黐の木からとった粘り気のあるこの液体を
木の枝や縄なんかに塗りつけたものを
川に流して川にやって来た鴨などの
水鳥を捕まえるそういう狩猟法のことなのです。
果たして今でもやっているのでしょうか❓
そして果たして今現在でも
いろいろ鳥獣保護が叫ばれている昨今
やっていい狩猟法なのでしょうか
色々現状が気になる季語でございます。

2022年12月7日水曜日

凩と場所を示す助詞「で」「に」

いつの世も世を儚(はかな)みて冬の靄(もや)
小さきこと儚んどるな北颪(おろし) 
冬耕(とうこう)や儚んどりてなんとする
斜線上の夢追いかけんたま風
露凝る(つゆこる)や抑える人に育まれ

■一分季語ウンチク  凩
この漢字一字で「こがらし」と読む場合もあれば
木に枯れると書いて「木枯」と
二文字で表記する場合もあります。
冬の訪れを告げる寒く厳しく吹き付けてくる
冷たい風、木も枯らすばかりの冷たい風です。
この「凩」は非常に俳人心を
刺激する季語でもありまして
歳時記を見ると錚々(そうそう)たる例句が
たくさん並んでいます。
その中でも芥川龍之介の
「木枯らしや目刺しに残る海の色」
なんかの句はとても有名です。
「凩」という季語は情報量を含んだ季語でもあり
立ったこの一字によって冷たさ、厳しさ
その風の吹きつけてくる強さなんかも
伝わってくる季語です。
うっかり俳句初心者なんかだと
「凩が吹く」とか「ピューピュー」とか
そんなベタなところやってしまいそうな
恐ろしさもあります。

■夏井いつき俳句チャンネル
【添削】プレバト!!ではすごい考えて添削をしている?

助詞の解説
時雨るるやジュニアシートで待つポテト   藤本敏史
おぼろ夜や荷馬車で眠る象使い   藤本敏史

米洗ふ前蛍の二つ三つ
(へ、をではなく「で」比較)

場所を示す助詞 で 活動の場所 動作 飛んでいる
        に 持続行為の行われる場所 存在 静 止まっている

荷馬車で眠る ⇨ 荷馬車に眠る
ジュニアシートで ⇨ ジュニアシートに 待つは静的な動作だから

2022年12月6日火曜日

題「イベント」

冬の夜独りで食べるチョコレート
カピバラと柚子の共演露天風呂
冬日和近くて遠きわが心
冬の雲街のリビング丸の内
北窓塞ぐ黄昏は憧れへ

NHK短歌 題 イベント
選者 栗木京子 レギュラー 元髙克樹 矢花黎 
司会 小沢一敬

■冒頭の短歌
ベルリンの壁崩壊し二十年チョコの壁割るイベント見たり
栗木京子

強い意思を表す
(例)~だ ~ではない ~するぞ
状況説明をする部分をいかに抑えるかが大事

■Lesson1
強い意思を表す
もう二度とこんなに多くのダンボールを切ることはない最後の文化祭
小島なお

■Lesson2
視聴者のエピソードを短歌に
汗滲む鉢巻そっと締め直しカメラ片手に君へと走る
元髙克樹

心臓が飛び出しそうな私など知る由もなし君との写真
矢花黎

体育祭忘れることない片思いこの先誰かに恋したとしても
小沢一敬 添削
忘れない体育祭の片思いこの先誰かと恋に落ちても

■入選歌紹介 テーマ イベント
吟行を兼ねる短歌のイベントに遊覧者で皆指を折る
中谷眞理
ドーランで顔を白くし友達と河原町まで歩いたハロウィン
酒井柚秋(ゆずき)
会場を埋める人波想像する祭り前夜の役場のデスク
イトウカンタ
ペンライト緑つくかと確認し明日は彼らと初めての地へ
石井七海(なつみ)
ギター弾く君が浴びてる歓声に粉れて呼び捨てするよ今日だけ
藤原はるか
💮秋晴れのクラシックカーフェスタへと令和の車が列を成したり
水沢穂波

■NHK短歌×らじらーSATURDAY コラボ企画
あなたも短歌侍 ベスト3発表 テーマ 幸せ

元髙克樹の上の句
つけ麺を覆い尽くしたトッピング

3位
部活後の胃はブラックホール   川越羽流(はる)
2位
明日この子を寮まで送る   ふるのさわ
大賞
見てるあなたが私のカロリー   石田萌
番外編
ラー油にうずら自家製チャーシュー   菅田琳寧(りんねい)
行列耐えた先のオアシス   佐々木大光(たいこう)

