過ぎる夏 手繰りたいのに 手繰れない
夏の宵 生きる力は うわの空
走れまい 歩けないのに 走馬灯
目を伏せて 耳を澄ませて 夏の夜
プレバト纏め 2019年7月4日
梅雨明けの銀座で一句
永世名人への道
フルーツポンチ 村上健志
エルメスの 騎士像 翳りゆき驟雨
(「翳りゆき」とすることで、
短い時間を映像として描写しているのが特徴。
「き」で時間が滑らかに季語に流れ込んでいく。
短い時間の映像・距離・皮膚感、全部伝えている。)
特待生昇格試験
立川志らく
梅雨明けや モジリアーニの 歩く街
(季語「梅雨明け」と比喩「モジリアーニの歩く街」
の取り合わせが絶妙な距離感。
都会のお洒落な感じと都会の憂鬱な表情にも読める。
イメージの距離感が巧く表現できている。
字面と表現したかった内容が一致している。)
1位 小藪千豊
畳まれる マダムの日傘 三越前
(語順が良い。銀座と表現せず銀座を連想させている。)
2位 前田吟
銀ぶらや 踏まれし靴と 麻のシャツ
⇩(軽やかな一句。
「麻シャツと」韻を踏むことで「と」のリズムができ、
先にまだ出来事があるような感じが出てくる。
「ぶら」に関しては私的には
「ぶら」の方が良いのでは?と思いました。)
銀ブラや 踏まれし靴と 麻シャツと
3位 有村藍里
銀座での 買い物終わり 夕凪へ
⇩(比喩であることを明確に!
季語夕凪を比喩として、そのまま使うと誤解される。)
買い物終わる 銀座は 夕凪のごとく
4位 志尊淳
雲の峰 見上げ飲み干す 大ジョッキ
⇩(散文的。「見上げ」は要らない。
「まぶし」を入れることで「ガラス」と響き合う。
乾杯にし「掲(かか)ぐる」だと乾杯が映像として見える。
「まぶし」とジョッキが一致する。
雲の峰まぶし 掲ぐる 大ジョッキ
5位 グローバー
夏服に 腹出る四十と なりにけり
⇩(普通の文章の語順。「腹出る」と言わなくても表現できる。
「や」で強調することで映像の腹のアップとなる。)
夏服の 腹や四十と なりにける
さすが!吉本新喜劇の座長だけの事はありますね。
小藪千豊さんが最後に吐いた言葉に感動!
「イラ立ちと感心って共存するんやな!」
今後の作品が楽しみでなりません。
今回の村上健志さんの俳句も本当に素晴らしかった!
ゾーンに入っているとご本人が言われていましたが、
間違いないと思います。本物だと思います。
タレントというより俳人と名乗った方が
宜しいのでは?と思いました。
来週のお題は「夏の日光」
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