2020年5月12日火曜日

蝶語三十句 上

倍音を 耳に残して 淹れる古茶
筋肉が 贅肉となり 夏きざす 
とくし丸 需要に応え 夏の街
夏めく日 体の中に 宇宙あり
夏の山 すみれ手折って 新聞紙

夏井いつき先生の俳句

蝶語三十句 上

ある日…
蝶の言葉が分かる自分に気づいた。
俳句という「聞き耳頭巾」が
聴きとった蝶たちの言葉。

重力を離るるさびしさに蝶は
ちゅるちゅると螺旋えがきて蝶の息
ここでもないわここでもないわとつぶやく蝶
蝶はいじわるなずなを蹴ってシカトして
この羽に飽きたる蝶のぶっきらぼう
太陽の恐ろし蝶の口恐ろし
複眼のひとつは暗し蝶の黙
蝶の羽たたむにしずかなる力
瞑目やひたりと合わす蝶の羽
蝶を呼ぶ笛ひんやりと手のなかに
耳盲(みみしい)となりたる蝶の華やかに
おろおろと蝶のまひるを歌いけり
飛ぶのは痛い飛ぶのは痛い蝶の羽
海風にさらして蝶の生殖器
蝶は蝶に身を打ちつける永久(とこしなえ)

出典:

夏井いつき先生!ありがとうございました。
自分の中で反芻したく存じます。
きっと、間違った解釈が多々あると思いますが…。
先生の解説を早く伺いたいです。


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