矢花黎の上の句
眠い目をこすりながらも家を出る

3位
洗面所から父の遠吠え   早川和博
2位
ポーロッポーポうお座が一位   相内あみ
大賞
チャリで帰れぬとこへ飛び発つ   サザナミインコ
番外編
頂点取りに「いってらっしゃい」   菅田琳寧
オレンジロード子供が笑う   佐々木大光

■短歌対決!
泣き叫び震える母の手を父が握りしめた日僕の誕生日
元髙克樹 添削
泣き叫び震える母の手を父が握りしめた日僕が生まれた

リハの後作業進めるデスクでも僕にとってはステージなのだ
矢花黎 添削
リハの後作業進めるデスクこそ僕にとってはオンステージだ

頑張った通信簿見せる食卓で褒められるまで箸は持たない
小沢一敬

2022年12月5日月曜日

兼題「狸」

冴える星マッキンゼーに物申す
冬ぬくし果蔬涅槃図(かそねはんず)に見る成仏(じょうぶつ)
軋む声つくり笑顔の霜夜かな
冬の陽やあたためらるる背と心
独り食ぶ納豆汁の熱きこと

NHK俳句 兼題 狸
選者 髙柳克弘 ゲスト パンク町田 司会 武井壮

■冒頭の俳句
子と待つや檻(おり)の狸の腹鼓(はらつづみ)
高柳克弘

テーマ 俳句と映像
冬の季語 狸罠(たぬきわな) 狸汁 狸狩(たぬきがり)

狸汁座中の一人ふと消えぬ   佐藤紅緑(こうろく)

洗熊(あらいぐま)里を求めて狸霧中(たぬきむちゅう)   パンク町田

■入選九句 兼題「狸」
切手買ふ狸の町の郵便局   近藤恵美子
まんまるがつぼまってこの狸穴   馬場ひろみ
駐在の逃げ腰見抜き狸の子   田中由紀子
夜に弾む缶ぽっくりは狸かな   橘美和
💮狸住む校庭に花いちもんめ   平井修一
武井そこに雪あるかに歩く狸かな   佐藤研哉
パンクぢいちゃんの狸のはなし椹(さわら)風呂   梁田(やなだ)輝子
狸供養して県道のパトロール   佐藤茂之
木々に天狭く狸の道案内   田中勲

■お題動画で一句
海ゆけば小舟のごとき狸かな   武井壮

身震いに水溜まり出来濡れ狸   高柳克弘

2022年12月4日日曜日

サイエンスZERO「エアロゾル」

冬に逝く鳥インフルのこうのとり
冬の雲カメラ目線のツキノワグマ
冬の星ポジション取りの巧い人
動機あり実行集合深雪晴(みゆきばれ)
隙間風佳き経験は忘れけり

■サイエンスZERO
エアロゾルとは空気中を漂う小さなほこり
異常気象を予測するカギとなるかもしれないらしい。
エアロゾルは雲の芯となる。

霾(つちふる)やからくれなゐの日を溶かし   風慈音
(季語は霾 黄砂のこと)
声のなき粒子の集ふ秋の空   ギル

雲粒を並べて秋の見本帖   夏井いつき

好物はおしろい春の雲ふえる   片野瑞木
雪は色失ふ刹那(せつな)たなごころ   浦野紗知
理科室の秋思を雲にする実験   高尾里甫
(季語 秋思 秋の頃の物思い)
星のくず燃えて溶け込み幾千里   足立光司
エアロゾルの溢るる泪流れ星   葦屋蛙城
(季語 流れ星 秋)
霾(つちふる)やからくれなゐの日を溶かし   風慈音
(季語 霾 春 黄砂 
 太陽に光は空気の分子やエアロゾロで散乱される。
エアロゾルが多いともっと強く太陽が真っ赤になる。)
数時間生きた粒子や夏怒涛   そまり
街を雹雲は孤独の集合体   いさな歌鈴
(季語 雹 夏)
野を焼きて草木虫のエアロゾル   けーい○
柚子のこのしぶきのつぶにあるうしは   古瀬まさあき
なにもかもあなた任せの秋の雲   Early Bird
満月が赤銅色になる不思議   いとみ
ひとりなのいつしよにはるのくもにならう   青海也諸

漂へるものに秋冷とびつきぬ   夏井いつき

井上咲楽!うるさすぎ!耳が痛い!
二度と使わないで欲しい!

■夏井いつき俳句チャンネル より
【謝罪】北山くん、ごめんね。
ポロポロと食べ放題だ雪あられ   北山宏光(初登場)

サングラス外して対す海の青   横尾渉
高めから紫陽花覘く俺634(むさし)   北山宏光(2回目)

Kis My-Ft2のプレバトの出演は北山宏光君が最初でした。

2022年12月3日土曜日

カラオケで一句

振り抜いた堂安決めん同点弾(無季句)
諦めぬ三苫と田中の止めかな(無季句)
冬の靄(もや)判断下すホークアイ
最前線を前田奔走冬日和
森保の支配的中冬青空

プレバト纏め 2022年12月1日
カラオケで一句

永世名人 富美男のお手本
梅沢富美男
榾(ほた)の宿主十八番の夢芝居
添削(榾とは囲炉裏やかまどの薪のこと。画角が緩(ゆる)い。)
くべて主十八番は「夢芝居」
くべて十八番といふを唸り出す

永世名人 村上のお手本
村上健志
暖房や(間奏約30秒) 
添削(「約」を削り季語に情報を入れると面白みが増す。)
暖房が熱い(間奏30秒)

永世名人への道
千原ジュニア
カラオケの二番の途中コート脱ぐ
(強いリアリティーがある。季語「コート」を主役に立てている。)

1位 村上佳菜子
忘年会1人のためにラブソングを
添削(「を」は気持ちを強調している。作者の意図を尊重。)
忘年会人のためにラブソングを

2位 山口もえ
初雪やこの恋届け歌にのせ
添削(「よ」で詠嘆を重ねる。)
初雪に歌うよこの恋よ届け

3位 徳光和夫
指先に沈む夕陽やママの冬
添削(沈まない夕日はない。
   スナックのママである事を詠み込む。)
「再会」を絶唱ママの冬夕陽
「再会」を絶唱ママの冬夕焼

4位 那須川天心
ひと晩で忘れるからOK年の暮れ
添削(添削しようにも季語以外の材料がなさ過ぎ。)
忘年会

次回のお題は「たい焼き」

2022年12月2日金曜日

女の一生&人生とは?&名言

一体化できるや否や冬の陣
チューニング点も線をも波とする(無季句)
木の天辺で鳴く笹鳴(ささなき)やじゃっじゃっじゃ
ヤマガラや雨の止み間の枯野かな
雨に濡れ輝くもみじきらっきら

■女の一生
二十代は美しく
三十代は強く
四十代は賢く
五十代は豊かに
六十代は健康に
七十代はしなやかに
八十代はつややかに
九十代は愛らしく
そしていぶし銀のように
美しい百歳へ

■人生とは…。
心、更に、答ふる事、無し。「方丈記」
(生きる意味はとうとうみつからなかった。方丈記の結論)

一人(いちにん)の主にも逢わなかった。森鴎外「妄想」

遍(へ)歴(めぐ)りていづくにか行く
わが魂(たま)ぞはやも三十(みそじ)に近しといふを
中島敦「遍歴」

読書だけでは人生の真実には辿り着けない。
というのが結論。

■名言
アラン 曰く
「我々は、今だけ耐え忍べばよい。
 過去はもうないし、
 未来はまだないのだから。」

スティーブ・ジョブズ 曰く
「過去を振り向いてばかりではダメだ。
 自分がこれまで何をして
 これまでに誰だったのかを受け止めた上で、
 それを捨てればいい。」

ロングフェロー 曰く
「感情は深く静まっている。
 表面に浮かぶことばは、
 怒りのかくされている場所を教える
 浮標である。」

2022年12月1日木曜日

よみ旅!In岩手(後編)&納豆

そちこち破壊神仏分離しぐれ月
冬凪や象に腰掛け仏さま
懸命に命生ききる帰り花
冬の陽や一番乗りの駐車場
十分の冬空遙か逆さ虹

■夏井いつきのよみ旅!In岩手(後編)

秋空に白球とどろくホームラン   野球少年A の父
秋の風追い風のって伸びる球   野球少年B

子等の分人畝(ひとうね)増やし大根まく   小野伊豫(いよ)
鰯雲たばこ休みのカレーパン   髙橋まゆみ
秋風に揺れるササラは稲穂かな   菊池浩之
秋の暮れ思いもつまるタンスかな   及川洋
未知探し遠くに望む天の川   酒井大裕
晩秋も人手不足のハンバーガー屋   菊池良太

聞かない耳を持て   ROLAND
(知りすぎないことが個性を持つ方法)

秋夕焼け工事だらけの陸奥よ   鈴木萌晏(もあ)

■一分季語ウンチク 納豆
塩辛納豆と呼ばれる種類のものが
冬の季語にあたります。
この塩辛納豆と言うのは
蒸した大豆に麹黴とつけ
発行させて作るやり方になります。
「納豆を作る」という夏の季語もありますが
夏に麹黴をつけて作った納豆
仕上がってくるのが3~4カ月後にあたる
この冬になります。
この乾燥させて作るタイプの「納豆」
大徳寺納豆や寺納豆などと呼ばれるようです。
かつては寺院で作られていたことから
この名前がついたようです。